ある晴れた日、今日は学校は休みの日で、遊一は今日一日中寝ることを誓っていた。
遊一は二段ベッドの一番下の段で寝ているので、さっそく起きてベッドメーキングをし、タンスの中から布団一式を取り出し、布団を敷き、寝ようとしたが室内にある精霊界行きのドアがノックされ、声が聞こえる。
精霊界行きのドアとは、名前そのままの精霊界に簡単に行けるドアである。このドアは精霊が視認できる者には見えるだけで、開けることはできない。だが、精霊の実体化、カードの実体化が可能な遊一や力が強い十代などはドアを開けることができ、さらにそのまま精霊界に行けるのだ。
故にそのドアをノックするのは、カードの精霊以外いるわけがないのだ。
「マスター、遊ましょう!」
遊一はノックしたのは誰なのか、わかっているが、相手にしたくないので、布団から出て、ドアの向こうにいる精霊に一言。
「帰れ」
遊一はそう言って、布団の中に入り込むが……布団に足を入れた際に、何かが当たった。
遊一は「?」と頭を傾げた。
最初は藤原雪乃かと思ったが、現在彼女は度重なる女子寮からの脱走と男子寮であるレッド寮への侵入をしたため、自室謹慎とレッド寮への侵入禁止を先生に言い渡されたと本人と委員長から聞いていたので、来れるはずがない。
じゃあ、誰だ?と思いながら、布団を捲ると……。
「マスターの生足、はぁはぁ」
変態がいた。
「……何やってんの、ライナ」
「あ、マスター、おはようございます」
光霊使いのライナはいい笑顔で挨拶をしながら、遊一のパジャマを捲り、露出した足に自分の頬を擦り付けていた。
「おはよう……で、何してんだい?」
「マスターの生足を堪能してます‼」
趣味
マスターである小波遊一の体温、体液などを堪能すること。
好物
マスターの体液。
遊一がいつも通りのライナに呆れていると、さりげなく紹介した精霊界行きのドアが開き、何人かが部屋に入ってきた。
「マスター、結婚しましょう!」
好きな人
マスター
嫌いな人
マスターに近づく女
「ふ、このダークフレイムマスターのダルク様が来てやったぞ!」
好きな漫画
中二病全開物
嫌いな漫画
リアリティがありすぎる漫画
「マスター、お腹空いた」
好きなこと
食べること
目標
マスターを性的な意味で食べること。
「マスター、冬コミの原稿ができましたよ!」
好きな状況
マスターが男性の誰かを押し倒してる状況
やりたいこと
ダルクを女装させること
「おはよう、マスター」
将来の夢
マスターのお嫁さんになるこて
現在目標
マスターと手を繋ぎたい
「……俺の休みが」
願い
平和にすごしたい
願いが叶うなら
平和にすごしたい
能力
精霊の実体化
カードの実体化
面倒事に巻き込まれる
「で、なんだよ、お前ら」
遊一は寝るのを諦めて、タンスのなかで制服に着替えたあと、布団を畳んでいた。
「遊びにきました」
「いつも、来てるだろ」
と言っても、霊使い達が全員集まるのは、かなり久しぶりである。
基本、霊使いで来るのはウィンかエリア、ライナの三人ぐらいで残りの三人は忙しいらしい……ウィン達も忙しいはずなのだが、結構来ている。
「まずは子作りという遊びから」
「よし、エリア帰れ」
「じゃあ、マスターの息子から出るミルクを採取」
「ライナも帰っていいぞ。あとウィン、人のお菓子を勝手に食うな」
平常運転の二人にいつも通りの対応をする遊一。
ウィンはそれを見ながら、勝手に遊一のお菓子を食べていた。
「マトモな意見はないのか?」
「はい!」
ビシッと手をあげたのはアウスだった。
遊一は嫌な予感がしたが、アウスに答えていいよと小さく呟きながら、胸が成長しないウィンからお菓子を取り上げる。
「マスターがダルク君を押し倒せばいいと思います!」
「よし、死ね」
「酷い!」
涙目でアウスが何か訴え始めたが、遊一はまったく気にせず、次の意見を聞くことにした。
「じゃ〜、ウィン」
「お腹空いた」
「今さっき、俺のお菓子貯蔵庫にあったお菓子を結構食ったよね」
「ご飯は別腹」
どうだ、反論できまいとドヤ顔をするウィン。
ドヤ顔をするウィンに遊一は呆れたようなため息をついたあと、ダルクの方を向きながら言った。
「それ言うなら、甘いものな……次、ダルク」
「ふ……僕は群れるのは嫌いだ」
「黙れ、コミュ障の中二病」
頭が弱いダルクを無視して、遊一は最後の希望であるヒータを見た。
ヒータは見つめてくる遊一の視線に照れながら
「えっ……と、マスターがやりたいことをやれば?」
「……寝たい」
「せま⁉」
現在七人で雑魚寝をしている。
結局寝ることになったが、霊使い達は帰ると言わず、一緒に寝たいとか言い出した。
最初は却下しまくったが、あまりにもしつこいので、俺が折れることにした。
その際、ライナとエリアは俺の隣は駄目だといい、俺の隣にはウィンとヒータが寝ることになり、その横にライナ、エリアとなり、最後はアウス、ダルクという順番になり、当たり前だが俺が真ん中になった。
「文句言わない、マスター」
「そ、そうだよ、マスター」
と俺に近寄ってくるウィンとヒータ……ヒータの後ろから俺を睨んでいるエリアが物凄く怖いんだけど。
「マスター……」
「はい」
「浮気したら……四肢切りますから」
ごめん、意味わかんない。
「マスター、いつでも襲っていいですよ!」
「お前、耳がわる……いや、悪いのは頭か」
ライナさん、ライナさん。
エリアさんから先程四肢切りますからと脅されたばかりなのに、襲う馬鹿は居ませんよ。
「なら、ダルク君を」
「黙って、寝ろ」
発酵してないで寝なさい。
「くっくくく、今からドリームランドに旅立つのか……」
それ中二病のつもりで言ってるのなら良いけど、クトゥルフ神話関係なら許さんぞ、ダルク。
「はいはい、ねーまーしょーねー」
パンパンと手を叩き、寝るために目を閉じる……一応、和睦の使者とかグラビティエリア発動しよう。
全員が布団に入り、目を閉じたのを確認……寝よ。
「おやすみ」
「「「「「「おやすみなさい、マスター」」」」」」
遊一達が寝付いて、しばらくすると精霊界行きのドアが開き、そこからデミスとルインが現れる。
「ほぅ……微笑ましいな」
デミスが遊一達が雑魚寝しているのに気づいた。もっとも最初の位置どりではなく、霊使い達全員が遊一に密着していた。
ウィンとヒータは腕に、ライナとエリアはお腹のあたりに、アウスとダルクは足に引っ付いていた。
デミスはそれを微笑ましそうに見ていた……遊一のうなされている表情は無視して。
「出直すか」
「そうですね」
デミスとルインは音を立てないように、ドアに戻って行く。
「おやすみ、我が主」
デミスはそう呟くと静かにドアを閉めた。
そして、翌日。
「これより、小波遊一の制裁デュエルを行う!」
「……ふぁ?」
起きるとすでに一日がすぎていたが、遊一は気にせず、朝食を取り学校に向かう途中、いきなり現れた風紀委員会に拘束され、気づいたら、デュエルフィールドに立っていた。
「ふぁ?」
状況についていけない遊一はただ「ふぁ?」と繰り返していた。
「小波遊一は一昨日の夜、無断で夜間をうろつき、それを注意したブルー寮の生徒にいちゃもんをつけ、彼らに不利な状況でデュエルを挑んだ!」
「へ?」
「よって、只今より小波遊一と遊城十代の個別制裁デュエルを行う!
遊城十代の相手はプロデュエリストのダイナソー竜崎!
小波遊一の相手はプロデュエリストのインセクター羽蛾となる!」
「ちょ、ま、ま」
ようやく事態についてきた遊一は異議を申し立てをしようとしたが、無視をされ、デュエルディスクが強制起動する。
「この僕が相手とは……ついてないね……君」
「……」
ふざけんなよ……何がいちゃもんつけた……だ。
「ん、どうした、怖いのか?」
何が制裁デュエルだ……。
「……ぶ」
「ぶ?」
「ぶち殺す‼」
「「「ひぃぃぃぃ‼」」」
今まで見たことのない遊一の凶悪な笑みに会場中が悲鳴をあげた。
「さぁ、デュエルだぁぁぁぁ‼」
「ひぃぃ、で、でゅえる〜」
ブルーのクソ共の前にてめぇを血祭りにあげてやらぁ‼
後攻小波遊一VS先攻インセクター羽蛾
通常デュエル
LP4000
「デュエル‼」
「で、デュエル⁉」
1ターン目 羽蛾
さぁ、来い!ぶち殺す!
「……くひひ、僕はモンスターをセット、カードをセット、ターンエンド」
インセクター羽蛾
LP4000
手札3
モンスター セット×1
魔法、罠 セット×2
2ターン目 小波遊一
……終わりかよ。
「俺のターン、ドロー」
あ、終わった。
「くっくく、来るがいい」
「じゃ、手札から”ハリケーン”」
「へ?」
”ハリケーン”
通常魔法(制限カード)
フィールド上の魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻す。
ハリケーンとは、大西洋などで発生する熱帯低気圧の中で、最大風速が毎時64ノット(74マイル,119km)以上のものを指す。
簡単に言えば、危ない。
「あぁ、僕のミラフェが激流葬がぁぁぁ〜」
「知るか!俺は手札から”サイバー・ドラゴン”を特殊召喚‼」
「「「……は?」」」
会場にいた全員が遊一が言ったカードの名前に驚いた。
”サイバー・ドラゴン”
効果モンスター
星5/光属性/機械族/攻2100/守1600
相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
遊一の場に現れたのは、紛れもない現デュエルアカデミア最強のカイザー亮が使うエースカードのモンスター”サイバー・ドラゴン”だった。
「さらに”マシンナーズ・ギアフレーム”を召喚!効果により、”マシンナーズ・フォートレス”をサーチ!
”マシンナーズ・フォートレス”の効果発動!
手札の”パーフェクト機械王”を墓地に送り、”マシンナーズ・フォートレス”を特殊召喚‼
まだだ、手札から”死者蘇生”発動、これにより”パーフェクト機械王”を特殊召喚!
さらにパーフェクト機械王の効果により、攻撃力は1500UP‼」
”マシンナーズ・ギアフレーム”
ユニオンモンスター
星4/地属性/機械族/攻1800/守 0
このカードが召喚に成功した時、自分のデッキから「マシンナーズ・ギアフレーム」以外の「マシンナーズ」と名のついたモンスター1体を手札に加える事ができる。
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に装備カード扱いとして
自分フィールド上の機械族モンスターに装備、または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
(1体のモンスターが装備できるユニオンは1枚まで。
装備モンスターが破壊される場合、代わりにこのカードを破壊する。)
”マシンナーズ・フォートレス”
効果モンスター
星7/地属性/機械族/攻2500/守1600
このカードは手札の機械族モンスターをレベルの合計が8以上になるように捨てて、手札または墓地から特殊召喚する事ができる。
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、相手フィールド上に存在するカード1枚を選択して破壊する。
また、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードが相手の効果モンスターの効果の対象になった時、相手の手札を確認して1枚捨てる。
”パーフェクト機械王”
効果モンスター
星8/地属性/機械族/攻2700/守1500
フィールド上に存在するこのカード以外の機械族モンスター1体につき、このカードの攻撃力は500ポイントアップする。
パーフェクト機械王 攻4200(2700+1500)
サイバー・ドラゴン 攻2100
マシンナーズ・フォートレス 攻2500
マシンナーズ・ギアフレーム 攻1800
「よ、4200〜⁉」
羽蛾はパーフェクト機械王のデタラメな攻撃力に驚愕し、亮は興奮した。
だが、今の遊一にとって、どうでも良かったし、まだこの攻撃力は可愛い方だと常々思っているからだ。
「さらに手札から”強欲な壺”発動!二枚ドロー……ギアフレームはユニオンモンスターだ、効果によりフォートレスに装備……これにより、パーフェクト機械王の攻撃力は下がるが、気にしないでバトル‼」
パーフェクト機械王 攻4200-500=3700
ギアフレームは変形し、フォートレスの身体にドッキングし、フォートレスの身体に新たにレールガンとシールドが追加される。
「フォートレスでセットモンスターに攻撃、フォートレスキャノン!」
フォートレスは狙いを定め、セットモンスターを自慢の主砲で撃ち抜く。
セットモンスター ”進化の繭”
フォートレス 攻2500VS進化の繭 守2000
セットされていた進化の繭は簡単に撃ち抜かれ、後続のパーフェクト機械王達の道を開けた。
だが、遊一はさらに追撃をする。
「ユニオンモンスターを装備したフォートレスが戦闘を行ったあと、速攻魔法発動、”コンビネーション・アタック”‼」
”コンビネーション・アタック”
速攻魔法
ユニオンモンスターを装備したモンスターが戦闘を行ったバトルフェイズ時のみ発動する事ができる。
ユニオンモンスターを装備して戦闘を行ったモンスター1体を選択し、装備されたユニオンを解除する。
選択したモンスターはこのターンもう1度攻撃する事ができる。
「これにより、フォートレスとギアフレームで追加攻撃できる‼
さらに、機械族が増えたことにより、パーフェクト機械王の攻撃力はUPだ‼」
「ひ、ひぃぃぃ⁉」
パーフェクト機械王は無防備な
羽蛾は目の前にいるオーバーキル確定のパーフェクト機械王達に恐怖して失禁しそうになっていた。
「……さて、チェックメイトだ」
「ま、待って⁉」
「ふむ、そうだ……問題だ」
「へ?」
「当たったら、1ターン待ってやる」
「本当か⁉」
羽蛾にとって、この上ない話だった。何故なら、羽蛾の手札には”ブラックホール”が握られ、さらに”死者蘇生”まであるからだ。
次のターンで逆転するのには容易だったし、相手の問題によっては簡単だ。
「あぁ、では……問題です。
次に私は何をするでしょうか?」
羽蛾は勝ったと笑った。
「簡単だ「お前は、ダイレクトアタックに決まっている。という」
ダイレクトアタックに決まっている……ハッ⁉」
遊一はニヤリと意地の悪い笑みを浮かべる。
それを見た羽蛾はしまった‼と思った……いくら、何でも問題が簡単すぎたのだ。
羽蛾はそれを不自然とは思わずに答えてしまった。
「おしい……ダイレクトアタックは正解だが、その前に速攻魔法”リミッター解除”発☆動!」
パーフェクト機械王 攻8400(2700+1500×2)
サイバー・ドラゴン 攻4200(2100×2)
マシンナーズ・フォートレス 攻5000(2500×2)
マシンナーズ・ギアフレーム 攻2600(1800×2)
「ひぃぃぃ、お助けぇ‼」
「い☆や☆だ」
遊一は冷酷に嘲笑しながら、パーフェクト機械王達に残酷な命令を下す。
「全軍一斉攻撃」
羽蛾 LP4000-8400-5000-4200-2600=-16200
ダメージ総数20200
LP8000なら約二倍
LP4000なら約五倍
のオーバーキル
「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ‼」
パーフェクト機械王達の一斉攻撃が全て当たり、煙があがる……しばらくすると、煙が晴れるとそこには何処かの飲茶みたいながやられたときみたいなポーズをし、失禁し、顔面蒼白で口から泡を吹き出している羽蛾だった物が横たわっていた。
「……勝者、小波遊一」
審判をしていた先生は圧倒的な
それを聞いた遊一はニヤリと笑いながら、一昨日のブルーの生徒を見て、小さく呟いた。
「次は……テメェら、だ」
「「「「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ‼」」」」
彼らに遊一が何を呟いたかは聞こえるはずもないが、彼らは遊一が何を言ったのかを本能的に理解し、叫び、失禁し、脱糞し、その顔に涙と鼻水を垂らしながら、その場から逃げるように走り去った。
それを見た遊一はニヤニヤと笑いながら、何処かへと歩いて行った……皆、理解している遊一がブルーの彼らを追うことを……だが、誰も止めなかった。
何故なら、仮に止めたら、顔面蒼白になり口から泡を吹き出している羽蛾のようになってしまうと誰もが思ったからだ。
遊一の後に控えていた十代も、いつもよりニヤニヤと笑う遊一に声をかけることができなかったそうな。
その後、十代VSダイナソー竜崎の制裁デュエルが始まり、皆が先程のデュエルを忘れるかのように、制裁デュエルに熱中した。
そして、十代がダイナソー竜崎に勝利し、いつもの「ガッチャ!」を言おうとしたときである。
「「「「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ‼」」」」
先程のブルーの生徒達であろう、断末魔が会場にまで届き、その場は静まり返ったあと、皆先程のデュエルを思い出し、先生はさっさと勝者である十代の名前を叫ぶと我先にと逃げ出した。逃げ出す先生を見て、先程の断末魔を理解した生徒、先生、十代、ダイナソー竜崎達も悲鳴をあげながら、会場を後にした。
後日談だが、この日の後、インセクター羽蛾は不調しが続く、特に機械族モンスターを見ると発狂したらしい。そして、デュエルアカデミアの制裁デュエルから三ヶ月後、プロを引退し、今は精神病院に通っているらしい。
また、ブルー寮の彼らだが、制裁デュエル後、行方不明になり、制裁デュエルから三日後、デュエルアカデミアにある飼育小屋の隅でガダガタと膝を抱え震えている彼らを飼育小屋を担当していたツァンが発見。
見つかった彼らに生気はなく、顔面蒼白で髪は白髪になり、ブツブツと「あいつがくる、あいつがくる」や「窓に窓にぃ」と呟き続けた後、自主退学。
今は羽蛾が通っている精神病院の窓もテレビも何もない病室で、膝を抱え、ガダガタと震えているらしい。
そして、遊一は異名である”第六天魔王”という称号をデュエルアカデミア全生徒に刻み、さらにプロの世界までその名は轟かせたという。