一度書ききっても、なんか違うんだよなぁとやり直したり
まぁそれが遅くなる言い訳にはならないのですが
遅れました、すいません
今更人里に戻っても、何があったか根掘り葉掘り聞かれた挙句、その身にあるものを見られ煙たがられるか、何かしらの関係がある博麗の巫女の下に連れられるか。他は別に構わないが、博麗の巫女の下に行くのは、少し不味い。恐らく、そこにいる間に、妖夢か幽々子のどちらか、或いは両方とも訪ねてくるだろう。それは精神的にあまりよろしくない。
小間使いは、白玉楼から無言で去っていた。
その切っ掛けは妖夢の告白ではない、元々、いずれは白玉楼からは姿を消す気でいたのだ。いや、去る時を決めたのがその告白によって決めたのだから、ある意味切っ掛けにはなっているのか。妖夢の気持ちを考えると、酷いことをしたと心苦しいが、あのまま居ついていても気まずくなるだけだろう。だから敢えて消えることで、その罪を独りで被ることにしたのだが。
正直、記憶が戻る手がかりを失うことは惜しいが、八ヵ月の間問題なかったのだから、別に今更取り戻さなくてもいいだろう。
「お願いを聞いていただいてありがとうございます、
「気にすることはないわ。貴方の気持ちも理解できますもの。それで、これからどうするの?」
「取りあえず、どこか誰も人が訪れない場所へ行きます。探されても見つからないように。見つかればこうした意味がありませんからね」
「なら選択肢は三つね」
一つ、人里から離れた地にある、迷いの竹林。そこにいる案内人に導かれて永遠亭という所。そこにはどんな怪我や病をも治す医者がいると言われ、人里からたまに怪我人か病人がやってくる。しかしそれは稀で、そこにいくまでに妖怪に襲われたりでひと月に一度、来るか来ないかだ。それ故にその竹林を網羅しない限りは、出ることも不可能となってしまう。
一つ、妖怪の山にある河童の集落。時折外の世界から漂流してきたガラクタを組み合わせて、何かわからない物を作りだす技術屋、メカニックである。人とは仲良くなりたいと思っている。妖怪の山にあるので、人も立ち入らないのだが、そもそもそこにたどり着くまでに天狗と会わないかが問題である。彼らはあまり人と仲良くすることを良しと思わないし、河童よりも格上の妖怪なので、姿を見られるだけでどうなるか保障ができない。
一つ、太陽の畑。幻想郷の奥地にあり、なかなか見つけにくい場所で、四季折々の花が咲き乱れている。秘境故に見つけることも難しい。たまに妖精が侵入してくることがあるが、それ以外で誰かと関わることは皆無。身を隠すという意味では一番だが、その太陽の畑の主である大妖怪が気性が荒い。好戦的なため、彼女とのファーストコンタクトを失敗すれば終わる。
「他の場所を選ぶのも自由だけど、間違いなく死ぬわ。」
「せっかく教えていただいたのですから、それを無下にするつもりはありませんが……どれも一長一短ですね」
「まぁ後は好きになさいな。私がするのはここまでです」
「はい。どうもありがとうございました」
そう言って紫はスキマの中へと消えていった。
「さて、どこに行こうか。できれば向かった先にいて欲しいな──
──運命の人」
とりあえずは気の向くまま、風の向くまま。
指先を湿らせ風向きを調べ、風の流れる方向へ。
小間使いが白玉楼を去ってから、早数週間、その間に当然霊夢と魔理沙は再び白玉楼へと赴いていた。しかし待っていたのは小間使いではなく、少々元気のない妖夢と幽々子のみ。小間使いがいない理由を問いただせば、書置きも何もなく、ここから消えたという。
それは物理的に不可能な話だ。小間使いは普通の人間で、空を飛ぶ術を持っていない。白玉楼、ひいては冥界からいなくなるには少なくとも空を飛ぶ必要がある。だから小間使いがいなくなることはできない。
いや、そもそもそれならどうやって小間使いは冥界にやってこれた?
「紫が連れてきたのよ、半分死んだ彼を連れて」
そう幽々子が言う。
なるほどと理解する。確かにあの胡散臭いスキマ妖怪なら、そのスキマを通じて下界へ人一人くらい運ぶことくらいは容易いだろう。問題はそうした理由と、紫がどこにいるかだが、そんなもの調べようがない。あいつはいくらでもどこへでもスキマさえ開けば移動できるのだから。
そうして何の手がかりもないまま時は過ぎていった。探す当てがないとなると、当然霊夢としては動くすべがなくなる。博麗の巫女として万事に備えなければならない以上、長い間家を空けるわけにもいかない。それは妖夢も同じで、せいぜい買い物の際に少し、時間を割いて探すくらいか。
そして
「
「そう」
妖夢は週に一度、博麗神社へと赴き、霊夢に小間使いの生存報告をしていた。魂の管理をする白玉楼、そして幽々子がいれば、誰が死んだかくらいは判別できる。その中に小間使いがいないことを報告していた。
霊夢と妖夢。妖夢は霊夢と小間使いの関係を知った。その年月も、どうして小間使いが死んだかも、全てを教えられた。そして霊夢の抱く想いも。霊夢も妖夢と小間使いの関係を知った。出会いも、小間使いが記憶を失くしていることも。そして妖夢の抱く想いも。
ある意味で、霊夢と妖夢は似た者同士。だがその仲は険悪。同じ者を好きになった女だからか、空気は和やかとは言えない。しかし、お互いを認めているからこそ、妖夢は霊夢へと報告し、霊夢は妖夢の報告を素直に受け取っている。
「一体、どこにいるんでしょうか」
「また私の時みたいに、今度は私たちに見つからない場所にいるのよ、きっと」
見渡す限りの花。バラ、アイリス、トルコ桔梗、アマリリス、カスミソウ、シャクヤク、ルピナス、オダマキ、グロキシニア、そして向日葵。分かるだけでもそれだけの花が、視界の端から端まで咲いていた。それだけではない、もっと奥を見渡せば、季節に関係なく様々な花が咲いているだろう。
所謂、そこが太陽の畑と呼ばれる場所だった。秘境と呼ぶには華やかすぎるが、それもまた有無を言わせない壮観な景色の前では、どうでもいいことだろう。まさに花畑と呼ぶべき美しい場所で、その中に一人、日傘を差した女性が花に語り掛けていた。
「あれが八雲様が言っていた彼女、か。すみません、そこのお嬢さん」
髪は緑、白のブラウスに黄色いリボン、赤いチェックの上着とスカートを着た女性は、声をかけた小間使いに気付くと、笑みを浮かべた。
喉元に差していた日傘を突き付け、いつでも潰せるのだと、獰猛な笑みを浮かべて。
「死になさい」
残酷な言葉と共に、その切っ先から無慈悲な波動を放出した。
ゆーかりんは激おこ
「わたしのおなはばたけにはいってくるなー」