仮面ライダースロットル〜転移ノ章〜   作:菊川 数時

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遅れてしまいました、もしかしたらこれから一ヶ月投稿になるかもしれません


第四廻 かつてのモノ

「初めは原点自体見えない虚空と幻想から生まれた」

 

「1971年にすべてが始まった、『昭和』」

 

「そして、今へと繋がっている」

 

「『平成』という名の今に」

 

「平成の一周期の締めくくりは『世界の破壊者』だったように」

 

「また、『平成』は終わろうとしている」

 

「そう、世代交代というやつだ」

 

「しかし、違えてはならない」

 

「『彼』はそれはない、伝わるものは何もない」

 

「正しくは、何も『彼』は受け継がれていないと言う訳だ」

 

「それもそうだ、彼は『騎乗者(ライダー)』では無いのだから」

 

 

 

 

「それでも、アイツは俺らのように進む」

 

 ライドブッカーの引き金を引く音ともに弾丸が発射された。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ほざけっ!!」

 

 姿を改にした九条の啖呵を聞きすぐさま女ランサーは髪をかき揚げ巨大な鎖の塊として叩きつける

 

 それを横に回避し、キャスターと共に走り出す。

 

「喰らえっ!!」

 

 九条がイチゴアームズのアームズウェポンの『イチゴクナイ』をランサーの眼前に投げつける。

 

「無駄ぁ!!」

 

「こっちも構ってくれよ!!同郷!!」

 

 鎌の様な槍でイチゴクナイをはたき落とされた同時に青髪のキャスターがルーン文字を操り豪炎を叩きつける。

 

「ッ!?」

 

 咄嗟のことだったのか直撃を免れぬと察し、右腕をガードに使った。そのお陰で右腕以外は無傷であった。

 

《ロックオン》

 

《イチゴチャージ!!》

 

 しかし、九条はそんなこといざ知らず。無双セイバーにイチゴロックシードをセットし、空中へと巨大なイチゴクナイのエネルギーを飛ばす。

 

「クッ、させるかァっ!!」

 

 それに危機を感じ取ったランサーはそれを撃ち落とそうと鎌を振るう。しかし、イチゴクナイのエネルギーは分裂しイチゴクナイの雨が降り注ぐ

 

「グヮアツツ!!」

 

 さすがのランサーでも直撃は免れなかった様だった。

 

「………やったか?」

 

「いやまだだ、小僧!!」

 

 瞬間、砂煙の中から槍が九条の心臓目掛けて飛んできた。九条は刹那の出来事に対応が追いつかず回避行動が間に合わなかった。

 

「クッ、ちゃんとやれぇ!!」

 

 キャスターの怒号が耳によく響き、九条の体はキャスターが横へとふっ飛ばし強制的に回避させた。しかし、そのせいでキャスターの胸に黒い槍が突き刺さる。

 

「あ、青髪ィィィィィッ!!」

 

「キャスターさん!?」

 

「叫ぶ暇が有るなら、さっさと決めろォ!!」

 

 再びキャスターの怒号がマシュ達に飛ぶ、キャスターの覚悟を察したのか九条はイチゴロックシードを手早くパインロックシードに切り替える。

 

《パインアームズ 粉砕!デストロイ!!》

 

「盾ぇ!!上げろぉ!!」

 

「!、了解!!」

 

 マシュは九条の意図を察し、自身の盾を奔ってくる九条の方に向ける。九条は盾を踏み台に空中へと飛び出した。

 

《パインオーレ!!》

 

 カッティングブレイドを二回振り下ろし、九条は『パインアイアン』を空中で蹴り、バイナップルのエネルギーがランサーたちを拘束する、九条はそのまま蹴りの姿勢に入る。

 

「は、離せ!!」

 

「いや、無理だね。俺でも抜けられないんだからよ」

 

「セイハッーーーーーーーーー!!」

 

 掛け声とともに九条は右足に黄色の果汁の様なエネルギーを纏い、ランサーと激突する。

 

バゴォッンッッッッッ!!!

 

 衝撃とともに爆発が起きる。その中でランサーが穏やかそうに光になるのを藤丸は見ていた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「おい、大丈夫か!!青髪!!」

 

 変身を解いた九条は倒れ伏せるキャスターに駆け寄る。ニヒリと笑うキャスターが九条を待っていた。

 

「ッ!……………おい、シャッキリしろよ!?」

 

 何となく九条は分かってしまった。キャスターが見せた笑顔は幾度も見た逝く前の表情だと言う事に。そうキャスターは九条を庇ったせいで死ぬのだ。

 

「……それはこっちのセリフだぜ坊主、お前がどんなモノだろうがこの先あの譲ちゃんを護らなきゃならないんだぜ。そんなお前が、そんなんじゃ満足に任されねぇよ」

 

「……………分かってるさ、だからこそーー」

 

「それに、俺は英霊だ。また召喚すればまた会えるさ…………。それまで」

 

「任せろ、こんな程度の異変何度クリアしたか………………。ノーコンティニューでクリアしてやるぜ」

 

「それだ、その勢いだ。英霊と負けず劣らずの覚悟だ」

 

「キャスター!!」

 

 

 そこに藤丸たちがやってきた、藤丸はキャスターの様子を見て顔を苦しそうに歪めた。きっとキャスターが長くないことに気づいたのだろう。

 

「譲ちゃん、アンタはこれからこの異変の核と戦うことになる」

 

「あなた、この異変の原因を知ってるの!?」

 

「そうだぜ。奴さん、セイバーは水を得た魚のように暴れまくった。その挙句聖杯を手に入れてこの土地、いやこの世界を聖杯の泥で沈める気だ。そしてそれを止めようとした。ランサー、アーチャー、ライダー、アサシン、バーサーカー、全員が倒され泥に汚染されちまった。結果、さっきのランサーよろしく、暴れまわるようになった」

 

「そのセイバーは、一体?」

 

 息を呑みながらキャスターに問うオルガマリー。

 

「……………聞いたことあるだろ、王の裁定、岩の剣の二振り目。」

 

「それって!!」

 

「そう、最強の幻想。『聖剣エクスカリバー』つまりセイバーは騎士王『アーサー王』さ」

 

 それを聞き、オルガマリーは絶望の表情を浮かべ地面に膝を付ける。

 

「ーーーーそんなの、勝てるわけないじゃない!?!」

 

「でも、やるしかねぇんだ!!」

 

 オルガマリーの嗚咽をかき消すように九条が叫ぶ。オルガは九条の顔を見る。九条の表情は強く熱く覚悟に満ち溢れた顔だった。その意志を感じ取ってか藤丸がキャスターの手を両手で強く握りしめ、見つめた。

 

「ーーーだいじょうぶ。私達が人類の『最後の希望』になるよ」

 

 その言葉にキャスターは一瞬呆気に取られたがすぐに笑顔を見せた。

 

「……全く、女はいつだって恐ろしく強くなりがるな」

 

 やれやれと言わんばかりは表情のまま、キャスターは宇宙へと光と成り消えていった。

 

「……………、うおおおおおおおおおおっ!!!!」

 

 唐突に九条が叫ぶ。ズカズカと九条は落ちている右腕の元へと歩きそこらへんの廃材を刺し右腕に無理矢理に接着する。まるで怒りを痛みで紛らわすような姿は藤丸達に痛々しく写った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

「…………キャスターが逝ったか…」

 

「そのようだ、所詮犬畜生だということだっただけだ」

 

 黒い鎧の少女が深く呟くと白髪の青年が皮肉そうに言い放った。

 

「しかし、アレはなんだ?この世とは思えない、体にしても『力』にしても………」

 

「……。《仮面ライダー》か…」

 

「知っているのか、アーチャー」

 

 怪訝そうなアーチャーの様子を見て、セイバーは問うた。

 

「ーーーーーあぁ、あれは。いやアレらは『害悪』の種だ」

 

 アーチャーの脳裏に映るのは一人の猫舌の青年。世界中の洗濯物を真っ白にする夢を持っていた儚い夢の守護者のことを………。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 私達はその後聖杯を探すためにあらゆる場所を巡りました。幾度も戦闘があり、その度に誠一は変身し私達を守ってくれました。

 

 いまは一息付けるため高校で休憩中です。

 

 

 

 

 

「どうしたの、マシュ?」

 

「あ、先輩。いや少し空を見ていて……」

 

 

 学校の廊下で空を見上げているマシュに声をかけると私の方に笑って見せた。私も空を見上げて見るが分厚い雲に覆われていてどんよりしていた。

 

「空が、どうしたの?」

 

「いえ、此処はカルデアより低い位置にあるのに『青空』が見えないなって……」

 

 確かにと藤丸は思った、何かの力によって空は閉ざされているこの世界はあまりにも綺麗なものが無い。むしろ目を背けたくなるものばかりだ、覚えたくないような人間だったモノが焼ける匂いと血の池。今も思い出すたびに吐き気を催す。

 

 しかし誠一はそれらに目を背けることなく、前へと突き進んでいた。その姿はとても尊く哀しいモノだったことを抱かずにはいられなかった。

 

「先輩?」

 

「ん!?どうしたのマシュ?」

 

「いえ、何か物耽っていたのでどうしたのかと思って……」

 

「なんでもないよ、それよりマシュは『青空』が見たいの?」

 

 

 

 私はその問を投げかけるとマシュは悲哀に満ちた表情を見せ、空を見上げた。

 

 

「………私は、私はカルデアで生まれ育ってきました。」

 

「あそこは、いつも暑い雲と吹雪で空が閉ざされています。」

 

「ですから私は幼い頃から、『普通』の人が必ず見るであろう『青空』を夢見ていました」

 

「いつもいつも、画面の『青空』を眺めて私は何度か思ってしまったのです」

 

「『嗚呼、私は籠の鳥だと』」

 

「だから、それを『夢』にしました。」

 

「『夢』は朧げで遠いモノだから諦められる、そう思っていました。」

 

「でも、先輩とこの時代に来て私、期待しちゃったんです。嬉しかったんです。」

 

「不謹慎ですよね、自分の『夢』が叶うかもしれないからって『人類を救う旅』に私情を持ち込むなんて……」

 

 

 

 

 

 

「それは違うよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一瞬 マシュが哀しそうな笑顔がとても私には気に食わなかった。だから私も言うのだ、言ったのだ。

 

 

「マシュがマシュの『夢』の為に生きちゃいけない訳がない」

 

「それが『人類の救済』を目的とした戦いだとしても、マシュはマシュの為に戦っていいんだよ」

 

「人類を救うのはもちろん大切だよ、けどそれを理由に自分の『夢』を汚いモノだと一度だって思っちゃいけないんだよ」

 

「人は一度しか生きれない、夢を見れるのも叶えるのもたった一度だけなんだよ!!」

 

「勿体無いよ」

 

「もしマシュが、マシュの為に『夢』を叶えるのが罪だとしても………。」

 

 

 一息空白を作る、これは覚悟のある言葉なのだから慎重に言わなきゃならないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私がその『罪』、全部背負う」

 

 

「マシュの『夢』は私が叶えるよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マシュ·キリエライトは知った。この少女の覚悟と意志の強さを………………

 

 藤丸立香は覚悟した。これからどんな困難があろうとマシュと共に戦い抜くと……………………

 

 

 

 

 

これより、この場で彼女らの『共犯者』が始まった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

『この先だ、この先に大きな魔力が感知した』

 

 通信機の向こう側のドクターが私達に告げる。

 

 私達は今、冬木の洞窟の前へとやってきた。この先にこの事件の黒幕が居るらしい、いや居る。

 

「…………ドス黒い気配がビンビン臭ってきやがる」

 

 険しそうに表情を浮かべる誠一の発言には私も賛同せずにはいられない。洞窟から黒い何かが溢れているのがなんとなくだが理解できた。マシュや所長も固唾を呑んでいる。

 

 

「……………行くぞ、ここにいても何も変わらない」

 

 そう言って誠一は私達の前をあるき出した、だがその瞬間誠一の足元に剣が飛んできた。それは一瞬にして形を留めず爆発した。

 

「誠一!!」

 

 私はマシュの盾によって守られて無事だった。砂煙が段々と晴れていくと誠一が爆発地点から少し離れた場所からムクリと現れた。どうやら咄嗟に回避したらしい。

私は誠一が無事だと分かり一息つく。

 

「ーーーやれやれ、さすがの『仮面ライダー』もこの程度では殺せんか」

 

 男性の声。私はすぐ様振り返るそこには白髪の青年が赤い弓を番えていた。

 

ーーーアーチャーだ

 

 その結論に達するには簡単だった。しかし今このサーヴァントは『仮面ライダー』と言ったか!?

 

「…………テメェ、明らかに俺だけ狙いやがったろ。さっきから俺だけに殺気を飛ばしやがる」

 

「わかるかね?それは失礼をした出来ればそこのマスターとサーヴァントを始末したかったが、いかんせん『仮面ライダー』が相手にいるのであれば優先的に狙うのは妥当だろ?」

 

 皮肉げに話すそれは自信があっての言動なのだろう。マシュはさっきから警戒を強めているのがその証拠だ。

 

「…………藤丸、先行け。」

 

「ハァッ!?何言ってるの!?誠一を一人で戦わせる訳にいかないよ!!」

 

「そういう問題じゃねぇ、効率の話を言ってんだよ。それにアイツは俺だけに用があんだとよ」

 

 

「ーーー藤丸、行きましょう」

 

「所長!?」

 

「わかってるじゃねぇか、ビビリ」

 

「う、うっさいわね!!それよりあんたこそ勝ち目はあんの!?」

 

 所長の言葉に不敵に誠一は微笑う。

 

「舐めんなよ、これでも『仮面ライダー』だ」

 

 その宣言は何より信頼を置けるモノだと私はふと思ってしまったのです。そしてそんな考えを浮かべてしまった自分の不甲斐なさを実感した。

 

「………………頼んだよ、誠一さん」

 

「お、やっと『さん』を付けやがったな」

 

 私達はそのまま振り返らず洞窟の奥へと走り出した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「さて、一丁いいかな。アーチャーくん?」

 

「ーーーなんだ、手短にしてくれよ」

 

「いや、なに一つ質問するだけなんだよ」

 

 何気ない態度で友人と接するように話しだした誠一。

 

「ーーーお前、『本物』にあったのか?」

 

 『本物』、それが指し示すものをアーチャーは理解していた。

 

「……………そうだと、言ったら?」

 

「ーーーハァ、なんだアレだ。だから俺を狙ったのか」

 

 少し面倒くさそうな様子で頭をかく誠一はこの時にアーチャーがしつこく自分に敵意を向けてくるのか理解した。だからこそ卑屈になってしまいそうだった。

 

「俺は、異物か」

 

「当たり前だろ、貴様ら『仮面ライダー』は存在した瞬間から『悪』が生まれだすのだから。」

 

 否定はしない。『仮面ライダー』が生まれる世界は必ずと言っていいほどそれに対抗するための『敵』が生まれるということになる。

 

 『仮面ライダー』が『悪』を作り出したと言っても過言ではないだろう。

 

 

 

「正直言って、この世界から出ていってほしい」

 

「断る。見ちまった以上、俺が関わった時点で『お前ら』の負けだ。『仮面ライダー』ってのはーーー」

 

「ーーー『人々の自由と平和を守る戦士』」

 

 ニヒリと誠一が微笑う。

 

「わかってるじゃねえか、だったら分かるよな。」

 

「あぁ、なら私も全力を持って貴様を潰す!!世界のために、《正義の味方》として!!」

 

 お互いに引けない、二人は戦うべき存在だ。譲れない物のためにぶつかり合う。それはそれぞれの《正義》のカタチの在り方故に。どちらかが負けた瞬間それを砕くことになる、それはとても罪深いことだろう。

 

 

ーーーしかし……。

 

 

 

「ああ、それでも俺は『変身』するッ!!」

 

 誠一は右手にオレンジロックシード、左手にブルーのレモンエナジーロックシードを構える。

 

 アーチャーは黒白の夫婦剣を構える。

 

 

「『変身』ッッ!!」

 

 

『オレンジッ!』

 

『レモンエナジィッー!!』

 

 

 

 

 

 

 今、ぶつかり合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、『旅の始まり』

運命は廻り始めた!!
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