馬鹿と気が合うお調子者   作:末吉

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交換留学生の話
招集


「はいというわけで、来週から明久と康太と根本と工藤と霧島には極聖学園へ交換留学生という名のモニターに行ってきてもらいます。せいぜい勉強頑張れよ。わざと成績落としてやれ!」

「って、ちょっといきなり何の話!? 導入部分全く知らないんだけど!?」

「……理不尽!」

「って、なんで俺まで」

「……雄二が心配で行きたくない」

「って、吉井君やムッツリーニ君の言うとおり、どうしてそうなったのか知りたいんだけど?」

 

 振替が終わったその日。明久が島田にキスされてつるし上げられたとかどうでもいいので割愛することにし、放課後になったのでいかせるメンバー(すでにこちら側は選定済み)を学園長室に集めて冒頭の話をした。

 

 まぁ普通に説明を要求されたな。ババア黙ってないであんたが説明しろよ。

 

 そう思って視線を向けたところ、「そんなことより関係ない奴らが来てる理由はなんだい?」と言ってため息をついたのであえて見なかったことにした猿轡をされている雄二に呼んでない薫、留美、由美、秀吉、木下姉、姫路、島田に視線を向けてからやっぱり視線を呼んだ奴らに戻し、事情を説明することにした。

 

「うちが潰れます」

「え?」

「……どういうことだ!?」

「おい一体どうしてそうなった!」

「……まさか」

「なんかとんでもないこと言われたけど、詳しい事情とか教えてもらえないかな?」

「えー、面倒だから嫌だ。そこまでいわなくても、この言葉だけでやる気になってくれない? どうしてもというのなら、そこにいる元生徒の三人もしくは霧島に聞いてください。私は説明しません」

「口調変わっておるぞ、流」

「一から十まで説明する気なんてサラサラないっての。向こうだって本気で潰しに来るために交換留学生択んで送り込んでくるのが予想されるんだ。これからその対策考えたいの」

 

 そう言ってそっぽを向くと、「……流。わざと成績落とせばいいの?」と霧島が聞いてきたので俺は「あっちがどんな風なものを作り上げたのか。それを体験してもらいたいってのが本音。潰したくないなら成績さげてもいいけど、最悪明久が点数上がったら学校終わりだぜ?」と答えておく。

 

 当の本人は首を傾げたので、姫路さんに視線を向け説明を促した。

 

「つまりですね、明久君が成績を上げて他の皆さんが下がった場合、手を抜いたと言われるんです」

「まぁ明久にだけ集中的に成績上げさせるように仕組めば他の連中が下がったところで同じこと言えるんだが……まぁそこに関しては心配しなくていい。ちゃんと一日ごとにレポートで各人の勉強風景を報告することが義務だから」

「なるほどねぇ。そうすれば吉井君だけに集中的にやるとか言う不正はできないもんね」

「それは俺達も同じことなんだけどな。まぁ基本的にあっちは頭いい奴しかいないから。薫クラスより下が平均だったかな?」

「そうですわお兄様」

「……えっと、つまり?」

「ん? つまりお前がバカでもわかる数学とかで集中的に勉強を教えてもらわないってこと」

「あーなるほど……?」

 

 あ、こいつ分かってないな。瞬時に思ったが、この場で説明しなおすのも面倒なので「あ、あと」と付け足すことにした。

 

「『交換留学生』なので、基本的に扱いはあっちの生徒になります。問題を起こした場合はあっちの学園に従って処罰されます。なお、問題を起こした生徒に関しての成績データは……零点となります。システム以前の素行の問題だからな」

 

 以上で説明終わり。そう言って閉めて出ていこうとしたところ、ババアが引き留めてきた。

 

「待ちな。その前に学園について話したらどうだい?」

 

 ドアノブに手を掛けた俺は少し動きを止め、「だったら適任が三人いるんだ。つい最近まで居たんだから、あっちの方が詳しいぜ」と言って今度こそ学園長室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……」

 

 校舎を出て帰り道。ゆるりと下り坂を歩いていると、なぜか上空にヘリが飛んでいるのが見えた。

 誰か来たのかなと思いながら歩いていたところロープが垂れ落ちてきたので木の枝に結び、そこから駆け出す。

 

 絶対あっちの学園の誰かが宣戦布告だかで来たよ。やってらんねぇ。

 

 内心でため息をつきながらなんか途中までロープで降下し、受け身をとって着地してきた奴がいたので思いっきり顔面を蹴って助走をつけるようにスピードに乗る。

 

 あれどっかの私兵部隊だったな。どこだっけ? なんてどうでもいいことを考えながら止まらない足で走っていたら、坂道の終わり付近で車が一台遮るように止まったのが見えたのであ、これ面倒な奴だとすぐさま思った俺はスピードに乗った状態でジャンプして木の枝をつかんで車を飛び越え、由美に返そうと思っていた拳銃をハンカチでつかんで着地と同時に車の下に投げる。

 

 ちょうど降りてきた時に飛び越える準備ができたのでこっちには気付いてないだろうなと思った俺は、そのままダッシュでその場を離れることにした。

 

 

 今日はホテルだな。明日補習だから別にいいけど。

 

 そんなことを考えながら警察に銃刀法違反してるえらい子供がいるという密告をしつつホテルを探すことにした。

 書類もやらなきゃな。




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