馬鹿と気が合うお調子者   作:末吉

50 / 71
本腰入れるんじゃなかったのかって?

なろうの方で本腰入れていたのでこちらは完全に後回しにしていたんです。

申し訳ございません。


雑談

 授業が終わり。

 

 腕を伸ばして休憩モードに入っていると、アデールが「よくあんな方法で教えようと思いましたね」と言ってきたので「え、だってあいつら女子に飢えてるじゃん」と答える。

 

「確かにそうですね。私にも現に告白してくる人はいますし」

「そりゃあんたの能力と容姿のレベルが高いからだろ。モデルやってますといっても通用しそうだろうし」

「……そういうものですかね」

 

 何やら美的感覚か何かがずれているらしいアデール。自覚ない美人ほど害のない奴はいないので「まぁそこら辺はいいんじゃねぇの?」と話題を終わらせる。

 すると、秀吉が「しかしよくあんな絵を描けたの。イラストレーターでもやっておったのか?」と近づいて質問してきたので「ありゃ……図解の方が分かり易いからって絵を適当に書いてたときに参考にした本の一つの影響だっての」と答えてから「うちのクラス、結局覚え方の問題だと思うんだよな」と呟く。

 

 その言葉に目ざとく反応した雄二が「そうか? 覚え方を変えたところで変わらん気がするが」と残酷な反論をしたので、「そこら辺は本人の覚える気次第じゃね?」と言ってから「例えばの話」と切り出す。

 

「雄二の場合は自分でも勉強できるだろうが、霧島がかかわればもっと集中できるだろ?」

「集中より先に身の危険を感じるわ!」

「いやだからな? この問題が解けなければ軟禁状……お泊りになるとすれば、どうだ?」

「なんで言い直したんだよおい! そして確かに回避したいから覚えるな!!」

「雄二よ。いい加減にあきらめたらどうじゃ?」

「坂本代表。女性からのアプローチを逃げるとは紳士失格です」

「アデーレ。あいつのアプローチは言葉通りのそれじゃない。別の何かだから逃げても問題ない……!!」

 

 そういって強くこぶしを握るのでここらへんで弄るのは勘弁してやろうと考え「次は秀吉だな」とさらに例を挙げる。

 

「わしかの?」

「そうそう。秀吉なら台本形式でやった方が覚えるんじゃないか? 演劇に集中してるってことだし、ひょっとすると覚え方も演劇に合わせたほうがいいと思って」

「ふむ。確かに台本を読み合わせるために覚えておるし、理に適っておりそうじゃの」

「秀吉さんは確かに演技力がありますからね。劇団に入ればそれなりにいい役を最初にもらえそうです」

「アデーレに言われると信憑性が増すから不思議じゃの……どれ、少しそのやり方で覚えようかの」

 

 今更だが、アミエ姉妹はそれぞれ名前で呼んでいる。そしてアデールは俺の事を「流」、雄二の事を「坂本代表」、それ以外をさんづけして呼んでいる……が、明久にだけは「吉井君」と君付けする。

 理由はどうでも聞いていないが、さんづけするほど人間として全うじゃないとわかっているからだろうと勝手に推測する。

 

 で、秀吉がやる気を見せたので、俺は「そんじゃ、さっきの授業を台本みたいにしてみたから」と言って原稿用紙三枚ほどを秀吉に渡す。

 それを受け取った秀吉はあきれていた。

 

「……なんでそんな準備がいいのかわからぬのじゃが」

「さっき授業が終わる前にこの話しようかなと思ってとりあえず書いた」

「……なんというか、流の滅茶苦茶具合になれたのは良いことなのかの?」

「どうなんだろうなそれ?」

 

 秀吉のため息に首を傾げてみると、「社会に出ることを考えたらいいことだと思います」と淡々とした口調でアデールが答えた。

 

「社会に出ることかの……どうにも実感がないから何とも言えんわい」

「う~ん。俺の滅茶苦茶具合なんてまだかわいい方だと思うけどなー」

「よく言うぜ。中学中退でアメリカの大学に飛び級とかおかしいにもほどがありすぎて信じられねぇよ」

「なんじゃと!?」

 

 復活した雄二がそんなことを言ったので秀吉が驚く。それに対し俺は笑って「信じなきゃいいだろそしたら」と言ってから「しっかし、こんなまじめな話できるなんて思わなかったな」と話題をそらす。

 

「そうですね。私もこうしてクラスメイトと会話するのは初めてかもしれません。瑞樹や美波以外では」

「まぁそうじゃの。わしらは基本的に騒ぎを起こしまくっておるからそれどころではないことが多いし」

「あとは妃や上下院、鈴鹿やセリーヌが来て騒ぎになるんだ。こんな静かな時間めったにない」

「霧島も来ること忘れんなよ」

 

 とまぁこんな感じで補習の時間は過ぎていった。

 

 のだが。

 

 その帰り。というか教室を出て廊下を歩いているとき。

 久保利光というAクラスの学年次席にいた男子生徒が自習か何かできていたらしいのだが、何やら様子がおかしい。

 すれ違いざまにどうしたんだろうかと思っていたところ「そうか今日から吉井君はいないのか……」と残念そうな言葉が聞こえたので、聞こえなかったふりをして音もたてずに帰ることにした。

 

 そういえば康太が一部で明久の写真などが売れているって言っていたが……まさか伏兵がいたとはな。

 

 あいつ性別構わずに愛されるってすごくね? なんて考えながらその事実をそっと胸の奥にしまうことにした。

 

 

 

 

 ちなみに。ムッツリーニ商会は一週間休業します。当人いないからそりゃそうだろうよ。




こんな適当な作者が書いていますが、ご愛読ありがとうございます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。