次の日。
学校に来た俺はいつものメンバーに質問攻めにあった。
「流! なんで電話あっさり切ったのさ!!」
「用件答えたからもういいかと思った」
「てめぇなんで大学の名前言わなかった!」
「聞かれなかったから」
そうやって流していると、「まぁ落ち着くのじゃ明久に雄二よ」と秀吉が二人を止めるように入ってきた。
そこに便乗するバカ専。
「そうですわ明久様。このとんでも頑固破壊者がまともな進学するはずありません……ところで非情兵士。あなた学校どこを卒業してきたんです?」
「さらっと便乗するなよお前。というか、お前らぐらい集められる情報だぞ?」
「興味ありませんわ」
まぁそうだろうなと思っていた俺はアデーレの方を見る。
こちらに気づいたように首を傾げて「どうしましたか?」と訊いてきた。
「気になるか? 俺の経歴」
「まぁ。一度調べてもらったときはガードが高すぎてどこにいたぐらいしかつかめませんでしたし」
「それはそうですわアデーレさん。この人畜有害、個人情報の類いのガード国レベルで固いのです。子供の頃近くにいなかったら実在するのかどうか疑わしいレベルまで高められて困りましたもの」
「……なんかそれ聞いてるとさ、子供の頃から流って飛び抜けてたんだって実感するんだけど」
「いや、マジで飛び抜けてたぞ。あいつと一緒に遊ぶ機会が翔子を通じてあったから遊んでいたが、自分で提案してないのに最終的にあいつが得する展開とかざらだった」
「あら代表は霧島さん繋がりでしたか。ええそうですね。学校に通っていたときも容疑者不明のいたずらが頻繁に起こっていましたの。あいつがいる間に。ですが、直接的な証拠がないんで立証不可として流されたのですわ明久様」
「……聞けば聞くほど凄い」
「全くじゃの」
俺の過去の所業を聞いて感心する二人。そこまでで一旦止めようと思った俺は口を挟んだ。
「ま、そんな話はおいといて。今日のテスト勉強どうするんだ? 明久大丈夫なの?」
「うっ。それが……理不尽な減点でさらに追い込まれて」
「何、アキ。今日も勉強会するの?」
「そうなんですか明久君?」
「その予定だけど」
島田さんと姫路さんが混ざってきた。昨日明久の家で何かあったのか、其々が少し変えていた。
それを指摘する気のない俺は「頑張れよー」と呑気にエールを送る。
するとこちらに視線が集まる。その目には羨ましいと素直に出ていた。
一応教科書見たりノート見たりで復習してるのだが、まぁ勉強と言えばそうじゃないので実質やってないか。
やっぱり大変だなぁ普通の生徒は何てうちのクラスに当てはまらない事を考えていると、明久が「ねぇ流、」と話しかけてきたので即答した。
「うちで勉強は却下」
「早くない!? まだ提案してすらいないじゃん!」
「話の流れで言われそうなことが分かるだろ」
「相変わらず話をぶったぎるのがお好きですわね」
「時間は有限なんだから分かりきってることはさっさと答えて然るべきだろ」
「じゃぁお前が勉強会に混ざるのは良いんだな?」
「え、どうすっかなぁ」
少し考える。ここで断ったら変な勘繰りされて潔白証明とかで家に案内しなければならないのは明白なんだが、口止めしてもどこで漏れるかわからないので無理か。
まぁ昨日の時点でこの状況は想定したのだから付き合ってもいいかと結論付けて「おし、良いぞ。俺の家以外でやるなら」と答えた。
「え、本当!? やったぁ! 流が居れば百人力だ!」
「マジか。昨日の反応で混ざる気ないと思ってたんだが」
「何と流が参加してくれるのか。嬉しいのぅ」
「ところで姫路さん達はどうするんだ?」
俺が聞いてみたところ、二人とも頷いた。
「羨ましいですわ美波に瑞希」
そうやって参加者の確認を終えたところで明美がそう呟いたので、明久が「? どうして?」と聞き返した。
「家に帰ったら習い事や家のことがあるので、そうやって皆さんと一緒に集まって何かするなんて難しいのです」
「あ、そっか。大変だね」
「まぁ家に生まれた義務だと思っていますわ」
そう明るく言ったつもりなのだろうが、微かに沈んでいるのが丸分かりだと感じたのはそれなりに一緒にいたからだろうか。
長浜の方を見たら露骨だったので、あいつらもそうなのかなぁと他人事のように思いつつ「どんまい」と煽る。
「……ふふっ。相変わらず逆撫でするのがお好きなんですのね、戦略兵器」
「俺には関係ないしな」
「そう……ですわね。あなたみたいな極悪非道には関係ない話ですわね」
「そんなに嫌なら言い訳して抜けだしゃいいのに」
「…………」
なぜか黙ったので、話題を戻すべく明久に「今日はどこの家でやるんだ?」と聞いてみる。
「昨日押し掛けられたから、今日は雄二の家でどう?」
「ん? 俺の家か?」
話をふられた雄二は少し考えた様子。そこで彼の親を思い出した俺は、何も言わずに黙っておく。その方が面白いし。
そう考えると雄二と明久の共通点ってあるよな。身内に天然いるし、生活スキルもその人たちのせいで磨かなければいけなかったし。熱い奴らだし。
そんなことを考えていたら「いいぜ」と頷いたので、なら学校で勉強の時間だなと言っておいて席に戻った。
ご愛読ありがとうございました。