誰であろうと救いたいと思うのは間違っているのだろうか 作:ただのファンだよ。
いつかは思い出せないが今でも覚えている事がある。
夢を見た。僕がまだ幼かった頃に青い巨人が暴れる巨大な怪獣と戦っていた。
青い巨人は何度怪獣に攻撃されても立ち上がり怪獣と戦い、最後は巨人の手が出た輝きの光に包まれ怪獣は大人しくなり帰っていった。
青い巨人は帰っていく怪獣を見て満足そうに頷き空に飛んでいき見えなくなった。
僕は青い巨人–––”慈愛の勇者”に憧れた。
僕は慈愛の勇者のような誰だろうと救える優しさを持った人になりたなった。
そんな僕は今––––
「【さぁ、輝きよ闇を祓え】」
かつて見た夢の勇者を動きを真似て右手を突きだし掌から放たれる優しいオーロラの魔法『フルムーンレクト』で目の前の複数のモンスターを沈静させる。
『ギィ…。ギィギィ』
フルムーンレクトを受け静かになったモンスター達は
「……ふぅ」
「おつかれ『ムサシ』
「うん。ありがとう『ベル』」
––––親友と共に迷宮都市『オラリオ』の新人冒険者になっていた。
”冒険者"とは
「…ふぅ、今日も疲れたね」
「そうだねベル」
僕の名前はムサシ・ハルノ。
彼は親友のベル・クラネル。
僕達は元々はこの街出身じゃないんだけどベルがオラリオで冒険者になりたいって言いだして僕についてきてほしいって頼まれて一緒にオラリオやってきた。
理由は聞いても教えてもらえなかった。何故だろう?
そして場所は街の外れの寂れた教会。ここが僕達の拠点、ホームだ。
そんな
「おっかえりぃぃいい!!」
僕達の主神ヘスティア様のダイビング抱擁が飛んでくるので開けた扉の片方と一緒に横に避けておけば僕の後のベルの胸にヘスティア様が収まる。
「うっへぇ、おかえりベルくぅん」
「か、神様!?助けてムサシ!!」
「……ハハ」
「何笑って誤魔化そうとしてるのさ!?」
いや、だって。ねぇ?
「な、何その微妙な顔?」
「……だって、役得でしょ?」
「何言ってんのさ!?」
「それじゃ僕は馬に蹴られたくないから先に休んだかね。バイバイ」
「ちょ!?ま、待ってムサシ!ムサシィィィイ!!!!」
「あ、漸くやってきた」
僕が身に付けていた装備を全て自分の部屋に直してきてボロボロのソファでくつろいでいるとニッコニコ笑顔のヘスティア様と苦笑いのベルが一緒にやってきた。
「おかえり。遅いよベル」
「……(^ω^#)」
「あ、ヘスティア様。ステイタスの更新をしてくれませんか?」
「あ、うん。わかったよ!それじゃ上着を脱いでくれムサシ君!」
「はい。んっしょっと」
ヘスティア様に言われて上着を脱ぐ。
すると僕の
この肌は僕が初めて恩恵を授かった時にこのように変色した。だけど僕はこの体を気に入ってる、昔見た夢の巨人と同じなんだ。
「相変わらずの体だね。それじゃあステイタスを更新するよ」
「はい、お願いします」
ベッドの上でうつ伏せになり僕の腰にヘスティア様が上乗りになり人差し指に針で突き滴る血を一滴僕の背中に落とす。すると僕の背中にいろんな光る神の文字【
これでステイタスの更新は終わりだ。
「はいこれ」
「どうもヘスティア様」
「次はベル君だね」
「はい、神様!!」
僕は受け取ったステイタスを確認する。
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『ムサシ・ハルノ』
Lv.1
力:I87→I90 耐久:H160→H186
器用:E329→E354 敏捷:I67→I77
魔力:H113→H189
魔法
『フルムーンレクト』
・沈静浄化魔法。
・戦意を鎮め荒ぶる者怒る者を大人しくさせあるべき姿に戻し浄化する。
詠唱文
【さあ、輝きよ闇を祓え】
『ムーンライトバリア』
・防御魔法。
・手から長方形の光の魔法障壁を展開する。
詠唱文
【守護の光よ、我が身を盾に月の光を】
スキル
【
・正悪問わず救いたいという”意思”の表れ。
・耐久力と持久力に長けた形態。
・”意志"の強さによって補正率上昇
・形態によって使用可能な魔法が変わる。
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トータル140…か。
冒険者なりたては上がりやすいというし。
「…うーん。まあ、ぼちぼちかな」
「はいベル君も終わり!」
どうやらベルの更新も終わったようだ。
「見せてもらっていいベル?」
「うんいいよ。代わりにムサシのも見せてもらっていい?」
「構わないさ、どうぞ」
「ありがとう。はい」
ふん、どれどれ。
……あ、あはは。やっぱりベルは凄いな、トータル300超えか。
ベルは以前本来中階層にいる筈のミノタウルスに襲われたらしく、それ以来ステイタスの上昇率が凄く高くなった。
神様が言うには成長期らしい。正直怪しいけど神であるヘスティア様が言うのならそうなのだろう。
「羨ましいなベルは。毎回こんなにステイタスが上がって」
「僕はスキルや魔法を両方、魔法については二つも持ってるムサシの方が羨ましいよ」
「どちらも攻撃用じゃないし『フルムーンレクト』に至っては特殊だけどね」
「うん、そうだね」
僕達の会話にヘスティア様が入ってくる。
「それでねムサシ君?」
「…はい、何です?」
「今日は一体
「…………は、ははは」
「笑って誤魔化そうとしても無駄だよ」
黒い笑みを浮かべながら近寄ってくるヘスティア様。
どうやろうと逃げられないことを悟った僕は観念して正直に話す事にした。
「……ぜ」
「ぜ?」
「ぜ、
「………(^^#)」
「は、ははは」
黙る僕とヘスティア様、苦笑いするベル。
そして次の瞬間。
「ムゥゥサァァシィィくぅんん!!!!」
「す、すみませーーん!?」
ヘスティアの怒声が轟いた。
「全く君は冒険者になって
「…………」
今ベッドに座って説教するヘスティア様と床に正座する僕の図が完成した。
「しかも理由が救いたいからだなんて」
「…………………………」
……おかしいのはわかってる。普通の人は
それでも僕は救えるのなら救いたい。
「……その顔は直す気ないね」
「………すいません」
「はぁ、もういいよ」
本当にすみませんヘスティア様。
それでも僕はいたずらに命を手にかけたくないんです。
「……いいかいムサシ君。君の優しさは評価出来るものだ。だけどね」
「………」
僕を諭すように語るヘスティア様。
「世界にはその優しさが通じない相手もいる。殺す事、戦う事を愉しみ自ら望む者もいるんだ。それは人間もモンスターも変わらない。君の
「…そ、それは」
思わず言葉に詰まる僕。
そんな僕を見てヘスティア様は僕の頭を撫でる。
「今すぐにとは言わないさ。だから君は時には戦う事の大切さと必要さを知ってほしいんだ」
「……わかりました」
戦う事の大切さと必要さ…か。
「よし、それじゃあ湿っぽい話は終わりにしよう!」
「そうですね!神様!」
「…はい」
そして次の日。
僕達は今日もダンジョンに来ていた。
「さて今日も沢山倒して強くならなくちゃね」
「ははは、そうだね。………」
この時は僕は昨日のヘスティア様の言葉を思い出していた。
戦う事の……大切さ。
「………ねえムサシ」
「ん?なんだい?」
「昨日の事、気にしないでね?」
「…え?」
「魔石の調達は僕がするから、ムサシはムサシのしたいようにすれば良いんだよ」
「……ベル」
「ほら、早くしないと置いていくよ!」
「あ、待ってくれよベル!」
ああ、全くありがとう二人共。
ヘスティア様の心配もベルの気遣いも、どっちもありがとう。
ヘスティア様/ベルが神様/親友で本当に良かった。
ウチのヘスティア様はベルにLOVEでムサシにLIKEです。
あと本編にも書いてる通りムサシはルナモードにしかなれません。エクリプスは勿論、ぶっ殺ナにもなれません。
今は