魔法少女リリカルなのはNotViVid   作:炎の妖精

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続いてしまったので、短編から連載に変更しました。
生徒会よりもなぜか、こっちの妄想が捗ってしまったり…


2話 まともな知り合いが欲しいですbyシアン 呼びました?byアインハルト

チャーハン作ってるよ!

……おっと、危ない。チャーハンが地面に零れそうになったぜ。……バレてないよな?うん、バレてない。

今、自宅のマンションでチャーハンを炒めている俺はSt.ヒルデ魔法学院初等科に通ってるごく一般的な男子。

もうちっとで中等科に上がってしまうけど、そんなことはどうでもいい、重要じゃない。

名前はシアン・コバルト。強いて違うところを上げるとなると――――

 

 

 

「シアンさん、お皿の用意ができました」

 

クラスメイトが俺の住処()に入り浸ってるってとこだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「いただきます」」

 

きちんとお手てのシワとシワを合わせて、俺お手製『零れそうになったけど、零れてないチャーハン』をアインハルトといただく。

冒頭からあんなことを言っちまったけど、別に同棲とかしてるわけじゃないよ?部屋がお隣さんってだけであって、コイツは用があろうがなかろうが、しょっちゅう家にやってくるのだ。

もちろん、学院の方には秘密にしてある。つか、言えるわけがない。ただでさえ、規律とかルールにうるさいお上品な学校だ。バレたらどうなることやら。

うちの両親は随分前に星になってしまっているが、幸いにも独り立ちできる頃までの遺産を残してくれてる。

向こうの方もだいたい似たような感じらしく……数年前からアインハルトとは世間一般的には普通ではない関係を続けている。

 

「はむはむ……ほういえは、ひあんさん」

 

「食べながら喋るんじゃありません。お行儀の悪い」

 

食べ方は育ちの良さがわかる感じではあるのに、こういったとこはどこか残念な雰囲気がある。

クラスの担任が今のアインハルトを見たら、卒倒するんじゃないかね。一応こいつは俺と違って成績優秀、品行方正。いわゆる優等生な人種だ。

 

「……失礼しました。そういえば、シアンさん」

 

別に言い直せとは言ってないが、律儀にも言い直してくる。

 

「今日も少し、野暮用があるので夜外出します」

 

野暮用ね……以前言っていた、実力者に挑むよ!!お前が構ってくれないせいで!!……のアレについてだろう。

近頃、腕利きの実力者が何者かに襲撃されてる事件が相続いているって話題になってるからな。

その通り魔紛いのことをしてる襲撃者というのは十中八九、アインハルトだろう。

本来なら、それなりに近しい関係である俺が止めるべきなんだろうが、止めたからといって、コイツの抱える根本的な問題が解決するわけでもないだろう。

幸い、アインハルトが襲ってるのはただの一般人ではなく腕利きの実力者。そんでもって、不意打ちをしてるわけでもなく、相手との同意は得たものでやりあっているらしい。

仮に、無差別に有無を言わせず闇討ちしまくってるなら、大問題だろうが……まぁ、俺は以前コイツに好きにやってみろ的なことを言っちまったからなぁ……今さら、やめて!私のために暴れないで!と言ってもどの口が言うんだって話だ。

……今のアインハルトになら、俺が本気で止めろと言ったら止めるだろう。

だが、何を要求されるかたまったものではない。さすがの俺もこの段階で将来が確定するのは嫌なんじゃ……局員の皆様、お許し下さいっ!

……てか、こういうのもアレだけど。定期的に特徴的な人物が襲われてるっていうのに、未然に防げてないってどうよ。

局員が無能なのか、それとも大した事件として捉われてないのか……恐らく後者だろうが。

 

「ですので、お風呂には1人で入って下さいね。ちゃんと肩まで湯に浸かって、100数えて下さいね」

 

「お前は俺のかーちゃんか。第一、俺はお前と風呂を共にした覚えはねー」

 

「お母さんではありません。恋人です。……あ、間違えました。将来を誓いあった夫婦でしたね」

 

「間違っているのはオメーの頭だ」

 

「間違ってません、正常です」

 

「自分を普通だろ言い張るやつは普通じゃない」

 

「でしたら、自身の事を平凡な男子と言っているシアンさんも普通ではないと」

 

「何言ってやがる。俺みたいな地味で目立たない、平凡な男子は他にいないだろう」

 

「…………そうですね。シアンさんは普通。ですよね」

 

「おーい、バカ殿ちゃん?なんで俺の頭を見ながら言うのかな?ん?お兄さん怒らないから言うてみ?」

 

「バカ殿ではありません。アインハルトです」

 

人のコンプレックスを突きやがってからに……ちょっと他の奴と比べて癖っ毛が強いだけですよーだ!断じてモジャンボみたいなわけでもなく天パでもないから!ストパーだからね!サラサラだからねっ!

アインハルトはそんな俺の魂の叫びなんてわかるはずもなく、インターホンが鳴った為、出に行った。

なんだろう。この家の主人なのは俺のはずなのに。俺の部屋に見慣れないかわいいクッションがあったり、洗面所に俺以外の複数のコップやら歯ブラシがあったり……ここ俺のお城だよな?なんで知らない間に物が増えてんの?

今みたいに、俺じゃなくて、来訪者が来るとアインハルトが対応しに行くし。基本、ダラダラと自宅で過ごしてる俺は俺が出るよりも先に、素早く行動に出る。本気で動けばヤツよりも速く対応できるだろうが、インターホンが鳴っただけで、そんなに頑張りたくないです、ハイ。

気になって、なんでそんなに出たがるのか聞いてみた所……

 

 

『他所様の家で他所の人物がお出迎えする……ただならぬ関係だと相手に思われるじゃないですか』

 

何当たり前の事を聞くんですかと言わんばかりの顔をして言ってくれた。

何言ってるのかわからないわ。

ホントいつの間にあんなおかしなキャラになったんだろうか……前のアインハルトは俺に対しても、クールキャラだったはず。歳上ならば、俺の好みであったのに。

なんでああなっちゃったんだろうね。もう少しギアを落としても良いはずなのに、俺の相手だとトップギア全開なんだもん。

 

『今出ますから、そんなに鳴らさないでもいいですよー』

 

そして、この特徴的なインターホンの鳴り方……一定間隔に鳴らすことで、相手に苛立ちを与えるこの鳴り方……面白半分で教えてしまったが、いざやられるとスゲー腹たつなコレ。

あいつ、他所様にやってねーだろうな。教えた俺が言うのもアレだが、俺相手じゃなかったら、余計なヘイト抱えるだけだぞ。

……はぁ、ただでさえ癖の強いのが1人いるってのに、これまたキャラが濃いのが来ちゃったよ。

 

 

 

 

 

『はい、コバルトですが……』

 

『やっほーーーー!!シアン、遊びにきたでー!あ、それとコレ山で拾った野草。味見してみたけど、毒はなかったよー。なーに、うちとシアンの仲や!特別特価でなんと……アレ?ハルにゃん?ハルにゃん相手にウチ説明してたんか……でも安心せいや、ハルにゃん!ウチとハルにゃんの仲や!ちゃんとお安くして……ってハルにゃん?なんで閉めるの?まってーな!締め出さんといて!!タダ!タダで上げるから〜』

 

『怪しい訪問販売はお断りしています』

 

『待って待って!怪しくないから!ほら、ウチとハルにゃんはお友達やろ?知らぬ間柄でもないし、この野草だって。ちゃんと生で食べれるんよ?ホラ!怪しくないーーーー』

 

『知らない人とは話さないようにと夫に言われてますので』

 

『夫!?夫ってハルにゃん結婚しとんの!?お相手は……はっ!?もしかしてシアン!?どういうことやシアン!あの日の夜に言ってくれた事は嘘だったんか!ウチに説明して……いや、先に部屋に入れてーなー。ハルにゃんがいじめて入れてくれへんよ〜』

 

……正直招きたくないんですけど。訪問販売にしにきたのか、世間からの俺に対する目のダメージ量を上げに来たのか知らんけど、帰ってくれませんかねぇ。

でも、このままだと近所迷惑になるしなぁ。

 

「シアンさん!ジークさんに何を仰ったんですか!も、もしかして……私を見捨ててジークさんと駆け落ちを……!?そ、そんな!どういう事なんですか!説明して下さい!!」

 

誰か私を助けてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやーすまんなぁ。いつもいつも美味しい料理をご馳走になって。なぁなぁ、シアン。ウチの専属シェフとかならん?もちろん、待遇は優遇するで?」

 

「お前、雇う金なんてねーだろ」

 

「そうですよ、ジークさん。シアンさんは私の元に永久就職すると決まっているのです。横から奪うのは見過ごせませんよ?」

 

「決まってないから。何人の人生決めちゃってんの?」

 

「ぐっ……た、確かに今は無一文やけど……でも!出世払いならええやろ?ウチこれでもチャンピオンやし!将来安泰やで?一生シアンを養って上げれるで?」

 

「ちょっとシアンさん?どうして黙るんです?ダメですよ!そんな甘い言葉に騙されては!ジークさんより、私の方が将来有望ですよ。私覇王です!イングヴァルトの子孫ですよ。玉の輿ですよ?」

 

一人襲来してきただけで、我が家は動物園みたく騒がしくなる。

いつか、他の住人から文句を言われるんじゃないかと内心ビクビクしております。

この似非関西弁を喋り、俺のチャーハンを食らってるのはジークリンデ・エレミア。

アインハルトと同じく、我が家に来まくる格闘家だ。本人とアインハルト曰く、遠い昔の先祖同士との交流があっただとか。

チャンピオンというのは、正式名称は忘れたが、インターミドルなんちゃらの大会の覇者らしい。要は強い。そして、同じストライクアーツ(格闘技の名称)を嗜む若手たちから、羨望の眼差しを受けているだとか(俺調べによると)

だが、俺からしたらこのチャンピオン(笑)は度々飯をたかりに来る放浪者である。

一応は俺よりか歳上のはずだが、歳上っぽくない振る舞いをしまくる上に、タダ飯を食らいまくるからな……敬う点が見当たらない。

まぁ、それはさて置いて。さっきジークから渡された野草を適当に煎じて、ハーブティーを作ってるわけだが……なんだこの色。臭いはそうでもないが、色合いがえらいことになってる。よくある魔女が壺を掻き混ぜてる感じの液体だ。

 

「玉の輿だろうが、紐になるだろうが、今の俺に結婚願望なんてないわ。まだ11才だぞ」

 

「確かにシアンはウチよりも年下だけど、なんやろ、正直年下に見えへんわ。むしろ、同年代と話してるような感覚になるんよ」

 

「そりゃ、お前よりかは精神年齢高い事は自覚してる」

 

どういう意味や!と横から突っかかってくる年上(笑)を無視する。

さっきからやたら静かなアインハルトが気になったので、スプーンでカップを掻き混ぜる作業を中止し、正面を見る。

 

「あの……シアンさん。それ、飲むんですか?」

 

やたら青ざめた顔でそれを指差してくる。

もちろん、それとは『ジーク持参の野草で適当に煎じたハーブティー?』である。

 

「あたりめーだ。良薬口に苦し。見た目がグロいほど美味いって言うだろ。見た目なんかで判別しちゃダメだぞ。お前しかり。ジークしかり」

 

「言ってることが矛盾してますけど」

 

「なぁな〜。さっきからウチに対して冷たない?さすがのお姉さんも傷ついてるんよ?」

 

まったく、アインハルトときたら。お前が最初の頃に作った頃の物体Xよりかは100倍マシだろうに。

目玉焼きと称した物体X(形が謎すぎて形容不可)を食った時は3日は下痢と嘔吐が止まらず、寝込んでたんだぞ。

今となっては食べられる様な物を作れるようにはなったが……苦労したな。

野菜を切るときはまな板もろとも切り刻むのではないかと思うほどに、全力だったし。塩やら砂糖やらの分量間違えるどころか、種類そのものを間違えた上に、分量も間違えてたしな。

甘めの卵焼きを作ったと言って、いざ食わされた物はしょっぱすぎて、その場をのたうち回ったんだぞ……

コイツ、外見はなんでもできそうな万能人に見えるが、蓋を開けてみると……ポンコツなんだよな。

ジークも似たり寄ったりだったしな……自分で食った物くらいの皿を洗わせようとしたが……洗剤使わずに水とスポンジだけで洗ってやがったからな。スポンジに洗剤が付いたままならまぁ、許容できたが。ジークが洗った後の皿は汚れが、目に見えるレベルで付いてた。

今じゃ、俺が指導したので俺の家に入り浸る上での、最低限の事は出来るようになっている。

……なんだろうか。武術に秀でてる連中はその分、他のことに対する能力が反比例するかのように、低いのが当たり前なの?

まぁいいや。冷めきる前にサクッと飲んじまうか。ふむふむ、この喉を焼け付くような温度と口いっぱいに広がる苦味と強烈な酸味。……かと思ったら、色んな甘そうなものを適当に全てぶっ込んだかのような、なんとも度し難い甘さがしてきて……胃の中から逆流してくる強烈な酸味が…………

 

 

 

「ジークさん!」

 

「わかっとる!ほい、シアン!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う゛お゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ…………」

 

さっき食ったチャーハンもろともゲロった。

アインハルトとジークの機転により、ビニール袋を渡されてなかったらリビングに最悪の臭いが広がるとこだったぜ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺は昨日今日で寝たきりだった。その間は学校を休んでまでして、付きっきりでアインハルトと今回の原因の一人ジークに看病してもらった。

アレだ。俺もなんで得体の知れない草を使って、ハーブティーなんて飲もうとしたんだろうか……




原作とキャラが違ったりしますけど……二次創作だから多少は良いですよね?
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