ハデスの砂時計   作:アリス・リリス

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第八.五話~ルキフェルとサタン~

ラルツォーネとの交信を終えたルキフェルは、大広間へ向かった。

 

大広間には、7人の魔族の貴族とその従者が集まっていた。

 

「バアル、アスタロッテ、アエシュマ、パライモン、レヴィ、アポフィス、モレク…。七賢人、集まったようだな」

 

名前を呼ばれた7人は、立ち上がり、ルキフェルの元へ来た。

 

 

「ルキフェル様、少々遅かったですが、何かありましたか?」

 

アエシュマと呼ばれた男が尋ねた。

 

「魚族の村へ派遣しているラルツォーネからの連絡を受けたのだ」

 

「ラルツォーネは何と?」

 

レヴィが聞き返した。

 

「村を制圧したそうだ。族長は、取り逃がしたが、他の異邦人(ストレンジャー)と共に戻るだろうと言っていた」

 

「そうですか…。では、サタン様に謁見しましょう」

 

アポフィスが話を切り替えた。

 

 

ルキフェルは、大広間の一番奥にある大扉に手を掛け、

Ψξζηфг(魔界への道)…」

 

と唱えてから開いた。

 

 

「では、参ろう」

 

 

薄暗い空間を抜けると、赤紫に染まった空の下に出た。

 

遠くには城が建っていた。

 

ルキフェルは、後ろを向いた。

 

「さあ、行こう」

 

 

城門に近づくと、門の前で槍をクロスしている衛兵がいた。

 

「サタン様の城に何のようだ?」

「謁見を。アポは、ある」

 

衛兵は、槍をまっすぐに立てた。

それと同時に城門が開いた。

 

「ルキフェル様、どうぞ中へ」

 

 

サタンの城に入り、奥へ進んでいった。

 

ー玉座の間ー

 

中央には、大きな玉座があった。

そこに座る一人の男。

その周りを取り囲む何人もの貴族。

 

 

「魔族族長・ルキフェル様のおな~り」

 

ゆっくりとルキフェル達は、前へ進み出た。

 

 

「偉大なる魔王様、魔族を統べる王、世界を手にするべきお方よ」

 

ルキフェル達は、膝まつき、呼び掛けた。

 

 

「ルキフェル、バアル、パライモン、アスタロッテ、アエシュマ、アポフィス、モレク、レヴィよ、よく来てくれた」

 

玉座に座る男は、立ち上がった。

 

 

「ルキフェル、異邦人(ストレンジャー)捕獲作戦はどうだ?」

「はっ、未だ一人も捕獲できていません。しかし、ヴィネからの報告では『水晶異邦人(クリスタルストレンジャー)の心に闇を植えつけた。輝光異邦人(ライトストレンジャー)が闇を祓おうとした』ということです」

パライモンが穏やかに答えた。

 

 

「ほう…。しかし、我らの闇は簡単に祓えるものではない…。きっと、水晶異邦人(クリスタルストレンジャー)は我が手に堕ちる。その者の追跡はできているのか?」

「ヴィネが居場所を特定しています。下僕として目覚めた時、拐いにいく予定です」

 

アポフィスは、厳かに言った。

 

「他に報告は?」

「ラルツォーネが魚族の村を制圧しました。異邦人(ストレンジャー)は、取り逃がしてしまったそうですが、『他の異邦人(ストレンジャー)と共に戻ってくる』と」

 

 

「そうか…」

 

サタンは、玉座に座った。

 

 

「ところで、サタン様」

 

アスタロッテが声を発した。

 

「なぜ、そんなにも異邦人(ストレンジャー)をご所望で…?」

 

すると、左右に控えていた貴族がいきなり立ち上がった。

 

「貴様、サタン様に無礼なことを!」

 

数人が剣を引き抜き、アスタロッテに斬りかかろうとした。

 

 

「待てっ!!!」

 

叫んだのは、サタンだった。

 

叫び声を聞き、剣を下ろした。

 

「お前達、相手は客人だぞ。わかっているのか?」

「しかし…」

「それにこの城を血で汚したいのか?」

「…」

 

沈黙が流れた。

 

 

「…サタン様、覚悟っ!」

 

一人がサタンに斬りかかろうと走り出した。

 

 

「「「「「「「「「サタン様、危ないっ!」」」」」」」」」

 

 

サタンは、ピクリとも動かなかった。

 

ぎりぎりまで引き付けたとき、暗殺者(アサッシン)は、ニヤリと笑った。

 

(サタン様!)

 

 

サタンは、右手を振り上げた。

 

カーン!

 

剣が二つに割れた。

 

「未熟者め、私を殺すなど簡単にできるはずないだろう…」

 

続けて、指をならした。

 

「クッ苦しい…」

 

失敗した暗殺者(アサッシン)は、紫のオーラに包まれた。

 

「この者を監獄へ」

 

再び指をならすと、紫のオーラに侵食され、姿を消した。

 

「あの者の爵位を剥奪せよ。その爵位は、エルダ男爵へ」

「はっ、フォンリード辺境伯の領地はいかがいたしましょう」

「全てエルダ男爵へ」

「はっ」

 

 

数人が退出した。

 

 

「すまない、私の部下が無礼なことをした」

 

サタンが詫びた。

 

「いえ、私が悪いのです」

 

アスタロッテも詫びた。

「では、話そう。我が異邦人(ストレンジャー)を求める訳を

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