ハデスの砂時計   作:アリス・リリス

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第九話~魔族の竜宮城~

「ここは、まだ市街地じゃ。長の館にはわらわの手助けをする大臣達がまだラルツォーネに操られてるはずじゃ!」

 

水乃(みずの)は、悔しそうな顔をした。

 

「やっぱり、ラルツォーネをどうにかしなきゃならないのね…」

 

水乃(みずの)銀牙(ぎんが)。長の館へ案内して!」

 

6人は、長の館へ走った。

突然、矢が飛んできた。

 

「キャッ!危ない!」

 

異邦人(ストレンジャー)達は、かわした。

 

 

『シンニュウシャ、ハッケン!ハッケン!…』

 

 

「まずい…」

銀牙(ぎんが)は、呟いた。

 

「えっ…」

「侵入者に対する防衛のための機械が動いてるのだ」

「ラルツォーネ、ラルツォーネの仕業じゃ!」

 

 

『せいか~い』

嬉しそうにしている声が聞こえた。

 

「「「「「「ラルツォーネ!」」」」」」

 

『覚えていてくれて、嬉しいわ…』

 

クスクスと笑っているようだった。

 

「ラルツォーネ!魚族の村を解放しろ!」

 

砂来(さらい)は、叫んだ。

 

『ふふっ、それはできないわ。水乃(みずの)、お前は馬鹿ね…』

 

水乃(みずの)は、唇をかんだ。

 

『お前が馬鹿なお陰で簡単にお前以外の魚族の人間を手中に入れることができたからね…』

 

 

「私の妹は、立派な長だ!」

 

銀牙(ぎんが)は、自信を喪失した水乃(みずの)の肩に手を置いた。

 

『まあ、いい。返してほしければ、私の元に来ることね。でも、たどり着けるのかしら?』

 

「絶対、たどり着いてみせる!」

 

星奈(せいな)は、力強く叫んだ。

それに対する答えはなかった。

 

 

「兄者、村人達を頼む…」

水乃(みずの)、必ず戻ってくるんだよ」

 

銀牙(ぎんが)は、村人達の向かった方に消えていった。

 

「さあ、一気に行くわよ!」

 

矢の雨をくぐり抜け、館の入口にたどり着いた。

 

「開けるぞ」

水乃(みずの)は、鍵を差し込み、砂来(さらい)氷月(ひづき)が扉を押し開けた。

 

 

キィィ…

 

中は、静まりかえっていた。

 

ゆっくりと足を踏み入れた。

 

「何もいないようね…」

 

響古(キョーコ)が呟いた瞬間!

 

キィィ…バタン!

 

扉は閉まり、開けようとしても、固く閉ざされたままだった。

 

「どうやら…」

「後戻りはできぬようじゃな…」

「けれども、魚族の村を救うためには…」

「先に進むしかありません…」

「行こう!ラルツォーネの待つ場所へ!」

 

 

―――

 

()()ツォ()()()サマ、テキガ コノヤカタニ シンニュウシタノヲ カクニンシマシタ」

 

「わかっている、今どこにいる?」

 

フキヤ(吹き矢)ヲシコンデアルカイロウ(回廊)デス」

 

「起動せよ!」

 

ラルツォーネは、声を張り上げた。

 

―――

 

「「「「まるで、竜宮城みたいだわ…」」」」

 

美しい回廊にため息をつく一同。

 

 

「……………って響古(キョーコ)様!こんなこと、してる場合じゃないでしょ?」

 

真っ先に氷月(ひづき)が本来の目的を思い出した。

 

 

「そっ、そうだったわ!水乃(みずの)、長の部屋に案内して!」

 

「了解じゃ!」

 

水乃(みずの)は、先陣をきって走り出した。

 

ビュンビュンビュン!

 

音の方を見ると、吹き矢が!

 

「どうしよう…。この先なのじゃが…」

 

響古(キョーコ)は、杖ちょんを構えた。

 

「時よ、とまれ!」

 

吹き矢は、宙に浮かんだまま止まった。

 

異邦人(ストレンジャー)達は、注意深く避けながら、前へ進んだ。

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