ハデスの砂時計   作:アリス・リリス

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第一話~君の心は、今どこに?~

「これは…『ハデスの砂時計』という神器だ」

 

「ハデスの砂時計…」

 

響古(キョーコ)逆滝(さかたき)氷月(ひづき)も初めて聞くものだった。

 

「私があの時計の間にある大時計を作ったように、ハデスがこの砂時計を生み出したのだ」

 

「父様、砂時計にはどんな効果があるの?」

 

「最悪なものだ、ある人間を砂がすべて落ちきるまでしか生きられなくするものだ。こうしてる間にも、一粒ずつ落ちているのだ」

 

 

「そんな、どうすれば…」

逆滝(さかたき)が顔を背けながら呟いた。

 

異邦人(ストレンジャー)の力で壊すしかない…。しかし、私の大時計を動かした人数…12人では足りない」

 

響古(キョーコ)がそれを聞いて

「杖ちょん!それって、どういうこと!?」

 

「あの古文書に出てきたキリト以外にもキリトは、いるだろう?そのキリトの長を異邦人(ストレンジャー)として目覚めさせるのだ」

 

この世界にはキリト種族が16存在する…。

今、異邦人(ストレンジャー)として覚醒しているのは12人。

 

「つまり、あと4人…」

「そうだ。頑張りなさい、響古(キョーコ)

 

クロノスは、笑いながら言った。

 

しかし、すぐさま深刻そうな顔つきをして

 

「しかし、なぜだ?砂時計は、ハデスが持っていたはずだが…。私は、これからハデスに会いに行く。おいとまするよ」

 

杖は、イヤリングの姿に戻った。

 

 

同じ頃…

 

 

「フフ、響古(キョーコ)姫。早く私の元へおいで」

 

暗がりの中、一人の女性がたたずんでいた。

 

ここは、魔族の村。

そして、彼女こそ、魔族族長・ルキフェルだった。

 

「早くしないと、大事な(うい)姫が死ぬよ…」

 

右手で真珠を遊ばせていた。

真珠は、トクン、トクンと光輝く不思議なものだった。

そう、この真珠こそ、(うい)の魂だ。

 

「それに、この真珠が私の手にあるかぎり、(うい)姫を苦しめることだって…」

 

そう言って、ルキフェルは真珠を強く握りしめた。

 

 

―時計の間―

 

寝台には(うい)が横たわっていた。

寝台の横に王、逆滝(さかたき)氷月(ひづき)、そして響古(キョーコ)が立っていた。

 

(うい)…」

 

眠る少女からの答えはない。

 

響古(キョーコ)様、明日残る4つのキリトの長を訪ねましょう」

「12人の異邦人(ストレンジャー)には連絡をしておいたぞよ」

 

 

響古(キョーコ)は、涙をこらえながら

「ありがとう。氷月(ひづき)逆滝(さかたき)、父様…」

 

響古(キョーコ)が言い終わると同時に

 

「クッ…フグッ…」

 

(うい)の体に痣が現れた。

 

(うい)!?」

「私は、医師と神官を呼んでくるぞよ。響古(キョーコ)(うい)に力を!」

「はいっ!」

 

 

三人は、それぞれのイヤリングに触れ、杖を実体化させた。

 

時空異邦人(タイムストレンジャー)KYOKO(キョーコ)の名において命ず、タイム・ファーナ!」

水晶異邦人(クリスタルストレンジャー)SAKATAKI(逆滝)の名において命ず、クリスタル・シャイニング!」

魔氷異邦人(アイスストレンジャー)HIDUKI(氷月)の名において命ず、アイス・グランシャン!」

 

 

力を注いでいるとき、杖ちょんから声がした。

 

「ハデスに会った。魔族によって砂時計が奪われたそうだ…」

「ハデスは、砂時計破壊に関しては何か言ってた?」

「一度にすべての異邦人(ストレンジャー)の力を注げば、壊せると言っていた…」

 

 

医師と神官がやってきて、(うい)を見て言った。

 

「魂に何者かが干渉しているようです…。結界を張った方がいいです!」

 

時空異邦人(タイムストレンジャー)たる響古(キョーコ)には結界を張る能力があった。

 

 

「時の神・クロノスよ!この場所を時の流れから遮断せよ、ティアナフィア!」

 

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