憂の魂を奪われた次の日、響古達一行は、王都付近にある『蛍族』の村へ向かった。
「響古、神の石があるかどうか確認するのを忘れるなよ」
「もち!前に華蓮が持ってるかどうか、確認しにいったのに、忘れてたからね…」
「ドジ響古」
どさくさに紛れて、ちょこらが言った。
「なんでちょこらがいるの~?父様と一緒にいるんじゃなかった?」
「キングが『さぼらないか見張ってろ』って言ったにっ」
「姫様、まもなく蛍族の村です」
響古一行が馬車から降りると、村一番豪華な建物から美しい衣装を来た女性が現れた。
彼女は、艶やかな長い黒髪、きらびやかな十二単…まるで平安時代からやって来たような姿だった。
村人から『光の君』と声をかけられながら、響古の所まで歩き、恭しく礼をした。
「地球国第一王女・響古姫様、初めてお目にかかります。私は、蛍族の長、星奈と申します。お見知りおきを」
「よろしくね、星奈ちゃん。さっそくだけれど、いいかしら?」
「星奈でかまいませぬ。どうぞ、我が御殿へ」
響古達は、星奈の館へ案内された。
「わぁっ、まるでお姫様みたいだわ!いいなぁ…」
「響古様、あなただって、王女でしょう?」
氷月は、突っ込みを入れた。
「葵、茶を振る舞うから、道具を持ってきておくれ」
「かしこまりました、光の君」
葵と呼ばれた召し使いは、奥から道具を出してきた。
「私ども、蛍族は、日本の伝統文化をたしなむ一族なのです」
星奈は、茶をたて始めた。
しばらくして、響古の目の前に茶碗が置かれた。
「どうぞ」
「じゃあ、いただきますね」
同じように逆滝、氷月、ちょこらにも出された。
ちょこらがお茶を飲んでいるのを見て、
「え、ちょこらって飲めるの!?」
響古は、思わず言った。
「ちょこら、チョコ食べるにっ!」
「ああ、そうだったわね…」
4人がお茶を飲み終わると、
「では、本題ですわね」
「蛍族に宝珠ってあるのよね?」
「ええ、ありますわ」
「それは、『神の石』の一つでその石を守るキリトの長が能力者として目覚めることができるの」
「そうなのでございますか?」
「そうよ、普段は封印がされているけれど…」
「そんな、大変なものですの!?」
「何があったの?」