けいおん! 〜大切な事は君が教えてくれた〜   作:あいとわ

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あいとわです~!
お待たせしました!

今回は新入生歓迎会の回ですね!
あずにゃんが登場します!

次回からHTTメンバーでの日常編となりますのでご期待ください!
またアニメではないイベント編を結構執筆します!

それではどうぞ!


#18 新入部員!

 

「はぁー、今日も1人も来なかったね・・・」

 

 

そう溜息を漏らす唯の声。

新歓活動を始めてから既に2日目が経とうとしていた。

なんとも言えない空気が流れる。

 

そんなわけでいつも通りの放課後を迎える俺たち。

 

ムギがお茶を入れ、それぞれお菓子を食べる。

甘いものはあまり食べない性格だったが、もう変ってしまったよ。

バスケをやってなかったら太ってる確実。

 

「なんで来ないんだろうな?」

そんな空気を脱する為に一言放つ俺。

「なんでだろ・・・興味がないのかな?」

「カッコよくないとか?」

「部員が少なそう・・・とか?」

「いや実際少ないな」

「どうすればいいのかしら?ビラ配りも上手くいないし・・・」

「こうなったら憂ちゃんを捕まえてくるか~」

「いや、虫じゃないんだから・・・」

 

憂ちゃんか。

そういう手もあるな・・・。

 

「まぁでも新歓ライブもあるし、そこで挽回すれば大丈夫だろ」

 

澪がティーを啜りながら言う。

それに皆が納得する。

・・・が、それは本当に最終手段に近かった。

本来なら軽音部というだけで見学くらいは来るはず。

それでもって新歓ライブでダメ押しするはずなのだが・・・。

 

新歓ライブがまさかの最終手段になるとは・・・。

 

 

・・・何か俺に出来ることはないだろうか?

 

 

俺が軽音部に入った理由はなんだ?

よく思い出してみる。

懐かしい思い出が蘇る。

 

一年前のあの日。

 

唯と出会って、唯が軽音部に入ることになった。

たまたま唯が軽音部を率いて、そのままの流れでご飯を食べ・・・。

いや、待てだめだ、特例過ぎて参考にならん・・・。

 

でも結束力・・・というか、4人のキャラの良さというか。

 

4人と一緒にいることが、とても自分にとって心地いい場所になっていったのは確かだ。

 

それを伝えられればいいんじゃないんだろうか・・・?

 

 

 

だがそれは至難の業だ―――。

 

新歓において、楽器を弾く事に興味があっても、ジャズ研究会ならぬ"ジャズ研"に新入部員は吸収される。

あちらの方が部として確立しているし、部員も多い。

そっちの方が将来性も明るく、そっちに流れるはずだ。

 

・・・難しいな。

 

 

 

「結束力が逆に入りづらい環境を生み出している・・・とか?」

 

 

「「「「・・・・・!!」」」」

 

 

全員の視線が俺に集中する。

さりげなく放った一言だけど、意外と的を得てたらしい。

「それだよ相馬!」

律が肩を組んでくる。

「あたしたちは少人数精鋭に見られているから入りづらいんだ!!」

「少人数は合ってるけど、精鋭ではないな」

「ライブ・・・ならそれなりにクォリティーの高いものを披露して一部の新入生を獲得する事を目標をしないとな」

「そうだな、相馬ナイス!」

軽く澪がウインクしてくる。

ふっ、と視線を逸らしてしまう。

意識してしまう・・・。くそ。

 

「じゃ、相馬歌ってみる?」

 

「ごめん無理」

 

即答だった。

「でも男子もいるって分かれば男子部員も来るんじゃないか!?」

「なるほど!」

「イケメン後輩男子を獲得だぜ!!」

「黙れ律」

「澪ちゃんひっどい~」

「おいおい、ふざけるなって。俺が今から歌う曲なんてなんて、このバンドに存在するのか?」

「しません」

「はい、正解」

「男子が歌える用の曲も作らないとな~」

「澪ちゃんの歌詞はフワフワしてるもんね~」

「メルヘンだからな~」

 

「って訳で、明日の新歓ライブで全てを賭けるぜ!行くぜお前等!」

 

「「「お~!」」」

 

「・・・で盛り上がってるとこ悪いんだけど、セットリストとか決まってんの・・・?」

 

「まだでした」

「おい部長・・・」

「じゃあ、決めないと・・・」

 

律がルーズリーフとシャーペンを取り出す。

 

「えーと、最初は"ふわふわタイム"。そんで新曲の"私の恋はホッチキス"・・・あと一曲どうする?」

「あれは?」

「なに?」

「私が感動した"翼をください"!」

「いや待て・・・それやんの!?」

「ネタ要素的な?」

「いらん!」

 

 

「"Cagayake!Girls"・・・は?」

 

 

「あの幻の一曲をやるか!?」

「あの曲難しいんだよね~」

唯がぐだっーと机に突っ伏す。

そういえば最近弾いてない曲だが・・・。

「いいじゃん!やろうよ!ムギはどう思う?」

「私もあの曲好きだからやりたいわ~」

「じゃ、決定な」

「う、分かったよ~」

 

「そうと決まれば・・・!練習だ!」

 

 

***

 

上の階から彼女達の音楽が聴こえてくる。

ふと歌詞を口ずさむ。

 

男子が歌うには少し恥ずかしい歌詞だけど、俺は好きだ。

それを一番前で聴いてる俺は幸せ者だと思う。

 

 

「―――あ!」

 

 

真横から声を掛けられる。

この声は聞き覚えのある声だった。

 

「尾形先輩!」

 

黒髪ツインテール、中野さん・・・だっけ?

 

「おぉ、おっす~」

 

正直名前に自信がなかったので適当に返事を返す。

・・・ごめんね適当な先輩で。

 

「何してるの?」

「先生に資料を貰ってました!」

「なるほどね。学校には慣れてきたかー?」

「そうですね・・・まだ場所とか分からない時とかありますけど、やってけそうですね!」

「でも保健室は大丈夫だろ?」

少し意地悪そうに告げる。

冗談交じりに笑う彼女。

「肘、大丈夫か?」

「はいっ!全然大丈夫ですよ!」

「良かったよ、ほんとに」

「じゃあ、私こっちなので!」

俺とは逆方向を指さし、歩き始める。

「じゃあな~」

軽く手を振り、すれ違おうとしたその瞬間だった―――。

 

 

「待って・・・!」

 

 

俺は呼び止める。

「はい?」

くるりと振り返り、俺の方を見つめる。

 

「何部に入ることにした?部活とか見学した・・・?」

 

「そうですね・・・ジャズ研とか観に行きました!」

「音楽やりたいの!?」

「はい!」

 

き、来た・・・!!

だが、ジャズ研に片足を踏み込んでいる・・・!

強敵!ジャズ研!

 

「け、軽音部とかって見たりした・・・?」

 

「軽音部ですか?」

「う、うん・・・」

 

「軽音部ってあるんですか?」

 

「え」

 

存在すら認知されていない状態でしょうか。

こりゃ新歓ライブとか言ってる場合じゃないんですけども。

まぁいい。

この子と会ったのは奇跡だ。

チャンスをモノにするぞ尾形!

 

「あるよ!明日、新歓ライブやるらしいよ~」

「へ~、上手いのかな?」

「え?」

「私、カッコイイ先輩がいるところがいいなって思ってるんですけど・・・」

「へ、へぇ~そ、そうなんだ・・・」

 

こりゃ明日のライブ・・・本気出さないとヤバいぞ・・・。

 

 

*************************************

 

 

「新入生の皆さん!!入学おめでとうございます!!軽音部です!!」

 

 

唯の声が体育館に木霊する。

そこに居るのは新入生の数々。

9割が女子なので黄色い声援と拍手があがる。

一応、俺も軽音部なので舞台袖で見学する。

 

「軽音部はとっても楽しい部活です!皆で仲良くお茶したり、話したりして、すぐ仲良くなれます!」

「活動日はほぼ毎日なんですけど、行けない日は行かなくても大丈夫なので緩い部活です!」

「私、軽音って"軽い音楽"って書いて軽音なので、カスタネットとかやる、かる~い部活だって思ってたんですよ!」

 

「なのでそんな感じで軽い気持ちで入部してください!!」

 

満面の笑みで唯が言う。

薄っすら額に汗をかいて、頑張って話している。

唯も先輩か。

なんか感傷的になってしまう。

だが、唯のMCは安心して聞いてられるな。

 

 

「それでは聴いてください!"私の恋はホッチキス"!!」

 

 

『なんでなんだろ。気になる夜、君への想い、便箋にね書いてみるよ』

 

 

この歌詞、澪が書いたのか。

澪のセンスは相変わらずだよな。

でも、聞いていられる。

 

そして唯、初ボーカルうまくいってんじゃん!

 

澪はあの事件以来歌いたがらないからな・・・。

練習で歌詞飛ばしてたからな、良かった。

 

そういえば、あの子来てるかな?

中野さん・・・だっけ。

この演奏聴いて、入ってくれればいいけど。

 

全ての想いを乗せて、届けばいいと思った。

 

*************************************

 

「おーい、そんなところで見てたら、来るモノも来ないぞ~」

 

 

演奏が終わり、俺らは部室にて待機していた。

ライブは大成功に終わり、盛り上がりもかなり良かった。

だが、人が・・・来ない。

ムギと俺は苦笑しながら、お茶を啜る。

 

「今日も美味しいな。」

「あら、ありがとう」

「結局、あの子も来ず仕舞いか・・・」

「なに?」

「あ、いや・・・なんでもないんだ」

 

「みなさーん、お茶注ぎ終わりましたよ~」

 

***

 

「こうなったら憂ちゃんを捕まえるか・・・」

「だから虫じゃないんだから・・・」

「なんでかなぁ~なんで入って来ないんだろー」

「部員が少ないのが原因なのかなぁ・・・」

 

各々それぞれ落ち込んでいるようだ。

まぁそうか。

あのライブは大成功だったもんな。

 

でも、この4人と今年も頑張るってのも悪くないかもな―――。

 

 

と思っていた矢先だった。

 

 

 

 

 

 

「あのー・・・」

 

 

 

 

 

 

入口の扉が開き、1人の女の子が顔を覗かせた。

 

その姿を見た時、全身に電撃が走ったような衝撃が走った。

 

 

「入部希望なんですけど・・・」

 

 

「今なんと?」

 

 

「入部希望・・・なんですけど―――――。」

 

 

 

 

皆がお互いの顔を見合わせる。

 

そして顔を赤らめ、そして・・・。

 

 

 

 

 

「確保おおおぉぉおおぉッ!!!!!」

 

 




遂に、出会う―――。
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