今回はHTTメンバーと尾形がご飯を食べるところから始まります!
感想、意見、評価よろしくです~!!
「き、気まずい―――――」
なんで俺は此処にいるんだろう。
俺以外全て女子。
そして唯以外ほぼ初対面。
どうしてこうなった。
田井中さんを見る。
「もういいじゃーん。こっちも澪が男子慣れしてないから練習しないとなんだよ~」
「何言ってんだ!!!このバカ律!!」
澪ちゃんが律ちゃんをぶん殴ってる。
あぁ、カチューシャがぶっ飛んでるよ。
「ちなみに何処で食べるんだ?」
「それならウチんちおいでよ~」
ふいに唯が言う。
それなら俺んちも近いしいいかもだな。
流石に出会って数十分の女の子をあげるってのも良くないと思う。
「おうちの方は大丈夫なのか?」
澪ちゃんが問う。
恥ずかしがり屋そうなのに、口調は男勝りなんだな。
「うん!今お母さんとお父さん、結婚記念日でいないんだ~」
「あら、唯ちゃん。妹いるっていってなかった?」
「いるよ~。でも妹なら大丈夫!」
「何が大丈夫なんだろう」
唯の妹ってことは・・・。
あの入学式にいた子か!
そうこうしてるうちに唯の家へと着く。
一軒家であった。
「り、立派なお家だ・・・」
思わずつぶやいてしまう。
親里離れ一人暮らししてる俺からすれば本当に羨ましい。
「おじゃましまーす」
全員で告げる。
すると玄関の方からひょこっと女の子が飛び出してくる。
「あ、お姉ちゃんおかえり~!あれ、お友達?」
「憂~!ただいま!そうだよ!軽音部の人たち!」
あの、僕違います。
「へ~そうなんだ!初めまして、妹の憂です。姉がお世話になってます~」
で、出来た子だ・・・。
きっとこの軽音部の全員が思ってることだぞこれ。
絶対思ってる。
この田井中律の表情を見ればわかる。
靴を脱ぎ、リビングに全員で向かう。
結構広めの家で、散らかってなどいなく清潔に保たれていた。
「きれい~」
「律の部屋は汚くて見せれたもんじゃないからな~」
「別にいいもん!誰が来るわけでもないし!」
「みんなゆっくりしてね~憂が夕飯作ってくれるって~」
「それにしても妹があんな出来た子だとな~」
ニヤける律。
「唯のいいところ全部持ってかれちゃったんじゃないの~」
「え~なんでなんで~!!」
全力で焦る唯。
「冗談だよ冗談~」
そんなやり取りをしてる後、憂ちゃんが夕飯を持ってきてくれる。
ハンバーグだと!!
「おおおお!!ハンバーグ!!」
「凄いわね、憂ちゃん!」
「そんなことないですよ~」
照れる憂ちゃん可愛いです。
みんなが感激してる中、自慢そうな表情をする唯。
「あの・・・お前のこと褒めてる訳じゃないぜ?」
「ふんす!」
「・・・・・」
この子は放置しておこう。
ハンバーグは一口食べただけで舌がとろけそうになる。
本当においしい。
店出してもいいんじゃないの。
皆で感激する夕食だった。
*****************************************
夕食を食べ終わる。
「んで、あたしがドラム!」
「私がキーボードです」
「わ、私はベース・・・」
「ギター!ふんす!」
「へ~それで廃部寸前だった軽音部を唯が入ってどうにか免れたってことか」
「そうだよ!」
「唯ギター弾けるようになった?」
「ううん、全然」
「・・・・・。ちなみにギター買った?」
「ううん、まだ」
「・・・・・。」
「唯はこういう子なんだ!許してあげて!!」
全力で訴えかける。
軽音部の方々、どうかこいつを見捨てないで!
「いや、知ってるよ・・・」
律が俺の肩をポンッとする。
彼女の目は悟りを開いているようにも見えた。
「今度ギター買いに行こうよ、唯」
「そだね!練習もしたいし!」
「軽音部は喫茶店じゃないからな~」
呆れる表情の秋山ちゃん。
一瞬目が合うも逸らされる。
「ところで、尾形くんは何してんの?」
キョトンとしながら田井中さんが聞いてくる。
「ん、俺はバスケ部に入ってるよ」
「運動系か~」
「あぁ。今日も早速バスケしてきたよ」
「見てたわよ。凄かったわね!」
目をキラキラさせる琴吹さん。
「あ、ありがとう」
「長い事やってらしたの?」
「えーと・・・」
「尾形くん!凄いんだよ!中学バスケのMVPだったんだって~!」
全員が固まる。
「すげえ!道理で巧かったわけだぜ!」
「凄いな!尾形くん!」
「いや・・・色々事情はあったけどね・・・」
思い出したくない過去。
今は目をつぶろう。
「俺は上手くなんかないよ、ただ負けず嫌いなだけ―――」
*****************************************
時計は午後の九時を回る。
時間が過ぎ去るのは早いものだ。
皆で家を出る。
「おじゃましました~」
皆で帰路に辿るが、俺は家が割と近めなので皆と逆方向だった。
「じゃあな、尾形くん!」
「また明日!」
「じゃ、じゃあ・・・」
「おう、また明日な!」
手を振る。
さて、帰るか。
今日のことを思い出す。
皆で夕飯を食べた。
とんでもない出会いがあったもんだ。
でも、すごく楽しかった。
久しぶりに温かい気持ちに―――。
ズキッ、と俺の頭の中の警報音が鳴った。
「頭いってぇ・・・」
なんなんだ。
幼少期からあるこの感じ。
これが起きた時は何かが起こった時だ。
何か不幸な何かが―――。
「尾形さん!」
待ってました、かのように後ろを振り向く。
気配は結構前から感じていた。
人の視線などは敏感に感じ取るのは俺の悪い癖かもしれない。
「憂ちゃん、どうした?」
「あのっ、秋山さんが財布忘れちゃってて!探してたら尾形さんがいたので!」
「そっか。じゃあ俺が届けとくよ!」
「本当ですか!助かります!」
「おう」
憂ちゃんから財布を預かる。
さてひとっ走り行くか。
駅方面にいるかな?
「あの、尾形さん。ひょっとして入学式の時会いましたよね?」
「そうだね。あの時会ってた、俺達!」
「何かの縁ですね、これからお姉ちゃんをよろしくお願いします!」
「任せとけ!唯の扱い、やっと最近分かってきた!」
お互い笑い合う。
本当だ。
お姉ちゃんと一緒で、笑顔が無邪気で可愛い。
俺はこの笑顔に色々助けられてるのかもな・・・!
「今日のハンバーグ、最高に美味かったぜ。また食べに行くからよろしくな!」
「はいっ」
もっと話してたい。
でも、今は急がなきゃ・・・。
秋山さんが・・・。
「じゃあ、財布お願いします!」
「分かった!何か・・・嫌な予感がするんだよね・・・胸騒ぎみたいな」
「えっ」
「まぁただの勘違いならいいんだけど―――。じゃ!」
手を振り、走り出す。
勘違い、か。
そんなこと今までに一回でもあっただろうか。
誤魔化しはいらない。
俺は夜の道を駆ける。
財布を届けるためではなく。
秋山さんを助けるために―――。
尾形、駆ける―――。