けいおん! 〜大切な事は君が教えてくれた〜   作:あいとわ

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大変長らくお待たせいたしました!!!
まずは。。
あけましておめでとうございます。
今年も"あいとわ"をお願いします。

新年初っ端の更新です。
・・・なんと今回のお話は"完結"言っても過言ではないぐらいのクオリティーです!!
いや、本当です(笑)

物語の構成的にいつにするかずっと迷っていたのですが、新年初っ端かましちゃおう!ということで今回にしました。

原作では12話~くらいからの話になっております。
お待たせした分、存分に楽しんで頂ければと思います!
それでは、どうぞ!!



#31 好きだ!

「よーし!みんな揃ったな!?」

 

 

 

 

 

「いやっ・・・あの唯ちゃんがいませんが・・・」

 

 

 

 

 

 

「「「えっ!!!???」」」」

 

 

 

 

 

 

このくだりもう何回目だろう・・・。

また寝坊か唯・・・。

まだ確かに学校の朝礼時間ではないが、軽音部は朝早く集合ということだっただろう。

だが・・・。

 

 

「もしかして体調悪いままとかねーよな・・・?」

 

 

全員の呼吸が止まる。

一番恐れていた展開だ。

 

「だ、大丈夫ですよ・・・!昨日だって熱は下がったって言ってましたし・・・!」

「そ、そうよね・・・」

「でも唯だぞ・・・?」

「こら律!縁起でもないこと言わない!」

「そうだな・・・。すぐケロッとして来るさ―――」

 

そんなことを言った。

あぁ。

口で言うのはなんて簡単なんだろう。

 

皆に言った事とは裏腹に。

昨日の帰りに、唯に言ったこと。

俺はそれを思い出した。

 

"それに関しては、決して間違ったことは伝えてないはずだ"

 

でも・・・。

唯がそれで何かを考え込んでしまったり・・・。

 

やはり言わない方が良かったのだろうか。

胸に秘めているだけで良かったのだろうか。

 

・・・今更考えたところで分からない。

でも後悔だけはしたくなくて。

唯がどんな気持ちになってしまったとしても、それだけは伝えたかったのだ。

一見、自己中心的な考え方だが、こればかりは仕方ないと思う。

 

 

 

 

 

「おはよー・・・」

 

 

 

 

 

「「「「!!??」」」」

 

 

 

 

 

 

そんなのを考えていた俺を嘲笑うかのように。

息を切らしながら唯が部室の戸を開けて顔を覗かせてきた。

 

「唯!!!」

「唯ちゃん!」

「唯先輩!」

「唯!!お前なぁ~!心配したんだぞ~!?」

「ごめんごめん。寝坊しちゃって・・・でも風邪は完全治りました!」

「良かったな!てっきり風邪がぶり返したのかと・・・」

「えへへ・・・。ごめんね。もう大丈夫です!」

「なら良かった・・・本当に」

「あずにゃん?」

 

「最低です・・・!こんなに皆心配してたのに・・・最低です!」

 

「ちゃんと埋め合わせしろよ?梓が一番心配してたんだから・・・」

 

涙ながらに叫ぶ梓の背中に唯がハグをした。

 

「あずにゃん・・・ごめんね。心配かけて・・・私精一杯やるよ!みんなと一緒に!最高のライブにするから・・・!」

「もう・・・特別ですよ・・・」

「仲直りのチュ~~~!」

 

刹那、梓の平手打ちが唯の顔面に直撃した。

そんな姿を見て、全員が安堵の息を漏らす。

本当に良かった。

これで二度目の文化祭も無事に迎えることができる・・・。

なんだかんだハプニングが続いたけど、ついにこの日を迎えた。

ムギが言っていた通り、皆意気込みを強く感じる。

なんかいいな、この感じ。

 

 

これを"青春"と呼ぶなら、それは凄くいいものだな―――――。

 

 

さわ子先生、ありがとう。

 

 

「よーし、練習すっか!」

「そうですね!!!」

「って言っても、もうこの前もやったし完璧っちゃ完璧なんだけどね~」

「唯、お前が言うな・・・」

「じゃあMCの練習でもする?」

「MC?」

「おいおい・・・君も無自覚で前回やってたろうに・・・」

「えっ?!」

「曲と曲の間に話すことだよ!よくライブとかでもあるでしょ!」

「あー!あれをMCって言うんだね!」

「もー・・・唯先輩は~」

「えへへ」

 

 

俺を除く五人はMCの話をし始める。

それを外からムギの入れたお茶を啜りながら聞く。

第三者。

端から見れば放課後ティータイムはこんな感じなのか。

なんか微笑ましいというか、いつまでも見ていられる気がする。

ほんわか日常の一ページを切り取ったような。

それは日常であるのだが、失われてしまってから気付く非日常のような。

 

 

「って・・・なんで俺はそんなこと考えてんだ。文化祭前だから感傷的になってるのかな・・・」

 

 

 

 

***

 

 

昼になる。

昨日以上に人は大混雑し、文化祭はピークを迎えようとしていた。

そんな中、メイド服姿の澪が俺の方にやってきた。

 

「一時半から軽音部のステージだから・・・そろそろ準備しないとな」

「おっ、そうだな」

「はぁー・・・緊張してきた・・・」

「相変わらず澪はあがり症なのは変わらないな~」

「し、仕方ないだろ・・・!」

「まぁまぁ」

 

俺はどこを見つめるわけでもなく。

 

「俺らがこれまでどんな事をしてきたのか、思い出してみろって」

 

「うん―――」

 

「昨日も言ったけど、これが放課後ティータイムなんだ。」

 

「・・・・・」

 

「もうこの舞台は二度と戻って来ない。今一度きりしかないライブ・・・思いっきり楽しみなよ!」

 

「そうだな・・・!」

 

満面の笑みで答える澪。

なんとその笑顔は美しいことか。

頑張れよ、澪。

お前ならできる。

俺が保証する―――――。

 

「じゃあ私は着替えてくるから先に準備してて!」

「おう!了解!」

 

澪の後ろ姿を見届けると、俺は準備を行うために講堂へと向かった。

 

 

 

***

 

 

講堂の入口からは中の音が駄々洩れで聞こえてくる。

今はダンス部の発表だったかな?

ゆっくり講堂の戸を開け、中へと入る。

 

すると目の前に律がいた。

 

「ん、律じゃん。何やってんだ?」

「相馬!準備しにきたの?」

「あぁ。律も行かないのか?」

「行くよ!」

「・・・どうした?」

 

「いや、一時間後に私たちがあの舞台に立っていると思うと緊張してきちゃってさ~!」

 

「なんか・・・みんな緊張してんだな」

「そりゃするよ~!梓もさっきずっと真顔で上の空みたいな感じだったし・・・」

「なんか・・・想像つくな」

「だろ~?だから相馬はしっかりと一番前の席キープしておいてな!」

「りょーかいです、部長」

 

ニコリと微笑む律。

頼んだぜ、部長・・・。

お前が要だ。

 

「じゃあ、準備しに行くか」

「だな」

 

俺らは講堂のステージ裏へと向かう。

ステージ裏へ入ると、舞台の関係者や実行委員会の人たちが沢山いた。

その人たちに会釈をしながら俺らも機材の確認をする。

 

「アンプは人数分あるな?」

「うん。シールドもある?」

「ある、大丈夫だ」

「おっけ」

「あとは楽器を持ってきて、音合わせして、楽器を運ぼう!」

「だな、ドラム重そう・・・」

「頼んだよ~相馬っくん!」

「えぇ・・・」

 

思いっきり肩を掴まれる。

ドラム重いって絶対・・・。

 

 

 

 

 

 

「そういえばさ、相馬。」

 

 

 

 

 

 

「ん?」

 

 

 

 

 

 

「決めたのか?自分の気持ち。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――――あぁ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そっか。良かった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

何故か、律はとても優し気な表情になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつ言うんだー??」

 

 

 

 

 

 

「んなもん、分からねーよ。」

 

 

 

 

 

 

「なんでよー!教えてくれたっていいじゃーん!」

 

 

 

 

 

「仕方ねーだろ、こんなの初めてなんだからよ」

 

 

 

 

 

「なるほどねぇ~。まぁ、頑張りたまえ。部長は応援してるぞ!」

 

 

 

 

 

「ありがとう」

 

 

 

 

 

自分でも分かっている。

 

 

 

 

 

この気持ちの結末は近いってことは、な――――――。

 

 

 

 

 

 

**********************************

 

 

時は1時15分。

ドラムとキーボードは既に俺が死ぬ気で運び、あとはギター組が各々ステージへ持って行くだけとなった。

 

「よーし、みんな集まったな~!」

 

律が叫ぶ。

はーい、と皆が応える。

 

「よし!みんな衣装に着替えたことだし、ギター組は各々持って講堂へ!」

「みんな~!私が作った衣装似合ってるわよ~!」

 

さわ子先生が満面の笑みで皆の頭を撫でていく。

あー、俺も撫でたい・・・。

 

「悔いなく演奏してきなさい!それで終わったらしっかり打ち上げしなさい!」

「打ち上げ楽しそう~!」

「唯先輩は呑気ですね・・・」

「梓も唯みたいにどーんって構えておいた方がいいぞ。真顔になりすぎてるから・・・」

「にゃっ!真顔じゃないですー!!」

「あずにゃん可愛い~!!!」

 

「梓、頑張れよ!」

「はい!!」

 

言われるまでもなく、彼女は元の中野梓へと戻っていた。

全身から溢れ出るやる気のオーラ。

やっぱり彼女は努力の天才だな。

 

「それと、相馬先輩!」

「ん?」

 

 

 

「軽音部、誘ってくれて、ありがとうございました!!」

 

 

 

「ばーか。そういうのは終わってから言うんだよ」

 

 

 

軽くおでこを突くと、彼女は少し涙を浮かべていたのであった。

 

 

 

全てが始まる―――――。

 

 

 

長かった――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ・・・・・ない!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「え????」」」」」

 

「ぎ・・・ギー太・・・ココに置いてあったよね・・・・・・?」

 

「あ!!そういえば憂ちゃんがギー太持って帰ったぞ・・・!」

 

「じゃあ・・・家にあるってこと・・・!?」

「逆に何故気付かなかった・・・!!」

 

全員が不安の色に包まれる。

逆に最後の最後でこうなるのは唯らしいっちゃ唯らしいが・・・!

 

「仕方ないわね、私の使いなさい。」

 

さわ子先生が現役の時に使っていた刺々しいギターを唯に差し出す。

「さわちゃん・・・」

「唯、ギー太じゃなくていいのか?」

「うん・・・ていうか私・・・」

 

 

「ギー太以外のギター弾けない・・・・・」

 

 

「「「「「だろうな~」」」」」

 

 

唯は決意の表情を浮かべる。

本番まであと15分。

唯の家にいくまでに俺でも10分かかる。

ライブに与えられた時間は15分。

つまり、唯が取りに行けば・・・確実に一曲は弾けないことになる。

あぁ・・・・・くそ・・・・・・!!

 

 

「私、取りに帰るっっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダメだ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「相馬くん・・・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「唯はステージにいるべき人だ・・・!!俺が行くッ――――!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「相馬!?」

「相馬くん、去年も途中から来たじゃない・・・!」

「でも、唯がいないよしマシだろ?俺が走った方が速いのは確実だしな!」

「うんー・・・でも・・・」

「いいから、任せておけ・・・・・!!」

「でもギー太以外のギター弾けないし・・・」

「そうか・・・そうだったな・・・」

 

 

「いいよ!相馬くんは講堂にいて!私が取りに帰る!!」

 

 

「唯・・・」

「ありがとね、相馬くん。最後の最後まで。」

「おう・・・。じゃあ一曲目って俺が弾くのか?」

「そうなります先輩」

「まじかぁ・・・」

 

「そうと決まれば・・・おっしゃあ~!!」

 

唯は勢いよく部室のドアを開け、走り始めた。

流されるかのように、俺も彼女の跡を追った。

何故かは分からない。

でも、体が勝手に動き始めたんだ。

 

 

 

 

 

 

 

「唯!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「相馬くん―――――!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「覚えてるか?

 

 

 

 

 "明日のライブ・・・必ず成功させる――――――!!"」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん、"嘘"でしょ―――?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ―――。だからライブは任せとけッ!!!行ってこい、唯!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の言った"嘘"が"本当"になっていく――――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の言った3つの嘘。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は今後一生・・・何があっても・・・放課後ティータイムの"ファン"で居続ける――――――。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「明日のライブ・・・必ず"成功"させる――――――。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんで―――――――――。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ずっと言えなかったけど・・・・・俺は世界で一番、"平沢唯"が好きだ―――――。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つまり、そういう事だった。

 

 

 




嘘が真実になっていく―――――。
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