この素晴らしい女神に信仰を!   作:黄昏たそ

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五話・カズマとパンツと盗賊術

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ーー2人の盗賊は互いに物を盗んだ。

 

 

ーー1人は金品を盗んだ。

 

 

ーー1人は服を盗んだ。

 

 

 

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あの後、お祈りをしてきたカズマと背負っていためぐみんを投げ捨てて肩を殴ったのでガチ喧嘩になった今日この頃。

「てめーが悪いんだぞ!僕は悪くない!内定を決めた後にそれを言ったら戦争だろうが!その低ステータスで食らってたまるかー!」

「だからと言ってやられっぱなしでいられるか!意地があんだよ!男の子にはなぁ!」

往来が激しい通りで殴り合ったイベント後、ちゃんと回復させてヤンキー漫画よろしく和解したのでご安心ください。

で、ヌルヌル2人と先にお風呂に行くためカズマと一旦別れた。

そしてダッシュで大衆浴場まで駆け抜けた。

パーティには仮決定という事で落ち着いたので、明日からは就職からアクシズ教の地位向上にシフトしていく方針に決めたのだ。

それなのにアクシズ教徒がヌルヌルしてる2人を連れ歩いてるなんて見られたらまた半年前に逆戻りだ。

めぐみんをアクア様に預けて、僕もお風呂に入ってカズマとアクア様に会ってからの立て続けのイベント疲れを癒したのだった。

 

 

次の日、パーティみんなで昼食を取っているとカズマはスキルの取り方を聞いて来た。

一番最初に冒険者カードをもらった時にスキルを習得しなかったのかと思ったが、教えてるめぐみんによると冒険者は最初は何も覚えてなく、教えてもらって初めて習得出来るのだそうだ。それでいて全てのスキルを習得可能とのこと。

これだけ聞くと最強に思えるが職業補正でプラスされないから器用貧乏だそうな。

で、レベルアップしたのでスキルを何か取ろうとしてるとのことだ。

めぐみんは爆裂魔法だけだし、アクア様も多才だが宴会芸しか教える気はないみたいだ。

その2人の女を言葉だけでしょんぼりさせたカズマはこちらにも話を当然振ってくる。

「なぁ、なんか便利なスキル持ってないか?」

そう言われて僕は1エリスを見せるように掌の上に出す。

「うーん…ここに1エリスがあるだろ?」

「おう」

次の瞬間、

「はい!無くなっちゃいましたー!」

「誰が手品やれっていったんだよ!」

「宴会芸のスキルの一つ、手品。物を隠せるし隠した物も取り出せる。ポッケ要らずのいいスキルなんだけど」

「いや、戦闘の何の役にもたたねーだろ」

なぜかアークプリーストのスキル欄の他に宴会芸のスキルもあったからアークプリーストのスキルを一通り取った後、取ってみたスキルだった。

最初の頃は芸をして食い繋いでた時もあったからなぁ…

「と、いってもアークプリースト2人もいるのに冒険者の回復いるのかなぁ…優先順位低くない?」

「うーん…そうだなぁ…」

 

 

「アッハッハッハ!」

それは横からの突然の声。

「面白いねキミ達!ダクネスが入りたがってるパーティの人たちかな?有能なスキルが欲しいんだろ?盗賊スキルなんてどうかな?」

見ればそこには2人の女性がいた。

頰に小さな刀傷、ちょっとスレた感じだがサバサバとした明るい雰囲気の銀髪の年がめぐみんくらいの美少女とクールビューティー系フルプレート金髪ロングの美女。

この世界美男美女が多くて嫉妬しそうになるな。

「えっと、盗賊スキル?どんなのがあるんでしょう?」

カズマの質問に上機嫌で答える美少女。

罠解除、敵感知、潜伏窃盗などパッシブ系が多いみたいだ。

飲み物一杯で教えてくれると優しさ付き。

カズマは一杯おごると2人を連れてさっさと店を出て行った。

 

 

 

…何故だろう、カズマに嫉妬してしまいそうだ。

僕が受けた半年間の苦行は何だったのだろうと。

 

「聞こえますか…?聞こえますか我が信者よ…」

「アクア様…」

悩める僕の元に女神が降臨した。

そして、自然と手を組んで懺悔をしていた。

「アクア様、たった今、私は友人に嫉妬してしまいました…何でこいつの周りには女が集まるのだろうと…あぁ、アクシズ教徒となり皆の自由を謳っておきながら人の関係の自由を妬んでしまった愚かな自分をお赦しを…」

「安心しなさい、神は全てを許します。汝、自らを赦しなさい。アクシズ教は全てが許される教え、例えハーレム願望者もその例外ではなく逆に寝取られた者も平等に、そこに愛があり犯罪でない限り全てが許されるのです。汝、もっと人を愛しなさい。それと神に優しくしなさい」

「…ありがとうございます」

神も平等に扱わなきゃな。

「汝、敬虔なる信徒よ、そのままでは憎悪に惑わされるでしょう。惑わされないための言葉を授けます」

「その言葉とは…」

「『リア充死ね』」

「いや、それ憎悪拡大させてるよね?憎むことも自由かよ。だから後輩のエリスに国教取られるんですよ。」

…じわっと目を滲ませて泣いてしまわれた。

「でも僕はアクシズ教好きですよ」

パァっと明るい笑顔になる。

チョロいなこの神。

 

 

 

 

懺悔を聞いてもらった後アクア様は芸を見せに行った。

芸をやらされるんじゃない!芸をやるのよ!と何気なく言った言葉は何ともアクシズ教の自由らしさを出していて、彼女が自由の女神であることを再認識する。

「しかし、教えてくれる人がいてくれてよかったなぁ、パーティが無能一人と回復役二人じゃあなぁ」

「む、無能!?ちょっとそれは聞き捨てなりません!爆裂魔法は最強の魔法ですよ!」

アクア様の芸で盛り上がってるテーブルから離れてご飯を黙々と食べていためぐみんが独り言に口を挟んできた。

「撃った後にカエルに食われないようになったら無能を外して面白にしてあげようと思うけど」

「れ、レベルが上がれば倒れなくなります!その面白も撤回しろぉ!」

「え?あんな一発限りの爆弾、ダンジョン内で使えないしフィールドではモンスターおびき寄せるしボスだけに使うとっても強い矢と変わらなくない?」

「爆裂魔法を矢と同じ発言!その言葉、粉砕してあげましょう!表へ『アクシズアイアンクロー!』くっ!その程度の痛みで我が屈すると、て痛い!力込めないで!頭が!私の頭が爆裂しちゃいますよ!この最低暴力アクシズ魔神官!」

「フハハハハ!なんとでも言うがいいさ、無能ロリ頭爆裂娘!この状況ではなにも出来まい!それに爆裂魔法はネタ魔法なことは周知の事実!さぁ、貴様が売った喧嘩をやめて欲しければアクシズ教へ入信『ライトオブフォーク!』痛!?グッガァ!貴様あ!フォークは使っちゃいかんだろ!フォークは!」

「私の爆裂魔法への愛の重さを思い知りましたか!」

「めぐみん!目を覚ませ!君は爆裂魔法を愛しているんじゃない!取り憑かれてるんだ!」

この後、爆裂魔法の事を最高の魔法だと言わされるまで続いた。

めぐみんは短気で爆裂魔法を本当に愛していて躊躇がなく頑固。僕覚えた。爆裂魔法の話だけは振らないようにしよう…。

 

 

 

 

と、そんな所でカズマ達が帰ってきた。銀髪の子が何故か落ち込んでいるが。

遠くの席では、

「アクア様!もう一度花鳥風月を!金なら払います!」

「バッカ!金じゃねぇ!食い物だ!ですよね!?アクアさん!奢りますからもう一度」

等々大勢から請われているアクア様。当然自由を愛すアクア様はノーと言ってこちらへ人集りを押しのけてやってきた。

「って、その人どうしたの?」

するとクールビューティーが口を開き、

 

「うむ、クリスはカズマにパンツを剥がれた上にあり金を毟られて落ち込んでいるだけだ」

「おいあんた何口走ってんだ!待て!間違ってないけどほんと待て!」

「カズマぁ!」

僕は怒った。いや怒るよだって

「ちゃんと金払わなきゃダメじゃないか!パンツ買ったんだろ?」

「ちげーよ!何言ってんだエロ神官!」

「クリスさんもパンツ売るぐらいならもっと人選ばなきゃ」

「違うよ!脱がされたの!私を変態側に引き込まないで!被害者だよ!」

僕達二人への周囲の女性冒険者の視線が氷点下まで冷え込んだ。

まって、僕はただ、そう思っただけで何もしてないから!

「おい、待てよ。ほんとにまって。」

「ノー、僕、違う。僕、違う。僕ただのアクシズ教徒。」

「パンツを取引材料にされてあり金全部持ってかれちゃったからダクネス、あたし臨時の稼ぎのいいダンジョン探索参加してくるから!適当に遊んでて!」

そうクリスはクスクス笑いながらさっさと去って言ってしまった。

 

「えっと、ダクネスさんは行かないの?」

カズマはそう尋ねたが前衛職は人気で人が飽和してるからなぁ…

…アークプリーストは希少で引っ張りだこのはずなのに何でパーティ入れてくれないんですかねぇ

「それで?カズマは無事スキルを覚えられたのですか?」

めぐみんの言葉にカズマは不敵に笑い、

「まぁ見てるよ?行くぜ、『スティール』ッ!」

 

 

めぐみんの方に右手を突き出すとその握りこぶしから白い布が、

 

パンツが出てきた。

 

 

「うわぁ…」

ごめん、ガチで引いたわ。

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