この身は鞘でできている   作:内臓脂肪が多いガリノッポ

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独りきりの荒野は寂しい、その荒野を共に歩く人がいたって良いじゃない


魔術師の観点

衛宮士郎という人物について、学校の人に聞き込みをしてみた。

 

(ワカメ髪のナンパをしてくるウザい男子学生)「はぁ?衛宮について聞きたいだって? なに?お前あいつのこと好きなわけ?っていやごめん!?気に障ったなら謝るからさ!?だからその後ろに引いている拳を元に戻してくれ!!

 

ふぅ、んで衛宮についてだって?ああ、あいつはお人好しの甘ちゃんだからお願いすればほぼなんでも聞いてくれるんだよね。雑用なんかも代わってくれるからさ、僕に限らず色んな奴に使われてるよ。後は生徒会長と仲良いから何かと噂は絶えないね。まあ、取り敢えずはあいつのあだ名のバトラーってのが衛宮そのものだと思ってくれて良いよ。けどあいつの妹が、悪意を持って衛宮を使おうとするとなぁーーーーーー

 

 

 

 

(私の好敵手)「衛宮についてねぇ。衛宮はもの凄い弓道が上手いんだよ。そりゃもう百発百中な位に。それに人柄も良いし、後輩からも好かれるし、物も大切にする奴だしね。だから本当に辞めちゃったのが悔やまれるよ。どれだけ言っても戻って来るつもりは無いみたいだしさ。確かに衛宮は超お人好しだけどね、それと同じくらい、頑固なんだよ。衛宮の妹が言えば違うかもしれないけど、妹は衛宮を全肯定だからさーーーーーーーーーーーー

 

 

(陽気な弓道部の顧問)「あら、しろゲフンゲフン!衛宮君のことですか?んー、彼はとっても料理が上手いのよ。女の子の中じゃ料理を学ぶ為に教えて下さいって言う子までいるんだから。それと、ここだけの話だけど、実はね?士郎ってば小さい頃の夢が正義の味方だったのよ。あはは、可愛いでしょ?本当に正義感の強い子なのよ?特に妹さんのことになるとねー。今は鳴りを潜めたんだけど、昔は本当に大変だったーーーーーーー

 

 

(私を目の敵にする生徒会長)「むっ!何か用か女狐。何?衛宮についてだと?貴様一体何を企んでいる。俺は何があろうと友人を売ったりはせぬぞ!

ふむ、衛宮の人柄について聞きたいと。確かに衛宮は客観的に見れば誤解を受けやすいかもしれん。ならばここでそれを解くのも友人の務めか。うむ、衛宮は知っての通り穏やかで人の為と行動を起こしてくれるとても良い奴だ。だかしかしな、それを良いことに衛宮に雑務を押し付ける不届き者がいるのも確かだ。しかもあやつはそれを知っていても断ろうとはしないのだ。その理由が俺にはいまいち納得できなくてな、そこが衛宮の良過ぎる性格の弊害とでも言うべきか。衛宮の妹にも止めるように直接言っては貰ったのだが俄然ーーーーーーーーー

 

 

 

 

「うーん、悪い奴ではないし、人から嫌われてる訳でもないし、かと言って自分を偽っている訳でもない。取り敢えず聞き込みの結果はこんな感じかしらね。」

 

冬の肌寒さを感じ始めた秋の終わり頃。遠坂凛は衛宮士郎について考えていた。彼女も年頃の女の子なので異性に興味を示しているーーーーー訳ではない。

 

「まさか衛宮君が魔術師だなんて思ってもみなかったわ。けど色んな人に聞いてみた限りでは彼が魔術師とは到底思えないのよね。」

 

回想するは丁度一週間前。朝に学校の廊下をいつも通りに歩いていると、彼女を毛嫌いする生徒会長と会った。事のそもそもはそのときである。相変わらずの酷い反応をされていた彼女は、それを聞き流すためにあさってを向いていると、生徒会室に入る人影が見えた。

 

それにつられて開いた扉の方を見ると、驚愕の光景が視界に飛び込んできた。何ということか、衛宮士郎が解析の魔術を使っているではないか。

これはどういうことだと、若干の動揺があった彼女だが、何を隠そう彼女は優雅であることを家訓とした天才魔術師である。そんなことはものの数秒で無くなり、その時には既に彼女の焦点は、衛宮士郎の魔術師としての面についてに合わせてあったのだ。

 

「けど、なんか解せない。」

 

その通りである。暗示を併用した聞き込みの結果は、魔術師の近所付き合いのセオリーからは外れた深い関わりを持つ人間が多数存在している。いや、万人に対して奉仕するなどという行為がある時点で既に魔術師からは大きく外れている。

 

「というかそもそも何でストーブの修理に魔術なんか使うのよ!全然意味わかんないわ!」

 

衛宮士郎の解析魔術の対象はストーブだったのだ。魔術は秘蔵するもの。これは魔術の世界ならば、世間常識を知らない幼子ですら知っている常識である。それを扉を閉めるだけで何の対策もせず、しかも学校で、さらにはストーブ修理などという魔術要素皆無なことに使用されている理由が彼女には皆目見当がつかなかった。

 

「……そうよ、一度落ち着きなさい遠坂凛。余裕を持って優雅たれ。余裕をなくしちゃ冷静な判断は出来ないわ。もう一度見て聞いたことから疑問点を探すのよ。」

 

遠坂凛は理解出来ずに困惑していた脳内を一度リセットした。彼女の天才である由縁こそが、この瞬時に冷静になれる精神力から来ているであろう。

 

「衛宮士郎に限らず何か他に不審な部分は無かったかしら、そうよ何かがおかしいわ。何か明らかに目立つ点があった筈。」

 

彼女の思考の釣り針に引っ掛かったのは、聞き込みをしていた時に感じた『またか』という違和感。必ず衛宮士郎の話しをしていた中で出てきた単語、それはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ーーーーー『妹』、ね。」

 

彼女が聞いた話しの中では誰の口からも、『妹』という単語が出てきていたのである。これは重要な点だろうと彼女は思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「士郎のお馬鹿ちん、機械弄り好きの変態、冬木のバトラー。」

 

「どうしてそんなに怒ってるんだよ、俺お前に何かしたか?」

 

「そもそも自分が何をしでかしたか、それに気づいてないから手に負えない。士郎はもう一度、国語の授業を小学生からやり直すことをお勧めする。」

 

「ひ、酷い言い草だな。一体全体俺が何をしたって言うんだよ、それを教えてくれなきゃ謝ることもできないじゃないか。教えてくれよ『さや』。」

 

 

衛宮さや は、衛宮士郎の妹である。これはそんな彼女の存在によって変わる正義の味方の物語である。いや、正義の味方に正義を貫かせる物語の、プロローグである。そう、これは飽くまでプロローグなのだ。そのプロローグが始まるのである

 

「それじゃまず士郎、正座。」

 

「何で突然正座なんk「正座」って俺の話しをki「 正 座 」……アッハイ 」

 

 

 

始まるのである(汗)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




変に凝った書き方をしようとしたらクッソぐっちゃぐっちゃな文章になりました。次回からより面白く書きます
では
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