あ、cccコラボはスカしました。腹いせにBBちゃんをレベルマ フォウマ スキルマしたらQPが枯渇しました。人生ままなんないもんです。
ーーーー衛宮家は危機に晒されている。それがどれだけ危機的状況かというと、対策を講じなければ自滅を招く可能性を孕んでいる程のものだ。
しかし、それは例え彼等兄妹が、力を尽くそうと尽くすまいと必ず失うことになる。今までに何度か同じ目に遭ったのだが、やはりそれは確かに衛宮家に大打撃を与え、楔であるかの如く、今尚突き刺さったまま抜けずに兄妹を苦しめていた。
「……貴方たち、案外魔術師らしい悩み持ってたのね。」
遠坂凛から何ともいたたまれない感想が飛ぶ。
そう、体操座り。それが今の衛宮士郎のしている体勢であった。
それは遡ること一時間。遠坂凛との同盟が結成されてから、数日経ったこの日。彼等は同盟を組む上で必要な、お互いの情報を交換し合う為に授業後に、衛宮家に集まっていた。
「さて、早速本題に入りましょうか。改めて自己紹介させて貰うわ。この冬木の地を管理する遠坂家の当主、遠坂凛よ。使える属性は五大元素全て、主に宝石魔術を主装備として今回の聖杯戦争に挑むつもりよ。」
その台詞に、兄妹は少なからず驚いた。自らの魔術適正を何のためらいもなく言葉にし、更には魔術媒介すらも口にした。大胆不敵と表す他ないほど、その声には自信が込められていた。
「……なあに?私がここまで自分をさらけ出すとは思わなかった?」
してやったり、彼女は顔でもそう語る様にニヤニヤとした表情を二人へ見せつけた。
「そりゃ驚くさ。俺なら兎も角、魔術師がそこまで正直に話すだなんて思ってもみなかった。」
「…開き直っただけな気がする。」
「私だって普通の魔術師じゃないわ。由緒ある家系の魔術師よ。誇りを捨ててまで契約の裏をかこうとは思わないもの。後、妹の方は黙ってなさい。 」
さやに反応したあたり、開き直った部分もあるらしい。それで良いのか遠坂家よ。
「それじゃあ、遠坂も腹を割って話してくれたんだ、俺たちも正直に話そう。俺は衛宮士郎、趣味は家事全般、使える魔術は強化と投影が少しってところだ。属性の適正はない。これでも鍛錬は欠かしてないんだけど、どうにもへっぽこは卒業できてない。」
士郎の言葉からは、自分が普通以下の実力なことに悔しさを感じているのが伺える。そう、衛宮士郎には五属性全ての適正が無く、これといった魔術は強化しか使えないのだ。
「へっぽこってあんた、あの時一瞬で腕生やしてたじゃない!あれんなのしておいて、どこがへっぽこなのよ!」
先日士郎が見せたあの魔術の域を超えた回復性能。あれは凡才が出来ることではない。なにかタネがあるはずなのだが、
「……いや、正直俺自身なんであんな事を起こせたのか分かってない。ただ、俺は昔から怪我の治りがとんでもなく早いみたいなんだ。」
どうやら、そのタネが自分でも見つけられないらしい。
「…あたし、こんなのに負けたの…?ちょっと恥ずかしさで死にたくなってきたんだけど、」
「なんでさ!」
その場で顔を覆い隠す凛に、思わず突っ込む士郎。あえて遠坂凛の肩を持つとすれば、彼女の属性である
つまりは相手も知らず、自分も知らぬ者が戦いを潜り抜けた訳だ。これには孔子であっても驚くことだろう。
「…士郎は冷静。貴女はそうじゃなかった。…それだけ。」
「うぐッ!」
的確な毒づきに胸を抑える遠坂凛。実際その通りなのだから、何も言い返せないのも仕方ない。
「…けど、二人のその言い方だと俺は魔術師として赤子も同然って風に聞こえるんだけど……」
態々聞かなくても良いことを、口に出してしまった士郎。これへの返答などは予想するまでもなくーーーーー
「「勿論」」
「……なんで、さ…」
先ほどの毒づきの威力を超える毒針が、士郎の胸に突き刺さる。あれだけ犬猿の仲に見えた二人だったが、今回に関しては見事に一致した。藪蛇とは正にこの事だろう。
改めて自分の弱さと女の恐ろしさを感じた士郎であった。
閑話休題
「……衛宮さや、衛宮士郎の妹。趣味は刀剣の収集。属性は基本無し。…使える魔術は強化のみ。体質的に魔力を外に放出できない、例外として刀剣の類いには流すことが可能。…以上。」
彼女は実に簡潔に、そして淡々と自己紹介をした。いや、寧ろこれは自己説明といった方が適切だろう。彼女の表情は基本変化することはなく、態度も然りだ。ただ、純日本人的な腰まであるきめ細かい黒髪と、健康的でスレンダーな体つき、そして何よりも整った顔により、結果的な印象は『美少女』に落ちつく。
余談だが、割と才色兼備な為、男子からの好感は高いのである。しかし本人の関心はすべて兄へと向けられている為、本人はそれを知らない。
「ちょっと待ちなさい、まだ説明不足な点があるわ。貴女、強化の魔術だけしか使えないって言ってたけれど、それだとあのときの私への攻撃手段の説明がつかないわ。」
そう、あのとき凛を襲った不可視の攻撃。それを強化による高速の攻撃と言うのは無理があるだろう。他にも何か戦闘に使える手がある筈なのだ。
「……ちっ」
「今舌打ちしたわね!!したでしょ!絶対したわ!!全くもう。油断も隙も無いんだから。正直に説明してくれるかしら。」
またもや一悶着。女の仲の悪さとは男のそれとは大きく違う。男の士郎は見るだけで事が起こりそうで気が気でない様子。
「…質問に答える。魔術と呼べるかは不明。私の身体は刀剣の類いを出し入れすることが出来る。…故にそれが攻撃方法になる。」
「……つまりあの時の攻撃は、貴女の身体から飛び出してきたものだった訳ね。けど、そんな物が限定された魔術なんてあり得るのかしら…」
卓越した魔術師である彼女も、これを魔術と言って良いのかは微妙なところであるようで、なんとも言い切れずにいた。
「まあいいわ、そこは後でも考えられるし。それよりその能力についてだけど、実際どの程度なのか見ておきたいわ。」
「……別に構わない。百聞は一見にしかず。」
「さや!?待て!それはっ!!」
士郎の制止はなんの意味もなさぬまま、金属音が鳴り、空間を揺らす。気がつけばさやの右腕には刀が握られていた。
「……実際に見てみると聞くのとは違った印象になるわね。これ、本当に身体から出てるわ。」
そう、刀の刀身は完全には抜けておらず先が右腰の中に入っていたのだ。しかし、身体に刺さっている訳ではなく、あたかも
「ってどうしたの衛宮くん?さっきは大きな声出して、今は頭抱えて。」
ここで士郎について改めて説明するが、彼の性質上家庭において彼はいわゆるオカンなのだ。オカンなりえる原因は料理、家族へのお節介、洗濯、裁縫などがあるが、「節約」という要素もある。
「そりゃ頭抱えたくもなるさ!見てくれ遠坂、さやの制服が破れてるんだ。制服一着、上だけでもどれだけ掛かると思う?下のシャツとブレザーで十万近くするんだぞ!まだ新品だったのに…
今月の予算からして何処を削るべきか、いやけど栄養を考えると食事からは削れないし、かといって電気水道を節約しても高が知れてる。また切嗣の遺産から算出するしかないか。けど、こんなの繰り返してたらいつかは無くなる。どうにかして解決策をーーーーーー」
士郎の脳内の経理システムがフルに回転し始めた。速度は戦闘のときのそれと違わない。いや、寧ろこちらの方が速いのかもしれない。しかし、凛に話していた筈がいつの間にやら自問自答になっているあたり、暴走しているとも見える。
「…たまにこうなるの?」
「……私が服を破るといつもこうなる。」
「破らないような努力はしないの?今回もわざわざ布地のある腰から出さなくても良かったと思うけど。」
「……真剣使うときの癖。刀抜くとき、無意識に腰に手を伸ばす。」
「…すっとぼけた部分は衛宮くんだけじゃなくて、貴女にもある訳ね。」
真剣に考えている本人そっちのけで、世間話の様なテンションの女子二人。凛は兎も角。さやはあたかも他人事の様な口振りである。
「……悩んでも仕方ない。此処、藤村組の集会所と思われてる。だから偶に武器持った人、入ってくる。」
衛宮邸は敷地は広く、造りも和風。部屋の数は二人では到底使い切れない程あり、庭まである。そして極め付けは藤村組の存在である。
衛宮邸には食い扶持がもう一人いる。その名も『藤村大河』 冬木の虎、タイガーとも言われる彼女は、士郎達の通う高校の教師なのだが、此処では教師らしさは全く以って皆無だ。
自分勝手、悠々自適、唯我独尊、鯨飲馬食。嵐の様に来て嵐を起こし、また嵐の様に去っていく。そんな好き勝手なことをしていても、どこか憎めないし、姉の様に衛宮兄妹を見守ってくれる。これはもうタイガーとしか説明しようがない現象なのである。
「……年に数回ここで宴会する。馬鹿騒ぎで噂立つ。」
そして衛宮邸にて開催される藤村組の大宴会。長である藤村雷画を初めとした雄々しい面々は衛宮兄妹を、特にさやを大変可愛がる。その為無碍にも出来ず、甘んじて迫り来る火の粉は受け入れねばならないと兄妹は思っているのだ。
余談だが、衛宮兄妹は藤村組より剣道の手ほどきを受けており、それ故に荒事に対する自衛方法を持っている。特にさやは飲み込みが早く、今や有段者である。……真剣の使用を認められた訳では無いのだが、まあそこの辺りは教えた人が人なだけにお察しだろう。
「藤村先生、やっぱり只者じゃないと思ってたけど、そっちの世界の人だったのね……」
「……勘違いしないで。大河は組長の娘なだけ。」
藤村大河が危うくヤクザと思われそうになっていたのを、さやは止めた。余り感情的にならないさやが、他人の誤解を解こうとしているとこに、少なからず凛は驚いた。
「貴女も信頼できる
体操座りをしながら顔を下に向ける士郎。しかし、先程からの呟きは途切れてはいないようで、未だに節約の方法を考えていた。
「……士郎、もうどうしようもない。諦めるが吉。」
先ほど士郎を『オカン』と例えたが、その要素として挙げ忘れていたものがあった。そう、疲れの蓄積だ。諸兄らも人の子ならば見たことはあると思うが、オカンとはなにかとストレスを溜めやすい。気にすべき要素が多過ぎれば、限界がくる。そして大抵は金銭という解決の難しい物が引き金になるだろう。ーーオカンも万能では無いのだ。
「……貴方たち、案外魔術師らしい悩み持ってたのね。」
そして、冒頭に戻ってくる訳である。
お金の問題は凛も宝石魔術という金の掛かる魔術を使っているので、共感する部分はあるらしい。 要するに、ラスボスは意外と身近にいるということである。
この後少しばかり傷の舐め合いがあったとか無かったとか。
「まあ、取り敢えずはこれから宜しく頼むわよ?もう直ぐ聖杯戦争は始まるんだから。」
「ああ、こちらこそよろしく頼む。」
士郎と凛は握手を交わし、改めて戦線協定を結ぶ。その取り合う双方の手の甲には、聖杯戦争の参加者の証である『令呪』が宿っていた。そう、これが双方に有る限り、彼等は味方でもあるが、同時に敵でもあるのだ。特に士郎はその事実を重く受け止めた。
「貴女も宜しく、衛宮さん。ってこの呼び方紛らわしいわね。何か良い呼び方ないかしら。」
「……さや で良い。回りくどい呼ばれ方、好きじゃない。」
「そう、わかったわ さや。正直戦力としては兄より期待してるわ。」
なんでさという抗議の言葉を無視して、彼女等の同盟もここに結ばれた。
「けど、確かにそうね。回りくどいのは私も好きじゃないの。だからここではっきりと言わせてもらうわ。確かに衛宮くん、貴方は信用に足りる人物だし、きっとこの同盟も良い形で働くと思う。けどーーーーーー」
彼女がその言葉を口にしたその瞬間、
彼等の『
「ーーーーー私はこの聖杯戦争の最後、絶対にあんた達ともう一度、真っ正面から挑むわ。そして私自身を証明するの。これはその宣戦布告よ!」
士郎の受け止めたそれは、早くも現実のものとなった。故に、彼は凛の確固たる意思を、正しい形で感じ取ることが出来た。
確かに彼は人が傷つくことが嫌いだ。だから彼の今までの人生の大半はそれを止めることに注がれてきた。しかし、今感じ取った遠坂凛という魔術師の、全てを乗せた意思を止めようとは思わなかった。何故か、そう言われると彼自身返答に困る。けれど、彼女とは正面から向き合いたい、確かに士郎はそう思ったのだ。
「ああ、俺はそれを拒まない。」
「……そう、感謝するわ。ありがとう、受け止めてくれて。」
奇妙な同盟関係がここに生まれた。凛は一方的な因縁を果たすため。士郎たちは聖杯による人々への被害を止めるため。目的はまったく利害どころか邪魔になりかねない双方だが、なぜだか上手く噛み合っていくように思える。
しかしながら、彼等が噛み合おうが合うまいが、着々と聖杯戦争はその幕は上がり始めていたのだ。
「…………」
衛宮さやは衛宮士郎を穢すモノをユルサナイ。
うーん、なんだか自分の書きたいことが書けてる気がしない。是非とも感想でアドバイスが欲しいです(豆腐メンタルですが)。
あ、今回のサブタイトルの指す対象は二つあるのですがわかりましたでしょうか?まぁ、そういうことです。