勢い万歳!
星の輝き一つ。天に燃える陽光の
糸の色一つ。織り上げられた布の一筋。
雨の粒一つ。大海を満たす
冒険者の傷跡一つ。英雄叙事詩の
千の千乗、万の万倍、重ねた高さは山河を超える。
転がる
今回の依頼はいたって普通の小鬼の巣への
普段ならこんな割に合わない依頼を彼は受けなかったが、日帰りでの依頼はこれが一番マシだったのだ。
早急に金と生け贄(新鮮な!)が要るのだ、主に彼が今日を生き残る為の糧と今夜のカードの資金が。
「クソ、何であそこで
ぶつくさと独り言を言いながらも周囲の警戒と罠の探知は忘れない。
仮にも
「そろそろ洞窟も終わりか、ちょいと多かったがそれまでだな」
小鬼の巣を虐殺した感想を漏らす男の右手の片手斧がランタンに照らされていた。
おおよそ十八の小鬼を貪った片手斧は刃こぼれ一つしていない。
銅等級に
であればこれが
奇妙な紋様からも伺い知れた。
「呪術も一回使ったきり、親玉が
そう余裕を零す男の左腕には何やら炎を暗示させる不気味な
まるで呻く様に時折動いているように見えた。
「さっさと頭目を贄にしちまって、酒場で一杯やりたいもんだ」
ぼやく男はやや短く年季の入ったローブと”金属製の”胸鎧を身に着けていた。
「ん?どうやらお迎えのようだな」
男がやや広めの部屋に出ると、
ゴブリンにしては大きめの頭目が一匹(おそらく
それを(見るからにいやいや)守るかのように取り巻きが五匹待ち構えていた。
「GOBUGGGBU!」
「はっはっはっ、何言ってんのかわかんねえから心臓捧げやがれえ!!」
魔術師が嫌う金物を平然と身に着け、心臓を生け贄として捧げる儀式を行おうと堂々宣言する。
この独り言の多く、賭け事を愛してやまないこの男は正しく”呪術師”であった。
短編予定、早くも崩れ去るノ巻