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ユー「アドミラルと一緒がいいです。」
ユーの爆弾発言により食堂に静寂が訪れる。あの赤城すら食べる手を止めていると言えば、事の重大さが分かるだろう。
睦月「ちょ、ちょっと待って欲しいかな?え、どゆことなのか分からないんですけど!」
大淀「提督…何したんですか?」
え、何故矛先が俺に向く?
龍田「天龍ちゃん?口開きすぎて涎が垂れてきてるわよ〜?」
長門「何をやったらここまで変わるのか…。ご教授願いたいものだな。」
お前は下心丸見えじゃねぇか。息が荒い、過呼吸見たくなってるからね?
八幡「別に、仕事しかしてねーよ。というか何故こうなったのか俺にも分からん。」
いや、マジで心当たりが無さすぎる。知らぬ間に俺の隠れた才能が開花したとかないよね?
ユー「アドミラルは、嫌なんですか?」
八幡「…い、いや、そんなことは、ないが…。」
そんな目で見ないでくれ。捨て犬みたいな目で見られたら断れないだろ。
ユー「なら問題ないです。これからもお願いします。」
問題ない…か。別に俺は、出撃したくないってヤツを出撃させようだなんて思ってはいない。だからこいつが出撃しないで、執務を手伝う事を否定するつもりは全く無いんだが…。問題は別にある。
如月「甘ったれた事を言わないでくれない?」
八幡「如月…。」
如月「アンタ艦娘でしょ?戦える奴を控えさせて置くほどの余裕はあるでしょうけど、アンタの我が儘だけで好き勝手やっていいわけじゃないのよ。他の子の気持ちをもう少し考えなさい。」
如月の言い分は最もだ。皆好きで出撃している訳じゃない。やらなくてはならない事だからやっているんだ。嫌々って程では無いが、やらなくて済むならそれで良いと思っている。誰が好き好んで死地に行こうと言うのか。
ユー「アドミラルは我が儘を言っていいと仰ってくれました。」
如月「言っていいと、許可は違うのよ。そんなのも分からないのかしら?」
いよいよ殺気立って来てしまった。
如月「そもそも、この前の出撃だって…」
八幡「如月、そこまでにしとけ。」
如月「っ、でも、」
八幡「それはお前の仕事じゃないだろ。」
如月「…はぁ。そうね。分かったわ。」
まだ釈然とはしないと、睨みながら席に着く。
ユー「アドミラル。ダメなんですか?」
あぁ、その目を止めて欲しい。その目を見る度に昔家出した時の小町の事を思い出すんだ。俺はそういう目にめっぽう弱い。でも、今はダメだ。俺の仕事は嫌われ役。それを忘れる訳にはいかない。
八幡「そうだな。ダメとは言わない、いや言えないと言った方が正しいのか。」
ユー「ありがとうございます。」
八幡「でも、俺に縋るのは止めろ。」
コイツはきっと俺なら助けてくれるとか勘違いしている。俺はそんなに事が出来る大層な人間では無い。もっと最下層の人間だ。
八幡「いつも俺がどうにかしてやれるとは限らない。俺にはどうしようも無い事もある。寧ろそういう時しかないレベルだ。」
ユー「そんなことは無いです。アドミラルは私に、」
八幡「何もしてない。お前の理想を勝手に押し付けんな。いつだって助けてくれるのは俺じゃない、アイツらだ。助けを求めるのは俺かもしれんが、結局助けるのはアイツなんだよ。せいぜい命令を出すのが俺の精一杯だ。」
俺に出来るのは、最低限の命令をして、座って待つくらい。それ以上を求められてもできる事だなんてたかが知れてる。
八幡「縋るなら俺じゃなく、お前の仲間とやらに縋れ。」
仲間…。この言葉を俺が使う時が来るとは思わなかった。仲間なんざいた事はないが、仲間というものを否定するつもりは無い。それをしたらコイツらに失礼だからな。
ユー「アドミラルだって…ここの仲間です。ユーの仲間です。」
八幡「違うな。お前の味方はするが仲間じゃない。役割が違う。戦うのがお前らの役割、俺はその補助が役割だ。確かに…仲間なのかもしれないが、でもきっとそれは本物じゃない。」
コイツらの生活を少ない時間だが見てきた。それを本物だと感じだからこそ、俺を仲間の1人だと言うことを肯定出来ない。その輪の中に俺は絶対に入れないのだ。
八幡「1週間。執務は半分にして、それ以外の時間は執務室以外で過ごせ。その後状況をみて出撃させる。勿論授業にだって出ていい。」
ユー「い、嫌です!1人は、嫌なんです…。」
八幡「ダメだ。もう少し周りを見ろ。1人なわけあるか。」
今ならまだ間に合う。きっとコレは依存に近い。まだ日が浅い今なら間に合うはずだ。
八幡「これは、命令だ。受け入れろ。」
ユー「…っ、分かり、ました。」
涙ぐみながら答え、夕食に全く手をつけずどこかへ行ってしまった。
八幡「イムヤ、頼んでもいいか?」
イムヤ「…そういうやり方、やっぱり好きになれないわ。でも、命令なら仕方ないわね。頼まれてあげる。夜ご飯は後で食べるわ。」
八幡「悪いな。」
そう言ってユーを追って食堂から出ていく。
時雨「いいの?」
八幡「あのままじゃ艦娘として生きていけなくなるからな。良い手段とは言えんが、後はアイツらに任せるさ。」
響「他の誰かを頼るだなんて、珍しいじゃないか。」
八幡「馬鹿言え。1人でやれることはやるが、俺にも出来ないことだってある。出来ないことを無理してやるほど俺は馬鹿じゃない。」
だけど…今回ばかりは珍しく後悔してる自分もいる。時雨の質問が心に引っかかった。受け入れても良かったんじゃないかと。アイツが、ユーがそれで幸せだと言うならばそれでいいんじゃないかと考えてしまったんだ。
長門「…こればかりは難しいな。よく直ぐに判断したと私は褒めるぞ。」
加賀「そうね。例えどちらに転んでも仕方ないと皆納得したと思うわ。」
八幡「そりゃどうも。お前らに褒められるって事は明日は雨かもな。」
だからもう一度、心に言い聞かせた。俺が見たいものは何なのか。
【 俺は本物の笑顔で笑いあってるコイツらを見ていたいのだ⠀】
やっと行き着いた答えがこれだ。そこに俺は居なくていい。居なくていいんだ。それを望むのは少しばかり欲張りすぎる。
八幡「だから良いんだ、これで。」
そう呟く八幡を見ている艦娘達全員は、皆口を揃えてこういう。
゛嘘だ ゛と。ならなんでそんな悲しそうな顔をするんだと。
だが、それを口に出せる者は一人もいなかった。
絶対にAPEX楽しくて遅れただなんて言えない。((ボソッ…