主人公の名前等は後々出します。
まずは様子見で。
2017年1月某日。
「頼む、出てくれ…出てくれ…!」
ベッドの上でスマホをタップし、画面が切り替わった瞬間に強く握りしめそんなことを呟き始める。
そんな一見すると怪しいことをしているのが誰かというと、自分。つまりは俺だ。
そして数秒後。
「だあああああああああああああああぁぁぁ!駄目かああああああぁぁ!」
バタン、とベッドに突っ伏す。手放したベッドから落下したスマホの画面には。
傷だらけのカノン
剛脚リンリン&ポンタン
クマに出会った少女チュレ
魔王の秘蔵っ子エル
黒の守り人ハクア
討伐者ナユタ
死霊術死シド
御団子娘マナカ
巫女アルテミス
力戦奮闘ルドヴィカ
この10枚がガチャ結果として表示されていた。俗にいう爆死である。
「はー、正月ガチャ最後に20連やって出ると思ったのにな…」
ちなみに今のが20連目。先の10連も爆死していたのでかなり祈っていたのだがガチャの神様は俺のことが嫌いらしい。
「そもそも年明け早々の40連が全てドブって時点でおかしいんだよな」
年明けから1時間もしないうちに腸が煮えくり返りそうになった思いをしたのだった。なんだよ、40連爆死って。しかも隣で弟がポンポン限定キャラ引いてるって状況である。これはブチ切れても許されると思う。
「一応キュウマ二人とアーデメモリア、ツクヨは出てくれただけましか…」
ただ、今回一番欲しかったキャラが出ていなかった。だからこそラスト二回って決めて引いたのに。
ため息を吐きながらデッキ編成のページに飛び、ある精霊を表示させる。
「はぁ…イーニア先生、なんで出てくれないんだ…」
悠久の大魔導イーニア・ストラマー。
アルティメットサマーガール、略してUSGイベント時のガチャで出てくれた精霊であり、俺のイベント攻略時の水パーティにほぼ確実に入っている精霊だ。能力もさながらキャラが好きだったり、もうどういえばいいのかわからないが、いつの間にか大好きな精霊になっていたのだった。
ちなみにだが、正月ガチャで狙っていたのはイーニア先生とリフィルリアゲハだったのだが、どちらか一方と考えたときに迷いなくイーニア先生を選んだ。せめてどちらかと思ったのだが…。
ちなみに完全にキャラが好みだからって理由で欲しかったのだ。そりゃあ使い勝手が悪かったらパーティに入れないかもしれないが、それ以上に欲しかったのだ。だからこそ辛い。
「…あー、イーニア先生に会いたい…会いたい…」
叶わぬ夢となったことを未練がましく呟いていると。
キイイイイイィィィィィィン
「ん?」
何か変な音がしていたので顔を上げる。音の発生源はベッドの下からである。
「そういやさっきスマホ投げちまったよな…」
結構長く使ってるから衝撃で異常をきたしたのかもしれない。そう思いつつベッドの下を覗き込むと。
「……っ!?」
唐突に真っ白な光を画面から放ち始めた。あまりの眩しさに俺は。
「うわぁ!」
思わずバランスを崩しベッドから落下してしまった。しかも頭から。
目がやられてしまっているが、落ちる感覚はわかる。数瞬もしないうちに床と濃厚なキスをしてしまうはず。
「ああああアアアァァァ……ああああぁぁ……あ?」
だったんだが。
いつまで経っても床に顔がぶつからないし落下している感覚が続いている。おかしい。
そして、だんだんと眩しさが強くなってきていて。
「…………………………」
俺の意識は何が起きているのかを理解する前に落ちていた。
まずはさっくりとこのくらいから…。
本編に入ったらもっと字数を増やせると思います。