待ってくださっている方がいるかはわかりませんが、申し訳ありません。
駄文ですが、キャラの台詞等々気になる点がありましたら指摘していただけると幸いです。
「あら、あなたも出るのね!頑張って!」
「お、そこの兄ちゃんも出るのか!もってけもってけ」
「え、ええっと、よくわからないけど、どうも…」
エリスと一緒に街に到着したときからこんな感じで物をやたらと渡されていく。ほぼ全てが食べ物だったから、こちらとしてはありがたいが、なにぶん量が量であるため、大変なことになっている。
「ふふっ、大変そうね」
「ほんとだよ…まあ理由はわかってるけど、俺は出ないって言ってるのに」
「まあ貰って損ではないんだから」
そう言いながらエリスはどこからか大きめのかばんを出し、そこに荷物を全て詰めてくれた。さすが魔法。
…………。
俺たちは今、とある街にいる。とある街、という言い方をしたが、俺にとっては知らない街であり、同時に知っている街でもある。
(まさか「黒猫の魔導士」っていう設定で来てたなんて言ってもわかるはずないし、行動は制限されてたしな……)
確かUSG(アルティメットサマーガール)イベントの時に復刻で来ていたからプレイしたんだった。
黒猫の仕様上、ストーリーになぞらえた動きしか見えないので、この街のことはストーリーで説明されていたこと以外は全然わかってない。
「さて、着いたわよ」
「あ、ここ、ですか」
もう着いたのか。ぐだぐだ考えながら歩いていたから気付かなかった。
「もう、だから別に敬語なんていらないって。同い年くらい、もしくはあなたが上でしょう?」
「あ、すみm……ごめんエリス、ぼんやりしてた」
「いえ、ごめんなさい、私もそんな強くいうことではなかったわ」
頭を下げると、慌てて取り繕うエリスの声。
何故かはよくわからないが、彼女は俺にエリスさんと呼ばれたり、敬語を使われるのがあまり好きじゃないらしい。なんでも俺の方が歳が上だからとか。
年功序列を気にしすぎな気もするが、本人がそうしてほしいっていうならそうしたほうが良いのかな。
「じゃあついてきて。先生に会ってもらわないといけないから」
「ん、了解」
エリスが言った「先生」というのは、おそらく俺の思ってる通りならあの人だろう。
ということは、今いるここは魔導士協会でほぼ間違いないはずだ。現にエリスはすれ違う人に挨拶してるわけだし。
俺も頭を軽く下げながらはぐれないようにエリスについていく。
昔から、自分がいるのは場違いなところにいるのは苦手なんだ。友人はあまり気にしないっていうやつらばかりだったから、俺が気にしすぎなだけなのかもしれないが……。
肩身の狭い思いをしながらしばらく歩くと、エリスは一室の前で振り返った。
「じゃあここで待ってて。少し話をしてくるから」
「ああ、よろしく頼むよ」
そう返すと、エリスはふっと笑い、ノックをして部屋へ入っていった。
それを見送ったあと、壁に背を預けて待つことにした。
(まさか、別の意味でだが、自分の願望が叶う可能性が出てきているとは、正月ガチャを引いていた時には思いもしなかったな)
ポケットに手をやり、その中にあったもの…まあ、スマホなのだが。それを操作する。
圏外と表示されているものの、かまわずにとあるアプリを開く。
聴きなれた音楽と共に画面に現れるのは「魔法使いと黒猫のウィズ」。
普通なら電波がつながっていないため、エラーを吐くのだが、そんなこともなくいつもの画面に移行した。
ちなみに他のアプリ…つまりは黒猫以外のゲーム、電話等の通信機能、ネット機能をあらかた試してみたのだがどれも起動しなかった。唯一動いたのが黒猫のウィズである。ただし、外部との連絡手段になるメールや、成功の可能性は低いものの、外部に発信できるコメント編集は使えなかったが。
(ここの世界にいるからつながるっていうのもおかしな話だが…)
特にやることがないのでデッキ欄を適当に眺めていたのだが。
「…あれっ」
とあるデッキの欄で手が止まった。
自分で言うのもなんだが、そんな中途半端なデッキを作ることなんて、サブクエストのためくらいでしかやらない。
それに、たとえサブクエのためだったとしても、2枚目と3枚目に不自然にいくつかの穴があるなんて状況ができるわけがない。
(それにこの抜けてる穴……確か入れてたのは)
「ソウジ、お待たせ。先生が呼んでるわ」
「!!! あ、ああ、すぐ行く」
びっくりした。ちょっと集中しすぎていたから、おもわず変な声を出してしまったじゃないか。
「…………まあ、早くしてね」
チラッとスマホに目をやったところを見ると、これは後で何かしら訊かれそうだな…。
っと、今はそれどころではないな。
スマホをポケットにしまい、エリスの後に続く。
「失礼します」
「ああ、待たせてしまってすまない」
「いえ、こちらこそ急な訪問に関わらずお時間をとっていただき、ありがとうございます」
「なに、エリスの客人だろう。なら問題はない」
…にしても、ほんと予想通りだったな。こっちとしては会えて感激でしかないのだが。
真正面に位置する机に座る人物をしっかり見る。
「っと、自己紹介が遅れました。天城宗二といいます」
「おっと、私としたことが名乗るのを忘れるとは。私は……」
ああ、やっぱり、思った通り。
「イーニア。イーニア・ストラマ―だ。よろしく、ソウジ」
俺の一番のお気に入り精霊であるイーニア先生だ。
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「なるほど、気が付いたらこの世界にいた、と」
それからしばらくの間、自分のことを話した。といっても、エリスに出会うまでのことしか話せないが。
だってそうだろう。ガチャ引いて絶望していたらいつの間にか草原で寝ていました、なんて話をいくら魔法の存在する世界だからと言って、信じてもらえるとは思わない。
そして何より、ここにガチャというワード自体があるかどうかも疑わしい。
「イーニア先生、元の世界に戻れたりしませんかね?」
無駄だとは思いつつ、訊いてみる。
「うーん、さすがに異世界間の移動となると厳しいな…。一応研究自体はされてはいるのだが」
されてるんだ。
「そうですね、ですが異世界というものがある、ということがようやく分かったというところでしたっけ、先生」
「ああ、だから現時点では移動とかそういったものは不可能だろうな…すまない」
心底申し訳なさそうなイーニア先生。
「いえ、もしかしたらって思って訊いただけなので気にしないでください、イーニア先生。それに僕の世界でもまだそんなことを可能にする技術もなければ、異世界なんてものを発見すらできてないんですから」
「そう言ってもらえるのはありがたいが…ううむ、それはそれで気になる文明だな。聞いたところ、魔術も存在しない世界だとか」
「そうですね、結構興味が湧いてきます」
「そんな大して変わりはないですよ。魔術の代わりとなるような文明があるだけで」
その産物が今俺のポケットの中にあるわけだし。
「よし、エリス。空き部屋があったはずだな。そこの用意を頼む」
「え……先生、それでは……」
「ああ、私自身も興味があるしな」
「ありがとうございます、先生! 少し確認してきますね」
「メリィにも声をかけて用意してこい。少しソウジと話をしたいから、ゆっくりで構わない」
「わかりました、失礼します」
そう言い残して、エリスは部屋から退出した。残された俺はというと。
「ええっと、何の話してたんですか」
「聴いてなかったのか…………まあ準備が整ってからでいいか」
全く事態を読みこめていなかった。不覚にも「メリィ」という言葉が頭から離れなかったからだ。
「メリィ……メリィ……誰だっけ」
「ん?メリィを知っているのか?」
「いえ、知っているというか…聴き覚えがある気がして」
確かUSGイベの中でイーニア先生が言ってた気がするんだけど。
「ああ、メリィというのはメリィ・ミツボシのことだ。私の助手だよ」
「……はぁ、なるほど」
(あああああああああああああああああああぁぁぁ!ミツボシさんのことか!
あの人を入手するためにイベント頑張ったんだよ!そして頑張ったかいがあったのを思い出したよ!
ちなみにUSGの方のミツボシさんの方ね!超魔導列伝の方は、ごめん使ってあげられてないわ!)
イーニア先生への返答は冷静に返せたけど、心中大荒れだった。なんで忘れてたんだよ!
いや、理由はあるよ?なんというか、俺ってキャラのスキルとかで覚えてしまう癖があるから、ミツボシ=チェンプラって覚えてしまってたんだよ!
これって俺だけ?俺だけかな?貴重な雷のチェインプラス要因だったからってのが大きな理由だけど!
「それで、ソウジ。いくつかお前に訊きたいことがあるんだが」
先程までの和やかな雰囲気から一変、イーニア先生は真剣な表情になった。
「……なんでしょうか。」
ぐっと表情を引き締める。知らず知らずだが、ポケットの上からスマホを握っていた。
わざわざエリスを退出させてから切り出したってことは、二人だけで話したかったことだろう。
「ソウジ、お前……
本当は魔術、使えるのではないか?」
ブレイダーイベントが終わりそうですね。
一体もLtoLを作れないまま終わりそうです。