お前のような踏み台がいるか!(白目) 作:ジャック・ザ・リッパー
ハロー、踏み台君こと伊織朱音です。やっと培養液の中から出られました。
それにしても、美遊には本当に助けられたよ。培養液に入れられてる間は土日だったから良かったけど、その間に家に友達の家に泊まりにいってくると書き置きを残してくれたお陰で、何事も問題なく家に帰ってこれるよ。
現在俺は、新しい右腕で拳を握ったり開いたりしながらプレシア達と会話していた。
「それで、義手の調子はどう?」
「うん、あまり違和感がない。本当に魔法で動いているのか疑いたくなるよ。」
「そう、ならよかったわ。」
聖王の義手と聞いて、どんなトンデモ腕になるのだろうかと心配していたが、そこまで変わったような所は見た目にはなかった。
ここで、聖王の義手(改良版)のスペックを見てみよう。
聖王の義手(改良版)
魔力で動く義手。聖王の使っていた義手の改良版で、隠しギミックが搭載されているらしい。
ギミック
魔力変換、熱
魔力変換、冷
魔力変換、雷
魔力変換、光
AMJ(アンチマジックジャマー)
etc.
うん、やりすぎだ。(白目)
「あの、やりすぎじゃないですか?それに、AMJって?」
「私は、設計図通りに作っただけよ。それと、アンチマジックジャマーの事ね。それは、発動時に相手の魔法に触れることで、発動しようとしていた魔法を滅茶苦茶にして、強制的に終了させるだけの能力よ。でも、アンチマジックジャマーは、発動だけで魔力をごっそり持っていかれるから、何度も使えないわ。」
うん、ご先祖様は加減と言う言葉を母親のお腹の中に忘れてきているようだ。何なの古代ベルカって?戦乱の世だとしても、義手でこれだけのスペックって、もう実は古代ベルカには、白兵戦用巨大ロボットがあったとか言われても、納得しそうである。この黒歴史(ブラックボックス)、実はアルハザードの正体だと言われても信じられる。
プレシアは、義手の説明をした後に俺にこう言った。
「伊織朱音だったわよね?私から個人的なお願いがあるのだけれど良いかしら?」
「お願いですか?良いですけど、可能な範囲でお願いしますね。」
「今後のフェイトの事よ。」
プレシアは、フェイトそんを見ながら話し出した。
「あなたの言う通り、私は最後までフェイトを愛する事は約束するわ。でも、私はその後の事が心配なのよ。まだ幼いフェイトを残して死ぬ訳にはいかないのよ。だから、私が死んだらフェイトの事を頼めないかしら?」
......かなり重い内容のお願いだった。確かに、プレシアには残りの時間はそれほど長くはないだろう。フェイトは本来、時空監理局のハラオウンさんの養子になるのだが、今はプレシアは改心して時空監理局も来ていない。もし俺の家で引き取れたとしても、現状フェイトは、戸籍等ないややこしい立場にいる。正直なところ少し積んでいると思う。
そう考えているとき、フェイトがプレシアの手を握って質問していた。
「母さん、死んじゃうの?」
「......ええ、私はもう長くはないの。」
「やだ!死んじゃやだ!」
「ごめんなさいフェイト、私はもう治らない病気だから、」
「治れば、いいんだよね?」
「フェイト?」
フェイトは、プレシアから離れてデバイスのバルディッシュから二個のジュエルシードを取り出した。それを見た美遊がフェイトに質問する。
「フェイト、それをどうするつもりなの?」
「ジュエルシードは、願いを叶えるんだよね。なら、お母さんを治して貰うんだよ。」
「駄目!そんな事しても、歪んだ結果で叶えようとしてしまう!だから―」
「それでも!私は諦めたくないんだ!」
次の瞬間、空間が歪んだ。フェイトは、その空間に吸い込まれていった。
「フェイト!」
プレシアは、フェイトに続いて空間に飛び込んだ。
「くっ、仕方無い。美遊、頼む!」
「はい!」
俺と美遊は、フェイトとプレシアを追い掛けるために、その空間に飛び込んだ。そして、空間は閉じられた。
「皆、お茶菓子持ってきた......また、私はお留守番かい?」
お茶菓子を取りに、その場にいなかったことで置いていかれたアルフの悲しい声が、その場で木霊した。
目が覚めると、近くにプレシアとフェイト、俺の手を握る美遊が側にいた。状況を確認するために、回りを見渡した。結果だけ言うと、俺は何故か異世界にトリップしていた。(白目)
「ここは、何処なんだーーー!?」