1の評価がつけられた…マジか
頑張ったんだけどな(笑)
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「ちょっとよろしくて?」
「ちっともよろしくないんですよ。すいません、ご用件はピーとなったあとで申し上げてください」
煌燿は疲弊していた、先日午前9時から夜10時までの13時間、千冬からの折檻もとい教育を受け、割りと能力の高い頭脳に叩き込まれたからだ。
『初めの3時間参考書を読む以外なにもするな、もし集中していないと私が判断したら束に頼んでお前の秘蔵映像をばらまく』
『いいか、1P1P何が書いてあったか鮮明に思い出せ、束は一瞬で出来たぞ、お前なら出来る!何!?分からない?このページだ!その脳力を使って脳に焼き付けろ』
『どうだ?そうか重さ、感触までリアルに感じられるようになってきたか…じゃあ問題だP389には何について書かれている?…正解だ』
「今なら参考書を具現化できそうな気がする…!」
「何ですのそのお返事? わたくしに話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるのではないかしら?」
煌燿はその人物の来訪など気にしてなどいない、寧ろその少女の奥で『やべぇよ、一週間以内にこれ覚えないと煌燿君みたいに壊されてしまう、千冬姉は何をするかわかんねぇ…』とガタガタ震えている一夏と『大丈夫、東雲が壊れていても私がお前を守る』と世紀末な青春を送っている二人に興味があった。
「悪いね、俺は皆平等に扱うつもりだから、別に君が誰でも関係ないよ」
あくまで平和主義、ことを穏便に済ませたい煌燿はこういうスタンスが好きだった。
「わたくしを知らない!? セシリア・オルコットを!? イギリスの代表候補生にして、入試主席のこのわたくしを!?」
そしてすぐに悟る
あ、こいつ面倒くせぇやつだと
学歴を無闇に振りかざす人は好みでなかった。
「あー、その点については感謝している、お陰で日本の駅はバリアフリーだ」
「何をおっしゃってますの?」
「イギリスってさ、他のヨーロッパの国みたいに電車の入口そんなに高くないし…明治の時に君の国を参考にして日本は正解だったよ。君については知らない、ただイギリス人には個人的に好意を持っているからね、気を悪くさせたなら謝るよ、国家代表かそれはすごいエリートと言われる部類だね」
教室は静まり返る、昨日も同じようなこともありクラスメイトは敏感だった。
「そう、わたくしはそのエリートなのですわ!! 本来なら、わたくしのような選ばれた人間とクラスを同じくするだけでも奇跡! 幸運なのよ! その現実を少しは理解していただけるかしら?」
可哀想だな、純粋にそう感じた。ここまで来ると優秀であることが存在意義であり存在価値である、そういう人間だと
「はい?何言ってんだ?あいつとクラス同じな方が確率的に幸運だろ?」
だからあえて自分はそこまで特別でないことを示す、やり方は煌燿流だが
指を指したその先に、一夏がいた
休み時間終了の鐘が鳴り響く。流石にこれ以上話しているとまずいとセシリアも察したのだろう、自分の席に戻っていく。
「話の続きはまた改めて! よろしいですわね!?」
「何時でもどうぞ~、お待ちしてまーす」
陽気な発言がセシリアの神経を逆撫でしていることなど全く知らずにヒラヒラと手を振りにこやかに微笑むのを見てセシリアは毒気を抜かれていた。
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「さて、本来ならこのまま授業に入るところだが、今日は先に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決める」
一時間目が始まり、普段通りの授業が始まるかと思いきや
「クラス代表者とは、対抗戦だけでなく、生徒会の会議や委員会への出席など……まぁクラス長と考えてもらっていい」
委員長を決めるようだ
「自薦他薦は問わない。誰かいないか?」
千冬は教室全体を見回しながら、誰か挙手をしないかどうかを確認する。
委員長、それはクラスの長であり一番偉いひと、というのは字面だけで実際は雑用執行委員というのが相応しい、煌燿は直ぐ様考える。
自他推薦を問わないならセシリアは自ら手をあげて立候補などはしない、自分が選ばれて然るべきと思っているからだ、でも現実は違う、より希少価値のある二人の男性操縦者へ目が行く
先手必勝!
─喰らいやがれ一夏!必殺『責任の擦り付け』
地獄に堕ちろ!
「はい! 織斑くんを推薦します!」
煌燿は即座に挙手し言いはなった。
「え?」
「私もそれが良いと思います!」
「うあっ!? お、俺!?」
発言に続くように、次々と推薦されていく。自分が選ばれるなんて思ってもみなかったのか、助けを求めるように辺りをキョロキョロ見回す。
当然、一夏と煌燿以外のクラスメイトは女の子しかいない、誰に助けを求めても同じだ。
推薦されたことに納得がいかないのか、一夏は立ち上がって千冬に抗議する。
「ちょっと待て! 俺はクラス代表なんかやらないぞ! 拒否します!」
「推薦されたものに拒否権はない。他には誰かいないのか?」
そもそも推薦された人間には拒否権はない、決めるのはあくまで周りの人間なわけだから、推薦の効力恐るべし
「なっ!? じゃあ、俺は煌燿君を推薦します!」
「あ、私も東雲くんを推薦しまーす!」
「私もー!」
─それは想定内ッ!
「一夏くん、今ならまだ許そう、その発言を取り消すんだ」
「断る、先に言ったのはそっちだろ!」
「…あれを言うぞ」
「ッ!!それを言えるのか?あんたも大事なものを無くすことになるぞ」
「お前を推薦したときからその覚悟は出来ている」
「何が…何がそこまであんたを動かすんだ!?」
「委員長っていうのはそういうもんだ」
ガッ! ゴッ!
「お喋りは終わったか?」
鬼の形相の千冬から人体へ凶器(出席簿)が降り下ろされた、頭蓋骨が発した音とは到底思えないものを響かせながら
「二人とも静かにしろ。候補は二人か? これ以上手が上がらないなら、クラス代表はこの二人の──」
角はダメだろ。内心思い、痛さの余り喘ぐ2人の自業自得とは言うものの"静かにしろ"はクラス全体の同情を誘った。
「待ってください! 納得がいきませんわ!」
口調や態度でその人物が誰なのか、すぐに理解することが出来るだろう不機嫌さを隠そうともせず、セシリアは啖呵を切って強い口調で言う
「そのような選出は認められません!! 男がクラス代表だなんて、いい恥さらしですわ!」
『『俺はなりたくないんだけどね!』』
悶絶しながら2人は声にならない声で抗議する
「このセシリア・オルコットに、そのような屈辱を一年間味わえと仰るのですか!?実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは当然、それを物珍しいからと言う理由で極東の猿にされては困ります!」
一夏は拳を強く握り締める。
そんな一夏の様子にも気付かず、さらにセシリアは言葉を続けた。
「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で──」
クラスの皆も一夏も敵意をもってセシリアを見ていた、それに気付いていないのか、セシリアの口はよく動く
「イギリスだって大したお国自慢無いだろ。世界一不味い料理で、何年覇者だよ」
一夏がキレた、一夏を止める人はいない理由も道理も見当たらない、クラスの総意そのものだから。(※例外は除いて)
「そんなこと言うな!朝ご飯だけは美味しいぞ!」
「そうですわ!貴方! わたくしの祖国を侮辱しますの!?」
「先に日本のことを侮辱したのはそっちだろ」
一触即発の状態にも関わらず、千冬と煌燿はニヤリと微笑みを浮かべて、どこかこの状況を楽しんでいる素振りを見せる
面白いものみーつけたと言った具合に
その数秒続く静寂を破ったのは殆ど同時だった
「「あんた(貴方)どっちの味方だ(ですの)?」」
「さぁ?ちなみに一夏、俺のことは煌燿でいい。たかが2年、同い年みたいなもんだ。四捨五入すれば2なんて消えてしまうからね。俺はどちら側でもないよ、第三者から言わせてもらえばセシリア・オルコット君は発言に気を付けた方がいい。そして一夏、セシリア・オルコットではなく俺を推薦したお前が悪い」
「私情挟みまくりだな」
冷静に千冬が突っ込むが右から左へ受け流し煌燿は続ける
「補足を付け加えるならヒトとは、広義にはヒト亜族、猿ではない」
ワナワナと怒りと悔しさと苛立ちを経てセシリアは2人に指を突き立てる。
「決闘ですわ!」
「ああ、いいぜ。四の五の言うより分かりやすい」
「ワザと負けたりしたらわたくしの小間使い、いえ奴隷にしますわよ!」
その言葉に煌燿が反応した。
「ほほう、それは自分が負けたら自分も奴隷になる覚悟で言っているのかな?」
負けるつもりなんて毛頭もないのだろう自信ありげにセシリアは肯定する。
「じゃあもし俺が勝って君が俺の奴隷になった暁には
耳元で小さく、はっきりと囁く、その言葉は祖国の侮辱よりも酷い言葉でセシリアは鬼の形相で睨み付けた、顔を真っ赤にさせたまま挑発する
「ハンデはどの位あげた方がよろしいでしょうか?」
「「いらねえよ」」
一夏と煌燿が口を開いた途端、教師陣+αを除いてクラスの全員の笑い声が響き渡った。そんな状況を一夏は全く呑み込めていないのか、何でとばかりに周りを見渡す。
「アハハ、織斑くん、東雲くん本気で言ってるの?」
「男が女より強かったのってISが出来る前の話だよ?」
「もし男と女が戦争したら三日持たないって言われてるんだよ?」
だが、次第に笑いがひきつり、消える。
中には小刻みをする女子生徒も現れる
「…おい、調子に乗るのもいい加減にしろよ」
クラスの皆は文字通り血の気が引いた。
今まで、ニヤニヤとした薄ら笑いを浮かべていた煌燿の顔から笑みは消え、声のトーンを低く落として威圧的な態度を見せる。
クラスメイトは後に語るがこの時煌燿の周りは陽炎みたく空間が歪んでいるかのように見えたらしい。
「確かに俺がお前らと戦争しても3日と持たないだろう。だけどな、今男である俺がお前らと一緒の土俵にいることを忘れていないか?強い?女が?lS無しで?笑わせるなッ!」
「東雲やめろ」
煌燿が見せた初めての激情
「lS無しでは男が弱い、確かに正しい認める。でも俺と一夏はlSを使える、なのに何故お前達はまだ自分達が上であると一切の疑いもなく言い切れる?同等だとは思いたくないのか?「東雲」…ふざけるな、男をあまり「煌燿ッ!」…なんだよ」
「落ち着け」
その光景は煌燿の異常性を皆に知らしめるのに充分だった、降り下ろされた出席簿を何事もなかったかのように制止させていたからだ。
「とにかく、話はまとまったな? それでは勝負は次の月曜、第三アリーナで行う。候補者の三人は、それぞれ準備をしておくように。それでは授業を始める」
「そ、それでは今日の授業は昨日の復習からです」
「おい、東雲早く席に座れ」
立ち尽くしたままの煌燿を促して千冬は席に座らせた
「────」
「何を言ったか?」
答えはない、ただその背中は千冬にはひどく悲しげに写っていた。
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「やっぱり集団生活なんて向いてないのかねぇ? 」
昼食時、既に煌燿がキレたという事実は盛りに盛られて学校中に広まっていた、食堂に行こうとするも流石に敵意や好奇、恐怖の対象として見られるのはしんどいため一人屋上の立ち入り禁止区で空を仰いでいた。
歴史上からして、殆どの時代女性は男より下とみなされ、心もとない扱いを受けてきたのは充分わかる。それでも今まで長い間受けてきた積み重ねを鬱憤を晴らすように強く当たりすぎではないか。ため息とともに考えることを投げ捨てる、腕で目を隠すと程よい日光が眠気を誘い心地よい。
やったことは後悔していない、言ったことも。
「アンチェイン、勝とう一緒に」
応えるかのように、首に下がった黒色の逆十字が鈍く輝いた。
IS学園の皆が煌燿に対し『ああいうのが男らしい!』『何時もニコニコしているのにギャップがいいね!』『ちょっと言い過ぎちゃった…嫌われないかな』等思いの外印象がよかったのは余談である。
補足)クラス代表を決めるとき一夏は煌燿の事情を知っていますが箒は煌燿の諸事情のためまだ知りません
チートにならない程度に強くしたい…機体の性能をどうするか、勝負の内容はどうするか悩む。
感想、改善点、ご指摘待ってます。
これに評価をわけてくれ!