いやぁ、最終話、いかがでしたでしょうか。
性懲りもなく、こうやって番外話を続けているわけなんですけども。
今回で、正真正銘終わりということで。
一瞬だと思いますが、魂恋録が空きなし赤バーの評価になりました。
この作品でそれを迎えられたことを、本当に嬉しく思います。
では、番外話どうぞ!
……彼らがいなくなって、もう二年ほど経ちました。
今でも、この春の季節に桜の花びらを見ると、貴方を思い出します。
優しく笑って、抱きしめて、『愛している』と言ってくれた、貴方を。
届いているかどうかは、わからない。
天君へ、心のメッセージを向けた。
そして、手元にあるあの時の新聞を手に取る。
『英雄』、帰還の時
かの外来人、『英雄』と称えられている新藤 天が、知っての通り、本日外の世界へと帰還した。
数年にも渡った幻獣との戦いにおいて、大きな功績を残した彼。
その功績も去ることながら、人望もかなりのもので、今日の彼の見送りでは、それが大きくはっきりと示されたことだろう。
幻想郷で得たものは、彼にとって大きいものとなったようだ。
彼の初恋の相手でよく知られた、魂魄 妖夢に直接、話を伺った。
どうやら、彼の性格は幻想入り当初と比べ、相当に変わったようだった。
幻獣・アイデアライズとの戦いは苦しいものであった。
が、いい意味での影響も与えたようだ。
今後、彼の英雄譚は長く語り継がれることだろう。
我々も、その伝説を絶やさぬよう、語り継ぐ必要が、義務があるだろう。
何度、この新聞を読んだだろうか。
この項目だけでなく、別の項目でも天君のことで持ちきり。
まぁ、彼との別れなのだから、当然か。
その中に、私と天君が最後に抱き合った光景の写真が載せられていた。
勿論、無許可ではない。
天君からはもう許可は取れないので、私にそれは一任された。
結果、私は了承。何かしら、形として残したかった。
「……もう、二年ね」
「そう、ですね」
「悲しくないの?」
「えぇ。今になって悲しんだら、天君に怒られてしまいますから」
隣の幽々子様に、笑って返す。
天君に、立場がない、とか言われるんだろうか。
最初は、泣きたくなった。
が、もしこの場に天君がいたら、彼は私を見てどう言うのだろうか。
そう考えると、どうしても泣くに泣けなかったのだ。
そんなとき、いつも私は決まってペンダントを見る。
首にかけられた、大切な大切なペンダントを。
「それもそうね。それはそれとして、お腹空いたわ」
「あ……もう昼ですね。では、作ってきます」
縁側を立って、台所へ。
その途中、もう一度、ペンダントを見た。
丸い円の形をした、金属の輪。
それが、
もう、何を言っても遅い。
何が変わるわけでもなく、現実は変わらない。
自分の自己満足に浸るほかない。
彼に届くはずもない。
仮に届いたとして、どんな顔をされるかわからない。
優しい彼のことだろうから、笑って許してくれるのだろうが。
……言わずにはいられなかった。
「――
彼に言えなかった、正真正銘の愛の告白を。
今まで、最後まで、好き、大好き、としか言えなかった私。
できることなら、貴方に直接言いたかった。
……私を、許してください。
「……本当に、愛しています」
ありがとうございましたっぁああああ!
最終話を投稿してから、感想が十件くらいもきまして。
いやぁ、嬉しい嬉しい(*´ω`*)
あっけない番外話だったでしょう。
が、私はこの番外話に、大きく意味があるものとして書いたつもりです。
勿論、前話で本編は完結なのですが。
さて、活動報告を見ていただけるとわかります通り、次回作です。
予定を早めて、文ちゃんのヒロイン作品を次回作にしようと思います。
と言っても、まだ一話も書いていないのですが。
書き溜め、作りたいね(*´ω`*)
ともかく、今まで今作『東方魂恋録』をありがとうございました!
これからも、よければよろしくお願いします!
追記 10月21日
とは言ったものの、魂恋録の二期を書くことになりそうです(´・ω・`)
投稿時期、未定ッ……!
追記の追記 1月20日
二日前、18日ですね。ついに二期始動!
タイトルは、「東方魂恋録 Second Existed」!
もう二話ほど投稿していますので、よければそちらもどうぞ!(*´ω`*)