パタフィニット・ストラトス(連載休止)   作:越後屋大輔

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原作では亡くなったロビーですがこちらでは助かります。
『異世界食堂』とのクロスです、当初は筆者のオリ作とコラボさせるつもりでしたがちょっと訳あってボツにしました


2話

 「何だ、この扉は?」タマネギ達にこんなモノ作らせた覚えはない。だいいち誰かが故意に取り付けたなら今日までに気づいたハズだ、それに普通扉とは部屋と部屋を出入りするのに使うがそれはこの自室の真ん中にデンと構えている。扉の裏側を覗いても何もない、表には猫の絵と日本語で『洋食のねこや』と文字が書かれている。

 実はマリネラには独自の母国語というのが存在しない、パタリロの曾祖父の更に祖父くらいの何代か前の国王が外交を深める為に世界各国の言語を学ぶよう国民に義務づけそれまでの母国語を廃止したとかしないとか。それが功を成したのかとにかく現代のマリネラでは英語を始め各外国語が通じるし、標識や看板には最低でも5ヶ国語で表記されているのが常識だが、

 「これが仮に飲食店の扉だとしても日本語表記しかないのは妙だな。何かの拍子で時空がネジ曲がって日本と繋がったのか?イヤしかし…」マリネラというよりパタリロの周りで不可解な現象が起こるのはいつもの事である、時空転移も決して珍しくはないがパタリロはマリネラの'国王'として常にあらゆる事象に備えなければならない。至急王宮に戻り国全体を管理するマザーコンピューターに問い質す、これまで国内でいくら異常自体が発生しても大事に至らなかったのはこれの優れた情報処理能力と適格なアドバイスがあったからだ。

 「マザーコンピューター、PS学園の僕の自室に現れた扉の正体は?」

 「ワカリマセン」おかしい、今までこんな回答はしなかった。

 「ソレヨリデンカ、サキホドノゴシツモンデスガ」

 「ああ。ロビーとローマ法王の件か、あれも由々しき問題だが2人共助からんのは明白だ。なら死後の事を考えなければならん」

 「イイエ。クダンノトビラヲアケレバオフタリヲスクウシュダンガゴザイマス」

 「何だって?!具体的には?」

 「ソコマデハデータブソクデコタエラレマセンガアノトビラノムコウニアルノハタシカデス」来た時と同様ものスゴい速さでPS学園に帰り扉を開けてくぐってみる。

 

 「いらっしゃいませ。ヨーショクのネコヤへようこそ!」扉の中には日本の飲食店と見える店がありウェートレスにも日本語で迎え入れられるが勘の鋭いパタリロは彼女が日本人どころか人間ですらないのを一目で理解した。

 「いらっしゃい、アレ?」ここの店主であろう料理人が一瞬怪訝な顔をして問うてきた。

 「マリネラのパタリロ8世国王様ですよね、何でこの店に?」

 「それは僕が知りたい」

 

 それから10分程パタリロと店主は互いの事情を話し合う、例の扉はなんでも異世界のあちこちに点在していて毎週土曜日になると姿を現しこの店に通じているらしい。それで先代の祖父がこの店を営業していた頃から異世界の客に料理を提供しているそうだ、但し扉が存在する理由などは店主自身も解らないとの事である。

 「まさかこっちの世界にも扉が現れるとは…とんだご迷惑をおかけしました」土曜日の常連である王族や貴族に対しては必要以上に畏まる事のない店主だがこの世界の国王となればそうはいかない。佇まいを直し恐縮する、一方のアレッタは何が起きてるのか分からず目をパチクリさせている。

 「畏まる必要はない、それよりローマ法王と我が部下の病気の件なんだが」

 「それなら向こうの商人から手に入れた魔法の治療薬があります、どうぞお持ち帰り下さい」店主はこんな事もあろうかとアルフェイド商会から買い付けておいた小瓶をパタリロに渡す。

 「金はいいのか?」

 「うちは洋食屋であって薬屋じゃありませんから。それに人様の命がかかってるのに金がどうとかぬかしたら死んだじいさんに叱られます、お礼を頂けるなら来週めしを食いに来て下さい」

 「そうか、ではありがたく頂くとしよう。法王達が助かったあかつきにはあの扉から伺わせてくれ」

 

 魔法の治療薬の効果は覿面であった、絶望的と言われた2人の容態はみるみるよくなって翌日には嘘のように元気になって辺りを走り回れる程に回復した。

 後日ローマ法王が件の2ヶ国を訪れた際には双方の軍代表は学園生徒達と戦いPSが持つ既存の兵器と比べ物にならないその屈強さと戦闘能力の高さにスッカリ縮み上がっていた、最後に素手で戦闘機を粉砕した幸太から

 「戦争おっ始めるなら勝った国の代表は俺がぶん殴る」と言われて一睡もできない程怯えまくり法王も連中より幸太を説得するハメになった、因みに幸太を宥めて矛を収めさせた法王に両国軍代表はすがり付き泣きながら礼を述べた。

 

 そして次の土曜日、パタリロはローマ法王とロビー、専用機持ち8人を連れて例の扉を使いねこやにやって来てみんなに食事を振る舞ったがその様子がどうだったかは読者の想像にお任せする。




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