パタフィニット・ストラトス(連載休止)   作:越後屋大輔

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第2章は路線変更します


3話

 先日の事件以来パタリロはしばしば、ねこやに例の扉を使って訪れている。初日こそ何も知らずにやってきたがそれ以降はしばらく異世界の魔法をモノにしようと目論んでいた、しかしその為に何回目かの来店時、黒髪のウェイトレスに酷い目に遭わされた。

 

 「アルトリウス氏、僕も魔法に興味があって是非ともこちらの技術に応用したい。ついてはアドバイザーとして我が国に来て頂きたい」

 「魅力的な話じゃがな、生憎ワシらはこの店からそちらの世界には行けんでの」

 「そうか、ならあの扉を研究する事から始めるとして…」その瞬間、心臓が圧迫される。椅子から転がり落ちてうずくまる、痛みに絶叫するが声が出ない、苦しむパタリロの頭に彼女の声が響く。

 (この店を私利私欲の為に利用するのは許さない、イヤだと言うなら命の保証はしないと思いなさい)それは決して荒げた声ではないが絶対的な意志と力を感じる。

 (わ、分かった。金輪際、邪な気持ちは持たない。だから勘弁してくれ)

 (いいわ、但し2度はない)ようやく死の恐怖から逃れたパタリロ、あれ以来彼は食事以外の目的は一切持たずに来店している。

 

 英国情報部少佐でパタリロとは腐れ縁であるジャック・バンコランは何の用なのかマリネラのPS学園を訪れている。途中出会ったエトランジュに嫌な顔をされた、彼女はバンコランに嫌悪感を持っている。

 「オウ、エトランジュ!」彼女に声をかける男子がいた、神幸太という日本人でエトランジュに惚れられてる少年だ。

 「幸太❤今日は土曜日ですし暇でしたらお出掛けしません?」

 「イヤ、テスト勉強やまる子の指導もあるし今回は止めとく」

 「そうですの、残念ですわ。アラ、ホモ屋さんが何しにきましたの?」バンコランをジト目で睨んで尋ねる。

 「さっきから気づいていただろうが!それと変な呼び方止めろ!」

 「間違ってはいませんわ、公用でなければさっさとお帰り下さらない?」拳銃を手にかけるバンコラン、だがその腕を幸太に蹴りあげられる。

 「クッ!」

 「野郎のくっころなんて見たくもない」そう言うとアリーナへ去っていった。

 

 「で、僕のところへ来たという訳か」PS学園内にあるパタリロの自室でバンコランはここへやってきた理由を話した。

 「そうだ、二週間前この国に来たのを最後にヤツからの連絡が一切途絶えて一週間前には辞職願いが郵送でCIAに届けられた。つまりマリネラのどこかにいるハズなのだ、向こうもヤツがいないと何かと困るそうでな」

 「それならナゼMI6のお前が?」

 「マリネラ関連なら私が適任だと推挙されたのだ!クソッ」苛立つバンコランにパタリロは

 「僕も調べてはみる、必ず発見すると約束はできんがな。今日はもう帰れ」

 

 「さてと」今日もパタリロは例の扉を使ってねこやにやってきた、いつも通り山羊の角を生やしたウェイトレスのアレッタに出迎えられる。

 「いらっしゃいませ、空いているお好きな席へどうぞ」

 「ウム。ところで今日は二週間…イヤ、14日前に連れてきた僕の友人は来てないか?」

 「パタリロ!」少し遅れてやってきたのはCIAのエージェント、ヒューイットである。傍らには一人の少女を連れていた。

 「しばらくだなヒューイット、異世界(そっち)には慣れたか?」

 

 このところ己の仕事に嫌気が差していたヒューイット、アメリカ政府の依頼でマリネラを訪れた際ダメ元でパタリロに相談したら

 「ならいっそ異世界で一からやり直すか?僕に当てがある」そして例の扉からねこやを訪れて常連達の力を借りてそのまま異世界で暮らす事になったヒューイット。そして今日までの二週間、あちこちを流離いこの店に繋がる別の扉をみつけたという訳である。

 

 「ああ、いい住み心地だ。そうだ、君に紹介しておこう。妻だ」

 「えっ?」思わず表情が固まりのっぺらぼうのようになるパタリロ、ヒューイットの性癖は知っているが異世界では'ロリ婚'が認められているのだろうか?

 「子供じゃありませんよ、歴とした大人のハーフリングの女性です」アレッタからの説明を受けてようやく得心した。

 「そういう事なら」パタリロは改めてヒューイットに祝いの言葉をかける。

 「おめでとう、今日は僕が奢る。好きなモノを頼んでくれ」

 「ありがとう。ところでCIAは未だ私を捜しているだろうか?」

 「今日、米英両政府を通じてバンコランが僕を訪ねてきた。惚けておいたがな」

 「まあ、あいつなら真実を話してもどうせ信じまい。つまり君さえ黙ってくれていれば私は自由だ」

 「話すモンか、バンコランが扉の件を知れば間違いなく攻撃を仕掛けてくる…」ここでパタリロは黒髪のウェイトレスに振り向き

 「そうなったとしても僕の預かり知らぬ事だ」真顔で言葉を締める。

 (心配は無用、その者はまず扉を開けられない。万が一来たら私が塵にする)パタリロの頭の中にだけ彼女の声が聞こえた。

 

 この何百年か後、異世界でも人気の高いおとぎ話には必ず(シーアイエー)なる悪役が登場するのだがその経緯については誰もが知るよしもない。

 

 

 

 

 

 

 




毎度ながら下らない話でスミません
m(._.)m
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