もしも大洗に来たのがまほだったら   作:イティ

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戦車道初授業当日

「今日からよろしくねー」
「よろしく」
「表情硬いよ 笑顔笑顔」
「……これでいいか」
「うーん……  ま、いっか」
「行こう」
(あの西住まほがいるんだ 絶対に勝てる)
「会長」
「あ、うん  行こう行こう」


第2話「練習」

「西住せんぱーい」

「この前の ……なぜ私の名前を知っている?」

「呼び出されていた時に」

(そういうことか)

「私たちも自己紹介しなければいけませんね 2年A組、五十鈴華と申します」

「同じく、武部沙織です」

「3年A組、西住まほだ」

 

 

「これより戦車道の授業を開始する」

「あ、あの、戦車はティーガーですか、それとも」

「んーっと、なんだったっけな」

 

 

『えぇー……』

『なにこれ』

『ボロボロ……』

「侘び寂でよろしいんじゃ」

「これは鉄錆」

(Ⅳ号か……)

「装甲、転輪ともに問題なさそうだな」

「こんな古い戦車で大丈夫なんですか?」

「おそらく、な」

「でも、1輌しかないですよ?」

「この人数だと……」

「全部で5輌は必要です」

「じゃー、みんなで戦車探そっか」

「えぇー?」

「探すってどういうことですか?」

「我が校において戦車道は20年も前に廃止になっている  だが、当時使用していた戦車が

 この学校のどこかにあるはずだ いや、必ずある」

(もし無ければ、どうしようもなくなるな)

「明後日、戦車道の教官がお見えになる それまでに残り4輌必ず見つけだすこと」

「して、一体どこに?」

「それがわかんないから探すの」

「なんにも手がかりないんですか?」

「ない」

「それでは、捜索開始!」

「先輩、一緒に探しませんか?」

「……そうだな 人手は多いほうがいい」

 

 

「どこにあるっていうのよー!」

「さすがに駐車場に戦車はないかと」

「一応は車じゃない……  裏の山林行こ、なんとかを隠すなら林の中でしょ」

「木を隠すなら森の中、ですよ」

(なにか視線を感じる……)

「……何か用か?」

「え、あ、あの…… に、西住まほ殿ですか?」

「そうだが」

「普通Ⅱ科2年C組の秋山優花里といいます あの有名な西住まほ殿にお会いできるなんて、

 感激です!」

「え? 先輩って有名人なんですか?」

「有名も何も、戦車道をやっている人で名前を知らない人はいないですよ!  なにせあの……」

「秋山」

「は、はい!」

「一緒に来るか」

「! はい! ご一緒させていただきます!」

「私、武部沙織!」

「五十鈴華です」

「よろしくお願いします!」

 

「あちらから匂いが……」

「匂いでわかるんですか?」

「花の匂いに混じって、ほんのりと鉄と油の匂いがします」

「華道やってるとそんなに敏感になるの?」

「私だけかもしれませんけど」

「では、パンツァー・フォー!」

「パンツのアホ!?」

「Panzer vor  戦車前進という意味だ」

 

「やった! あった!」

「38(t)か」

「なんかさっきのよりちっちゃい…… ビスだらけでぽつぽつしてるし」

「38(t)といえばロンメル将軍の第7装甲師団でも主力を務め、初期のドイツ電撃戦を支えた

 重要な戦車なんです 軽快で走破性も……  あ、(t)とは『チェコスロヴァキア製』って

 ことで、重さの単位のことではないんですよ! ……あっ」

「今、生き生きとしてたよ?」

「す、すみません……」

 

 

「ご苦労 運搬は自動車部に依頼しておく、引き続き捜索を続行せよ  会長、1輌

 見つかりました」

「やればできるもんだねぇ」

 

 

 

「八九式中戦車甲型 38(t)軽戦車 M3中戦車リー Ⅲ号突撃砲F型  そしてⅣ号中戦車D型……

 どう振り分けますか?」

「んー 見つけたもんが見つけた戦車に乗ればいいんじゃない?」

「そんなことでいいんですか?」

「では、38(t)は我々が  お前たちはⅣ号で」

「はい」

「では、Ⅳ号Aチーム 八九式Bチーム Ⅲ突Cチーム M3Dチーム 38(t)Eチームとする

 明日はいよいよ教官がお見えになる 粗相のないよう綺麗にするように」

「どんな人かな~」

「掃除に取り掛かろう」

 

「! うわっ! べたべたするー……」

「やりがいがありそうですね」

(この様子だと中も……)

 

「よし、いいだろう 後の整備は自動車部に今晩中にやらせる  それでは、本日は解散!」

「早くシャワー浴びたーい」

「明日が楽しみですね」

「あ、あの…… よかったら帰りにちょっと寄り道していきませんか?」

(寄り道?)

「ダ、ダメですかね」

「……どこへだ」

 

 

 

 

せんしゃ倶楽部

 

「こんな店があるんだ」

「すごいですね」

「でも、戦車ってみんな同じに見える……」

「全然違います! どの子も個性というか特徴があって、動かす人によっても変わります!」

「華道と同じなんですね」

「そうだよね 女の子だってそれぞれ良さがあるし」

 

 

(……そろそろ帰るか)

「先輩!」

「なんだ」

「先輩の家、行ってもいいですか?」

「私もお邪魔したいです」

「なぜだ?」

「なぜって、私たち同じチームじゃないですか だから親交を深めようかと思って」

「そういうものなのか?」

「そういうものなのかって……   先輩は友達が家に来たことないんですか?」

(!)

「! あっ、す、すいません! 失礼なことを……」

「……いや、友人が家に来たことがほとんどないのは事実だ  気にするな」

「じゃ、じゃあ行ってもいいですか?」

「……ああ」

「あの~……」

「秋山さんもどうですか?」

「! ありがとうございます!」

 

 

 

「おじゃましまーす」

「なんというか、こう、あまり物が置かれてないですね」

「妹と違ってこれといった趣味はない」

「妹さんがいらっしゃるんですか」

「別の学校だがな」

「別の学校?」

「西住殿は昨年まで別の学校で戦車道をされていたんですよ」

「そうなんですか?」

「……その通りだ」

「本当、驚きましたよ 同じ学校に転校してきていたなんて」

「そういえば、秋山さんが西住先輩のこと有名人だとおっしゃってましたが……」

(覚えていたか……)

「どうでもいいだろう、そんなことは  昔の話だ」

「昔って 今でも十分有名だと思いますが」

「……ごはん、作りましょう!」

「そうしよう」

「あ、私ごはん炊きます!」

「華はじゃがいもの皮むきお願い」

「はい」

「……なんで飯盒? いつも持ち歩いてるの?」

「はい、いつでもどこでも野営できるように」

「痛っ!」

「大丈夫?」

「すみません、花しか切ったことなくて……」

「私がやろう」

(……新鮮だな)

 

 

『いただきます!』

「……おいしい」

「男を落とすには、やっぱ肉じゃがですよ」

「落とした事あるんですか?」

「何事も練習でしょ?」

「男子って本当に肉じゃが好きなんですかね」

「都市伝説じゃないですか?」

「そんなことないもん!」

「いい腕だな」

「あ、ありがとうございます!」

 

 

『また明日ー!』

『失礼します』

(これが普通の女子高生生活というものなのだろうか……)

 

 

 

翌朝

 

(いつもと変わらない朝 気持ちがいい)

「あ~」

「……また会ったな」

「この前の……」

「今日もか」

「朝が来なければいいのに……」

「朝は必ず来るものだ 肩を貸してやる」

「一度ならず二度も…… 必ず借りは返す」

「機会があればそうしてくれ」

 

 

「先輩、遅かったですね」

「あの生徒に会ったぞ」

「麻子に!? まさかまた……」

「そのまさかだ」

「すみません! 本当に……」

「私から手を貸した 気にするな」

「それにしても教官遅い! 焦らすなんて大人のテクニックだよ」

ゴオオオオオオオォォォォォォ

「ん?」

ガシャァン!

「ああ! 学園長の車が!」

「あー、やっちゃったねぇ」

ガシャ グシャッ

「ああ……」

「foo!」

――――こんにちは!

 

「……騙された」

「でも、素敵そうな方ですよ」

「戦車教導隊 蝶野亜美1尉だ」

「よろしくね!  戦車道が初めての生徒がほとんどだと聞いているけれど、一緒にがんばり

 ましょう!」

(あれ? あの生徒、もしかして……  伺うのは後にしましょう)

「はい! 教官はやっぱりモテるんですか?」

「モテるというより、狙った的を外したことはないわ  撃破率は120%よ!」

「教官! 本日はどのような練習を行うのでしょうか」

「そうね! 本格戦闘の練習試合、やってみましょう!」

「え!? いきなりですか!?」

「何事も実践実践!  戦車なんてバーッと動かしてダーッと操作してドーンと撃てばいいのよ!

 それじゃそれぞれのスタート地点に向かってね」

(いきなり実践とは……)

 

 

「はい! それじゃみんな早く乗り込んで!」

「しかし、いきなり試合なんて大丈夫ですか?」

「どうにかなるよ」

「じゃあ、各チームそれぞれ役割を決めてくれる? 3名のチームは車長と砲手と操縦手

 4名はそれに加えて装填手 5名は通信手ね」

「なんとか長とかなんやら手とか、何が何だかわかんないよ!」

「私たちのチーム4人しかいないですし……」

「装填手が通信手を兼任する形にしよう」

「もちろん、西住殿がコマンダーですよね」

「3人はどうする」

「もうくじ引きでいいよー……」

 

「鉄臭いですね」

「狭いうえに暑苦しい…… こんなんでドライブすんの?」

「武部 これはドライブではない」

『それでは全戦車、パンツァー・フォー!』

「いよいよ戦車を動かす時が!」

「あの、どうやって動かせば……」

「まずイグニッションを入れろ」

ドルルゥゥゥゥ

「イヤッホオォォォウ! 最高だぜェ!」

「人が変わった!?」

「すみません……」

「あの、それからどうすれば」

「後はアクセルを踏めば前進、前のレバーが操縦桿で右がシフトレバーだ」

「んっ! んぅっ!  お、重いです!」

ガコン

「止まっちゃったじゃん」

「ど、どうすればいいのでしょうか」

「クラッチを静かにつないでからアクセルを踏め」

「わかりました」

「……? 下がってない?」

「ブレーキだ!」

「はい!」

「……ふう」

「なんかお尻がぶるぶるする……」

「五十鈴、車長が操縦手に走行方向を指示する際、どうするか知っているか」

「いえ」

「操縦手の方を進む方向へ蹴る」

「ええっ! そうなんですか?!」

「はい、西住殿のおっしゃる通りです」

(本当は日本戦車の場合ですが)

「……わかりました 思いっきり蹴ってください」

「今後は装置をつけて行う 今回は我慢してくれ」

「はい」

 

 

『みんなスタート地点についたようね ルールは簡単! すべての車両を動けなくすること!

 つまりガンガン前進してバンバン撃ってやっつければいいわけ! わかった?』

「ずいぶんざっくりっすね」

「会長に言われたくないんじゃ……」

『戦車道は礼に始まって礼に終わるの  一同、礼!』

――――よろしくお願いします!

 

『それでは、試合開始!』

「いよいよ攻撃開始ですね! とりあえず撃ってみます?」

「闇雲に撃つのは得策ではない」

「真っ先に生徒会潰そう! 教官、女の人だったもん!」

「まだ言ってるんですか?」

(武部……)

「決めるのは車長である西住殿ですよ」

「えー、いいじゃん」

「狙うのはⅢ突、Cチームだ」

「……はーい」

「戦車前進」

ズドンッ!

――――!?

(どこからだ? ……八九式か 後方からとなると貫かれる可能性はあるな それにしても、

 開始地点が近すぎないか?)

「一旦退くぞ」

「はい!」

(……! Ⅲ突!)

「左!」

「えっ、は、はい!」

 

 

「! こっちに来たぜよ!?」

「Ⅲ突ならば余裕で貫ける!」

「南無八幡大菩薩!」

 

 

(………………今!)

「右!」

 

ズドンッ!

 

「躱された!」

 

 

「うわっ!」

「信地旋廻!」

「どうするんですか?」

(……知らないのは当然か)

「右側の履帯だけ動かせ」

「やってみます」

 

 

「ま、まずい! Ⅲ突には砲塔がない!」

「どうするぜよ!」

「三十六計逃げるに如かず!」

――――待てぇー!

「秘密協定のことを忘れていた!」

「道をあけるぜよ!」

 

 

「ちょ、ちょっとなんでこっちに来るんですか?!」

「言っても聞こえませんよ……」

 

 

「撃て!」

ドガンッ!  

 

 

「くっ、やられた……」

 

 

「すごい音……」

「なんだか、じんじんします……」

 

 

「どうしますキャプテン!」

「押して押して押しまくれ!」

「戦車が邪魔で通れません!」

「根性ー!」

「えぇー?!」

 

 

(もう一撃、行けるか?)

「次弾装填」

「お、終わりました!」

「撃て!」

ドゴン! 

「すごいです西住殿! 早くも2輌撃破ですよ!」

「五十鈴が初弾を避けてくれたからだ」

「華やるじゃん 褒められてるよー」

「あ、ありがとうございます」

「西住殿、ここからどうしますか?」

「先ほどの分岐を右に行く 五十鈴」

「はい」

(なかなか上手いな 急な指示に反応していた ……ん?)

「停止!」

「どうかしましたか?」

「武部、外を見ろ」

「はい ……あれ、麻子? なんでここに?」

「沙織か」

「何やってんのこんなとこで 授業中だよ」

「知ってる」

「もう……」

「中に入れ 危険だ」

「ん……  酸素が少ない……」

「大丈夫ですか?」

「麻子、低血圧なんだよ」

「だからいつも遅刻するのか」

「そうなんです」

(……橋か)

「後方は私が確認する ゆっくり少しずつ渡れ」

「ゆっくりでいいんですか?」

「焦る必要は……  前方に38(t)!」

「あの、どうすれば」

「停止!」

「はい!」

 

 

「ふっふっふ……  ここがお前らの死に場所だ!」

ズドンッ!

 

 

「うっ、うわわわ!」

(外したか それよりも……)

「五十鈴、後退…… 五十鈴?」

「……! 失神しています!」

「ええっ! 華! しっかりして!」

(まずい、さすがにこのままでは……)

「え、ちょ、ちょっと麻子?」

  ドルルルル

「操縦できたの!?」

「今覚えた」

(今!?)

「さっすが学年主席!」

「次弾装填!」

「はい!」

「停止!」

 

 

「もらったぁ!」

 

 

「……撃て!」

ドゴンッ!  

 

 

「やられちゃったねー」

「桃ちゃんここで外す?」

「桃ちゃん言うな!」

 

 

「やばいよ、逃げよ逃げよー」

「そうしよそうしよ」

「急げー!」

「逃げろー!」

ドルルルルル……   バキン!

 

 

『Bチーム八九式、CチームⅢ号突撃砲、DチームM3、Eチーム38(t)、いずれも行動不能!

 よって、AチームⅣ号の勝利!』

「……終わったの?」

「さすが西住殿です!」

『回収班を派遣するので、行動不能の戦車はその場に置いて、戻ってきて』

 

 

「みんな、グッジョブベリィナァイス! 初めてでこれだけガンガン動かせれば上出来よ!

 特にAチーム! よくやったわね」

「ありがとうございます!」

「後は日々、走行訓練と砲撃訓練に励むように! 分からないことがあったらいつでも

 メールしてね!」

(…………)

「一同、礼!」

――――ありがとうございました!

 

「けっこう楽しかったですね!」

「でも疲れたねー」

「はい 早くシャワーを浴びたいです」

「……あれ? 西住殿は?」

「ん? あれ、ほんとだ どこ行ったんだろ」

「探してきますね」

 

 

 

「西住殿ー」

(もしや教官殿と何か話をされているのでしょうか)

 

『お久しぶりです、蝶野さん』

『やはり、西住師範の娘さんですね?』

『はい』

 

(あ、居ました)

「西住ど……」

 

『でしたら、あの噂も……』

『……この事は、母には』

『ええ、そのつもりです』

『ありがとうございます』

『それで、戦車道の全国大会には参加するつもりなのですか?』

『はい』

『……そうですか 頑張ってください 応援しています』

 

(思わず隠れてしまいました…… 良く聞こえませんでしたが、『噂』とはいったい

 何なのでしょうか)

 

『時間を取らせてしまったわね』

『いえ、気になるのも当然だと思います ……失礼します』

 

(あっとと! ……気づかれなかったですね 今のうちに蝶野教官にお聞きしましょう)

「あ、あの! 蝶野教官!」

「あら、どうしたの?」

「その、西住殿のことで……」

「?」

「西住殿がどうしてこの学校に転校してきたのか、何か理由をご存じなのですか?」

「……それは私から話すことではないわ」

「え?」

「そういうことよ 本人に聞いてみたらどう?」

(そういうこと……?)

「じゃあ、私もそろそろ戻らないといけないから  頑張ってねー!」

「あ、ちょっと」

(……西住殿に直接聞くべきなのでしょうか)

 

 

 

 

 

 




『次のニュースです、昨年戦車道全国大会においてMVPを獲得し、国際強化選手に指名されていた 黒森峰女学園の西住まほ選手が今年度、黒森峰に在籍していないことが明らかになりました
 次の映像は妹であり昨年副隊長を務めた西住みほ選手へのインタビューですが……』
「西住みほ選手!いったいなぜ西住まほ選手は黒森峰から姿を消したのでしょうか!」
「え、あの……」
「一部では引き抜きとの噂も流れていますが!」
「あの、それは……」
「ちょっとあなた達!」
「あ、逸見選手! 何かコメントを……」
「私たちも何も知らないのよ! これ以上迷惑をかけないで! 行くわよ!」
「あ、ちょっと……」
『いったいなぜ西住まほ選手は姿を消してしまったのでしょうか、気になるところです 次の
 ニュースです』



「まったく、あんなやつら、『何も知らないんです……』とでもいって適当にあしらっとけば
 いいのよ」
「ごめんなさい……」
「あなたすぐ謝るわよね その癖、なんとかしたら?」
「……ごめんなさい」
(…………)
「それにしても引き抜きって噂、案外本当なんじゃないの?」
(え?)
「去年あんな負け方して、さすがの隊長も見切りをつけたんでしょ だから」
「違う! お姉ちゃんはそんな人じゃない! お姉ちゃんはプラウダに負けた責任を……」 
(!)
「ふーん 責任を、ねぇ」
「い、いや、その……」
「隊長が自ら転校するとは思えないし、責任を『取らされた』のかしら?」
「……はい」
「そう 大体思っていた通りだわ」
「え?」
「私は隊長のことを尊敬してるのよ あんなこと本心で言うもんですか」
「じゃ、じゃあ」
「わざとよ、わ ざ と  あなたが一向に喋らないからよ」
「……よかった」
「は?」
「エリカさんがお姉ちゃんのこと、まだ慕っててくれて」
「……ふん!」
(『責任を取らされた』か…… 負けたのは私たちが弱かったせいだったというのに……)
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