異世界から捻デレさんも来るそうですよ!?   作:ユキ擬き

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はいどうもユキ擬きです!
最近投稿できていないので遅れ気味ですが
頑張りたいと思います!
それでは七話です!どうぞ!


第七話

八幡達はサウザンドアイズを出発しノーネームに

向かっていた。

 

「なあ十六夜」

 

「どした」

 

「俺らこっちに来ちまったら孤児院の存続

とかどうすんだ?」

 

「あー、まああいつらなら大丈夫だろ」

 

「それもそうだな・・・。だとしてももう少し考えろよ」

そこで少し興味を持ったのか耀と飛鳥、黒ウサギ

が会話に入ってきた。

 

「会話で大体分かるけど二人は義兄弟なの?」

 

「ああ、そうだ。俺が小学三年生で捨てられたときに助けて

もらったんだ」

 

「あのときの八幡は本当に見てられなかったな」

 

「何故?」

 

「泣きながら『母さん何所に行ったのー』、って言っててそこを

俺が通りかかったんだよ」

 

「へえ〜そうなの」

 

「その話をするな!他の話題にしろよ!」

 

「それでは孤児院での思い出は何ですか?」

 

「ハロウィンだな」

 

「毎度毎度みんな本気で仮装するからな。夜に歩き

まわられたときはめちゃ怖かった」

 

「でもそれはそれで楽しそうですね!」

 

「あの時の八幡はビビってつぶれたカエルみたいな声出してて面白かったぜ」

 

「八幡その声出してみてよ」

 

「嫌だ、っていうか自分の好きなときに出せる訳じゃ無いからな?」

 

「なんだつまんない・・・」

 

「それは酷くねーか・・・?」

そこで全員が声を出して笑った。

その後も少し会話をしていると黒ウサギから声がかかった。

 

「みなさんそろそろノーネームの本拠に着きますよ!ですが本拠の館は入り口

から少し歩きますのでご容赦ください。

この近辺はまだ戦いの名残りがありますので……」

 

「戦いの名残り?噂の魔王って素敵ネーミングな奴との戦いか?」

 

「は、はい」

 

「ちょうどいいわ。箱庭最悪の天災が残した傷跡、見せてもらおうかしら」

先程の一件があり、飛鳥は機嫌が悪かった。プライドの高い彼女からすれば虫のように見下されたという事実が気に食わなかったのだろう。

 

黒ウサギが躊躇いつつ門を開く。すると門の向こうから乾き切った風が吹き、四人の視界に砂塵が

舞った。

「こいつは・・・想像以上だな・・」

 

「っ、これは………!?」

街並みに刻まれた傷跡をみた飛鳥と耀が息を呑んでいるが分かる。逆廻はこの光景にスっと目を細めながら木造の廃墟に歩み寄り、囲いの残骸を手に取った。そのまま少し握り込むと残骸は音も立てて崩れていった。

「………おい、黒ウサギ。魔王のギフトゲームがあったのは――――今から何百年前の話だ?」

 

「僅か三年前でございます」

 

「ハッ、そりゃ面白いな。いやマジで面白いぞ。この風化しきった街並みが三年前だと?」

そう、彼ら“ノーネーム”の街並みは何百年の時間が経過して滅んだように崩れ去っているのだ。とても三年前まで人が住んでいたとは思えない程の有様だ。

 

「………断言するぜ。どんな力がぶつかっても、こんな壊れ方はあり得ない。この木造の崩れ方なんて、膨大な時間をかけて自然崩壊したようにしか思えない」

 

「確かに三年でこの有様はおかしい。・・・しかしこれをやった

魔王はどうやって・・・」

十六夜はあり得ないと言いながらも目の前の廃墟に心地よい冷や汗を流し、八幡は

この光景に驚愕しながらも何かを考えていた。

飛鳥と耀も廃屋をみて複雑そうに感想を述べた

 

「ベランダのテーブルにティーセットがそのまま出ているわ。これじゃまるで、生活していた人間がふっと消えたみたいじゃない」

 

「………生き物の気配も全くない。整備されなくなった人家なのに獣が寄ってこないなんて」

二人の感想は逆廻よりも重く感じた。

黒ウサギは廃屋から目を逸らしながら朽ちた街路を進みだす。

 

「………魔王とのゲームはそれほどの未知の戦いだったのでございます。彼らがこの土地を取り上げなかったのは魔王としての力の誇示と、一種の見せしめでしょう。彼らは力を持つ人間が現れると遊ぶ心でゲームを挑み、二度と逆らえないよう屈服させます。僅かに残った仲間達もみんな心を折られ………コミュニティから、箱庭から去って行きました」

黒ウサギは感情を殺した瞳で風化した街を進んでいく。飛鳥と耀も複雑な表情で黒ウサギについて行き八幡は未だに何かを考えている。だが、十六夜だけは爛々と瞳を輝かせ不敵に笑っていた。

 

「魔王―――か。ハッ、いいぜいいぜいいなオイ。想像以上に面白そうじゃねえか………!」

 

その後五人と一匹は廃墟を抜け、徐々に外観が整った空き家が立ち並ぶ場所に出る。五人は水樹を設置するため居住区を素通りし貯水池を目指していると先客がいた。

 

「あ、みなさん!水路と貯水池の準備は調ってます!」

 

「ご苦労さまですジン坊っちゃん♪皆も掃除を手伝っていましたか?」

黒ウサギの声が聞こえると子供達がワイワイと騒ぎ出して黒ウサギの元に群がっていった。

 

「黒ウサのねーちゃんお帰り!」

 

「眠たいけどお掃除手伝ったよー」

 

「ねえねえ、新しい人達って誰!?」

 

「強いの!?カッコいい!?」

 

「YES!とても強くて可愛い人達ですよ!皆に紹介するから一列に並んでくださいね」

 

パチン、と黒ウサギが指を鳴らす。するとさっきまで黒ウサギに群がっていた子供達は一糸乱れぬ動きで綺麗に一列で並びだした。

人数は二〇人程で、中には猫耳や狐耳の少年少女もいた。

 

(マジでガキばっかだな。半分は人間以外のガキか?)

 

(仲良く出来ればいいが)

 

(じ、実際目の当たりにすると想像以上に多いわ。これで六分の一ですって?)

 

(・・・私子供嫌いなのに大丈夫かなぁ)

 

四人が各々の感想を心に呟く。

 

するとコホン、と仰々しく咳き込んだ黒ウサギが四人を紹介し始めた

 

「右から逆廻十六夜さん、久遠飛鳥さん、春日部耀さん、比企谷八幡さんです。皆も知っている通り、コミュニティを支えるのは力のあるギフトプレイヤー達です。ギフトゲームに参加できない者達はギフトプレイヤーの私生活を支え、励まし、時に彼らの為に身を粉にして尽くさねばなりません」

 

「あら、別にそんなの必要ないわよ?もっとフランクにしてくれても」

 

「そうだな。俺もそっちの方が楽なんだが」

 

「駄目です。それでは組織は成り立ちません」

黒ウサギは今日一番の真剣な表情と声で言った。

 

「コミュニティはプレイヤー達がギフトゲームに参加し、彼らのもたらす恩恵で初めて生活が成り立つのでございます。これは箱庭の世界で生きていく以上、避ける事が出来ない掟。子供のうちから甘やかせばこの子供達の将来の為になりません」

 

「………そう」

 

黒ウサギが有無を言わせない気迫で飛鳥を黙らせる。

 

三年間実質コミュニティを一人で支えてきたのだからその厳しさ知ってるのだろう。

 

「此処にいるのは子供達の年長組です。ゲームには出られないものの、見ての通り獣のギフトを持っている子もおりますから、何か用事を言いつける時はこの子達を使ってくださいな。みんなも、それでいいですね?」

 

「「「「「よろしくお願いします!」」」」」

 

二〇人程の子供達が一斉に大声で叫ぶ。

 

「ハハ、元気がいいじゃねえか」

 

「そ、そうね」

 

「孤児院のみんなを思い出すな」

 

(ちゃんとやっていけるかなあ)

 

その大声に十六夜は大きく笑い八幡は苦笑、飛鳥と耀は複雑そうな表情を浮かべていた。

 

「さて、自己紹介も終わりましたし!それでは水樹を植えましょう!黒ウサギが台座に根を張らせるので、十六夜さんのギフトカードから出してくれますか?」

 

「あいよ」

水路自体は残っているが所々ひび割れが目立ち、砂が溜まっている。

 

「大きい貯水池だね。ちょっとした湖ぐらいあるよ」

 

『そやな。門を通ってからあっちこっち水路があったけど、もしあれに全部水が通ったら壮観やろうなあ。けど使ってたのは随分前になるんちゃうか?ウサ耳の姉ちゃん』

 

「はいな、最後に使ったのは三年前ですよ三毛猫さん。元々は龍の瞳を水珠に加工したギフトが貯水池の台座に設置してあったのですが、それも魔王に取り上げられてしまいました」

 

十六夜の目に輝きが出る。

 

「龍の瞳?何それカッコいい超欲しい。何処に行けば手に入る?」

 

これ以上この話題が不味いと思ったのか話を戻すためジンが話をもどす。

 

「水路も時々は整備していたのですけど、あくまで最低限です。それにこの水樹じゃまだこの貯水池と水路を全て埋めるのは不可能でしょう。ですから居住区の水路は遮断して本拠の屋敷と別館に直通している水路だけを開けます。此方は皆で川の水を汲んできたきたときに時々使っていたので問題ありません」

 

「あら、数kmも向こうの川から水を運ぶ方法があるの?」

 

飛鳥がふっと思った疑問を忙しい黒ウサギに代わってジンと子供達が答えた。

 

「はい。みんなと一緒にバケツを両手に持って運びました」

 

「半分くらいはコケて無くなっちゃうんだけどねー」

 

「黒ウサのねーちゃんが箱庭の外で水を汲んでいいなら、貯水池をいっぱいにしてくれるのになあ」

 

「………そう。大変なのね」

 

飛鳥はちょっとがっかりした顔をしている。

 

もっと画期的で幻想的なものを期待していたんだろうがそんなものがあれば水樹であんなにみんなが喜ぶはずがない。

 

「それでは苗のひもを解きますので十六夜さんは屋敷への水門を開けてください」

 

「あいよ」

十六夜が貯水池に下り、水門を開ける。

黒ウサギが苗のひもを解くと大波のような水が溢れかえり、激流になり貯水池を埋めていった。

水門の鍵を開けていた十六夜は驚いて叫ぶ。

 

「ちょ、少しマテやゴラァ!!流石に今日はこれ以上濡れたくないぞオイ!」

蛇神の所で散々ずぶぬれになった十六夜はあわてて石垣まで跳躍する。

 

「うわお!この子想像以上に元気ですね!」

その水樹の光景に八幡たちも感嘆の声を上げていた。

そこで飛鳥が思い出した様に黒ウサギに質問をする。

 

「黒ウサギ、私たちは何所の部屋を使うの?」

 

「それはあちらの館です!」

黒ウサギは正面にある建物をさす。

 

「わかったわ。じゃあ私たちは明日に備えて先に休むわね。お風呂が

沸いたら呼んでちょうだい」

飛鳥がそう言うと八幡達も黒ウサギに声をかけ館に入って行った。

 

 




はいどうもユキ擬きです!
中途半端な終わり方をして申し訳ないです。
次の話はノーネーム復興の計画とガルドとの決着で
終わると思います。
それでは次のお話で、さよなら!
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