ガンゲイル・オンライン 戦場に散るロマン   作:Bishop1911

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どんなに軽く調整したトリガーでも
重く感じる事はある。
でもそれはパーツが生み出す重みじゃない。
君がこれから奪う命の重みだ。


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「よし、始めよう。」

 

『はーい』

 

無線を通じてカトラスの返事が

聞こえると同時に集落の正門前に

一本の矢が突き刺さり、

パンという音を立てて小さめの爆発を

起こして白色の煙を吐き出し始める。

集落の中に居たNPCたちが動き始め、

監視塔の敵NPCも煙の方向へ

ライフルを向ける。

 

俺は7.62mm仕様のアッパーレシーバーを

組み込んだLE-901-16sの

スコープを覗き込み、

監視塔のNPCにレクチェルを合わせて

引き金に指をかける。

スコープの中で緑色のサークルが生まれ、

俺の鼓動に合わせて動く。

 

「この距離なら偏差は考えなくて良いか…。」

 

次弾からの射撃に備えて

何人かのNPCに照準を合わせては

弾道を確認する。

 

「よし…トード、初めて良いぞ。

カトラスはしばらく待機。」

 

『あいよ』『らじゃー!』

 

集落の中で防衛準備を整え始めた

NPCたちに赤いバレットラインとともに

大量の5.56×45mmNATO弾が

送り込まれる。

通りを横断していた数名が

全身を真っ赤に染めて爆散し、

他にも数名の腕や肩に被弾エフェクトが

煌めいた。

 

事前に指示した通りに

トードが十数発撃つごとに位置を変えるため、

バレットラインを頼りに

撃ち返すNPCの弾丸は

一向にトードを捉えられない。

 

だが高い位置からだとそれも変わってくる。

監視塔の上の敵がジャングルで蠢くトードを

発見したらしい。

ソイツの銃口からまっすぐトードへと

バレットラインが伸びていくが、

ソイツよりも先に俺が引き金を引いた。

敵NPCたちが生み出す大量の銃声に混じって

シパァンッと

サプレッサーに抑制された銃声が鳴り、

監視塔の上のNPCが

膝から崩れ落ちる途中で爆散する。

 

続いて反対側の監視塔だ。

こっちは正門から離れているし、

トードは死角に入っているから

脅威度は低いが、

この後に突入するカトラスにとっては

大きな障害になる。

俺はさっき照準を合わせた時の

バレットサークルを思い出し、

風や距離の影響を修正する。

あとは俺の鼓動に合わせるだけだ。

バレットラインが映らないように

引き金から指を離し、照準を合わせる。

呼吸を整えて引き金を引いた。

さっきと同じように

シパァンという銃声が鳴り、

NPCの心臓を貫いた。

撃たれた衝撃でNPCの体は

監視塔の柵を乗り越えて地面に落ちるが、

彼もさっきのNPC同様に

地面につく前に爆散した。

 

「監視塔はクリア。

トード、射撃中止。

カトラスは突入。」

 

返事が2つ返ってくると、

さっきまで喧しかった銃声が1つ減り、

それにつられるように

集落側からの射撃音も消える。

 

 

 

数秒の沈黙が流れ、

確認のためなのか、4名のNPCが

煙の消えない正門の方へ向かうが、

そのNPCたちの真ん中にカトラスが

煙を切り裂くかの如く飛び込んだ。

恐怖を感じていないNPCは

カトラスの方を振り向くが、

射線上には別のNPCがあるせいで

反応が遅れている。

カトラスは背中のP90を構えると

AGI型のステータスに任せて

引き金を引きっぱなしで一回転。

360度に50発ばら撒いた。

NPC4体が一瞬で倒され、

カトラスの虐殺劇は加速する。

建物の間や木箱をすり抜けて

敵に接近してはP90で穴だらけにして行く。

そして数分後、

集落の中には大量のドロップアイテムと

戦闘前から全く変化が見られない

カトラスだけが残った。

 

「カトラスは周辺警戒。

俺とトードは正門前で合流後に

中に入る。」

 

『はーい』『あいよ』

 

俺もハーフギリーを脱いで

ストレージに収納し、

メインのLE-901-16sのアッパーレシーバーを

5.56mm仕様に変更して移動を始める。

仮想世界なのに無駄にリアルな

ジャングルの草木を掻き分けて

正門前に到着した俺を

コーラ片手にトードが待ち構える。

 

「おせーよ。」

 

「悪い、予想以上に生い茂ってた。」

 

「この後は拠点防衛だろ?」

 

空っぽになったコーラの瓶を

投げ捨てながら聞いてくるトードに、

俺はメニュー画面からクエスト情報を

検索して調べる。

 

「そうだ。

あと12人残ってる。」

 

「狙撃じゃ無いのか?」

 

良い質問だ。

俺も最初はそう思ったが、

俺はSJの自衛隊チームの映像を

思い出し返して

その考えを改めた。

確かに防衛戦に於いて

狙撃手が居るということは

かなり大きなアドバンテージとなるが、

それは攻撃側に"見られている"という

恐怖心を植え付けられるから

という要因がある。

だが今回の敵はNPCで、

GGOのフィールドに出現するNPCは

まだAIなどの感情を表現するシステムを

搭載していないため、

恐怖心を感じない。

むしろ狙撃に対して

冷静に対処してくる可能性だってある。

そして何より、

自衛隊チームが戦力を分散させれたのは

個々が強く、

チームとしても連携が取れ、

狙撃手が優秀で、

メンバーが6人も居たからだ。

対する俺たちは3人。

これが正しい判断というわけではないが、

やめておいた方がいいだろう。

 

「火力が少ないんだ。

これ以上戦力を分散させられるほど

俺たちはまだ強くない。」

 

「そか。

まぁそこらへんは任せる。」

 

「俺はトラップを仕掛けてくるから

その間にカトラスと装備のチェックを。」

 

「わかってる。」




次回

すんません。
今話で終わらせるつもりが
あと多く見て2ページほど続きそうです。

拠点防衛戦
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