リリカルなのは×BLAZBLUE 無印編   作:シャケ@シャム猫亭

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感想でのやり取りで思いついたもの。
ちょうど本編の切りが良いので、閑話として投稿しました。
ほんのり本編のネタバレを含みます。


閑話 vivid編やるならこんな感じ?

 JS事件。

 首謀者であるジェイル=スカリエッティの頭文字を取って名付けられたこの事件は、皆の記憶に新しいと思われる。

 ロストロギア「レリック」を狙う機械兵器「ガジェットドローン」の出現から始まったこの事件は、ナンバーズという戦闘機人の出現を経て、古代ベルカの遺産の一つである「聖王のゆりかご」が起動しミッドチルダ首都を恐怖に陥れた。

 しかし、スカリエッティの目論見もここで潰える。

 皆も知る、管理局の英雄が一同に会した奇跡の部隊、「古代遺物管理部 機動六課」によって。

 彼女らの活躍によって、「聖王のゆりかご」の動力の破壊に成功。

 最後は時空管理局艦隊の一斉射撃によって消滅、スカリエッティらも間もなく捕らえられ事件は終息した。

 だが、この事件を語る上では忘れてはならない者がもう一人いる。 

 

 

 

 彼は新暦75年5月13日にあったレリック事件の際、出動した機動六課によって事件への関与を初めて報告された。

 以降何度も機動六課の面々と衝突したが、その高い戦闘能力と彼の持つ第一級危険指定ロストロギアのせいで捕らえることは出来なかった。

 そして、JS事件の最佳境である9月19日。

 彼は「聖王のゆりかご」の起動と同時に地上本部を襲撃。

 防衛にあたっていたシグナム二等空尉を撃墜すると、地上本部の最深部に侵入。

 地上本部の動力源としていた「窯」と呼ばれる装置を破壊した。

 これにより地上本部の機能は一時停止し、「聖王のゆりかご」への対応が完全に遅れることになる。

 そして事件から5年が経った今でも彼は捕まっていない。

 時空管理局は彼をSS級犯罪者とし、彼の首に史上最高額の賞金をかけたが、未だその足取りは掴めていない。

 

 

 

 そんな、彼、「ラグナ=ザ=ブラッドエッジ」が、今どこで何をしてるのかといえば、

 

 

 

 

 

「らっしゃせー!」

 

 

 

 

 

 居酒屋で働いていた。

 

 

 

 

 

…………………

…………

 

 

 

 

 

「ったく、何で俺がこんなことしなきゃならないんだ………」

 

 

 

 ミッドチルダ首都クラナガンにある大衆居酒屋にて、ラグナは金髪の女性と隣だって皿洗いに勤しんでいた。

 

 

 

「それもこれも、全部テメェのせいだぞ、ドゥーエ。財布の中身も考えないでバカスカ食いやがって」

「し、仕方がないじゃない。まともなご飯なんて久しぶりだったんだから」

 

 

 

 ここ一週間、彼らはラグナの取った蛇やカエル、魚などの丸焼きしか食べてなかった。

 味は意外なほど悪くなかったのだが、いかんせん、ドゥーエの中では丸焼きは「料理」ではなかった。

 そのため、久しぶりに手に入ったお金で少し酒でも飲もうというラグナの提案に、ドゥーエは是非もなく了承。

 その際、つい食べ過ぎて予算をオーバーしてしまったのである。

 そんなわけで、彼らはここで労働という対価を払っているのであった。

 

 

 

「お、頑張ってるね。関心関心」

 

 

 

 そんな二人のもとへ店の大将が様子を見に来た。

 

 

 

「悪いな、迷惑かけちまって」

「いや、こっちも助かってるよ。ちょうどバイトの子が流行り病で休んじゃってね、手が足りなかったんだ。あと1時間の約束だけど、もしよければ終業まで働いてくれないか? もちろん、賄いとその分の給料は出すよ」

「ドゥーエ」

「ラグナ」

 

 

 

「「是非、お願いします!!」」

 

 

 

 

 

…………………

…………

 

 

 

 

 

 ところ変わって、とある大衆居酒屋にて。

 

 

 

「「「「かんぱーい!!」」」」

 

 

 

 はやて、なのは、フェイト、の三人はビールジョッキをぶつけた。

 

 

 

「んく……んく……ぷはぁ! やっぱ仕事終わりの一杯は最高やね!」

「なはは、はやてちゃん、おやじ臭いよ?」

「せやかて、なのはちゃんもそう思うやろ?」

「まあ、否定はしないけどさ」

「しかし、うちらがこうして一緒に飲むのも久しぶりやな」

 

 

 

 はやての言葉に、フェイトは指折り数えて、

 

 

 

「大体、半年ぶりかな? 大体は、はやてちゃんの予定が合わなかったんだけど」

「うっ………仕方がないやん。上に行けば行くほど忙しくなるんや。なのはちゃん、やっぱり昇進せえへん?」

「こ、これ以上忙しくなるのは、嫌かな」

「えー、フェイトちゃんはどうや? うちからもう少し仕事回そうか?」

「私もこれ以上はちょっと………今追ってる件にも支障が出るし」

「なんや、みんな冷たいな………あ、店員さん、注文ええか? これと、これ、それとこれも」

 

 

 

 はやては通りかかった店員にぱぱっと料理の注文をすると、また三人の会話に戻る。

 

 

 

「そういや、フェイトちゃんが追ってると言えば、ラグナの件はどうなったんや?」

「あー、うん。三ヶ月前くらいに見つけたんだけど、また逃げられちゃった」

「またかいな。もうこれで何回目や?」

「もう10を超えてから数えてない………」

 

 

 

 ずーんっとフェイトの周りの空気が重くなる。

 

 

 

「ラグナも、管理局が全力で追ってるっちゅうのに、よう逃げるわ」

「別に、お話ししたいだけなのにね」

 

 

 

 ラグナのやったことは確かに犯罪だったが、それが「悪」とは言えない面も多々ある。

 おそらく、更生施設に入れられはするだろうが、一年も経たずに保護観察処分になるだろう。

 だが、なぜ最高賞金首になっているのかと言えば、

 

 

 

「管理局の追手を返り討ちにしまくったせいやな」

「管理局も意地になってるよね」

「実際、ここに意地になって追い続けている執務官がおるしな」

「うっ……」

 

 

 

 はやての言葉に、フェイトは胸を押さえた。

 そんなフェイトの様子にはやては、ふっと思う。

 

 

 

「なあ、前から気になってたんやけど、フェイトちゃんはどうしてラグナを追ってるん?」

「確かに、私たちラグナさんには何かしらの恩があるから、ちゃんとした生活に戻って欲しいのはわかるけど」

「理由……」

 

 

 

 そうはやてとなのはに問われ、フェイトは改めて考える。

 始めは、話を聞きたい一心だった。

 幼き頃のPT事件とそれに続く闇の書事件では、味方として一緒に居てくれたのに、どうして敵になっているのか。

 その理由が聞きたかった。

 だが、その理由もJS事件が終息した今では分かっている。

 ならば、なぜ今もこんなに必死になって追っているのか?

 

 

 

「お礼をしたいから、かな」

「「お礼?」」

「うん。ラグナさんのお陰で、3つの事件は良い形で終息したでしょ? けど、ラグナさんには、何も恩返し出来てないなって」

 

 

 

 いつもそうだ。

 一人で最前線に立って、傷ついて。

 何も受け取らないで去ってく。

 

 

 

「だから、他の人より先に捕まえて、最良の形で罪を払ってあげることが恩返しになればなって」

「………なるほどなぁ」

「それと、私に取ってラグナさんは………」

「「ラグナさんは?」」

 

 

 

「………憧れ、だから」

 

 

 

 顔を真っ赤して、フェイトは言った。

 そんな様子に、はやてとなのはは顔を見合わせる。

 

 

 

(これ、どう見ても「恋」だよね)

(まさか、気づいてないんとちゃうか?)

 

 

 

 そうして、意を決したはやてが、それをフェイトに尋ねようとしたとき、

 

 

 

「しつれーしやーす。ご注文の品です」

「ああ、おおきに………って!!」

「げっ!?」

 

 

 

 三人は料理を運んできた店員に驚き、声を合わせて叫んだ。

 

 

 

 

 

…………………

…………

 

 

 

 

 

「あ、ラグナ君、ちょっといいかな?」

「あん? なんだよ?」

「今、厨房の手が空いてなくてね。ラグナ君、料理が得意らしいし、ちょっと作って持ってってくれないかな?」

「うーす」

 

 

 

 大将に請われるまま厨房に立ったラグナは、作る料理を確認して材料を切り、鍋を振るう。

 その手際は迷いがなく、非常に手馴れていた。

 

 

 

「相変わらず、顔に似合わず料理が上手いこと」

「うっせ。趣味なんだよ」

「いっそのこと、店でも開いたらどうです?」

「手配されてんのにそんなこと出来るわけねえだろうが…………っと、ほい、出来上がり」

 

 

 

 ささっと料理を器に移す。

 その際には、見栄えが良い様に盛ることを忘れない。

 

 

 

「えーと、6番テーブルだな。んじゃ、行ってくるわ」

「早く戻って来なさいよ。私一人じゃ、洗いものが溜まっていく一方だわ」

「へいへい」

 

 

 

 ドゥーエの言葉に、ラグナは生返事しながら厨房を後にした。

 そして、6番テーブルに向かい、

 

 

 

「しつれーしやーす。ご注文の品です」

「ああ、おおきに………って!!」

「げっ!?」

 

 

 

 予想外の遭遇を果たす。

 

 

 

 

 

…………………

…………

 

 

 

 

 

「「「ラグナ(さん)!!」」」

 

 

 

 

 

「げっ! テメェら、何で此処に!?」

「それはこっちの台詞や! 何でSS級の犯罪者が居酒屋でバイトしてんねん!?」

「いや、それは、止むに止まれぬ事情があるっつーか」

「ラグナ=ザ=ブラッドエッジ! 今日こそ逮捕します!!」

「わー! 待って待ってフェイトちゃん! こんな所で戦っちゃダメだよ!」

「大体、テメェらこそ、どうやって嗅ぎ付けた!?」

「あ、私たちは普通に飲みに来ただけだよ」

 

 

 

 気軽にいうなのはに、ラグナはがっくりと肩を落とす。

 

 

 

「フェイトちゃん、今は抑えてな。それよりも、事情ってなんやねん。言うてみ?」

「………飯食ったはいいが、金が足りなかった」

 

 

 

 その答えに、はやてはテーブルに突っ伏す。

 

 

 

「なんやねん、そのしょうもない理由………」

 

 

 

 こんなのが管理局が威信をかけて追っている犯罪者かと思うと、はやての目に涙が浮かぶ。

 一方でなのはは、ラグナの説得を試みる。

 

 

 

「ラグナさん、今からでも遅くないから、自首しよ?」

「誰がするかよ。どうせ蒼の魔導書(ブレイブルー)が目的じゃねえか」

「そんなことない! 皆心配してるんだよ。ヴィヴィオだって寝言で「ラグナパパ」って呟くくらい心配してるし」

「知るか! テメェの娘だろうが!」

「でも、ヴィヴィオに取って、パパはラグナさんだよ?」

「あーもう! ともかく、俺は管理局が大っ嫌いなんだよ。んな所に自首するわけねえだろうが!」

「むー、ラグナさんの分からず屋!」

「言ってろ! それに、俺が捕まったらアイツが何て言うか………」

 

 

 

 ラグナの呟きに、フェイトはピクリと反応する。

 

 

 

「アイツ? ラグナさん、アイツって誰?」

「あん? そりゃあ」

「遅い! 料理を運ぶだけなのに一体どれだけ時間をかけてるの!!」

 

 

 

 ラグナの言葉を切るように、厨房からドゥーエが現れた。

 

 

 

「……コイツ」

「「「ドゥーエ!?」」」

「なっ! 管理局!?」

「ど、どういうこと!? ドゥーエさんって死んだはずじゃ!?」

「せや! それがどうしてラグナと一緒におるんや!?」

「ど、どうしてと言われても……ラグナに助けられたからよ」

 

 

 

 その言葉に、はやては頭を抱えた。

 JS事件の関係者は、ドゥーエは死亡したと思っていた。

 スカリエッティですらも、ドゥーエを弔うための赤ワインを得ることを条件に情報交換をしたくらいだ。

 それが、いまさら生きているだって?

 

 

 

「あかん。今後のことを考えると、頭痛い」

 

 

 

 そんな混沌とした席の中、フェイトがふらりと立ち上がった。

 その手には待機状態のバルディッシュを掴んでいる。

 

 

 

「ねえ、ラグナさん。一つ、聞いていいかな? ………二人の、関係は?」

 

 

 

 フェイトは俯きながら言ったため、ラグナとドゥーエからはその表情は伺えない。

 そして、その問いに、二人は間髪を入れずに答えた。

 

 

 

 

 

「「腐れ縁」」

 

 

 

 

 

「ふ………ふふふっ」

「ふぇ、フェイトちゃん? く、黒い何かが出てるよ?」

「ずっと……ずっと憧れていたのに………いつか、いつか隣に立てるようにって努力してきたのに………なのに隣に立ってる理由が、腐れ縁?」

 

 

 

 俯き、何かを堪えるようにフルフルと震えるフェイトの身体が、バチバチと音をたてて帯電する。

 

 

 

「やべえ、逃げるぞドゥーエ!!」「あかん、逃げるでなのはちゃん!!」

「「は? え? あ、ちょっと!?」」

 

 

 

 

 

 

「ラグナ=ザ=ブラッドエッジイイイイイッ!!! 逮捕だあああああぁぁあッ!!」

 

 

 

 

 

 この日、クラナガンのとある居酒屋に、晴天にも関わらず雷が落ちた。

 




続きは、「気が向いた」ときに、本編の「切りが良く」て、感想などで「要望」があれば書こうと思います。
でも、きっとギャグ話ばっかりだと思う。
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