東方英雄伝 ~ラノベの主人公が幻想入り~ 【完結】   作:カリーシュ

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思いっきり電波回です。
分からない人には分からない書き方ですが、仕様です。フランの混乱を味わって下さい。



33話 キリト編:

―妖々夢後

―???????

 

side フラン

 

「…知らない天井だ。ていうか青空だ」

 

どうも、フランドール・スカーレットです。

突然ですが、朝起きたら違う場所でした。

 

…私は一体、誰に何を話してるんだろ?

 

 

そもそも私は確か……

 

キリトと咲夜の言ってた『西行妖』に興味を持って……

 

キリトと咲夜と一緒に白玉楼まで行って……

 

変に近づき過ぎると危ないからって遠目に眺めて……

 

飽きたからお話してたら、何がどうなってかキリトの初恋の話になって……

 

それで………あれ?

 

 

「そっから先、私は何してたんだっけ?」

 

……取り敢えず、動こう。

幸い(?)、何故か日光に当たっても大丈夫みたいだし。

 

 

 

コツ、コツ、コツ、と、石畳の道を歩いていると、大きな広場に出た。

 

(こんなところ、白玉楼にあったっけ……?)

 

 

突然―

 

空が赤く染まった。

 

「―っなに!? 何が―」

 

……赤く染まった。それだけだった。

 

 

「……移動しよう」

 

ここは何故か、キモチワルイ。

まるで大勢の、絶望と、怒りと、恐怖を塗り固めたような感じがする。

 

 

勘だけど――大体、1万人分の。

 

 

 

 

 

コツ、コツ、コツ、コツ、コツ、コ―

 

「……あれ?」

 

さっきまで石畳の道を歩いていた筈なのに、

 

「…洞窟?

―っ!!?」

 

気配を感じて振り向くと、小鬼が群れて、武器をギラつかせてた。

 

「遊ぶ……って感じじゃないね」

 

レーヴァテインを喚び出す。

 

同時に小鬼が飛びかかってくる。けど―

 

「そんなに遅いんじゃ、私には追いつけないよ!」

 

ハッキリ言って、鈍い。

持ってる武器も、刃物なんてキリトの剣と咲夜のナイフくらいしか見たこと無いけど、それでも分かるほどボロボロだね。

 

「そうだ、せっかくだから―」

 

剣を片手で構える。

紅く燃える刀身が、青く、光る。

 

「―『バーチカルアーク』!」

 

V字の斬撃で、手前の2体は蒼いガラスの破片みたいになって消えた。

 

「……ふーん、変なの」

 

ま、全滅させるのは変わらないけどね。

 

 

〜妹、ゴブリン無双中〜

 

 

―さて、さっきの小鬼たちでさっきっから何処だか分からない場所を歩くストレスを発散したところで、また移動しよう。

アイツら一撃でガラスに出来るけど数が多いんだもん……

 

 

 

 

 

コツ、コツ、コツ、コツ、コツ、―

 

今度は景色が変わる瞬間を見逃さないよう、注意する。

 

「―っ!?」

 

だと言うのに、またいつの間にか景色が変わった。

 

今度は、石畳の道。

それでも、さっき歩いた広場からの道とは違う。

と言うか、いきなり夜になってるし。

 

(これって………夢?

それにしてはハッキリしているような……?)

 

裏路地のような場所を、迷い無く(・・・・)歩く。

 

何故だか分からないけど、急がないといけないような気がした。

 

間に合わなければ、誰か、大切な人を喪ってしまうような気がした。

 

 

―私は気がついたら、走っていた。

 

裏路地を走る。

右に。左に。直線に。

 

 

息を切らせて辿り着いたのは、川だった。何処に繋がっているか、トンネルから水がゆっくり流れて来ている。

 

 

―間に合わなかった?

 

 

……違う。トンネルの所。

足場があって、誰かそこにいる。

 

 

『「……――?」』

 

 

私の口から、『その人』の名前が出る。

目があった。気がした。

何故か安心した。

 

……意味が分からない。

 

 

 

 

 

―それでも。

 

 

私は、何故か嬉しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……だからってこれは無いでしょ」

 

また景色が変わった。一歩も動いて無いのに。

 

 

また洞窟。でも場所は違うのか、壁の感じが違う。

 

近くと、壁の一部が動いて、隠し部屋(・・・・)が開いて、中には宝箱(・・)が見える。

 

やった! これで―――を驚かせられる!

 

仲間(・・)の1人が宝箱に駆け寄り、トラップを解除していく。

 

中身は一体―

 

そんな私のドキドキとした気持ちは、もう1人の仲間が、何かを言うかどうか迷ってる姿を見て吹き飛んだ。

 

 

開けちゃいけない。

 

 

開けさせちゃいけない!

 

 

 

 

 

 

 

そんな『私』の想い(幻想)をぶち殺すかのように、宝箱は開け放たれ―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

警報音が鳴り響いた(トラップが作動した)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湧き出る大量の怪物。

 

『彼ら』は武器を取り、迎撃する。

けれど、幾ら斬っても、突いても、潰しても、

 

怪物の数は減らない。

 

 

私も闘った。

 

なのに、減らない。

 

 

まるで、彼らが全滅するまで滲み出ている気がした。

 

 

まるで、此処で彼らが死に絶えるのが、確定した『事実』であるかのように。

 

 

―――が、ガラスになって砕けた(死んだ)

 

次に、―――が。

 

―――が。

 

 

 

 

 

そして、――が、死にそうになっていた。

 

「『―っ!! ウオォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオ!!!』」

 

 

 

レーヴァテインで斬って、潰して、

 

弾幕で砕いて、吹き飛ばして、

 

型も何も無しに殴って、蹴って、

 

『目』すら握り潰した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なのに。

 

 

それなのに。

 

 

 

 

 

『 』

 

 

 

 

 

―『その人』は、死んだ。

 

 

『――――――――――っっ!!!』

 

…私は、声が、出なかった。

『この人』は、血を吐きそうな絶叫をした。

 

 

あれだけいた怪物は、消えていた。

 

 

 

『この人』は、闘い続けた。

 

1人で、ひたすらに、闘い続けた。

 

彼が、望んだのは、たった1つの、小さな、それでいて不可能な我儘。

 

 

―『あの人』が最期に遺した言葉。

それがなんだったのか聞きたい。

 

 

ただ、それだけだった。

 

 

騙していた『ジブン(この人)』への罵倒でもいい。

 

約束を守れなかった『ジブン(この人)』への怨みの言葉でもいい。

 

 

何時しか、死者を蘇らせる事が出来るかもしれないモノを聞きつけ。

 

『この人』は、さらに闘った。

 

 

―私は、後ろで見ていることしか出来なかった。

 

 

 

 

そして、彼は出会った。

 

1人では勝てない。無謀だと言われた相手。

 

 

太った悪魔が、優しそうなお爺さんから剥いだ生皮を被り、出来損ないの布切れのような赤い服を着たヤツだった。

 

 

彼は、挑んだ。

(相手の主観での)片手斧と、頭陀袋と、体のサイズ差を活かした攻撃を躱し、流し、受け止め、グレイズさせ、時に喰らいながらも食いついた。

 

 

 

―『この人』は、何時からか化物の様になっていた。

 

近付く敵を殺し。

 

自分の心すら傷つけ。

 

味方すら威嚇し。

 

 

…そんな化物ですら、悪魔を潰しきれなかった。

 

 

あと一撃。

 

あと一撃入れれば斃せる。

 

 

そこで『この人』は、限界を迎えた。

 

 

雪の中に力無く倒れ込む。

 

迫るのは、無慈悲な斧の大振りな縦振り下ろし。

 

 

「―っ!!

『レーヴァテイン』!!」

 

 

『あの人』が死んでから、何故か私は物に触る事が出来なかった。

 

 

それでも、

 

 

 

 

 

あの一撃は、あの一撃だけは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―届かせない!!!!!

 

 

「――っはぁぁああああああ!!!」

 

 

レーヴァテインを振り向く。

 

斧が、弾かれる(・・・・)

 

 

―いけるっ!!

 

「『レーヴァテイン』っっ!!」

 

 

 

この二本の剣が届くのなら―

 

 

 

私自身にも分からない、この想いが届くのなら―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―私は、

 

歴史すら、

 

 

 

 

 

『破壊』する!!!!!

 

 

 

 

 

―届け

 

 

「―コンティニュー出来ると思わないでねっ!」

 

 

―何度も見た、あの技ならっ!

 

 

「斬符―」

 

 

だから、立ち上がれ。

 

 

この悪魔を潰すのは、貴方でしょう!?!?

 

 

「―『スターバースト・ストリーム』!!!」

 

 

―キリトっっ!!!

 

 

 

悪魔が弾き飛ばされる。

HPバーは、全く減ってない。

 

―その必要も、ない。

 

 

『―『ヴォーパルストライク』!!』

 

 

必殺の一撃が、悪魔を貫き、貫通する。

 

 

そして―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―???

 

―ここは…?

 

「…気がつきました?」

 

誰かが、顔を覗き込んできた。

ホクロが特徴な、線の細い、人間の女の子だった。

 

「―あの悪魔、は?

キリトは!?」

 

頭がボーっとする。

考えがまとまらない。

 

「―大丈夫。無事です。

その事は、貴女が一番よく知っています」

 

意味が分からない。

頭が、ガンガンする…!

 

「フランドールさん」

 

誰かが、私を呼ぶ。

 

「私は、もう長くは此処にいられません。だから、手短に言います。

 

―彼を。キリトを、頼みます。

KoBの『閃光』ではなく、私でもなく、今の彼に必要なのは、間違いなく貴女だから」

 

視界を、光が埋め尽くす。

唯一見えてた『あの人』の顔すら見えなくなる。

 

「―ありがとう さようなら」

 

 

―そして、何も見えなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―白玉楼

 

……?

 

あれ? なんか、長い夢を見てたような……

 

「お、フラン。起きたか?」

 

「喉が渇いてるでしょう。何かお飲み物をお持ちします」

 

キリトが何でもない様に話しかけ、

咲夜は返事をする前に時を止めて行ってしまう。

 

「…ここは?」

 

「白玉楼だよ。 …まだ寝ぼけてるのか?」

 

「昼夜逆転……いや直った?のはまだ割と最近だしな…」なんて言ってるキリトを置いといて周りを見ると、寝っ転がってお煎餅を貪ってる幽々子さんが目に入った。

 

 

「―それで、何処まで話しましたっけ?」

 

「…何をだよ」

 

「貴方の初恋についてでしょう」

 

「……まだやるのか、それ?」

 

あー…私が寝ちゃう前に話してたね、そんなこと。

 

「結局どうだったの?」

 

「あーっとだな、フラン? 取り敢えず一旦「クリスマス風コスプレをした幼女だそうです」っ咲夜サァァァァァン!?!?」

 

「…は?」

 

「聞いた話を纏めますと、罠に引っ掛かって囲まれ、彼と女性1人残して(・・・・・・・)全滅した時と、家族の様な関係の人を喪って、自暴自棄になって無茶やって死に掛けた時に助けられたそうです。挙句、最後まで誰だか分からなかったとか」

 

「う、ウルセー! 大体、さっきっからピントがぶれた影みたいにしか見えなくて、女だったってことと、身長、あとざっくりとした装備のデザインしか分からないって言っただろ!」

 

「『150センチくらいで、赤を基調とした服のデザインで、背中に七色に光るアクセサリーを付け、剣も赤い二刀流の剣士』でしたっけ?

それだけの情報、しかも半年ほど経っても殆ど外見が変わっていなかったのでしょう? 私なら絶対に見つけ出せます」

 

「うんアインクラッドが崩壊して無かったら巻き込んでやったのに!!」

 

「しかもその後自身も二刀流の剣士になったのでしょう? 憧れて真似ながらもそのザマ―プッ」

 

「よし咲夜表出ろ! ぶっ飛ばしてやるこのドSPADちょ―」

 

 

へー。あのキリトにも憧れの人とかいたんだー。

 

……この満たされるような気持ちは何だろう?

 

―ま、いっか!

 

 

 

あと咲夜、いくら禁句を言ったからって手加減無し&不可避の殺人ドールはちょっと可哀想だよ?

 

 

 

 

 

「では妹様、今から先にこのゴ◯ブリを紅魔館の庭に埋めて来ますので。しばらくお待ちください」

 

「共通点色くらいしか無いからね?

後埋めないであげてね!?」

 

「しかし、埋葬しておかないと少々匂いますが」

 

「葬なのかー。って、手遅れ!?」

 

「冗談です」

 

…まったく冗談に聞こえないよ。

 

 

哀れボロ雑巾と化したキリトを引き摺りながら、咲夜は時間を止めて紅魔館へ向かった。

 

 

私は、白玉楼を見て回って、目当ての人物を見つける。

 

「妖夢さん! ちょっと付き合ってよ!」

 

「えちょ、今素振りの途中―

―イエナンデモナイみょん。だからその右手をゆっくり握るのはやめて欲しいみょん」

 

中庭で見つけた、妖夢さん。

確かこの人も二刀流だよね。

 

「それで、付き合うって妖夢は何をすればいいみょん?」

 

「剣の相手になってよ!」

 

「……えっと、得物は?

それに、何で私n「行くよー?

『ツイン・レーヴァテイン』!!」

……ふこーだみょん」

 

レーヴァテインの二刀流を構えると、妖夢さんも構えてくれる。

…1本だけで。

 

「さーさー、どっからでも掛かってくるみょん。妖夢は逃げも隠れも

「『ダブル・サーキュラー』!!」

…っ!? ゴメンやっぱ無しで!!」

 

居合で2本目の剣が飛び出してくる。

 

さあ―

 

「貴女がコンティニュー出来ないのさっ!」

 

「妖怪が鍛えたこの桜観剣に、切れない物などあんまり無い!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―????

 

side 紫

 

歴史の改変、死者の蘇生、部分的な時間遡行―

 

彼らは『目覚め始めてる』。

 

……危険過ぎるわ。力を付け切らない内に―

 

「無粋な事はするもんじゃないよ、紫。

まあ、思う所はあるだろうけど」

 

「……今回、スカーレットの妹がやったことを見逃せと?」

 

「そー言っトルト。

―おっ、そっちいくか。ズラヴィンかと思ったけどチートだしな。まあ主人公格潰したらアカンわな」

 

マヨヒガとは別の場所、クトの根城で、何処から取り寄せたか分からない本を寝っ転がって読んでいる。

 

「……閻魔が黙って無いわよ?」

 

「んー? 大丈夫大丈夫」

 

「けれど―」

 

「あのねぇゆかりん?

 

―閻魔だろーが神だろーが、例え竜神だろーが、『あいつら』に掛かれば塵以下っていうのは、ゆかりんの方が良く知ってるでしょ?」

 

「……」

 

外なる神々(Outer God)

 

そんな存在が、幻想郷で力を解放でもしたら―

 

 

「……頼んだわよ、霊夢」ボソッ

 

「? 何か言った?」

 

「貴女のイビキを黙らせる為の最適な方法を考えてるのよ」

 

「what!?」

 




ちょっとだけその後。

フラン「勝った!」
妖夢「ふこーだみょん」ボロッ
幽々子「晩御飯は魚料理がいいわね」
上条「ゑ、今日は鶏肉が安かったから唐揚げのつもりだったんでせうが」
幽々子「あら、なら両方作ればいいじゃない」
上条「不幸だっ!」

補足説明(by うp主)
時系列:26話直前。
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