東方英雄伝 ~ラノベの主人公が幻想入り~ 【完結】   作:カリーシュ

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推奨BGM:『旧支配者のキャロル』



36話 上条編:叫べ! 今行くこの道しか無いと

 

―マヨinoチkUりン

 

 

「―こんなもんでいいかな」

 

改めて薪になりそうな物を集めてみると、意外にもスイスイ集まった。

……昼にも探しているから、幾ら薄暗かったとしても気付けよって量の枝が手に入った時は、ラッキーと素直に喜んで良いのか、一瞬複雑な気持ちになったが―まあいいか。

 

「お、また見っけ」

 

そろそろ片手で抱えるのがきつくなってきたな……1回戻るか。

 

右手(・・)で額の汗を拭う、と―

 

パキンッ

 

「…は? 何に反応したんだ?」

 

今のガラスが割れるような音―何度も聞き慣れた幻想殺し(イマジンブレイカー)の発動する時の音だよな?

その時触ってた場所って、……頭、か?

 

一体何で、何時から、………!?!?

 

「……この臭い、は―」

 

阻害系の術でも掛けられてたのか、幻想殺し(イマジンブレイカー)が発動して直ぐに、鉄臭いニオイが濃く漂っている事が分かる。

 

―血のような、生臭い、鉄のニオイが。

 

「っ―妖夢!!?」

 

薪を放り出して走る。

 

頼む、無事でいてくれ。

 

猪か何か捌いてるだけだと言ってくれ。

 

頼む― 頼む!!

 

 

―けれど、現実はやっぱり『不幸』だった。

 

「―クソっ!!」

 

焚き火の側にある、血溜まり。

 

その場所には、妖夢が寝ていた。

 

 

―いた筈だった。

 

「連れ去られたのか……?」

 

目を凝らせば、奥に血が少しずつ、等間隔に垂れている。

 

……出来すぎている。罠かもしれない。血だって妖夢のだとは限らない。

恐怖心が脚を止める。

 

―だとしても。

 

「―行くっきゃねえだろ。手掛かりはこれしか無いんだから!」

 

焚き火から、比較的長い枝を引き抜く。

何時間―下手したら何分明かりが保つかすら分からない。

 

だからどうした。

 

だったら、明かりが消える前に見つけ出せばいいだけだ!

 

「おし―

 

待ってろ、妖夢!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side妖夢

 

「―う……ここ、は?」

 

頭が、ボーっとする。

確か、妖夢は………!!?!?

 

 

思い出してしまう。

 

自分が気を失う直前、何を見たのか。

 

そして―『ソレ』に関して知っていることを。

 

「……『魚面人』。 藍さんが言ってた連中って、まさか、あれなのかみょん……?」

 

確か、藍さんの悪夢だと―

 

『半魚人の大群が、訳の分からない言葉を叫びながら追ってくる』

 

「…大群、みょん。 あんなのがうじゃうじゃいるのかみょん?」

 

唯の夢、と切り捨てるには、さっきの魚面人はあまりにも藍の言ってた連中と特徴が一致していた。

 

「………どうするみょん。 どうする―

イタっ!?」

 

肩に鋭い痛みが走る。

 

魚面人を思い出したショックで気にする余裕がなかった、自分の今の状況に気がつく。

 

女の子座りさせられた状態で、竹に背中をくっ付けたまま、上半身をグルグル巻きにされていた。

気絶の原因らしい肩の傷は、未だに血が細く垂れている。

前を見ると、此処まで運んで来た跡なのか、血の跡が等間隔に付いていた。

 

その光景を見て、ある嫌な予感が浮かび上がる。

 

「……頭がボーっとするのと、肩があんまり痛く無いのって、もしかして、血が足りて無いみょん……?」

 

半人半霊だって半分は生きてる。

血を失い過ぎれば、結果は常人と変わらない。

 

「……みょんは、此処で、干からびて死ぬのかみょん…………?」

 

 

―イヤだ。

 

そんなの、絶対にイヤだ。

 

唯でさえ昔、妖忌に『御主は少々頭が足りない』等言われてしまったうえ、血の足りてない頭で、必死に生き残る可能性を考える。

 

そして、直ぐに思いつく。

 

「!! 血の跡! トーマが気がついてくれれ、ば―」

 

が―

 

 

妖夢は、前を向き、絶望した。

 

 

暗闇に目が慣れたことで、更に細かい所まで見える様になったことで、見たくなかった、気が付きたくなかったものまで見えてしまった。

 

 

「―『魚面人』」

 

竹の陰から、此方を、そして血の跡の先を見つめている、異形の影。

分かる限りでも、5体。

 

「……妖夢は、エサなのか、みょん」

 

 

そして、『不幸』は続く。

 

遠くにユラユラと、それでいてそれなりのスピードで、小さな明かりが近づいて来る。

その明かりに照らし出されているのは、分かりやすい、ツンツン頭。

 

―上条当麻が、来てしまった。

 

 

「……ダメ。ダメだみょん」

 

助けに来てくれたのは嬉しい。

このままだと、妖夢は絶対に死んでいただろうから。

 

―でも、上条当麻が死ぬことは。

 

「―もっとイヤだ、みょん。

―トーマ!! 来ちゃダメみょん!! これは罠だみょん!!」

 

声が届いていないのか、小さな明かりはどんどん近づいて来る。

 

「トーマ! イヤ、ダメみょん!! 来ちゃダメ―あ"あ"あぁ"!?!」

 

もう片方の肩にも激痛が走る。

絶叫しながら見れば、

 

『6体目』が爪を突き立てていた。

 

 

「あああぁぁぁぁあああ!!」

 

「―妖夢!? 何があった!?!?」

 

妖夢の悲鳴を聞きつけて、小さな明かり(上条当麻)が、声の届く範囲まで来てしまった。

 

「トーマ……逃、げて―」

 

痛みに気絶する直前、最後に妖夢の視界に映ったのは―

 

 

背後から複数の魚面人に不意打ちされている当麻の姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side上条

 

焚き火から血の跡を辿って、たどり着いた先には、縛られ、両肩から血を流す妖夢と、その肩を抉っている魚の様な顔をした生物がいた。

 

―『魚面人』

 

前に藍さんから聞いた悪夢に出て来た異形が実在するとしたら、まさしくこんな感じだろう。

確かに魚面人としか言い表しようが無い。が。

 

―それがどうした。

 

背後からの気配は、スピードを上げる事で掠らせ(グレイズ)て避ける。

今の一撃で仕留められると思っていたのか、『驚愕』の感情が伝わってくる。

正面の魚面人が慌てて爪を振り上げるが―

 

「その手を放しやがれ!!」

 

助走をつけた右ストレートが、先に魚面人の顔面に突き刺さると、ぬじゃぁあ、という粘性の高い液体をぶちまけた様な音を立てて吹っ飛んでいく。

 

すぐさま振り返り、敵を確かめる。

 

「……ツイてないよな、こりゃ」

 

さっき吹っ飛ばした魚面人の同種が5体。

 

内1体が真っ直ぐ突っ込み、2体づつ左右に離れた。

 

「当たるかよ、今更そんな攻撃!」

 

振り下ろされる両手の爪を上体を反らして躱し、カウンターで革靴の踵の部分を低くなった顔面にぶち込む。

今回は湿った水音の他に、歪な細長い破片が吹っ飛んだ。

 

「次っ!!」

 

左右に分かれた4体は、2体づつ左右から、1体が跳ねて上空から挟み込む様に飛び掛る。

それを見た瞬間、近くの竹の高所にバックルから引き抜いたワイヤーを投げつけて絡ませ、ジャンプすると同時にモーターを起動させる。

 

「!?!?」

 

「堕ちろ、三下が!!」

 

上空にいた魚面人より高くなった時点で蹴り落としてやる。

墜落した魚面人に、攻撃動作を止めきれなかった左右の2体の爪が突き刺さり、更にトドメに3体の真上に上条が着地し、踏み潰す。

 

「ラストぉっっ―!?」

 

次の瞬間、

 

 

明かりが消えた。

 

 

足元に放置した松明が、遂に消えたのか?

 

……違う。

 

 

消された(・・・・)んだ!!

 

 

「!? しまっ―がっ!」

 

ズン、と。

下腹部に入る鈍い衝撃。

 

バックルを狙われた。

 

直後に、腿に強烈な痛みと異物感が走る。

 

「がぁ……!」

 

無理矢理引き抜こうとすると、今度は反対側の脚にも同じ感覚が生じ、

 

―強烈な、磯臭さが鼻をつく。

 

「! ヤロォっ!!」

 

正面を殴り、何とか引き剥がすことには成功するが―

 

両脚を痛めたことで、殆ど移動が出来ない。

マトモに動けたところで明かりが無い以上、攻撃するどころか何処にいるかすら分からない。

 

「……不幸だ」

 

苦笑いし、無理矢理体勢を変える。

自分の背後―妖夢がいた場所まで、方向が合ってる事を祈りながら這って行く。

 

「……ごめんな、妖夢。 こんな目に遭わせて―」

 

右腕を伸ばし―

 

 

 

 

 

その右腕が、歪んだ刃物の様な物で切断(・・)された。

 

 

 

 

 





ク「……上条の右腕切断イベントかー」
改めてどうしたんだ、クト?
ク「だって、なぁ? アレだろ?
原作とあるで上条の右腕が切られた後に起こることなんて、アレ(・・)くらいしかないだろ?」
感想欄で聞かれちゃったからねぇ。
予定を大幅に繰り上げました(笑)。
ク「それでいいのかうp主」
構わない。そもそも感想そのものが少ないから、要望や期待には時系列やキャラの性能上絶対に無理とかじゃ無ければ応えたいし。
ク「ふーん。
―さて、今回はどうやってうp主をボコるかな?ぶっちゃけツッコミながらじゃないから気がノらないし」
……本人の目の前で言うことか、それ?
ク「よし、決めた」
人の話聞いてる!?
ク「うっさい散れ」
何だtゴギャスっっ!?!?

チュドーン

ク「おー。あらかじめ打ち上げ花火(市販品)を大量に仕掛けておいてヨカッタヨカッタ。
……汚ねぇ花火だな。やっぱ」

(普通に死ねるので、現実では間違っても打ち上げに限らず花火を他人に向けてはいけません。)

補足説明
妖夢の血:普通にピンチだったりする。
妖夢ファンの方々ゴメンナサイ。死なすつもりは無いので許しtザヤク!?
↑狙撃された。
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