「キャー!カレーパンマン様」
「カレーパンマン様だ!」
「カレーパンマン、カレーパンマン」
沢山の歓声…それを聞いた俺は彼らに手を振る。
それを見た彼等はよりいっそう大きな歓声を送った。
俺の名はカレーパンマン…かつてヒーローだった男…
今はこの町の市長を勤めている。
一から作り大きくなった町…俺を慕う町の人々…
だがまだ足りない…その為に俺は…!
「薬をくれ…金ならある…」
「まいどあり♪ほらよ!」
ケッ!この薬中が…
借金作って偽りの快楽に浸ってよォ!
人間のクズだなコイツはァ!
まぁコイツらクズのお陰で俺の懐も潤ってるんだがな…ククッ…ハハハハハハ!
今日はバイキンマン市長の対談を行う…
大事な話だ…
おっ、どうやらバイキンマン市長が来たようだ…
「ようこそ!俺の町へ!!」
「久々だな…カレーパンマン…君と顔を最後に会わせたのはいつだったかな?」
「…お互い色々あったからな…積もる話もあるがその辺は今日の対談で話そうか…」
俺はそう言いかつての宿敵…今は市長を勤めているバイキンマンを会議室のほうまで案内した…
会議室の中で俺達は対談を始める…
俺達の会話も弾み、雰囲気も穏やか…対談はスムーズに行われていった。
「それで…?今回私を呼んだのは何も昔話や町の商業、社会福祉の相談だけではないのだろう?」
対談中にバイキンマンがふと、そう聞いてきた。相変わらず頭がきれる野郎だ。
「ああ…そろそろ本題に移ろうか…」
そろそろ言おうと思っていたことだ…バイキンマンのほうから切り出してくれるのなら俺も話しやすい…
「実は…技術提供をお願いしたい」
それ聞いたバイキンマンは少しの間何か考えを巡らせていた…
「何故?…そもそもどんな技術を欲しているんだ?」
考えが纏まったのだろう…バイキンマンは俺にそう聞いてきた…
「治安維持と生産に関わる技術だ…」
俺はそう言い話を続ける
「この町は非常に大きくなった…だがその弊害で深刻な問題が出ている」
「貧富の差か…」
バイキンマンは答えを予想していたのだろう…だが貧富の差だけではない…
「それもある…だがそれだけではない」
俺がそう言うとバイキンマンは目を細めた。
それを見て俺はさらに話を進める…
「最近、市民らにどこからか薬が出回っているんだ…無論俺も出どころを調査したが未だに尻尾が掴めない…このままでは被害は増える一方だ」
「なるほど…それで私を呼んだと言う訳か」
「その通りだ…無論それ相応の報償は支払う…だから協力してくれないか?」
バイキンマンはフムと手を顎にあて思案を始めた…しばらくしてバイキンマンは俺にこう言ってきた。
「条件がある」
バイキンマンは以下の条件を出してきた。
・技術提供に辺りそれに見合うだけの金額。
・互いの生産物の輸入、輸出
・お互いの町の技術に用いた共同開発。
・治安維持に辺り互いの町の市民の法律に基づく 逮捕権
…他にも色々あるが大体こんな感じだ…
「勿論だ…むしろこちらにも有利な条件も多い…むしろこちらからお願いしたいくらいの条件だ…」
俺が交渉しようと思っていた案件もあるくらいだ。
「決まりだな…私はこれで失礼するよ…書類を纏めなくては行けないからね…」
バイキンマンはそう言うと席をたつ…
「町の入り口まで見送ろう…バイキンマン…感謝する…」
俺は心からそう言った。
「どういたしましてと言うべきかな…私は平和のためなら協力は惜しまないよ」
バイキンマンがそう言ってくれて俺も助かる…本当にありがとう…
町の入り口まで歩いて進み、俺は奴を見送った…
後日、バイキンマンから『今度私の町に招待したい…一ヶ月後にどうだろうか』とメールが届いた。
勿論俺は二つ返事で返した…一ヶ月後が楽しみだ…
「今度、バイキンマンの治安維持システムを導入するという情報が入ったが…大丈夫なのかボス?」
俺の部下が不安そうにそう聞いた…
全く何を心配することがあるのかね…
「クハハハハハハァ!何をそんなに怯えているんだ!!」
「しかし!…もし足がついては!!」
「安心しろ…全ては想定の範囲内だ…」
俺がそう言うと部下も安心したのだろう…安堵の表情を浮かべる。
「そんなことよりもだ…この女はもうダメだな…」
「ウッアーァ…」
全く…薬付けにして楽しんだらすぐに壊れちまった…
「どうなさいますか?」
そうだな…これだけボロボロならそのまま売っても価値もないからな…
「ばらしてパーツだけ売り払え」
そう言うと部下は女を引きづるように連れていった…
なあアンパンマン…俺はお前のようにはならない…
命尽きるまで人生を謳歌してやるぜ…クククッ…
ハハハ…クヒャハハハハハハハハハ!!!!
今日はバイキンマンとの会合する日…俺は身支度を終え、リムジンに乗り込む…大事な日だ…緊張もあるが無事に終えなくては…
「ようこそ私の町へ…すぐに案内しよう」
バイキンマンはそう言うと俺を会議室まで案内していった…
「では改めて以前話していたことを確認していこう。」
バイキンマンは俺に以前言った条件を改めて説明していった。
前と変更点はないようだ…
「…以上の条件に不満がなければこの契約書にサインしてくれ。これで提携は正式なものとなる。」
勿論、俺がやることはひとつだ。
「喜んでこの条件を呑もう…これで良いか」
バイキンマンは契約書を確認し首を縦に振った。
「契約成立だな…よろしく頼むぜバイキンマン!」
これで俺の目的は達成された…たがこれで終わりではない…
これからいそがしくなるな…
「ああ、すぐ手配しよう」
バイキンマンがそう言い指を鳴らすと出てきたのは武装した警察だった…
「これはどういうことなんだ…バイキンマン…」
何故?何故なんだ…
「これで…君を合法的に拘束することが出来る」
どうして…ドウシテナンダ…バイキンマン!!
「何を…言って…」
「もう終わりだ…カレーパンマン…いや、裏社会を統べる麻薬王よ…」
何故俺が麻薬王であることがバレている…
「なんで…どうして…何時から」
いったい何時からだ!
「最初からさ…大人しくしろ!さもなければ貴様を撃つ!!」
バイキンマンは俺にそう言ってきた。マントはないから空に飛んで逃げることはできない…だがな…貴様は肝心なことを忘れているようだなァ!
「クヒャハハハハ!撃ちたきゃ撃てよ!!だがな…そんな鉄の塊が俺様に通用するものかよ!!」
バイキンマンはそれを聞くと苦悶の表情を浮かべた…良い気味だ…
「お前の部下は全員逮捕した…もう抵抗は無意味だ!!」
わかってねぇ…わかってねぇな細菌の王様よォ!!
「だからどうした!俺様は生きている!!生き続ける限り俺様は人生を楽しみ続けるぜ!!例えそれが他者を傷付けることであってもなァ!」
俺が生きている限り俺は終わらねぇンだよォ!!
「もうなにも言っても無駄なようだな…全員構えろ!!」
号令を聞いて警官隊は構える…やる気のようだなァ!かつてヒーローだった俺とよォ!
「撃て!!」
パンッ!パパパンッ!パーン!!
響き渡る銃声…こんなもの聞くかよ!!さーてどうやって逃げようかな…いっそコイツらの血で部屋を赤く染め上げてもおもしれぇだろうなァ!
パンッ!
「なんだ…高みの見物かと思ったが…お前も参加するのか…バイキンマン」
馬鹿な奴だ…わざわざ死にに来たらしいな…
「もう終わりだ」
こんな銃弾1発で終わり?馬鹿かこいつは…
どうやら過大評価し過ぎたようだな…
「フハハハハ…こんなもので終わりだと!?おもしれぇ冗談…グッ!」
突如訪れる痛み…これはどういうことだ…
「無論…ただの弾丸ではない…貴様に撃ち込んだのはウィルスバレット…堕ちた英雄を蝕み殺す唯一の弾丸だ!!」
ウィルスバレット…だと…なんだそれは…こんなところで俺は…ふ、ふざけんじゃねぇエエエエ!!!
「こんな…こんなもので俺はァ!グッ!グアアアアア!!!」
痛い…痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いィィィイ!!!
体が徐徐に変色し腫れていく…
「もう終わりだ…お前は…俺様とアンパンマンが目指した平和な世界には不要なのだ…」
アンパンマンが平和な世界を目指していた…だと…
ふざけるなぁ!!!
貴様は死の恐怖に狂い、自分の都合の良い解釈でいきる喜びを保っているだけだろうがァ!
奴は…アンパンマンは生きる喜びも…愛も希望も…自由すら奪われた者の成れの果て果てじゃないか!!!
俺は、俺はそんなのは御免だ!!!
俺は生きるんだ!自分のために!!!
その為なら他人がどうなっても構うものか!!!
「お前が…お前如きがアンパンマンを語ってンじゃネェェエゾォォオ!!!グッ!アアアアアアアアァァァァァァ!!!!!!」
嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だァァ!
こんなところで俺は…俺はまだ生きたいんだ!
生きて幸せをてにいれるんだ!!!
「死にたくない…死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない…ウゥ…ウァァアアア…」
意識が遠退く、嫌だ…俺はまだ…
「皆♪いつもお疲れ様♪ご飯ができたぞ♪」
「うーわ♪美味しそう♪今日は食パンマンとカレーパンマンも一緒なんだね♪」
「ええ、私たちも呼ばれたんですよ♪」
「ああ、今日はお前の初パトロールだからな♪お祝いもかねてな♪」
思い出すのはあのときの光景…
「皆…ありがとう…」
「なにしんみりしてンだよ!」
「そうじゃぞ」
「そうですよ」
「それじゃあ食べよう♪…皆…手を合わせて!」
「「「「「いただきます!」」」」」
ウォ…ウマ…ゴホゴホ
チョット…オチツイテタベテヨ!!!
マッタクモウ…ハハハハハ!!
なんで…なんで今になってこんなことを思い出すんだ…
幸せな…幸せだった…あの頃を…
「俺は…お…れ…は…」
Fin
これで今回のお話は終了です♪
ありがとうございました♪