――――奉仕部は今日も駄弁る。
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「ここに俺は、目玉焼きにはソースか醤油かの論争における、第三の意見を提唱したいと思う」
「…………」
「…………」
「俺は……。俺は、オーロラソース派だ」
「あたし、ポン酢かなぁ……」
「私は塩胡椒にレモンをかける、というのが多いわ」
「……!?」
*
「なんか、アレだわ。キノコかタケノコかって言ってたら、唐突にメルティキッスが降ってきた気分だわ……」
「ごめんなさい。ちょっとなに言ってるのかわからないわ」
「でも、目玉焼きになにかけるかなんて、家ごと、個人ごとに違ったりするのに、言い争っても仕方ないのにねぇ」
「そう言われればそうなんだが……。まぁ、各々譲れないものがあるんだろ」
「そんなものかなぁ……」
「ああ。そんなもんだ」
「でも、そうね。譲れないものといえば、私、将来猫を飼いたいと思っているわ」
「…………」
「…………」
「今住んでいるマンションなのだけど、あそこ、ペットが禁止なのよ……。じゃあ、引っ越そうかってなっても、少なくとも高校を出るまではあそこにいろと一蹴されてしまうし……。はぁ、ままならないわ……」
「……ほーん、そーなのかー」
「た、たはは……。あ、ああっ、そういえば! あたしもあるよ! 譲れないもの!」
「あら、そうなの?」
「うん。えっとね、サブレの散歩コースはいつも絶対変えないんだ」
「あ、そうなの?」
「そうなんだよ。でも、サブレはもう飽きちゃったみたいで、よくどっか行こうとするんだけどね。たはは……」
「ふぅん。いろいろ皆、こだわりがあるもんなのな」
「だねー。それで、ヒッキーはなにかないの? そういう、こだわりみたいなの」
「んー、あー……。あれかね、日曜朝の、プリキュア」
「ヒ、ヒッキー……」
「やはりダメね、この男は」
「なんでだよっ!?」
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「は? こだわり?」
「うん、そうそう。優美子と姫菜はそういうの、あるのかなーって」
「んー、こだわりねぇ……。よくわかんないけど、あーし、夕飯の後はいつもアロエヨーグルト食べるんだ。あれ、ちょーおいしいし」
「おー、なんか可愛らしいこだわり。んふふ、私はねー、寝るときはいつも仰向けだよー」
「海老名、それなんか普通すぎておもしろくないんだけど」
「えー」
「た、たはは……」
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「ふぅん、こだわりねー」
「ええ。人の家に、しかもこんなに夜遅くに訪ねてきたのだから、せめて駄賃代わりに答えていって、姉さん」
「ふふん! ならば教えて進ぜよう! 不肖、この雪ノ下陽乃のこだわりとは! ブラはフロントホックのものしか着用しなっ!? ……もがもがっ」
「な、なななにを言ってるのかしら、この人は!? って、酒臭っ!? 酔ってるわね、あなた!」
「よ、酔ってないもん……。うぇっぷ……」
*
「へぇ、そんな話してたんだぁ」
「ああ。それで、お前なんかこだわりあんのかよ、小町」
「うーん……。あっ」
「ん、なんかあんのか」
「うんっ。小町のこだわりはね、お兄ちゃんとお揃いのこのアホ毛だよ!」
「ほーん……」
「いやー、毎朝セットするの、わりと大変なんだよー?」
「……って、ええ!? それ、自前じゃねぇの!?」
「くふふっ。冗談だよ、お、に、い、ちゃ、ん」
「……ったく。八幡的にポイント低い」
「珍しくビックリしてるお兄ちゃんは、小町的にポイント高かったよ」
「……可愛くねぇ」
「えー、またまたぁ」
「はぁ……」