IS-Lost Boy-   作:reizen

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推奨BGM


戦闘1:あんなに一緒だったのに(真・ガンダム無双)
戦闘2:The Battle of IS(インフィニット・ストラトス)
戦闘3:嵐の予感(ガンダムSEED)


ネタバレになるので、こういう表示になりました。
言うまでもなく、個人的に好んでいるBGMをお聞きください。ただの推奨ってだけなので。


ep.22 意外な展開

 勝負の仕方に答えはない。特にISには絶対防御があるんだからそれが顕著になるはずだ……なのに、何故か僕は織斑先生に呼び出されていた。

 

「時雨、何故呼ばれたかわかっているか?」

「いいえ。まったく」

 

 本当はわかっているけどね。どうせ僕が篠ノ之さんにしたことが原因だろう。

 

「何故あんなことをした?」

「1つは顔を叩かれる恐ろしさを知らしめるため。もう1つはあなた方大人たちに対する当てつけです。それとも、敢えて尻の穴を選択した方が良かったですか?」

「そう言う問題ではない!!」

 

 じゃあ、何の問題だと言うのだろう?

 

「そもそも、どこを攻撃しようがこちらの勝手ですよね? 胸を触ろうが、尻を触ろうが戦略的な行動の1つでしかない。第一、僕が本気で彼女に酷いことをするなんて思っているんですか?」

「そういう問題ではない! 人として間違っていると言っているのだ!」

「だったら今すぐ女尊男卑を止めさせて、冤罪で捕まった男の人たちを解放させるんですね。それに人として間違っているって言うなら、彼女が真剣を持っていること自体が間違いなのでは?」

 

 聞いた話によると、篠ノ之さんは真剣で居合の練習をしているようだ。防具を外している人に怒ったからって攻撃するような人に真剣を持たせるなんてどうかしているとしか思えない。

 

「ともかく、僕は僕のやり方を変えるつもりはありません。それとも何ですか? 僕が何もしなくてもあなたが守ってくれるんですか? 守れるわけありませんよね? あなたには弟がいるんですから。とびっきり馬鹿のね」

 

 そう言って僕は職員室を出て行く。

 僕はもう、学園長以外の教員を否定的に見ていた。誰もかれもが僕を否定的に見てくるからだ。知っているんだよねぇ。僕が勝ちあがっているのはボーデヴィッヒさんのおかげだって教員の間で噂しているの。

 

「しぐしぐ、大丈夫?」

「うん。ムカついたからさっさと出てきた」

 

 まぁ、僕もボーデヴィッヒさんがいたからここまで勝ち上がって来れたことは理解しているけど、だからと言ってそれを全面的に肯定されるのは腹が立つ。僕だって撃墜している試合はあるというのに。

 

「まぁ、流石にあれはやり過ぎだと思うけどね~」

「君までそう言う?」

「でもすっきりした。ありがと」

「こら、引っ付くな!」

 

 僕はそう言って腕に引っ付く布仏さんをはがす。明日は対戦だって言うのに、こんなことをしていていいのかな。

 

「見つけたぞ、智久!」

「うん?」

 

 後ろから声をかけられた僕は振り向くと、怒りを露わにしている織斑君が大股で歩いてきた。

 

「何か用?」

「何か用? じゃないだろ! 何で箒にあんなことをしたんだ!!」

 

 あんなこと、ねえ。

 僕としては当たり前なんだけどな。

 

「別に顔を攻撃しちゃあいけないってルールはないと思うけど?」

「だからって股を蹴ったりとか、そういうことをしちゃいけないだろ! 何があったらどうするんだ!?」

「………別にどうでもいいじゃん」

「何!?」

「別に彼女と君が付き合っているわけでもないんだし、彼女がどうなろうかなんて知ったことじゃないでしょ」

 

 女の子の機能とかが停止したところで大したことではない。ましてやあんな暴力人間の遺伝子を残したら、辻切りが溢れかえるというもの。

 

「箒は俺の友達だ!」

「そう言うなら、彼女のやったことの責任ぐらい取らせろよ」

「一体箒が何の間違いを犯したっていうんだ!?」

「それを理解できないなら、君は一生馬鹿のままだ。そして君からそんなものを感染させられたら困るから僕はこれで失礼するよ」

 

 そう言って踵を返すと、後ろから声がかかる。

 

「おい、ま―――」

 

 織斑君の言葉が急に止まる。まぁ、そのはずだよね。

 

「ねぇ、おりむー。私が今からお姉さんを殺していい?」

 

 銃を構えられていたら、流石に止まるか。しかも首。引き金を引かれたら一発でアウト。

 

「な、何でそんな話になるんだよ……」

「それがわからないならとっとと消えて。必要以上にしぐしぐに絡まらないで」

 

 そう言って銃を消した布仏さんは、僕の手を引いてそのまま部屋に連行した。………なんか、僕の腕枕が気に入っているみたいだから、今日だけは誘ってあげることにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日。僕は何故かVIP用の席に呼ばれたので何でだろうと思ったら、

 

「何でみんなで観戦に来ているのさ」

 

 孤児院にいるはずのみんながいた。

 

「きくちゃんが「どうしても」って言うから」

「……私の記憶が正しければ、「席を用意してほしい」って電話をかけてこられたのですが?」

「……本当にすみません」

 

 僕はすぐに頭を下げる。昔からどこか破天荒だったけど、まさかここまでだとは思わなかった。

 

「ふむふむ。ここがIS学園か。税金の無駄遣いとはまさにこのことだ」

「……相変わらずの毒舌ですね」

「だがまぁ、みんなが喜んでくれて良かったよ」

 

 専用の個室ということもあって、子どもたちは大はしゃぎだ。

 

「ねぇねぇ、これからあそこでお兄ちゃんが戦うんだよね?」

 

 小学生に入りたての子たちが僕の所に駆け寄ってくる。僕は思わず笑顔になってしまったけど、何とか自制した。

 

「そうだよ」

「お兄ちゃん、頑張れよ! 俺たち応援するから!」

「何言ってるの! お兄ちゃんが負けるわけないでしょ!」

「そうだよ。だってお兄ちゃん、強いじゃん」

 

 相方が強いだけなんですけどね、なんて言えたらどれだけいいか。

 でも僕も兄としてのプライドがあるし、何とか言ってやった。

 

「任せとけ! 絶対に勝ってやる!」

 

 ああ、言わなければ良かった。

 でもみんなを落胆させたくないし、次に帰った時に場所が無かったら生きる気力を失いそうだと思った僕は心で2人に勝つことを誓う。

 

「トモ君」

 

 子どもたちの相手をしていると、海が割れた……もとい、子どもが道を開けた。僕がいない間に何が起こっているのか、子どもたちの連携がまるで軍隊のようだ。

 

「頑張ってくださいね。でも、無理しないでください。私はトモ君が無事ならそれでいいので」

「………頑張るよ。みんなの期待を裏切らないためにも」

 

 どうしてだろう。どうしてみんな、僕らを見て笑っているのだろう。

 そんなことを疑問に思いつつも、僕は時間が近いこともあって仕方なく部屋を出る。

 

(………勝てるかな)

 

 昨日、布仏さんが織斑君にしたことは素直にびっくりした。いや、誰も彼女がそんなことをする人間だとは思わないだろう。思えない、というのが正しいかもしれない。

 僕はもう一度、昨日のことを含めて再計算をする。そしてやはり答えが出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日は学年別トーナメント最終日。朝に行われる試合の後、1時間ほどの休憩を挟んで僕らの試合の勝者が織斑君と戦うことになる。

 僕はボーデヴィッヒさんに作戦を伝えると、意外なことに二つ返事で承諾してくれた。

 

「時雨智久、打鉄、行きます!」

 

 いつものようにそう言って僕はフィールド内に入る。向こうもほとんど同じタイミングで出てきた。

 更識さんの機体はこれまでの打鉄と変わらない。だけど布仏さんはラファール・リヴァイヴを装備していて、その色は黄色だった。

 

「よろしくね、2人共」

「……うん」

「さって、2人を倒して優勝を頂くよ~」

 

 それって織斑君たちは勘定に入っていないのかな?

 思わず苦笑いを浮かべると試合開始の合図が鳴り響いて僕らは一斉に仕掛けた。―――って、え?

 

「更識さん!?」

 

 どうしてか、更識さんが自ら僕の方に来たのだ。

 

「あなたは、私が倒す」

「どうして!?」

 

 僕はてっきり、更識さんがボーデヴィッヒさんを倒しに行くものと思った。こっちにとっては予定通りだけど、場合によっては彼女らに攻撃を当てられると思ったのに。

 

「あなたが持つ知識、それはこの学園の誰よりも危険の証拠」

「それは過大評価だよ。戦闘力で言えば僕は専用機持ちの中で言えば最弱だ!」

 

 近接ブレードを展開して薙刀を受け止めようとしたけど、一瞬で折れた。

 

「確かにあなたは最弱かもしれない。でも、あなたが考案した武装は女の限界を超えたものばかり」

「布仏先輩には売れないかもしれないって言われたけどね」

「それでもあなたは、これまでは様々な手法を使って勝ってきた。だから、危険」

 

 振るわれる薙刀。紙一重で回避していると、アサルトライフルを展開されて盾で防ぐ。

 

「そう。だったら―――トランスフォーム! ソードアサルト!」

 

 そう叫ぶと、僕の打鉄に異変が起こる。

 実弾を防ぐどこかの防御兵器のように機体色が変わることはない。だけど、背部に大型ブレード、両肩部にガトリングガン、両腰部に何かの柄がマウントされた。

 僕はすぐさま背部から大型ブレードを抜いて迫り来る薙刀の刃を受け止める。

 

「飛べ、ハリケーン!」

 

 すると僕の周りに球体が展開されて、煙を噴いて更識さんに迫った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ■■■

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、ラウラと本音の対戦も盛り上がっていた。それもそのはず、ラウラが圧されているからである。

 

「この、小癪な!!」

 

 ラウラの機体「シュヴァルツェア・レーゲン」にはAICという、慣性を狂わせる装置が搭載されている。そのせいで銃弾など質量がある攻撃を防ぐことができるが、自分の動きも止まってしまうという弱点がある―――のだが、それを補うためにレールカノンと6基のワイヤーブレードが搭載されている。

 しかしワイヤーブレードは既に2基も先端を切り落とされてしまっている。

 

『良い? 絶対に布仏さんには油断しないで。訓練機を装備しているからって言ってもISは生身の身体能力がフィードバックされるんだから』

 

 最初、ラウラはさっさと倒してすぐに救援に向かうつもりだった。だが、そんなことは難しいと気付かされる。

 

(レーザーを使用してくる上に、ブリテン女とは違って狙いは乱雑……いや、敢えて狂わせているのか……)

 

 冷静に分析しつつ、攻めるラウラ。そして、タイミングを見計らって瞬時加速を使用―――だが、それは本音もだった。奇襲が失敗したラウラは、すぐさま反撃に転じようとするもレーザーを食らわされて攻めるタイミングを失う。

 

 

 

 

 

 その様子を、虚も管制室から見ていた。

 2年生は整備科所属の主席の妹が、専用機持ちと渡り合っている姿を見て驚いている。だが3年生にとってはそれは変哲もないことだった。

 

「す、凄いですね。妹さんがあそこまで動けるなんて……」

 

 真耶は素直に感想を述べるも、千冬は沈黙を保ったままだ。それもそのはず、彼女は本音の動きはもちろんの事、彼女が使用する武器を意外だと思っている。

 

「山田先生、布仏が使用している武装がどこの会社の物かわかりますか?」

「待ってください。すぐに調べ―――」

「無駄ですよ」

 

 虚が口を挟んで答える。

 

「無駄とはどういう意味だ?」

「あの武装はこの学校で開発されたもので、まだ委託業務も行っていない代物です」

 

 その言葉に千冬は驚く。

 

「………何故そのようなことをした?」

「彼に聞いてください。私は先日の恩を返しただけなのに、自分から妹や更識さんに渡すように言ったのですから」

「……まさか、時雨がか?」

 

 虚は頷くと、千冬は信じられないという顔をした。

 

「それはあなたがちゃんと彼のことを理解してあげていないからでしょう」

「何?」

「彼はあなたの弟とは違って、ISに真剣に向き合っています。練習後の整備も欠かしませんし、かけられた制限によるハンデを少しでも埋めようとしていました。私はただ彼の手伝いをしたまで。あれはその結果ですよ。実際、時雨君のアイディアは私には思いつかないものばかりでしたしね」

 

 その言葉に教員2人はもちろん、周りは驚きを露わにする。

 

「………私は打鉄のスペックを弄るなと言ったはずだがな」

「スペック自体は弄ってありませんよ。ずっと標準のままです。そもそも、あなたの弟さんがISを軽視し続けているだけではありませんか? 普通、あれほどピーキーな機体ならば交換を要請するか、道場に通うことも考えてもおかしくありません。ですが、あなたの弟さんはいつも通りの平凡な時間に起きて過ごしているんでしょう? だったら、差は開いて当然ですよ」

 

 その言葉に千冬は反論できなかった。

 千冬自身、智久が朝早くからトレーニングをしていることを知っているからだ。

 

「いい加減、お認めになられてはどうです? 確かに彼のあなた方教員に対する態度は少し改める必要はあるかもしれませんが、むしろこの世の中で簡単に女性を信じる男性も危惧すべき存在と私は思いますが」

 

 千冬に対しての一夏の批判を織り交ぜながら虚は持論を述べていく。千冬は反論を試みようとしたが、それは試合による展開によって邪魔された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(くそ、私が……私がこの女に負ける!?)

 

 シュヴァルツェア・レーゲンのシールドエネルギーが100を切る。それほどまでラウラは追い込まれていた。

 

「何なんだ……何なんだ貴様は!?」

 

 ラファール・リヴァイヴは標準装備ではない。ブースターなども改良されていることは確かだが、装甲が削られているのである。その分、機動力が増していて本音の動きが上がっているのだ。

 さらに言えば、彼女の脚部装甲の一部にはナイフが仕込まれており、レーザー銃と爆弾を巧みに操って攻撃を行っていた。だが、本音も決して無傷と言うわけではない。彼女のシールドエネルギーも200は切っている。

 本音は銃弾をばらまく。ラウラは至近距離ということもあって咄嗟にAICを起動させてしまった。本音は素早くその場を移動してレーザーを浴びせ、稼働できるワイヤーブレードを破壊した。その爆発で残り40を切る。

 

「止め!!」

 

 本音はこれでもかと言わんばかりにミサイルを飛ばす。ラウラは回避に徹するも間に合わずAICを使用して防いだ。

 

 ―――ジャラララララ

 

 ラウラはその音を聞いた瞬間、背筋が凍った。

 

「……わ、私は―――」

 

 ―――負けるのか?

 

 迫る鎖に恐怖を抱く。AICを起動している以上、動作は限られている。

 

 ―――嫌だ

 

 だがラウラの願いが叶わず、シュヴァルツェア・レーゲンのシールドエネルギーが0になった。

 

 ―――こんな、これじゃあ―――

 

 ラウラの脳裏に、かつての自分が過ぎる。瞬間、第三者の声に呼び戻された。

 

「―――ボーデヴィッヒさん!」

 

 開放回線で呼びかけられたラウラは目を覚ます。自分のシールドエネルギーがなくなっていることを確認した彼女は、これからの処遇を考えた。

 

(私はまた、出来損ないの烙印を押されるのか……)

 

 彼女は本音がどういう人間か知らない。そのため、訓練機に後れを取ったと後ろ指を刺されることを危惧した彼女に再び声をかけられた。

 

「ボーデヴィッヒさん! 大丈夫!?」

「……私は、無力なのか……」

 

 智久の呼ぶ声を無視して呟いたラウラ。しかし、彼女はすぐに正気に戻された。

 

「いい加減にしろ! ラウラ・ボーデヴィッヒ!」

「は、はい!!」

 

 思わず直立不動するラウラ。それと同時に、簪の動きが鈍ったこともあって智久は果敢に攻める。

 

「確かに君は布仏さんに敗北した! でも、戦いはまだ続いている!」

「しかしもう、2対1―――」

 

 言葉を切るラウラ。それもそのはず、いつの間にか本音もやられているからだ。

 

「一体、どうなっている……」

「もう1対1だ……だから、勝てる!」

 

 実はハイパーセンサーにシュヴァルツェア・レーゲンのシールドエネルギーが切れたことを知らされた智久はすぐさま本音にミサイルとミサイルポッドを食らわせたのだ。

 

「だから僕に任せろ。………この戦いを制したら、事実上優勝なんだから!」

「……ゆう、しょう……?」

「そうだ。今の内に損傷個所を纏めておいて。そうした方が―――っと、勝てるから」

 

 簪の攻撃を回避した智久は、笑顔を浮かばせて叫んだ。

 

「見せてあげるよ。決勝戦にとっておきを……トランスフォーム! モードスペシャル!!」

 

 そして再び、智久の打鉄は変化した。




楽しんでいる(いや、いるのか?)悪いのですが、少し話を。
実は今、ユーザーのリンクを切って執筆していますが、そろそろハンドルネームを公開しようかと思っていますが、どう思われますかね。
今後の展開次第ではパクリとか言われそうなので、公開する方向で考えています。よろしければ意見をお願いします。



実はこれを連載した当時、既に2つも執筆しているので「他のに集中しろよ」と言われたくなかったのと、単純にリンク切りを使ってみたかっただけなんです。






ちなみに、智久はちゃんとルールを守って戦っています。
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