IS-Lost Boy-   作:reizen

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割とスパロボVが欲しいのに、金がなくて見送りつつあるreizenです。
Gジェネじゃないのにガンダム作品が参戦多数だったり、ヤマトが参戦していたり、ヒュッケバインが復活したり。

……とりあえずエースはヴィヴィアンかな。次点でシンを目指す。


ep.39 過去と現在の邂逅

 智久とフォーリアが入れ替わって2日が過ぎた。

 検査後に異常なしと判断された智久(フォーリア)は4時間目から授業に合流。一度回収され、虚と本音の手で修復された荒風を受領したが、その日は見学するように言われてしょんぼりした。

 そして今日、フォーリアはあるシステムを本音にもばれないように起動させ、確認する。

 実は精神的にもかなり来ていたが、何よりも智久は外傷が酷かった。つまり、幸那が帰った後ぐらいからフォーリアは偽物の身体を作り出していたのである。

 

(そろそろね。この調子だと、今日の夕方ぐらいには終わるかしら)

 

 そう思ったフォーリアは智久がいつも通り行っていたことをして、普段とは何ら変わらないことをしようした。それに今日からISのテストが2日かけて行われ、午前は筆記テストで午後からは全生徒対象のIS実技試験だ。さらに、実技テストと併用して一般教養も行われるという鬼仕様である。

 

(お祭りを起こすにはちょうどいい機会かしら)

 

 フォーリアは誰にも見られることなく笑みを作り、本音と共に部屋から出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして筆記テストが数時間かけて終わり、いよいよ操縦テストが1年1組と2組の合同クラスから始まる。

 このテストは次年度から所属する学科を決めるために行われており、成績にも反映されるにはされるがその量は限りなく少ない。

 それを知ってか知らずか、フォーリアは智久として呼ばれてまず最初に専用機持ちの1人として戦うことになった。この時だけは、セシリアらも機体の使用を認められる。そのため、彼女らも展開できるがここであることが起こった。

 

「ぶ、ブルー・ティアーズ……?」

 

 いくら待っても展開されない愛機を疑問に思いながらセシリアは左耳に触れようとしたがそこには既になかった。

 

「え?」

「ちょっ、何で……」

「一体どうなってるの……?」

 

 全員がとある人物に注目し始める。その人物は注目を気にすることなく操作を始めた。

 

「FPSオールグリーン。その他システムの異常もないわね。でも機体はボロボロ……本当にこれ、ちゃんと整備してるの………」

「ま、待ってください時雨さん! どうしてあなたがわたくしの機体を―――」

「下手なあなたより僕の方が扱えるからだよ」

 

 そう言ってフォーリアはビットをすべて飛ばして他の専用機持ちを攻撃した。

 

「な、何やってんだよ智久!?」

 

 一夏は叫ぶ。だが本音はすぐに近くの打鉄に移動してセッティングを始めた。

 

「止めろ時雨! お前は一体―――」

「私が行きます」

 

 普段とは違い、一夏を「殺す」と言ったような時に似た冷静な雰囲気を発した本音は移動しつつあるブルー・ティアーズを確認する。

 

「………布仏、お前は―――」

「織斑先生は今すぐみんなに連絡して下さい」

 

 そう言って本音は専用機持ちの後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ■■■

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目を覚ますと、視界は知っている天井だった。

 

「………ああ、もしかしてこれまでのことは夢だったのかな」

 

 実は臨海学校はまだ行ってなくて、これから行って無事平穏に終了……なんてことかもしれない。

 そう思った僕は起き上がってテレビをつける。ほら、やっぱり7月23日……ってはぁ!? 23日?!

 僕は思わず引き出しに印刷していた学園の行事予定表を見る。確かこの日は………テストじゃん。

 

(………終わった)

 

 2週間も休んだ上、IS理論を含めて2週間以上もまともに勉強をしていない。そんな状況で一体どうやってテストの点を取ればいいというのか? はっきり言おう。無理だ。

 真面目な話、IS学園の勉強量はかなり洒落にならない。荒風を作っていた時は空いた時間は虚さんに重要なポイントを教えてもらっていたけど、それでもあまり進んでいない。休みの日にそれを挽回するつもりだったのに、これじゃ取れる点数なんて高が知れている。

 

(………とりあえず、シャワー浴びよ)

 

 こんなところで焦っていても仕方がない。今は気持ちを切り替えるためにシャワーを浴びよう。

 サッパリして着替えようと思ったら、その着替えがないことに気付いて取りに行く。誰もいないことはわかっているけど、ついつい前は隠したくなるよね。

 なんて誰に言うわけでもなく思っていると―――

 

 ―――あれ?

 

 何やら違和感が出てきた。

 とりあえずそのまま上げていくと、パンツがパツパツだ。少しでも激しく動いたら、それこそ一発で破けてしまうぐらいである。

 

(……でもこれ、僕が持っているパンツの中で一番大きい奴じゃなかったっけ……?)

 

 中を確認すると、確かに一番大きい奴でした。

 

「………何かがおかしい」

 

 IS学園用のズボンを出して履くと、成長することを見越して少し大きめのを頼んでおいたからかすんなり入った………ただし、膝が丸見え。

 僕は思わず定規とセロハンテープ、そしてメジャーを用意する。セロハンテープは小学生のお道具箱に入る小型の物を推奨だ。

 まずは手ごろな柱に身体を引っ付け、そこに定規を置く。勢いよく叩くのがミソだ。

 次に定規を置いた場所にセロハンテープを剥がしやすいように半分ぐらい付ける。ここでワンポイントアドバイス。セロハンテープは下辺を定規の横に貼ることをお勧めする。

 最後にメジャーの「0」の部分が床に固定できるように位置を取り、セロハンテープを貼っている所まで伸ばす。

 

「………ひゃ……176㎝オーバー………」

 

 ちょっと疑わしいかったから、もう一度同じ方法で測ると、同じ176㎝オーバー。実は「mm」の単位でも同値の「0.2」だったので、これは間違いない。

 

「……僕の背が……伸びてる……」

 

 やった……これで僕はチビを卒業した。

 そう思うと嬉しくなり、僕はその場でガッツポーズし……そして、気付いた。

 

(……服が……ない)

 

 僕は今まで身長が150㎝しかなかった。当然、それに合わせて服を選んでいるわけだから、当然ながら着ていくものがない。となれば、すぐに服を新調するべきだね。

 

(……手っ取り早く許可を出してくれるとしたら、轡木十蔵さんか)

 

 となれば、今すぐできる限り違和感がない服装になって用務員室に向かうべきだね。

 僕は小さくなったサンダルを履いて、上に比較的腹を出しても違和感がないものを着て、フード付きのジャンバーを上から羽織る。そして財布を持って外に出た。時間的に5時限目が始まるぐらいだから、そろそろ1組が外で試験をしていることだろう。……僕の場合は0点か。生徒を守ったから特別に免除してくれないかな……?

 なんて考えていると、少し外が騒がしくなっている。みんなISに乗れて嬉しいのだろうか。……どうでもいいけど、夏場にジャンバーは凄く暑いね。たぶん目立つけどできたらバレないでほしい。

 色々考えながら用務員室に向かっていると、外でブルー・ティアーズを相手に甲龍とラファール・リヴァイヴ……あれはカスタムⅡかな? が、何故か戦っている。

 

(って、あそこは戦闘禁止区域じゃないか!?)

 

 全く。ルールぐらい守ってほしいよ。福音の時もそうだった。命令無視して勝手に出撃。教師やラウラさんも途中で合流したけどまともな戦力とも言えなかったからあっさり撃墜されて、結局僕が出ることになった。どうなったかはわからないけど、僕がここにいるということは作戦を終了したか放棄したか、ともかく終了はしたようだ。

 

「………あれ?」

 

 見ると、ブルー・ティアーズは消えて今度は甲龍がカスタムⅡと合流したらしいシュヴァルツェア・レーゲンと戦っている。ハイパーセンサーがあればすぐに誰が乗っているのかわかるけど、もしかして命令違反で凰さんが代表候補生を辞めさせられたのだろうか? とても動きが良い。

 

(衝撃砲はAICが相手だと相性が悪いって聞いたけど、そうでもないのかな?)

 

 普通に戦えている現状を見て、僕はそんな感想を抱く。……今はそんなことを考えている暇はないね。

 僕は改めて用務員室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ■■■

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 突然起こった時雨智久の暴走事件。

 彼はどういう手段かセシリアからブルー・ティアーズを奪い、セシリアにできない「ビットと自身の同時移動」を平然と成し遂げて他者を圧倒する。だが元々ブルー・ティアーズは白式ほどではないが実験機であるため燃費が悪い機体であり、エネルギーは底を突き始めた。

 

「さて、次はその機体をもらおうかしら?」

「は? そんなことできるわけ―――」

 

 智久は二段瞬時加速を無理やり行い、甲龍に触れる。すると鈴音の身体が重力に引かれて落ちて行く。

 

「ちょ、きゃあああああああ―――!?!」

 

 だがその落下は唐突に終わった。

 

「大丈夫か、凰」

「ボーデヴィッヒ!?」

「お前は隠れていろ!」

 

 そう指示したラウラはすぐに鈴音から離れ、先行するシャルロットの援護をするために大型レールカノンを展開。照準を向けた。

 

「いい加減にしろ、智久!」

 

 そう言ってシャルロットに当たらないように配慮しつつ、射撃を行う。シャルロットはラウラの考えていることを理解し、邪魔にならないように移動し、接近戦を仕掛ける。

 だが智久は―――いや、フォーリアは甲龍に搭載されている衝撃砲《龍砲》の特徴である()()()()()()()()()()()()()()()()()、時間差攻撃を行ってシュヴァルツェア・レーゲンを圧していく。

 

「この―――」

 

 さらに恐ろしいことに、シャルロットとの近接格闘を同時に行うことだ。ラウラも近接格闘をしながらワイヤーブレードで牽制することはできるが、そうなるとワイヤーブレードの動きは単調になってしまう。

 

「ふむふむ。甲龍の燃費の良さは要チェックね。さて、次はそいつを借り―――」

 

 シャルロットは咄嗟に瞬時加速を後進で行う。咄嗟にできたことに内心驚きつつも、急に自分諸共撃って来たその人物を見て驚いた。

 

「あら、本音じゃない。今私は彼へのプレゼントのために行動しているから邪魔しないでもらえるかしら?」

「でも、その姿だとしぐしぐがしたように見えるから、ちゃんと元の姿に戻ってよ」

「それは嫌よ。だって彼の身体って、小さい割には鍛えられているから動きやすいのよ」

「……じゃあ、私があなたを討つ」

 

 瞬時加速で接近した本音は至近距離でクレイモア炸裂弾を発射。その機に乗じてフォーリアはISごと姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ■■■

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦闘が近くになったから、僕は慌てて近くで隠れられそうな場所に移動した。

 だけどその戦闘音が止んだので、バレない場所を移動する。

 

「え? 嘘!?」

 

 周りを警戒していなかったからか、急に声をかけられた僕は驚いて震えあがった。

 そしてすぐに敵の場所を探すと、見覚えのある格好が僕を見ていた。

 

「…………え?」

 

 ……もしかして、これは俗に言われるドッペルなんちゃらなのでは?

 その姿が僕だとわかったので、脳内で僕が殺されてしまうイメージが浮かんでしまった。

 

「まぁいいわ。それよりもこれ、あの馬鹿たちに返しておいて」

 

 そう言って僕の前の姿をした人は何かを投げる。

 

「あ、ちょうどこれも作っておいたから」

 

 どこからともなくパンツも含めた着替えも展開した。

 

「いや、あの―――」

 

 どういうことかと尋ねようとしたら、既にその姿がなかった。

 

(ともかく、どこかで着替えないと……)

 

 見た感じ、IS学園の黒バージョンと言った感じの色合いをしているその服と、何か固い物………ってこれって―――

 

「―――ちょっとアンタ」

 

 このタイミングであなたが来るの!?

 驚いてそっちを見ると、ISスーツの状態でいる凰さんとオルコットさんが歩いてきた。

 

「時雨智久がどこに行ったか知らない?」

「え?」

 

 もしかして、僕が時雨智久だと気付いていない?

 まぁ、急に成長したし、さっきの姿を見ていたんならそう思うのも当然―――

 

「ちょっとあなた。あなたが持っているそれって―――」

「アタシたちのISじゃない!? 何で持ってるのよ!?」

「えっと、これは……」

 

 さて、困った。

 やっぱり僕が渡されたのはISらしく、しかも甲龍とブルー・ティアーズの待機状態だ。

 どうやらこの人たちは僕がやったと思っているらしいけど、それは僕の姿をした小さい人で、僕じゃない。つまり、ありえないけど2週間前時点の僕がここにいたと思う。

 

「と、ともかく、これはお返ししますね。じゃあ、僕はこれで―――」

 

 投げて僕はそのまま用務員室に移動しようとすると、

 

「―――誰だお前は」

 

 ブリュンヒルデが現れた。流石は姉弟。タイミングの悪さはばっちりだ。

 

「お、織斑先生……」

「確かに私はここで教員をしているが、お前のような不審者に「先生」と呼ばれるような関係ではないがな」

 

 ………そういえばこの人、他人の話を聞かないんだっけ?

 

「そこのお前、所属はどこだ? 今すぐ話さなければ腕をへし折る」

 

 ………僕は舌打ちをして軽く言った。

 

「ハッ! 命令違反をした生徒をとっとと国に送り返してとっとと男たちの性の吐け口にしない甘ちゃん教師は、弟以外の男には容赦なく暴力を振るいますか」

「………何?」

「だってそうでしょう? 僕の後ろで何故か睨んでくるクソゴミ女は7月7日に命令違反を犯して、生徒虐殺を企てた凶悪犯じゃないですか。普通ならここにいないでしょう?」

 

 するとまた風切り音が聞こえてきた。今度はIS。そろそろ本格的に事情を説明してもらいたいもの―――

 

「…もしかして、しぐしぐ……?」

「……本音さん?」

 

 荒風……ではなく、打鉄に追加ブースターを付属したものを纏った本音さんが現れた。っていうか何であの人、僕だってわかったんだろ……?

 

「布仏、この男は……」

「しぐしぐ~!」

 

 ご丁寧にISを解除して、布仏さんは僕に抱き着いてきた。

 そう言えば、とあるお馬鹿な主人公は小学生にモテていて、抱き着かれるたびに鳩尾に入っていたっけ。でも、真っ直ぐでいざという時は本当に役に立ち、尚且つ好きな人のために頑張ってきていたから織斑君と違って好感が持てるんだよね。

 とか走馬灯に近いものが頭に過ぎる。うん。凄く痛いです。

 

「離れて本音さん。今僕の腹部にジャストミートしたよ」

「だって、本当にしぐしぐに会うのは久しぶりなんだもん!」

「……待て布仏。ではあの時雨は何なんだ? アレは一体……」

 

 その時、周囲に設置されているスピーカーのスイッチが入った音がする。

 

【緊急連絡。緊急連絡。時雨智久君はすぐに学園正面ゲート前に来てください。繰り返します。時雨智久君は今すぐ学園正面ゲート前に来てください】

 

 ………が、学園長!?

 僕はすぐに織斑先生を見る。織斑先生も信じられないという顔をしていた。

 でも僕は今、姿形が全く違う。そして残念なことにそれを証明する物は持っていない………そうだ。

 

「本音さん、ちょっと降りて」

 

 僕は上着を脱ぎ捨ててすぐにISに乗って本音さんのカートリッジを外し、データが残らない完全マニュアルモードを使用する。

 

「何をしている!? それにお前は―――」

「事情は後で説明します。それと、本音さんを借りていきます」

 

 そう言って僕は本音さんに服を持ってもらい、彼女を抱きかかえてすぐに正面ゲート前に向かった。

 

「お待たせしました」

 

 近くに着陸させて本音さんを降ろすと同時にそのまま降りる。学園長は訝し気に見ている。

 

「あなたは……でも気配が時雨君に―――」

「―――その男は時雨智久よ」

 

 唐突に声がして、僕らはそっちを見る。

 

「……フォーリア」

「そう怖い顔をしないで本音。今は私のことをどうこう言っている暇はない」

 

 するとフォーリアと呼ばれた僕に似た姿をしていたそれは光の球になり、僕の首元に来たと思ったらネックレスになった。

 

「………ともかく行きましょう。僕を呼んでヘリがここにあるってことは、急ぎなんでしょう?」

「………はい。ただ、少し覚悟はしておいてください」

 

 その言葉に違和感を感じる。

 やがてヘリはある場所へと向かう。その場所は―――僕が育った場所だった。




やったね智久、一夏を超えたよ!

……確か、一夏の身長って172㎝らしいですね。4㎝切っても問題ないですね。
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