IS-Lost Boy-   作:reizen

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FGO福袋で水着玉藻降臨。ついでにイシュタル被る事故。スカサハ狙って爆死。

艦これ始めたけど母艦出ません。開発中々成功しません(´;ω;`)
現在の秘書艦候補は電ですかね。中破姿はエロ……いえ、なんでもありません。

はじめてのはがき作成

スマホで音ゲーデビュー。カバー曲が盛大にアレンジされていたり、リズムが独特過ぎて行動可能ポイントを1曲の練習にすべて当てる

お正月イベントは大体こんなものですかね。


ep.68 キャノンボール・ファスト

 用意されたドローンが吹き飛ぶ。

 フォーリアに技術提供された高性能ドローンは簡易的だが学習用AIが積まれており戦うごとにフォーリアが許可する範囲で自己改造して強くなるのだが、

 

(………正直、今すぐ智久君に生徒会長の座を明け渡したいぐらいね)

 

 予め智久が戦ったことによって楯無は辛くも勝利を勝ちとった。

 だがミステリアス・レイディもシールドエネルギーをかなり消耗している。

 

 彼女もまた焦っていた。

 結局北条家と合併し、智久も北条カンパニーに委託してからのドイツとの取引も始まった。智久の戦闘力も一夏を戦闘不能にしたことで世界的にも認められている。認められているが、楯無にとって焦ることでしかない。

 

 一夏が暴走した。それによって潜在能力が引き出されていたとはいえ、楯無も虚も呆気なく敗北した。楯無はそのことを引きずり、仕事の合間に自主練習を多くすることにしている。

 実際、練習割合が増えたことによって能力は上がったが、それでもまだようやく一勝したところだ。

 

(……もっと強くならないと)

 

 生徒会長としてのプライドか、それとも「楯無」としてのプライドか、彼女のレベルはまたさらに上がろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ■■■

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 居心地が悪い、というのはまさにこのことかもしれない。

 今日はキャノンボール・ファスト当日。僕らは全く練習していないけど、当日である。

 

「………」

「………」

「………」

「………ふむ。私見で言うのものなんだが」

 

 僕の方を睨む3人の専用機持ちに対してボーデヴィッヒさんが口を開いた。

 

「実際のところ、織斑が暴走したのは確かだろう? それを止めたことに対して文句を言う事はないと思うがな。大体、私を含めてお前たちに止められたのか?」

 

 図星を突かれて全員が黙り込んでしまう。まぁ、苦しいことを思いっきり言われたらそうなるよね。

 

「それよりも智久、貴様はISを強化していないのか?」

「……というよりも、これ以上は強化しきれないって言う方が正しいかも」

 

 元々、フォーリアが僕に合わせて作ったのが闇鋼だから、装甲を大きく変えることはまずない。するとしたら武装ぐらいだ。……まぁ、フォーリアが言うには僕は基本的に右手は大型ビームライフルか爪、左手はビームソードとバリアシールドの複合小手、後はビット兵器に背部の大型稼働ウイングスラスターぐらいだ。

 いつもは出力を調整して敢えて本気を出さないようにしていたけど、これからはそれも解禁するつもりだ。

 

「それにわかっていると思うけど、おそらく今回も襲撃があると思うから全員警戒しておいてね」

「本当か?」

「これまでのパターンからして、ね」

 

 大体、イベントごとに色々とあるから警戒しておいて損はない。

 そもそも、いくら僕や織斑君がいるからって周囲は狙いすぎにも程がある。噂だけど織斑君の方にも厳重な警備が付いているという話だ。

 

「ほう。少しは私の成長も認めるという事か」

「正直、不安要素しかないけど。姉さんの相手はもちろんだけど、僕としては国家代表を倒した謎のISが気になるんだ」

 

 僕の予想が正しければ、たぶんその相手は―――いや、でもなぁ。万が一、億が一でもあり得ないことだ。

 そもそもISを男が動かすことはできない。それをあの男ができるとしたら、とんでもないことになる。

 

「………最悪、この施設が消し飛ぶことは覚悟しないと」

「レース直前に何言ってんのよ、アンタは……」

 

 突っ込まれたけど、それほど強烈な相手と言わざる得ない。

 たぶん楯無さんを巡って戦った時は相手がそこまで本気じゃなかったはずだ。むしろ、どうでも良い節があったし、僕がまだ成長できるという確信もあったかもしれない。だけど今回は向こうは全力で僕を倒しにくるはずだ。仮にISを扱えたとしたら、幸那の機体を見る限り凄い腕を持つ天才が手掛けているだろうから油断はできない。

 

「………大丈夫」

 

 後ろから打鉄弐式を展開した簪さんが声をかけてくれる。

 

「もし、その人が来たら………私だけでカバーするから……」

「その時はお願い。もし危なくなったら観客なんて見捨てて逃げてね」

「………そんなことしたら怒られるだけですみませんわよ」

 

 そんなこと言われても困る。

 

「でもまぁ、ISに無駄金を使っている分は関連施設にちゃんと金を使っているはずだからシェルターは頑丈になっているはずだし、そうじゃなかったら暴動は起こるだろうけどね」

 

 なんて答えていると、山田先生に呼ばれて僕は移動する。その最中に簪さんをチラッと確認すると、打鉄弐式に4本の帯が付いていた。

 

(たぶんアレが、新パッケージの『天衣』だろうね)

 

 打鉄弐式専用の高機動戦術パッケージ『天衣』。今後の戦闘隊形を考えて指揮官向きに開発されたと思われるものだ。4本の帯によって攻撃と防御、さらには機動力を上げて回避すらできる。まさに有能な指揮官が持ちそうなものだ。

 

「………あまり、見ないでほしい」

「ち、違うからね! ちょっと新パッケージの事を考えていただけだからね!」

「……………」

 

 可愛くソッポを向かれたけど、ISスーツ姿に見とれていたわけじゃないし仕方ないね。って言うかISスーツ姿を気にしたら―――

 

『あの髪が水色の女の子、可愛くね?』

『見た目外国人っぽいけど日本の代表候補生だろ? お近づきになりたいな』

『でも噂じゃ、二人目の男性操縦者とできてるんだろ?』

『あの世界にハーレムを容認されているクソ野郎か。死ねば良いのに』

『高がISを動かせるってだけで………』

 

 空気を読んだのか、フォーリアが闇鋼の集音声を高めてくれた。

 

『というのが過半数よ。どう思う?』

『………別に良いかな。ただ、捨て置く』

 

 クズの精神かもしれないけど、どうせIS競技に顔を出すんだから碌な奴じゃない。

 精々肉壁として役に………立たないな。

 

 心を落ち着かせて、一度周りの状況を把握する。

 まず凰さんの甲龍。高機動パッケージ『(フェン)』を装備していることによって両肩の上に浮いている衝撃砲が横を向いていて、本人の胸が小さいのにも関わらず胸部装甲が突き出ている。

 次にオルコットさんのブルー・ティアーズ。以前も使用していた高機動パッケージ『ストライク・ガンナー』を装備していることでBT兵器が封印されている状態。ただし、それを補うように大型ライフルが追加されているとか。夜塚さん曰く彼女の近接能力も鍛えられているので、狙撃手としての技量は上がっているとのこと。

 そしてボーデヴィッヒさんのシュヴァルツェア・レーゲン。新型のスラスターを増設して参戦。特に武装は追加されたという噂は聞かないけど、AICは健在なため警戒は必須か。

 篠ノ之さんの紅椿は闇鋼と同じそれそのものがある種の完成系だからか、これといった追加はない。どうやって対処するかはわからないけど、彼女は二刀流の動きが強化されていることもあって油断はしない方が良いかもしれない。

 最後に簪さんの打鉄弐式。性能そのものを見れば第四世代の特徴そのものの新パッケージが追加されている。彼女の情報処理能力はボーデヴィッヒさんやデュノアさんとはいい勝負だから油断なんてものは持たない方が良い。

 

(…………というより、生き残りたいなら現状に満足できないけど)

 

 姉さんや僕が知るあの男が敵になっているもしくはなるかもしれない状況で、スペック的にも技能的にも発展途上な状態で慢心なんてものは命取りだ。慢心しても良いのは、たった一撃で世界そのものを消滅するほどの攻撃ができる存在だけだろう。

 

『それではみなさん、一年生の専用機持ち組のレースを開催します』

 

 全スピーカーからアナウンスが響く。その効果か周りが静まり返って全員が僕らのスタートを今か今かと待つ。

 全員がスラスターを点火させる。僕は敢えてかなり遅く点火させた。

 3カウントが始まり、シグナルランプが青に変わった瞬間に全員が発進した。

 

 ―――ただし、僕以外は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ■■■

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 智久の試合放棄とすら思えるその行動にほとんどの人間が驚く。中では「評価が下がって犠牲になる」と喜ぶものもいた。

 だが、高がスタートをしていないというだけで油断する人は当事者たちにない。

 

 ―――できる限り差をつける

 

 全員がその意思を持つ。

 彼女らが移動するにつれて横並びだったが徐々に列となる。簪がトップとなり時点でセシリア、鈴音、ラウラ、箒となる。

 

「あの男、いつまで動かないつもりだよ」

「やる気ないんじゃないの」

「何か機体もダサいし」

「よくあんな奴がISを動かしたな」

「何でゴミみたいな男に専用機があって私たちにはないのよ」

「今すぐそこ代われ!!」

 

 女からだけでなく男からも野次を飛ばされる智久。すると、智久はようやくスタートする。

 周囲が「やっとか」や「鈍間」などと罵倒する。が、その罵倒はすぐに消えた。

 

「「「―――は?」」」

 

 これまで智久の動画はアップされていたが、それはあくまでラファール・リヴァイヴの時だけであり、闇鋼をまともに世間に晒すのはこれが初めてだ。だからこそ、一般市民は唖然とする。とてつもない速さに初見の人間は圧倒される。

 完全なチート級の機体―――それが闇鋼だった。

 

「もう来たの!?」

「冗談じゃありませんわ!」

「みんな、落ち着いて。まだ慌てる時間じゃない」

 

 簪が全員に指示を飛ばす。

 

「下手に対応した方が早く抜かれる。今はできるだけ先に移動しないと」

「そんなことをしていたら抜かれてしまいますわ!」

「その点に関しては既に諦めた」

 

 堂々と言い放つ簪に他の選手が呆れはするがすぐに納得する。

 智久は順位としては6位。だがそんなものはすぐに変わる。箒は追われながら状況を予測していた。

 

(紅椿は第四世代なんだがな!?)

 

 基本的に色々とぶっ飛んでいる姉ではあるが、自分のことに関してはちゃんとしたものを渡してくれることを箒は知っていたが、その機体ですら闇鋼から逃げることはできないと知ると少し悲しくなる。

 

「追いつかれて……たまるか……」

 

 だが智久は無慈悲にも接近していく。

 前の方では簪を先頭に次々とトラップゾーンに入って行く。機雷が浮き、トラップが発動していく。

 簪は常に加速し、機雷が当たる前にトラップゾーンを抜けるという荒業をやってのけた。その後に箒、智久もトラップゾーンに入る。

 そこで智久は急加速して箒を避けて機雷群に突っ込んだ。

 

 ―――対象を感知 作動開始

 

 AIが智久が通ったことを確認し、榴弾を発射させ―――る前にどこからかビームが飛んで爆発させた。

 次々とトラップゾーンを離脱していく。智久もその一人であり、箒が抜かれて最下位となった。

 

 トラップゾーン内では順位変動が行われていたため、今の順位はトップは変わらず簪。次にラウラ、鈴音、セシリア、智久、箒となっている。

 だが、ここからトラップゾーンまで距離があり、智久はそこで手をこまねいているような人間ではない。さらに加速してセシリアの後ろに着いたが、それも束の間のことだった。ビットを射出した智久はセシリアに執拗に攻撃して減速させることで追い抜く。

 

「来たわね時雨」

「じゃあね、凰さん」

 

 だが智久は瞬時加速で鈴音を踏み抜き、加速台として使って加速してラウラに迫った。が、智久はさらに加速する。

 

「抜かさんぞ」

 

 ラウラは智久に抜かれるのを阻止しようとするが、智久は別の方向を見る。そして、全員に個人間秘匿通信(プライベート・チャネル)で通達した。

 

『ISが来る。防御、回避体勢を取って注意して』

 

 通常、ISが接近すれば警報が鳴る。しかし今回はそれがなく、警報関連のものはひたすら無音だった。

 だが、この状況で智久はオオカミ少年になるような人間ではないことはラウラも簪も承知している。だからこそ2人はすぐに構えずとりあえずレースを行う。

 すると智久は大型のウイングスラスターを広げて加速。そして―――

 

「―――ざ、残像!?」

 

 観客の誰かが言った。見ていた誰もがその状況に驚く。簪は顔を引き攣らせていたが、闇鋼になった時に大体察していた。

 

 ―――来る

 

 何かを感じた智久は闇鋼の全装甲をカバーするためにビットを展開してバリアを張り、攻撃を防いだ。

 

「………今のは」

「まさか―――」

 

 智久は停止し、ある一点を睨みつけるように見る。するとそこには―――

 

「さ、サイレント・ゼフィルス……!」

 

 セシリアは忌々し気にその機体を見る。

 窓ガラスを割って入る。智久はフォーリアに指示を飛ばしてすぐに観客席を対IS装甲で守らせる。

 

「まさか初弾を防がれるとはな。平和ボケをした織斑一夏とはわけが違うか」

「当然だよ。むしろ心外だね、あのような屑如きと一緒にされるなんて。まぁ、君も前に来たヒステリックババアとは違って随分と強そうだね」

「あのような味噌っかす如きと一緒にされるとはな」

 

 お互いが挑発を終え、どちらもやる気を出す。だが、

 

「サイレント・ゼフィルス……今度こそ!!」

 

 セシリアが先行する。

 智久は舌打ちこそすれ、すぐに出てきたさらなる敵機の対応をするように全員に指示した。そして―――

 

(………この感じは)

 

 禍々しくも強烈な殺気。自分や透に似た―――というよりも同種の存在。

 データとして機体の特徴は把握している。その機体と合致したタイプのものが1機、量産型の敵機に紛れていた。

 

「簪さん。悪いけど全体指揮は任せたよ」

「………わかった」

 

 智久はわかっていた。いつかどのような形であれまた出会えればその時は戦うことを。

 

「『やっぱりつまらないな。IS操縦者の相手というのは。国家代表相手でも手応えがまるでなかった―――だが、お前は別だろう? 時雨智久』」

 

 聞こえてくるのは機械音声だが、その相手が誰だかわかっていた智久は気にせずに仕掛ける。

 

「じゃあ見せてあげるよ。期待に応えられるかわからないけどね」

「『いいや。わかるさ。お前の存在そのものから、以前よりも強くなったという事がよぉくわかる』」

 

 相手は回避中も言葉を切らず、取ってつけたようなガトリングを放ち、満足したのか放り投げて接近した。

 

「『さぁ暴れようぜ!! 常人というゴミも、社会という膿も捨ててなぁ!!』」

 

 智久もそれに応えるように、装備を解除して闇鋼に自分の能力を行き渡らせた。

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