最速の兄貴に俺はなりたい   作:STERUNHEXE

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リリカルなのはを見る→特に変化なし。
スクライドを見る→田村ゆかりさんが好きになる。
田村ゆかりさんが好きになる→なのはが気になり出す。

ちなみに、見返す回数が多くなるほど水樹奈々ファンにもなりつつあり、植田佳奈さんは元々好きです。


騒がしい男

 

「うーん、やっぱり俺の一押しは君かな。ディアナ」

 

「ティアナです! って訓練中に話しかけないでください!」

 

 先日の初出動を経て、新人達の訓練も一段階上へとシフトした。それぞれの適性にあった隊長陣によって、より専門的な訓練が開始されたのだ。

 

「でも久我隊長は良いの、エリオとキャロはフェイト隊長と一緒に反応と回避の訓練だよ?」

 

 専門分野だよね? と、言わんばかりのなのは。

 

「確かにそうなんだけど、執務官様が態々時間作って教えてるのを邪魔するのもね。その代わり、忙しい時の監督役は任されてるし」

 

 ちなみに言えば、エリオとキャロとは以前からそれなりに面識がある。よって……。

 

「個人的にはディアナの方が興味ある」

 

「だからティアナですって! それに、どう言う意味ですか、それ!」

 

 なのはの多種多様な鬼弾幕相殺訓練をこなしながら、きっちりツッコミを返してくるあたり非常に高い資質を感じずにはいられなかった。

 

 

 

 どうやら事件の捜査に進展があったらしい。隊長陣を集めて対策会議をしたいとの事だが、六課の長たる八神はやては昼頃から外回りで隊舎を開けていた。

 

「つまり、俺の出番だよな」

 

「呼んでへんよ?」

 

 はやては外部の部隊である、陸士108部隊の隊長さんと食事をとっていたようだ。俺達の故郷、地球を思わせる居酒屋然としたそのお店に興味が湧いて仕方がないが、まあ、それはまた今度だろう。

 

「お久しぶりです、ナカジマ三佐。機動六課使いっぱしり、久我隼人三等空尉であります。八神部隊長をお借りしてよろしいでしょうか?」

 

「使いっぱしりって、お前も相変わらずだな」

 

 最速の男を自称するのは伊達ではなく、俺の役職は大抵どこへ行ってもあまり変わらない。まあ、半分は冗談だが、その仕事柄顔が広くなった俺の認識なんて大体そんなもんだ。

 

「お噂は伺っております、ギンガ・ナカジマ陸曹であります」

 

 108部隊隊長はゲンヤ・ナカジマ三等陸佐。そしてその隣にいるのは同部隊のギンガ・ナカジマ陸曹。六課のスバル・ナカジマの父親と姉である。相変わらず六課関係者の身内感がすごい。

 

「お前さんが来たってことは、相当急ぎか?」

 

「いえ、そこまでは。でも、暇だった上に俺以上の適任はいませんので」

 

 適任かねぇ……、と呟いてナカジマ三佐が苦い顔をする。はやては戦々恐々と言った顔で、ギンガさんに関してはなんの話かわからないといった表情だ。

 

「ほ、ほら。私、車できてるから、乗って帰らな」

 

「大丈夫だ、先に108部隊の隊舎によって来たから」

 

「え、六課から車に乗ってきたんとちゃうの? 飛行魔法は使用禁止なんよ?」

 

「馬鹿にするな、それ程度の常識を知らないとでも思っているのか。ただ走って来ただけだ」

 

 はやての『目』訴えかけてくる。

 

『馬鹿なん?』

 

 実に、失礼だと思う。

 

「心配するな、法定速度も道路交通ルールもキッチリ守るのがポリシーだ」

 

「そ、そうやな。隼人君も法と正義の管理局の一員やもんな……」

 

「ああ、心配するな。ルールは守ってこそのレースであり、真のレーサーだ。本物はルールの上で最速を狙う。それに、教えてやろうはやて。スピードの真髄は最高速度だけじゃない。トップスピードに至るまでの時間に、急制動の短さ。その三つが揃ったスリーS、すなわち、スタート、スピード、ストップであることを」

 

 ……八神はやては後悔した。こんなスピードジャンキーを部隊に招くんじゃなかった、と。

 

 

 

 普段はあっちに行ったりこっちに行ったりと、フラフラしている印象があるかもしれないが、決して仕事をせずに遊びまわっているわけではない。

 

「特に、忙しい隊長陣や、本来そのサポートを任せられている副隊長が苦手な事務仕事などは結構な割合で俺が受け持っているのです……、と」

 

「だから済まないと言っている」

 

 何気ない一言が図星を突いたのか、何時になく萎えた様子でシグナムがそう返してきた。

 

「気にすんなって、適材適所だろ? シグナムに全部任せてたら何時までも終わんないかもしれないけど、俺なら三十分で終わるし」

 

「喧嘩を、売っているんだな? そうだろう?」

 

「本気にするなよ。冗談だよ、半分は」

 

 バトルジャンキーに対して喧嘩を売るとかそれこそ冗談じゃない。

 

「同じ売るなら恩を売りたいね。お代は飲み物とかでいいからさ」

 

「よく言う。そう言った小さな積み重ねのせいで、今では頭も上がらんな」

 

「本気で言ってる? とてもそうは見えないんだけど」

 

「もちろん本気だ。我が主の次……、テスタロッサと同じくらいに尊敬している」

 

 それはまあ、シグナム的には最上級の褒め言葉かもしれない。

 

「えらく高く買ってもらってるんだな。俺は速さだけが取り柄の男なのに」

 

「だからこそ、だ。お前のその信念には騎士としても通じる物がある。確かな信念を持つ者は信頼に値するしな」

 

 実に将たるシグナムらしい価値基準だった。そういうシグナムの信念は主に捧げる剣。八神はやてを守るという誓いなのだろう。

 

「そっか、俺はシグナムに認められてるのか……。だったら俺もはやての騎士の仲間入り?」

 

「ん? いや、それは……、主が決めることだ。主が決めたならば私は口出しすまい。だからまあ、『準』騎士の称号くらいは私がくれてやろう」

 

 シグナム公認か……。俺が騎士になったら、どうかな。ちょっと想像してみよう。

 

 

 

『おいこら、ハヤト! あたしのアイス食ったろ!』

 

『はっはー、何のことやら。冷蔵庫に入っていたアイスは七個、はやて、ヴィータ、シグナム、シャマル、ザフィーラ、リイン、そして俺! つまりアイスは全員一個ずつ、俺が一個選んで取って食べて何が悪い。所有権は全員に与えられた当然の権利だ。名前が書いてあったか? 書いてなかったよな、だったら早い者勝ち、先にとったほうが正義。小学生でも知ってることだぞ。残念だったなーヴィータ、あーはははっ!』

 

『うっせー! あれはあたしが選んで買ってきたんだよ、権利は当然あたしのもんだ文句あっかー!』

 

『ヴィ、ヴィータちゃん落ち着いて、他のアイスもきっと美味しいですからー』

 

『主はやて、どのアイスにしますか? 私は抹茶味が良いのですが』

 

『私はどれでもえーよ? あ、ザフィーラはどれが良い?』

 

『私も余ったもので構いません』

 

『リインはアイスの実が良いですー』

 

『こら、待て! 返しやがれー!』

 

『やや、既に食べたものを返せと! そんな無茶を……、捕まえれたら何とでもしてやろう!』

 

『こーら、ええ加減うるさいよ』

 

『な、バインドだと! 卑怯だぞはやて』

 

『隼人は罰としてヴィータのアイスとお菓子とジュース買ってきてな。あ、炭酸はくれぐれも振らんよーに』

 

 

 

「……少し騒がしすぎる気がするな」

 

「何の話だ……。それに大抵の場合はお前が騒ぎ立てる側だろう」

 




着々とフラグを立てつつ、今後の予定は一切無い……。
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