True love in the lie.~The Another~   作:鍵の剣

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はい、プロローグに続きまして第1話を投稿させていただきます。
まぁ、前のあとがきで本編に入りまーすなんて言ったんですけど、前半は主人公の描写を少し書かせてもらってます。
ちゃんと本編には入っているから許して~

ではどうぞですw


新しい生活
アタラシイ


 花園学園から退学処分になった後はもう何もかもやる気なんて起きなかった。

 その時の俺の姿は海岸に打上げられたために最初はバタバタと抵抗していたが、時間が経つにつれて生きることを諦めた魚のようだ。

 もちろん瞳の中には光何てない……。文字通りの死んだ魚の目だ。

 

「やる気何て出ねーよな。っても何をしろって言うんだよ」

 

 俺の今の生活習慣は酷いもので基本家で寝ているといった現状だ。

 ずっと家に居たために母親から「外の空気でも吸っておいで」と言われて外出すると必ずと言っていいほどに柄の悪い奴らと鉢合う。そして喧嘩して、傷だらけで帰ってくる。

 こんなことを繰り返すくらいならと、ずっと家に居た。そこで分かったことは家で家事をしている母親が本当に辛そうな顔をしていた。

 理由は簡単だ。こんな出来の悪い息子のせいなのだから……。外出しても喧嘩ばかりなのだから、俺が外出するたびに近所からの家の評判は落ちていく一方なのだ。

 俺は母親の顔が辛そうな顔をして仕事から帰ってきた父親の胸で泣いていたことも知っていた。

 その現実を知っていたからこそ俺は家から出なくなった。

 

 俺が家から出なくなるとその日の夢にはあのとき(リンチ後)に見た少女を見るようになった。

 『諦めないで』その少女は今の俺のこんな姿を見たときの感想なのだろうか? でもその子の声はどこか寂しそうな顔に見えた。 

 

「知ったことのように言ってんじゃねーよ!!」

 

 と俺は部屋で叫んで部屋の壁に枕を投げつけた。

 分かっているんだ。今の自分は諦めたくない──学校生活を──こんな日々を過ごすつもりなんて無かったんだ。

 

「ちくしょぉ、ちくしょう」

 

 俺はこの日は枕の無いベッドの上で眠りに着いた。

 

 

 ──俺が家の中で引き篭もってしまってから3日目。夜に俺は父親から「大事な話がある」と言う事で呼ばれて父親の部屋に行く。

 そこには父の傍には母親が正座して座っており、目の前にはいくつかの書類が置いてあった。

 

「親父。この書類は何?」

 

「この書類の前に、お前の意志を聞きたい。もう一度高校に通いたいっていう気持ちはあるか?」

 

「もう一度? どういうこと?」

 

 俺が聞きなおすと父親小さく深呼吸をして俺の目を真っ直ぐに見て話してくれている。

 このときの父親は本当に俺の意志を確かめようとしている時だ。

 

「父さん今働いている仕事場から転勤することになった。転勤と言ってもそんなに遠くに行くわけでは無いのだが、これを機に引っ越そうと思ってな」

 

「引越すって……。確かにそれは家族での相談だけど、何で俺の高校が関係するんだよ?」

 

「ご近所の評判が悪いことは母さんから聞いた。多分ここに留まり続けては何も発展はしない。それどころか腐っていくだろう。お前も、この家族も」

 

「……。俺の、俺のせいだよな」

 

「そんな風にお前を攻めようなんて思っていない!!」

 

 父親が俺に向かって大きな声を張り上げた。

 

「あぁ、確かにお前のせいで家族は変わった!! 変わろうとしている。だが、俺が環境を変えたところでお前が変わらないのであれば、こんなこんなことをしても無意味だ」

 

 俺はこの言葉には無言でいることしか出来なかった。

 それでも、まだ親父の話は終わらない。

 さっきまで大きな声を張り上げたのに、今は俺に優しく語り掛けるようにまた俺の目を見て問う。

 

「だから、もう一度お前の意志を聞きたい。高校に行きたいか?」

 

 俺は思わず涙が止まらなかった。本当に嬉しかったのだ。

 俺は親父の問いに首を縦に大きく振った。それを確認すると親父はお袋に目を合わせていう。

 

「意志は聞けた。明日引越しの手続きとこいつの編入届けを提出してこい」

 

「はい」

 

 そういってお袋は俺に目を合わせてやさしく笑って耳元で「がんばりなさい」と言ってくれた。

 

 両親のしようとしてくれているのは、息子である俺のためにわざわざ引っ越して新しい環境にしようとしてくれているのだ。 

 あれだけの迷惑をかけたというのに……。しかも俺にまた高校に通わせてくれるというのだ。

 俺は目的のために努力していた。俺は失敗なんてしていなかった。ただ、足掻いても足掻いてもいいようにならなかっただけなんだ。

 ただそうやって子供のようなことをしてしまった。

 子供のようなことを繰り返していたが、今俺が本当にしたいこと。それはやり直したい。壊れてしまった俺の夢を……。

 このときほど両親に感謝をしたことは無かった。俺はその夜には枕に頭を押し付けて泣きながら喜んだ。そのまま喜び疲れて寝てしまった。

 眠りに着くと一瞬ではあったが、2人の幼い少女が微笑みながら『よかったね』と声が掛けられた。そこに俺は『うん!』と答えた。そんな気がした……。

 

「ハッ!? またかよ……」

 

 最近よく夢に出てくる幼い頃の記憶のようなもの……。

 俺はこの夢をいつから見始めたのだろうか? もしかしたらあの時の事故で頭を打ったから?

 

「変な気分だ」

 

 

 ──季節は新学期というにはあまりにも遅すぎる春なのだが、俺の新しいスタートが始まる。この凡矢理高校で。

 学校までの地図を貰って一人で通学して校門に近づくと、何やら校門の方が騒がしい。

 

「何だ? いやに騒がしいな」

 

 校門に近づくにつれて、騒がしい原因が見えてきた。

 

「な、何だありゃ!?」

 

 そこには縦に異常に長い黒い高級車だった。そして俺はその車の車種だって分かる。だが、俺はその目を疑った。

 何とそこにはリムジンが止まっているのだ。しかも長さで言うと校門よりも遥かに長い。

 こんなものが日本の車道で走れるのかが疑問なのだが、それ以上に印象強いのはリムジンの周りにいる厳つい──学生なんかとは違う明らかな本物──人達が一人の男の子を送迎していた。

 しかし、その男の子は何だかすごく迷惑そうにしていた。

 と、まぁ俺はその厳つい人達の車がいなくなるまで電柱に隠れていたのだが、男の子が校舎に入っていくとそのまま早々に立ち去った。

 

「こ、こえー。この学校何かすげーのがいるな」

 

 俺は辺りが落ち着いたのを確認して、校舎に足早に入っていく。

 俺がまず目指したのは職員室だ。そこで俺の担任の教師を紹介してくれるらしい。

 職員室に入室すると、職員室の先生達が一斉に俺のことを歓迎してくれた。そして担任となる先生を紹介してくれた。

 俺のクラスは1-Cで担任の先生はみんなからキョーコちゃんと呼ばれているらしいので自分にもそう読んでくれて構わないという。

 結構生徒と先生の仲はいいみたいだ。

 

 キョーコちゃんに連れられて俺は新しいクラスメートのいる教室へと進んでいく。

 教室に着くとキョーコちゃんから「ちょっと待っててね」と言われて俺は廊下で待つ。

 廊下にいるとキョーコちゃんとクラスメートの声が聞こえてくる。この時には緊張するものだ。

 

 

 視点変更 1-C教室

 

「なぁ、今日転校生が来るらしいぜ!!」

 

「え!? マジで!? どっちどっち? 男? 女?」

 

 クラスでは転校生が来るということでかなり騒いでいる。

 その中で眼鏡をかけた男の子が転校生について話す。

 

「男子が期待してもしょうがないよ。だって転校生は男なんだし……。しかもイケメンとのことだ」

 

「ちぇっ。なーんだ」

 

「期待して損したわ」

 

 という男子の声とは裏腹に今度は女子が「キャー、キャー」と騒ぎ始める。

 

「えー!? 本当!?」

 

「男子でイケメンなの!?」

 

「どんなだろぉ?」

 

「私のタイプだったら告っちゃおうかなー」

 

 女子達の会話を聞いていながら男子生徒は「ちっ」と舌打ちしているのもチラホラ。

 こういう女子達の会話を聞いて一人首を傾げる女子もまた一人。

 

「へー。転校生が来るってだけでこんだに騒ぐんだ」

 

 彼女の問いに隣の席の男の子が答える。

 

「まぁな、男子か女子かで反応は違うよ」

 

「ねぇねぇ。私の時もすごかったのー?」

 

「お前が自己紹介したときの雰囲気で分かるだろ? かなりすごかったよ。ただ、中身がゴリラとわからな……」

 

 男の子の言葉が言い終わる前に女の子はものすごい速さのグーパンチで言葉を遮る。

 

 クラスの騒ぎが未だに収まらない中に転校生を廊下に待たせて担任の先生が入室する。

 そして、クラスメートに転校生を紹介すると言ってドアを開けて入室させる。

 転校生の足が教室に入るとクラスは「シン……」と静かになる。

 

 視点変更 

 

 俺が教室に足を入れるとさっきまで騒がしかった教室が一瞬で静かになる。

 こういう環境にはどうしても挙がってしまいそうになるが、俺は廊下で待っている時に緊張しないようにひたすら自分の手のひらに「人」と書いて口に放るという仕草を10回繰り返した。

 どうやらこれで緊張がほぐれるということなので……。おまじない程度のことでも実行しておこうと思いしておいた。

 

 足を一歩一歩前に出していき、先生の横に立ち、軽く深呼吸をしてから自己紹介をする。

 

「今日からこのクラスで一緒に勉強させてもらいます。真田暁(さなだあきら)と言います。よろしくお願いします」

 

 俺が自己紹介が終わると同時にクラスは未だに静まり返ったままだ。

 

「あれ? 何か俺おかしなこと言った?」

 

 そう思ってるとクラスの女子が呟く。

 

「ヤバイ、言葉に出来ない」

 

 彼女の一言に続いて続々と女子が近くの女子と話しかけていく。

 

「これは予想外だよ」

 

「だよねー? 身長高いし、そして髪が長いで顔が隠れているけど、キレイに整ってることが分かるし」

 

「冗談で告るなんて言ったけど、マジで告っちゃおうかなー?」

 

「ちょっと、抜け駆けはダメだよ!!」

 

 女子がこんなに騒いでいるのは学生生活を通しても初めて見た。

 自分がイケメンに分類されているなんていうことも初めて知った。

 いや、もしかしたら中学時代はあまりにもパッとしなかったからあまり相手にされなかったからか?

 確かにかつての夢として、花園学園に入学する前に受験勉強をしながらも必死に体を鍛えていた。

 高校デビューを飾ろうと思い、日々してきたが、結果は残念なままに終わってしまったからこそ、あの日の努力は報われたと思っていいと思った。

 そう思うと何だか嬉しくてさっきまで緊張して強張っていたいた顔が緩んでちょっと微笑んでしまっていた。

 その顔を見るとまた女子が「キャー、キャー」騒ぎ出す。悪くない、悪くない。すごくいい気分だ。

 

「えーっと、じゃあ、真田の席は空いているところに……って思ったけど、桐崎さんが来たから席が空いてないんだった。どこか希望のところとかある?」

 

「え!? べ、別にそんなのは……」

 

「ん~、そうだね。じゃあ、一条の隣にでも行かせるか」

 

「ええ!? 何でオレが!?」

 

「そりゃ、前にも桐崎さんを任せたわけなんだし。今回もよろしくってことよ」

 

「教育係りとして大変ね? ダーリン」

 

「……。ちぇっ。分かったよ」

 

「おーし、じゃあ一条任せたぞー。んじゃ机取ってくるね」

 

 俺はどうやら一条君っていう人が学校のことを教えてくれるらしいので、彼の近くにまで行く。

 そして目があってお互いに挨拶をして、俺はあることに気づいた。

 

「あれ? もしかして今日学校にリムジンで来てた?」

 

「げ!? み、見ていたのか?」

 

「うん」

 

「ってことは周りの連中もか?」

 

「う、うん」

 

 これはまずい人に教育係りをやってもらうことになってしまった。

 校門の前にあんなすげーリムジンに乗って登校してくるような人だなんて……。

 前は確かに喧嘩喧嘩と明け暮れてしたような俺だが、明らかにリムジンの周りにいた人たちは本物の方たちだ。

 確かに、母親からこの辺には有名なヤクザがいてそこの元締めがあるという話は聞いていたが、これはねぇだろ!!

 

 俺はまず一条君が安全な人かどうかを確認するために隣にいた女の子に聞いてみた。

 

「あ、あのさ明らかにやばそうだけど、俺は一緒にいて大丈夫なのかな?」

 

 そう聞くと彼女は顔を上げて、一条君の顔を見てから嘲笑うかのようなため息をついて俺に言う。

 

「こんなもやし男なんて全然大したことなんてないわよ」

 

「お、おいもやしって言うなよ!! 転校生に本当にもやしって思われるじゃねーか」

 

「本当のことでしょうもーんだ」

 

 そういって2人は言い合いを始めてしまった。

 これが俺のせい? と思って止めようとしてみるが、眼鏡の男の子に止められる。

 

「あぁ、これいつものことだから。気にしない気にしない」

 

「そ、そうなの?」

 

「そうそう。いつもの夫婦喧嘩」

 

「へ、へーってことは付き合ってるってことなんだ」

 

 喧嘩するほど仲がいいとは言うけど、どうやらこれは日常茶飯事のようだ。

 仲がよくて喧嘩ならいいけど、あまりやりすぎるといいこともないような気がしてしまう。

 それは俺が殴りあいの喧嘩をしていたからなのではあるのだろうが、そこには触れないでおこう。

 それはさておき、この一条君の彼女というこの女の子は本当に可愛いと思った。髪は金髪のストレートで大きなリボンが特徴的で……と思うと何故か急に頭が痛くなってきた。

 そして目の前に2人の女の子が見える。一緒に遊んでいる風景が頭の中に直接入ってくるような感じだ。

 

「な、何だ。これ?」

 

 俺はそのまま膝をついて四つん這いになってしまう。しかし未だに頭痛は治まらない。

 

「お、おい大丈夫か!?」

 

 俺の様子を見て心配してさっきまで喧嘩していた2人が心配そうに見ている。一条君の方は呼びかけてくれているが何故か聞こえない。

 それどころか俺が今聞こえるのは2人の少女の声が聞こえてくる。

 

『おーにさんこちら、てのなるほーうへ』

 

『ま、まってよー』

 

『もう!! あきら君おんなのこもつかまえれないのー?』

 

『2人が速いんだよ。僕足速くないし』

 

『そんな後ろ向きなことグチグチ言わないで!! 私そういうの大っ嫌い!!』

 

『えー。わ、わかったよ。じゃあ、僕2人を捕まえられるように努力するね』

 

 何でこんな頃の記憶が、何で今になってこんな頭痛がするんだよ。こんなにはっきりしているんだ?

 

「ねぇ、大丈夫?」

 

「仕方ねぇ、ちょっと保健室まで連れて行ってくる」

 

 そう言って一条君が俺を連れていこうとしているところで俺の意識はあっちから戻った。

 そしてクラスの声も聞こえだした。どうやらみんな心配してくれていたみたいだ。

 

「ハ!? 何だったんだ? 今の? あ、ごめん心配かけて」

 

「心配かけてって、何だったんだよ。急に頭が痛いって」

 

「ごめん、俺にもよく分からない。こんなの始めてだ」

 

 そう言っているうちに先生が机を別の教室から持って戻ってくる。

 

「ごめん、ごめん。待たせたね。えっとじゃあ、一条の隣でいいかな?」

 

 俺は少し考えて先生に言う。

 

「すみません。一条君の隣だと、何だか迷惑をかけそうなので、別の人にお願いしてもいいですか?」

 

「別の人? う~んそう言われてもな。誰かする人いる?」

 

 先生が聞いても誰も返事はしなかった。

 やっぱり俺はこのクラスでも、いやこの学校でも1人で過ごすことになるのか。

 そう思っている矢先に1人の男子生徒が手を挙げる。それはさっきの眼鏡をかけた男の子だった。

 

「お!? 舞子がしてくれるのか?」

 

「うーん。面倒そうだけど何だかほっとけないような気がしてね」

 

「じゃあ、任せるよ」

 

 そういって俺の机は舞子君の隣の席になった。

 

「よろしく」

 

「あんなことがあった手前じゃ仕方ないからな」

 

「ありがとう」




はい。というわけで第1話をお届けしました。
まぁ、主人公がイケメンになってしまったというのは鉄板だから何だか申し訳なかったんですけども、それでもやっぱりニセコイを書くとなるとブサメンを出すわけにはいかんな。(あれ? ブサメンでも書けるよね?)的なことを思いました。(作者がイケメンで以降なんて勝手におもっただけデス☆)何か心の声がかかれているけど気にしないでwww

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