True love in the lie.~The Another~ 作:鍵の剣
楽の家での試験勉強をすることになりました。今回はその続きという形に入らせてもらっています。
ではどうぞw
昼休みに宮本さんからの提案で中間試験の試験勉強を楽の家ですることになった。
女子が多い状況で男1人は寂しいからなのか、それとも桐崎さんに女子と一緒にいるということから怒られてしまうからなのだろうか?
一緒に勉強会をするということで桐崎さんも目を輝かせながら付いてきている。
一般的な見解だと後者のほうに思えるが、それを集に言うとニヤニヤして話を逸らしている。
「お前何か知ってるのか?」
「別に……。ただおもしろいことになりそうだな。ってね」
「俺の経験上、お前のおもしろそうっていい思い出が無いのだが」
「全くそんなこと言わないでよー。暁には全く関係ないことなんだから」
集が俺には全く関係が無いということなので、俺は「ふーん」と返事をして歩いていく。
楽の家が近づくにつれて辺りの人影が少なくなる……。ということはなく、むしろ人通りが多くなっている。
近所の人も楽を見ると「おかえりなさい」と挨拶をしているくらいだ。
普通ヤクザの家の周りって人が避けて通るものだろう? 何かやられたら怖いとかそんな理由で近づかないのが普通だと思うのだ。
「なぁ、楽の家って本当にヤクザだよな?」
「何を今更言ってんだよ。見たんだろ? あのリムジンを」
「そ、そりゃ見たけどさ、こんなご近所さんに愛されるヤクザなんているかよ」
「あぁ、そういうことか。うちのもんは結構街の清掃だったり、祭りの屋台出したりして街に貢献してるからなんだろうな」
「街に貢献するっていう時点で疑いたくなるよ」
そうこう話していると、楽の家の門が見えてきた。
門は大きく、よく目立つのが気の板に墨で「集英組」と書かれていることだ。間違いない本物の方々がいらっしゃる家だ。
ただ、自然と入ることに恐怖心なんていうのは感じなかった。それは他のみんなもそうなのだろうか?
何と表現すれば良いのだろうか。歓迎されているよからなのか……。
門を潜って楽を扉を開けると、中には玄関と呼ぶには明らかに広い空間がそこにはある。
ドアの前には観葉植物が置かれたシンプルな作りだ。そして玄関先で待っているのがここの組員の方々だ。
ただ、不自然なことが組員が揃って「おいでませ」と玄関に並んでいて、組員の頭と思える人が楽と俺達を見て「今日は勉強会ですってねー」と満面の笑みで言う。
これは俺個人の感想なのだが、この人たちがこんな厳つい格好してなくて、普通にスーツにネクタイでも着ていれば本当にヤクザには見えないと思った。
楽が何だか引き攣った笑みで組員にお茶を頼んで、俺達を自分の部屋に案内する。
──玄関の広さでも驚いたが、楽の部屋もまたかなりの広さだ。
家でみんなで食事をする場所くらいの広さはあるのではないのだろうか?
この部屋が個人の空間だとすると、同じく部屋を貰っている俺としては今の自分よりも圧倒的に広いこの部屋には憧れるものだが、聞くところによると広い部屋も広い部屋で何だかもの寂しい感覚があるそうだ。
「わぁー。ここが一条君の部屋?」
「すげー。楽の部屋超広いな。俺の部屋の2倍はあるんじゃないか?」
「おぉー。俺も久しぶりに入ったわー」
しかし、桐崎さんのこの部屋の感想は俺達の常識を遥かに超えた一言だった。
「うわ!? 狭っ! それに何か変な臭いしない?」
「しねーよ!! みんなの前でそういうことを言うな!!」
これは楽に対する嫌がらせなのだろうか? それとも本気でそう思ってるのか? 前者だとするとカップルっていう感じが全くしないし、後者の方だと桐崎さんの感覚からするとこの部屋は狭くて臭いということだ。
だとすると、桐崎さんの家ってどんな感じなんだろう? 前も弁当をチラッと見たことがあったが、俺達が一生あっても食べるか食べないか分からない代物が弁当のおかずとして詰められているのだ。
これから推測すると桐崎さんの家は相当なお嬢様ということになるわけなのだ。 別に今から「私実はお嬢様でした」なんて言われても別に驚きもしないが、1つ引っかかることがある。
これは俺の勝手な想像なのだが、家についてから楽の様子が何だかソワソワしているように感じる。
不審に思って楽の視線の先には小野寺さんがいる。その小野寺さんまでもがソワソワしているのだから色々とおかしいのだが、2人がカップルとは聞いてもイチャついている素振りよりも明らかに喧嘩している方が多く見る。
仮に桐崎さんがお嬢様で楽と何かの理由で付き合っている……何ていうことを連想した。しかし、別に俺が疑ったところで別に俺には関係ないことだから引っかかりはしても追求しようとまでは思わなかった。
組員の親分に当たる竜さんが持ってきたお茶を楽が受け取り、それを小野寺さんが受け取ろうとすると、何故かお茶の乗ったお盆が引っくり返り、湯のみが割れる音がする。「一体何をしているんだ?」と呆れてしまい、さっきまでの考え事はどうでもよくなっていた。
──勉強が始まると最初はみんな集中していたけど、集が息抜きのつもりで言った一言だったのか楽と桐崎さんに「ぶっちゃけお前らどこまでいったの?」と言われて楽と桐崎さんはお茶を吹いてしまう。
後に楽に呼ばれて俺と集は部屋の外に出てから楽が慌てたように言う。
その内容は楽が何故桐崎さんと付き合っているのかということと、自分の家と桐崎さんの家での戦争が起きそうだって言うことを話した。
付き合っている理由はお互いの家の抗争が段々と激しくなっていくので、2人に恋人のフリをさせて若い者に水臭いことはさせないようにするという親の決めたことだった。
この話の中で桐崎さんの家がギャングという話が出ているわけだったのだが、何故か楽の家のことには驚いていたが桐崎さんの家について聞いても別に驚きもしなかった。
むしろ「やっぱりかー」という感想が先に出てきていた。それはどうやら集も同じだったようで、楽はその反応に何だか後悔しているように見えた。
楽の話が終わって、俺達は再び部屋に戻って勉強を再開するはずだったのだが、楽の家の人たちから楽と桐崎さんに奥の蔵に行ってから高級なお茶を取ってきてくれと言われて2人が離席する。
「うーん。2人ともおいしいお茶を取りに行ったみたいだけど、どうしようか?」
「どうするって何を?」
「勉強を続けるかまだ休憩をするっていうこと」
「んー。何かあんまりやる気が出ないんだよなー」
そんな他愛もない話をしていると、竜さんが俺達に話しかけてくる。
「いつも、坊ちゃんと仲良くしてもらってありがとうございます」
「い、いえいえそんなことないですよ。一条君には僕がお世話になっている位ですよ」
「坊ちゃんには多分自分達のせいで苦労をかけてきたと思うんすよ。でもこんなにいい友達を持っていることが分かってあっしらは嬉しいんですよ」
この言葉を聞いて俺はこの組の人たちは本当に楽のことを思っているんだなと思った。
この人達は決して血の繋がりは無く、自分達の組長の息子というだけで楽との使従関係なんかが無くても明るく接している。
それは何だか家族に接するような感じだから、とても大きな家族とでも言うのだろうか。
寂しい思いをしてきたとは言っても普通の人よりも個性的で賑やかな人達に囲まれていて、義理と人情に溢れる生活の中であの楽という人間が育ったんだな。と思うと何だか羨ましい気持ちにもなった。
「そういや、坊ちゃんから自己紹介をされてなかったからまだ名前を知らないんだった。すみやせんけど、名前を教えてもらってもいいですか?」
そう言われて集から順番に宮本さん、小野寺さんと簡単な自己紹介をして最後に俺も簡単な自己紹介する。
「真田暁です。こっちには転校して来たばかりだったのですが、楽君達のおかげで楽しい学校生活は過ごしています」
「ふむふむ。舞子君に宮本さん、小野寺さんに真田君っと……ん? 真田?」
みんなの名前を言っていくうちに何故か竜さんは俺の名前を聞いて少し戸惑っている。
戸惑いながらも俺の顔を何度かチラ見して何かを思い出そうとしている。
少し考えてから俺に別で質問をする。
「なぁ、真田君? 君の親父さんの名前って何?」
「え? 親父の名前ですか? 親父の名前は真田影虎ですけど……」
「真田影虎……影虎……影虎の息子……」
竜さんはつぶやくように俺の親父の名前を言って何かを思い出したように慌てて部屋を出て行く。
しばらくすると慌てて竜さんが帰ってきて後に今度は楽の親父さんが来る。どうやら竜さんが呼んで連れてきたみたいだった。
俺達は全員挨拶をすると竜さんが「この子です。あの真田の息子です」という。楽の親父さんも「ほぉ」と少し驚いていて、俺の顔を見ると「親父に似ているように見えるが、ちょいと男前だなぁ」と言う。
俺にはさっぱり状況がつかめない。何でこの人たちは俺の親父を知っているんだ? 俺の親父の仕事は単なるサラリーマンって聞いていたのに何でこの辺りを締めるヤクザの親方まで知っているんだ? まさか親父が何かやらかしたのか?
「あ、あの何で俺の親父のことを知っているんですか?」
「ん? あぁ、すまんかったな。真田君の親父さんを知っている理由か。まずはどこから話すべきなんだろうなぁ」
「ま、まさか親父が何かやらかしたんですか?」
「い、いやいやそんなんじゃねよ。ただ昔に会ったことが会ってだな。もう10年もなるのかな」
「お、親父が何かしたんですか?」
「ん? もしかして親父さんのことを何も知らないのか? 仕事についてとか」
親父のことを知らない? どういうことだ? 俺が親父のことで知っているのは単なる平凡なサラリーマンというだけであったが、若い頃は色々と派手なことをしていたとは聞いていた。
だからこそ、かつて俺が喧嘩に明け暮れていたときは説教することも無く、ただ見守っていただけだった。
「お、親父の仕事って単なるサラリーマンじゃ……。昔は派手だったって聞きましたけど」
俺がそういうと楽の親父さんと竜さんは大きく笑い始めた。
「そうかそうか、あいつは息子には自分のことは話しておらんのか」
「どうやら、そのようですね」
「え、え? 何がどうなっているんです?」
「お前の親父さんの昔話を聞きたいか?」
「そ、そりゃ気にはなりますけど」
「ふむ。じゃあ、ちょっと付いて来なさい。ここで話すことではない」
そう言って楽の親父さんは俺だけを呼んで、別室に連れて行く。
「さて、何から話そうかの」
「え、えっとわざわざ別の部屋にまで行ってお話するようなことなんですか? 仕事がどうとか言ってましたけど」
「どうやら本当に知らないようだな。じゃあ、ここから話すとしようお前の親父さんは昔はギャングの一員だった」
「は、はぁ!? ちょちょちょっとどういうことですか?」
「まぁまぁ、遡ること10年前のことだからのぉ。10年前にあるギャングと会談をしていてな、相手はアメリカ人だったのに、組員であいつだけ日本人だったんだ」
「お、親父が元ギャング……?」
「そんで、会談も終わるころになるとそいつにも俺の息子と同じ位の息子がいるって言ってな竜と一緒に酒を呑んだのよぉ。あん時の酒はうまかったなぁ」
「は、初めて知りました。親父が元ギャングだなんて……しかも楽の親父さんとお酒を呑んでいただなんて」
「いやぁ、俺も竜が言ってくるまで驚いたもんだ。まさか真田の息子が楽の友達として家に来たんだからな。これも1つの運命なのかねぇ」
衝撃的すぎる事実だ。
親父が今サラリーマンとして働いているのは知っているが、昔は派手だったという言葉の中にまさか元ギャングだったなんていう話があるなんて思いにもよらないことだ。
確かに家の親父は怒るとマジで怖かった。その時の表情は鬼のようで、ヤクザか何かかよ。と言っていたがまさか本当にそういう人だったとは思わなかった。
10年前に会って俺の話をしているということはお袋もそのことは知っているということだ。まさか俺に口止めでもしておいたのだろうか?
一般的な家庭だと思っていたのにまさか過去を紐解くと、とんでもないものが顔を出してきたのだ。
楽の親父さんとの話が終わってみんなのいるところに戻るとみんなから「何の話してたの?」聞かれたが、俺は「別に、単なる昔話だった」と言って勉強を再開する。
しかし、さっきの話が頭から離れないでいて勉強に集中出来なかった。
──そして、全く集中出来ていなかったせいで試験の結果はあまり良くは無かった。
とは言っても、かつては受験勉強で倍率5倍を勝ち抜いていた経験があったので、順位は中の上位にはいるので、散々だったというわけではなかった。
しかし、あの日に楽の家で勉強したメンバーの中では一番下の順位となった。
中間試験が終わると期末試験が直ぐにあるということなので、今度は真面目に勉強をして望もうと思った。
──時間は月が夜空に光る時間帯……。
私は自分の育て親のクロード様にある廃屋に呼ばれた。
クロード様は廃屋の倉庫の外で私を待っており、私はクロード様を見つけて倉庫の中から呼びかける。
「……お呼びですか? クロード様」
「……来たか。待ちわびたぞ」
そう言うとクロード様は背広から一枚の写真を渡す。
その写真にはお嬢の通っていうという学校の制服の男子が写っている。
「こいつがお前の次の任務の標的。名は一条楽」
私が聞くところによるとこの男はお嬢と交際している者だと聞く。
何故お嬢がこの男を選んだのかは私には全く分からなかった。
「既に聞き及んでいるよ思うが、お嬢は今この男と交際関係にある。しかし私はお嬢はこの男に騙され利用されると睨んでいる。狡猾なガキだ」
私はこの写真の男の写真を片手で握り潰していた。
お嬢と交際関係にあってお嬢を利用しているだと? そんなことが許されると思っているのか! と怒りが沸いてきた。
「お嬢を……許せませんね」
「……おまけにチビで下品でザコで小物で貧弱で……(以下非常なまでの罵る言葉の数々)」
「そ、そんなにですか?。許せませんねその男」
「私ではお嬢を直接お守りすることが出来ない。だが、私が育てた最も優秀な部下であるお前ならばあのクソガキの魔の手から救いだすことが出来るだろう?」
「私は最も優秀何かではありません。最も優秀だったのが居たでしょう?」
「まだ奴のことを気にしているのか。もう忘れろ。今の私の最も優秀な部下はお前だ」
「すみません。日本に来ると急に思い出してしまいまして」
──私よりも優れたクロード様の部下……。それは私が任務をこなす上でのパートナーで私の頼れる存在だった。
恐らく私の初恋の相手とは奴のことかもしれない。
ある日、敵のグループのボスがテロリストと手を組んで私達ビーバイブを襲撃するという情報が入ってきていた。
私達はクロード様からの命令でその組織に潜入してその情報が本当であるかどうかを調査して、奴らの取引が真実だったらその取引を阻止するという任務についていた。
当時の私達は2人で敵対するギャングに潜入して可能であればそのギャングを崩壊させるという任務を多くこなしており、クロード様からの信頼も幼いながらも絶大であった。
私達はその取引場所と思われる場所に行くと、敵対するグループの人間が数名いただけだった。
それから何時間か待ってみたが、取引を行うと言われている時間を遥かに過ぎていたことからテロ組織と組むというのが嘘であるということが分かった。もしくは取引が流れたか?
私達はそのメンバーのリーダーを連行して、テロ組織との襲撃を吐かせようとしたが、建物の奥に敵のリーダーは逃げていく。
私達は敵のリーダーを追いかけて、逃げ場が無くなるところまで追い詰めたのだが、奴を連行しようと近づくと何かのスイッチが押されてしまい建物のどこかで爆発が起こる。
連行される位ならそのリーダーは自分の命を捨てて私達を葬りさろうとしたのだ。
爆発によって建物が崩れていくことが分かり、来た道を急いで引き返して2人で逃げていたが、天井が瓦礫となって私達頭上に落ちてこようとしていた。
私達はそれに気づいて走る速さを上げて行ったが、私が先に行くと瓦礫が落ちてきてしまい、奴と私は瓦礫によって引き裂かれる形となる。瓦礫の奥から奴の声が聞こえてくる。
「くそっ!! 間に合わなかった。別の道を探すからお前は先に逃げろ」
「分かった。必ず戻って来いよ」
私達は別行動になり、私は来た道を真っ直ぐ走って出口から脱出した。
私が出口から脱出して崩壊する建物に巻き込まれない距離まで走るとその建物が崩壊した。
奴なら必ず生きていると不確かな確信だが、奴を信じてクロード様に連絡を入れて迎えに来てもらう。
連絡を入れてからビーバイブからの迎えが来ても奴は私の前に現れることはなかった。
まさかと思い、崩壊した建物に近づいていくと私が出てきた反対の方に片腕が出ていた。組員と一緒になって直ぐに瓦礫をどかすとそこには瓦礫の下敷きになっていた奴の姿がそこにはあった。
私は悲鳴を上げて崩れ去り、仲間はすぐにレスキューを呼んで奴は緊急搬送された。その後に奴は日本の病院に移った。
それから奴との連絡は取れていない。
「とにかく頼んだぞ」
「……了解しましたお嬢は私が必ず救います」
こうして任務を受けた私はお嬢の通う高校に編入することになる。
お嬢をお守りして救い出すために……。
読んでいただきありがとうございます。
最後は鶫の過去のことを書かせてもらっています。
楽の父親と暁の父親の過去と鶫の過去について書かせてもらったので、今回のタイトルは過去の事となりました。
そのまんまなので全くひねってませんw(すみませんw頭が回らんわw)
感想、ご意見があればよろしくお願いします。