True love in the lie.~The Another~   作:鍵の剣

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どうも皆さんお久しぶりです。
ニセコイの小説はすごく久しぶりに投稿することになりました。
思えば最後の投稿から半年近く経っていたということに驚いています。
読んでくれた方々や感想をくれた方々に感謝します。

一応続きということになっていますが、完全にオリジナルです。
最後まで読んでくれるとありがたいです。ではどーぞ


オミマイ

 鶫が転校してきていきなり決闘となって何だかんだで楽の勝ち? なのかどうかよく分からない結果となって終わった。

 しかし、そこで転校してきた鶫の性別が男ではなく女性だったということが分かった。

 それを最初に知らなかった楽はプールに落ちて濡れたら風邪を引くからっていう理由で服を脱がせたが、鶫の下着が見えている状態で更衣室のロッカーに逃げ込み、挙句の果てにその状態で見つかったので、クラスのみんなからは俺と楽はすごい目線を送られた。

 何があったかを話してちゃんと理解はしてもらえたので何よりだが、俺と楽にはもう1つ問題がある。

 

「なぁ、楽。俺前に話したよな?」

 

「え? 何だっけ?」

 

 楽は何のことだったかはさっぱり覚えていないような感じで目をパチパチと瞬きしている。

 

「俺が勧誘から逃げるためにプールを使って逃げたっていう話」

 

「あぁ! あの話か。お前が転校して初めて指導されたっていうのだろ? 覚えてる覚えてる。確か……」

 

 楽が話しの内容を思い出していくうちに段々と顔が青ざめている。

 内容を思い出していくと指導されてその当時は笑い話で済んではいたが、今は自分がその状況に置かれているというのだから。

 

「多分そろそろ誰か先生来るんじゃないのか?」

 

 そう言うとナイスタイミングというかのように、いや意図的のような気がするのだが、集が調子の狂うような声で楽をキョーコちゃんが呼んでいるという。

 用件はもちろんプールの無断使用ということで……。

 楽は俺の前例があるから逃げることは出来ないと分かっていても少しだけ足掻くのだが……。

 

「ちょ、あれで使用になるのか!?」

 

「3階から飛び込んでるからなー」

 

「うっ……」

 

 俺は楽が何も言えなくなったことを確認して楽の肩にポンッと手を置いて「行って来い!」と言ってあげた。

 

「あ、暁も呼ばれてるからお前も来いだってさ」

 

 この一言で俺は肩に乗せた手を退けて少し後ろに下がろうとしたが楽に手を掴まれてしまう。

 

「暁……オレ達親友だろ? 一緒に行こうぜ」

 

「……」

 

 言葉を失った。

 その後に俺と楽はキョーコちゃんのいる職員室に向かって行ったが、楽はプールの無断使用ということだったのだが、俺への用件は単純に親御さんに渡してというプリントだったのだが、楽と同じように制服はびしょ濡れなので、俺もプールの無断使用ということになってしまった。

 まぁ、あの先公に捕まるよりはマシだと思ってはいるが、キョーコちゃんからは楽と一緒に大量の参考書の運び出しとその後に反省文を書いて明日の朝に提出しろというものだった。

 流石はキョーコちゃんだった。あいつだったら確実に説教だけで日が暮れていたのだから。

 

「しかし良かったよ……生徒指導のあいつが居なくて。居たら今頃説教を延々してた頃だぜ?」

 

「経験者は語るってことか?」

 

「そういうことだな。初めての指導で日が暮れて帰るときは親を電話で呼び出してやがったからな」

 

「お、オレ……保護者の呼び出しだけは勘弁だな……」

 

「お前のとこだけはマジで勘弁だな」

 

 そうやって笑いながら荷物を運んでいると桐崎さんと鶫の声が教室から聞こえてきた。

 周囲で「おぉー」という歓声も上がっているので少し興味を持ったのでチラッと教室を覗いてみた。

 

「これで男の子だって間違われないでしょ?」

 

「お、お嬢……気持ちは大変嬉しいのですが、私にこんな女の子らしいものなんて」

 

 教室では桐崎さんが自分の制服を鶫に着させて頭に桐崎さんのリボンを着けていた。

 普段男子のような振る舞いをしている鶫にとってはこんなことをされればアタフタしてしまっているが、俺達はそのアタフタしている時に遭遇した。

 

「……おー。何だそのリボン似合ってんじゃん。かわいいな。な? 暁」

 

「ん? おぉー見違えるなー。普通にかわいいじゃん」

 

「でしょー?」

 

「なっ……か、かわいくなんてない!!」

 

「やっべ。楽逃げるぞ。今追われたらヤバイ」

 

「ちょ、おい急に走るなよ!!」

 

 俺は早々に走って逃げていった。楽もそれを追うように走ってくる。しかし、鶫が追いかけてくることは無かった。

 

 俺達は早々に荷物を運び終えてキョーコちゃんのいる職員室へと戻ると「ごくろうさん」と労いの言葉を貰って反省文を書く原稿用紙を1枚だけ貰った。

 いつもなら反省文を書くだけで原稿用紙3枚は当たり前だが、指導するときの機嫌で変わってしまう。俺が受けた過去最高で6枚渡されたこともあった。

 これを踏まえるとキョーコちゃんの器の広さが分かるといったくらいだ。この先生が担任で良かったとつくづく思った。

 

 

 

 ──鶫によるドタバタとした転校が行われて数日、周りのみんなも鶫が女子なのに男装をしていたりとか、桐崎さんに異様にくっついたり、楽に対する警戒心等々普通に考えたら慣れることの方が珍しい事例なのだが、慣れてしまった。

 しかし、鶫は男女共に人気は高く礼儀正しいというのもあってかクラスで馴染みやすいことから少しばかり異様なところがあっても気にしていないというのがクラスメートの心情といったところか? それでも時々桐崎さんがする鶫を女の子らしくさせるということでフリフリの服を着せているときは女子の方はスタイルいいし、可愛い。

 男子は日頃の男装でイチャイチャするのは別に慣れてるけども、女装している2人ならこれはこれで何か興奮するなど……。女子はいいのだが、男子は色々といけない気がするがそこは触れないでおこう。触れてはいけないところだと判断した。

 

 しかし、これは放課後になって初めて気がついたことだったのだが……。

 

「あれ? 今日楽休みじゃね?」

 

 集が呆れた顔をしながら俺に「お前今更!?」と言われた。まぁ、今更と言われたら確かにそうなのだが風邪を引いたというのなら見舞いくらいには行ったほうがいいかなと思った。

 決して放課後まで楽が休みだったことを放課後になって気づいた悔いていて、ここで優しい親友の体を守るためとかそういうのではない。決して……。ということで中間試験の時に行ったときの記憶を頼りに行くことにする。

 

 楽の家へ向かい始めて約数十分記憶を頼りに向かっているのだが、おかしなことに全く知らないとこに出てきてしまった。

 

「あれ? ここどこだ?」

 

 とりあえず全く知らない場所だと思いながらも辺りを散策するとどうやら全く知らない場所というわけでもなかった。

 そこは俺がかつて中学時代に過ごした街だった。俺が高校デビューを果たそうとして日々努力をしてきた街であり、俺が自ら絶望してすべて壊してしまった街でもあって正直あまりいい思い出とは言えない。

 凡矢理高校に編入する際に引越しをしてそこまで離れた距離ではなかったとはいえ、いくら何でも皮肉ではないのだろうか?

 

「楽の家を目指して何でこんなところに出てくるのかねぇ……。厄介事とかが無ければいいんだけど」

 

 俺が呟きながら歩いていると小さい声ではあるが、男と女が言い争っているような声が聞こえてきた。

 明らかな厄介事ではあるのだが、フラフラと声の聞こえる方角に歩いていくと人が2人が並んで通れるくらいの広さの路地裏で言い争いをしていた。

 

「いつまでも付いてこないでよ! 私達もう終わりにするって言ったじゃん!!」

 

「何が終わりにするだよ! そっちが一方的に押し付けるように言ってきてるだけじゃないか。俺は認めないよ!!」

 

 本当に厄介なことであった。

 男と女の別れるだのどーのこーのという話など聞いてはいても出来ることなら関わりなどは持ちたくない。

 

「はぁ、つまらないことになる前に退散退散っと……」

 

 そう思い路地裏を後にしようとすると女の方と目があってしまった。

 

「あ……嫌な予感」

 

「あ、いたいた!! やっと来てくれたのね!!」

 

 そういって女の方が駆け足で寄ってきて俺の背中に身を屈ませながら隠れる。

 

「え? ちょ、ちょっとどういう?」

 

 俺が戸惑っていると女が小さな声で言う。

 

「通りすがりの人だけど、ここはあなたに協力させてもらうわ。ずっと別れてって言ってるのに別れてくれないんだもん」

 

「あはは……」

 

 本当に厄介なことに巻き込まれた。

 

「おい、理香! 誰だよそいつ!!」

 

「あ、えーと……俺は……」

 

「この人は私の新しい彼氏!」

 

「彼氏だぁ!?」

 

「そ、新しい彼氏が出来たからあんたにはさっさと消えてもらいたいの!」

 

「は、はぁ!? ちょっとなんでそういう……」

 

「いいから……何も喋らなくていいから協力して」

 

 理不尽だ……。

 男は俺に対して敵意が丸出しだ……。

 

「さ、行こ」

 

 そう言われて理香という女は俺の腕を引っ張って路地裏を後にする。

 

「認めねぇぞ……」

 

 後ろから男の声が怒りに震えるような声が聞こえてくる。

 

「俺は認めねぇぞ!! 理香そんな理由で別れるなんてぇぇぇ!!」

 

 男はそういうと俺達を後ろから全速力で追いかけてくる。

 

「はぁ!? 何で追いかけてくるわけ? しつこい奴」 

 

「そ、そりゃ、あんな一方的に言われて尚且つ俺を新しい彼氏とか言ったらねぇ……」

 

「俺は認めねぇ!! 絶対に取り返すぞ理香ぁぁぁ!!」

 

 そう言うと男は左拳を握り締めて俺に殴りかかる。

 男の言っていることからしてみると俺が理香というこの女の子を寝取ったか何かというような展開になっている。

 降りかかる拳を俺は右手で僅かに押すようにして軌道を逸らして左拳で反射的に顔面を殴ってしまう。何故か反射的にクロスカウンターを決めてしまったようだ。

 顔面を殴られた男は背中から倒れて体が「ピクピクッ」と痙攣している。完全にノックダウンしている。

 

「やべぇ、完全にやらかした」

 

「すげぇ……あんなクロスカウンターアニメでしか見たことないよ!! 君って強いんだね」

 

「そ、それはいいんだけど……これって俺の正当防衛ってことで処理してもらえるのかな?」

 

「さぁ? 向こうが完全に気絶してて君は無傷だから」

 

「デスヨネー」

 

 これで騒ぎになってしまってもここらで一番近い学校は花園学園なのだが、俺は今凡矢理の制服を着ている。

 つまりは通報されるとしたら花園にはいかずに凡矢理に直接連絡でも入ったら面倒なこと極まりない。校外で喧嘩なんて生徒指導部の鬼のような課題が課せられる。

 

「まぁ、ここに居ても何も始まらないからどっか喫茶店でもいかない? 勝手に巻き込んじゃってるし、お詫びとお礼とで。えっと名前は……」

 

「俺の名前は真田。真田暁」

 

「そう、真田君ね。じゃあ改めまして真田君これから喫茶店にでも」

 

「あ、あぁ。それなんだけど、俺友達の家にいかなくちゃいけないんだ。風邪で学校休んでるからさ」

 

「あら、そうなの? 友達って花園の?」

 

「い、いや凡矢理の生徒なんだけど……恥ずかしいことにどこかで道を間違えてしまったみたいで」

 

「道を間違えるっていうレベルではないと思うけど、ここから凡矢理って全然違うけど」

 

「あはは……本当に情けないよ」

 

「じゃあ、道に迷ってしまったというのならあなたには私からのお礼は決まりね」

 

 そういうと理香さんは鞄から携帯電話を取り出して電話をかける。

 電話の内容からして誰かを呼んでいるようであった。

 

「よし、今から商店街まで付いてきて。車を用意してもらっているからついでだから友達の家まで送ってあげる」

 

「あ、ありがとう」

 

 俺と理香さんは商店街まで歩くと黒い高級車が商店街で止まって俺達を待っていた。

 車の前には執事服を着たおじさんが立っている。

 

「お待ちしておりました。理香お嬢様」

 

「ありがとう、爺や。さ、乗って真田君」

 

「あ、し、失礼します」

 

 そういって俺は車に乗って楽の家って言うとなんか警戒されそうだったので、目的の家に一番近いところということで楽の家を伝えた。

 2人は集英組の近くと聞いて少々驚くと思ったが爺やと呼ばれている人は何のリアクションもせずに「かしこまりました」と言って楽の家を目指す。

 車で大体20分くらいで楽の家の前まで到着した。

 

「ど、どうもありがとうございました」

 

「いえいえ、私だってあなたに助けてもらったんだから」

 

「今更だけど、君の名前って?」

 

「あら? 紹介してなかったわね。私の名前は花園理香。かの花園グループのお嬢様で花園学園の理事長の娘です! 以後お見知りおきを。それと車を運転しているのは私の執事」

 

「お嬢様私の紹介などはしなくても良いのですぞ」

 

「花園理香さんね、花園さん今日は……って花園学園の理事長の娘!?」

 

「反応遅くない? ま、びっくりはするだろうけど」

 

「い、いやびっくりしたのは全く別件だけど、今日はありがとう花園さん」

 

「私こそ急なことに巻き込んじゃってごめんなさいね。ありがとう真田君、また会える日を楽しみに待つわ」

 

 そういうと彼女を乗せた車は帰っていった。

 

「さてともう遅いけど、楽の顔でも見ていくか」

 

 楽の家に向かうと玄関の前には桐崎さんがいた。どうやら彼女もお見舞いにきていたようだ。

 

「あ、桐崎さんも来てたんだ。どう? 楽の具合は?」

 

「さっきまで寝てたけど、もう大丈夫と思うわ。私と小野寺さんとで最高のおかゆを作ってあげたんだから!!」

 

「なるほど、それはそれはさぞ元気になるだろうね」

 

「じゃあ、私はこれで、また明日」

 

 そういって桐崎さんと入れ替わるようにして俺が楽の家の玄関へと入る。

 玄関に入ると集英組のやくざの頭である竜さんが嬉泣きをしているように見えるのだが悔しそうにも泣いていた。

 

「お邪魔します。竜さん楽の調子はどうですか?」

 

「お、おぉ暁君か、すみません、情けねぇところを。坊ちゃんなら今はまだ寝てたと思いますよ」

 

「そうですか、じゃあ俺が来たとだけ伝えてください」

 

「坊ちゃんは友達がたくさん見舞いに来てくれて幸せ者です。じゃ、また今後とも坊ちゃんをよろしくお願いします」

 

「こちらこそ、よろしくお願いします」

 

 結局何をしに行ったのかがまるで分からないのだが、とりあえずは家に帰ろうということで自分の家に向かう。

 しかし、また道に迷ったらしく、結局父さんに電話をして迎えに来てもらった。

 

 ──花園家の車にて

 

「ねぇ、爺や今日車に乗せた真田君ってどう思う?」

 

「どう、思われると聞かれましても私にはとても好印象な青年に見えますな」

 

「そ、爺やもそう思うんだ。私もちょっと頑張ってみようかな」

 

「何をです?」

 

「ナ、イ、ショ♪」

 

「左様にてございますか。では私はお嬢様の頑張りを応援するのみですな」




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