狩人異想神喰録〜自由を愛した烏天狗と空を求める狩人〜   作:ドーントレス

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 ーーーーーーーー幻想郷ーーーーーーー

 そこは、人間や妖怪さらには幽霊や神などが住まう理想郷。

 

 そこでは偶に【異変】と呼ばれる幻想郷全体を巻き込んだ怪現象が引き起こされ、その度に『博麗の巫女』が異変解決に動く。

 

 これはそんな怪現象が発生した後の話…

 

 自由を愛する風神少女と、他人の自由のために身を削る青年の出会いの話…

 

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 〒〒博麗神社〒〒

 

 季節は初夏。徐々に気温の上昇を感じ、薄着を意識し始める雲ひとつない真昼時、幻想郷の僻地【博麗神社】には二つの人影があった。

 

「いやぁ〜!今回も素晴らしいスピード解決、お疲れ様でした!」

 

「…何の用?」

 

 一つはこの博麗神社の巫女。幻想郷の異変解決を生業とし、外の世界と幻想郷を隔てる結界【博麗大結界】を管理する脇の空いた巫女服を着る少女、楽園の素敵な巫女こと『博麗 霊夢』。

 

 今回も異変解決のために動かされ、ようやく神社に戻って一息入れようと思ったところに飛んで来たのはもう一つの影の正体。

 幻想郷の新聞記者にして【妖怪の山】の管理を務める『烏天狗』の一人(あいつが山を管理してるとこなんて見たことないぜby金髪の子)伝統の幻想ブン屋こと『射命丸 文』である。

 

 霊夢は露骨に嫌そうな顔を文に向けるが、文は全く気にすることもなく霊夢に今回の異変についての取材を始める。

 

「うぅむ。なるほどです…では、今回の異変に妖怪は関与していなかったと?」

 

「そうなのよ。なんでか、その場に紫もいたから一様聞いてみたんだけど“妖力もその痕跡も感じられません、それにこんなことができる妖怪がいるとは…俄かには信じられませんわ…”って」

 

 霊夢はため息に疲れとは違う感情をのせ、まとめて吐きだす。

 文は文でこれは記事にしていいものかどうかを霊夢の話と合わせて吟味していた。

 

 今回の異変…『神隠し』だと思われるそれは、今まで起きた異変と全く違う点がいくつか見られる。

 

 まず、先ほどの霊夢の話にもあった『妖怪が関わっていない』というところ。

 大体の異変は妖怪か、暇を持て余した神々の遊びだったりするのだが、先ほど名前の上がった『紫』と言うのは本名『八雲 紫』、幻想郷の創造主の一人であり妖怪の賢者と呼ばれるほどの大妖怪である。

 果たしてそれ程の大妖怪の目を掻い潜り、幻想郷で『神隠し』などという異変を引き起こすことができる妖怪がいるのであろうか。

 

 次に、『神隠し』にあうのが人間だけではない(、、、、、、、、)という点だ。

 対象を選ばず神隠しを行っているようで、人間・妖怪問わず忽然と姿を消されてしまうというのだ。

 現に不老不死の人間プロミネンスこと『藤原 妹紅』が姿を消し、なんとあの永遠に紅い幼き月、スカーレットデビルこと『レミリア・スカーレット』までもが謎の失踪を遂げ、人里と紅魔館から捜索(隊)願が出されている。

 

 そして最後に、この異変は不定期かつ予兆がないのである。

 一度に消える人数も、場所も、時間も何もかもがバラバラ。捉えどころがなく、先ほど文は「異変のスピード解決」と言っていたが正確にはまだ解決していない。

 

「…もしかしたら解決できないのかもねー…紫以外に『神隠し』なんて好き好んでするやつ……あ、」

 

「ん?どうしたんですか、霊夢さん?」

 

 最早、やる気の一欠片もない事を体全身で表すように、縁側に仰向けで寝転がる霊夢が言葉をきり、文は頭に疑問符を浮かべる。

 

「いやー…神隠しといえば、そう言えば昔から『天狗の仕業』って言われてたなぁって」

 

「わ、私は関係ないですよ!?」

 

「どうだか。まあ、天狗なんてあんた以外にもわんさかいるし、次狙われるのは宴会の時(、、、、)だろうしね。あんたは宴会でも煩く飛び回るから、萃香(おに)達がいない時は常に見張ってるし疑ってなんかないわよ」

 

「その言い方はあんまりです!…って言うかなんで宴会の時って分かるんですか?確か神隠しは不定期かつ無差別に行われると聞きましたが?」

 

 霊夢は完全に脱力しきった体を無理やり起こすようにその場で軽く伸びをすると、反動をつけて上半身を起こし文に向かい合うように座る。

 数秒ほど黙って顔を合わせていた二人だが、文の疑問に霊夢が短く「感よ…」と答える事で終わりを告げる。

 

 ーー明日の宴会…気をつけなきゃーー

 

 最早てっぺんから退いた太陽が照らす空で、文は一人気を引き締めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして…

 

 翌日の宴会に彼女の姿は無く、数日後妖怪の山から『犬走 椛』を筆頭に捜索隊が出ることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第1話【神隠し】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 幻想郷とは異なる世界…

 至る所に枯れ木のごとく佇む歪な形の廃ビルが点々と存在し、砂漠化が進みつつある元繁華街のビルの屋上に二人分の人影があった。

 

『ーー置ー完了をーー認ーーーー戦ーー動を、開始ーーくださいー』

 

「はいはぁい、了解しましたよー!……ったくもぉ、最近通信障害ってやつ?やたらと多い気がしない?これじゃ無線がまるで役に立たないよ…」

 

「…文句たれて直んならもうとっくに治ってんだろ?はやく行こ(狩ろ)うぜ」

 

「やれやれ、相変わらずの仕事のムシ(戦闘狂)っぷりだねぇ…でも、うちの隊長は先行しちゃったし、あの爆発…僕たち行ってもやることないかもしれないよ?」

 

 フードを目深に被り、顔を識別できないように隠す少年は隣の男勝りな言葉遣いの少女に声をかけるが、少年のかけた言葉に少しのアクションを返すことなく少女はビルの屋上から身を躍らせる。

 少年は二度目の諦めを体で表すと、立てかけていた武器【神機】を構えターゲットに狙いを定める。

 

「やれやれ…それじゃあ、僕もお仕事始めちゃいますかね」

 

 少年はスコープを調整して約6km離れた枯れた噴水広場に神機を振るう男とさっき隣にいた少女を認め、そこから更に3km離れた元発電所に視点を変える。

 そこには数にして約20もの中・小型『アラガミ』の群れがいた。

 

「あー、あー…聞こてえますー?」

 

『ーーーー、ーーー、ー、』

 

「あー…ダメみたいだね。しかたない、別の方法で伝えましょう、っと」

 

 少年が弾丸を神機にセットすると、そのままトリガーを引いた。

 神機の銃身部が赤く熱を持つと同時に紅き閃光が砂煙を切り裂き一直線に発電所へと向かう。

 しかしその閃光は発電所に着く前に空中で爆発し、代わりにいくつかの小さな球体が重力に従い落ちて行く。

 爆発音に気づき、見上げたアラガミ達に向かってその玉は落ちて行き、そのままアラガミに触れることなく地面に落ちた。

 

 刹那

 

 ドドドドガァーーーーン!!!

 

 その全ての球体が爆発し、アラガミを発電所ごと吹っ飛ばした。

 

「ふぅー!あいつらいい感じに纏まってくれて助かったよ!近くに隊長達もいなかったし、遠慮なくぶっぱするのはいいね!やっぱり爆発は最高だぜ!」

 

「なんでもいいが、始末書は自分で書けよ?3日以内に。

 できなきゃ、また出禁な」

 

「やだなぁ〜、そんなKING(隊長)みたいなこと言わな……」

 

 少年が声の主に振り返るとそこには、神機を特殊なベルトで背中に背負い両手で女の子を抱えた少年が『KING』と呼ぶ人物の蔑みを含んだ冷たい目と出逢った。

 

「…き、KING?そ、その子は?」

 

「お前が爆発させた発電所で気絶していたのを保護した。息はあるし、そのままにしておけんかったからな…人命救助も俺たちの本質たる仕事のうちだ」

 

 そう言うと、KINGと呼ばれた青年はインカムのボタンを押し、本部にミッション完了の合図を送り、女の子を丁寧に下ろすと神機を取り出し、銃形態へと変化させる。

 そして、自分の身長と変わらないくらいのそれを片手で真上まで振り上げ、一発の弾丸を打ち上げる。

 

「それを疎かにするとは…お前が始末書を書きたいのは分かったが、今回は容赦せんぞ?」

 

「は、はいぃ…」

 

 弾丸は空高く上りながら3回爆発を起こし、帰還用のヘリへの信号として赤くその場の空を照らす。

 程なくして迎えのヘリが来ると、テンションガタ落ちのフードの少年とKINGと呼ばれる青年、ついさっきまでミッション外のアラガミを通り魔の如く狩りまくっていた少女の3人+1人は帰投する。

 

 そう、嘗て人類最後の砦とまで呼ばれたフェンリル極東支部跡地を横目に、新たなる拠点フェンリル近畿支部、又の名を【砂塵のラストリゾート】…まさしく人類最後の保養地である。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 次に文が目を覚ましたところは、白く何やら河童のところでしか見ないような機械のある弾力性の高い布の上だった。

 

 白い天井、白い壁、白い布に反射した眩しい光が、先程まで世界を遮断していた瞼を通して目に刺さる。

 文は左腕を持ち上げ、自分の目元を 覆うように被せ上半身を起こしてみる。

 周りは…どうやら個室のようで、同じような白い壁が短く続いていた。

 

「…ここ、は…?」

 

 自分の記憶を辿って見ても、何一つ思い出すことができない。

 博麗神社で宴会があって、その準備を昼から始めて…少し眠くなったから仮眠をとったところまでは朧げながら覚えている。

 

「ん?…ようやくお目覚めかな」

 

「っ!?…あ、貴方は……?」

 

 先程まで壁であったはずの所が、蒸気が吹き上がる時のような音を立てて横にズレると、奥から薄い青色の入った銀髪を自然に流した整った顔立ちの青年が歩いてくる。

 文は警戒の色を強めて、見ず知らずの青年を睨みつける。

 

「……そんな顔すんなよ。せっかくの可愛い顔が台無しだ」

 

「かっ!かわっ!?…こ、ここはどこなんです!?私に何する気なんですか!」

 

「ははは!別に何もしやしないし、そんなに警戒する必要もない。

 君のバイタルチェックをするために唯一、若干の医学知識のある俺が来ただけだ」

 

 しかし、青年の説得も叶わず文は警戒の色を更に強める。

 それもそうだ、博麗大結界によって外の世界から隔離されている幻想郷で『バイタルチェック』などという横文字は永遠亭で(もごく稀に)しか聞くこともない。

 

 青年は、「やれやれ…」とため息を吐くと、近くの壁に寄りかかり図版に挟んで来たチェックリストを順に眺めていく。

 所々鉛筆で何かを書き込んでは、不意に文の方へ顔を向けるとそれに反応した文が刹那に体を震わせる。

 

 そんなやりとりを約10分、3回程繰り返す頃には文の警戒心は冷静になった頭を通して不安と恐怖へと変わり、ついにはこの静寂に耐えられなくなった文が言葉を切り出す。

 

「あ、あの…私…なんでここにいるんでしょうか…」

 

「ん?ああ、すまない。最初の君の質問に答えてなかったな。

 ここはフェンリル近畿支部の医務室で、君は俺が運んで来た。

 覚えてないか?君は危険度B(ブラボー)に相当する【失望の街】の旧発電所内で倒れていたんだ」

 

「……え?」

 

「あそこはもう既に人はいないはずだし、報告にも生存者の情報もなかった。

 さしずめ君も(、、)違う所から来た人なんだろ?ちゃんと帰れるようにここで俺たちが守ってやるから心配しないでいい」

 

 青年は穏やかな笑顔を文に見せるが、文は驚愕を顔に貼り付けたまま固まる。

 そして文は今までの彼の受け答え、話の流れが自然すぎることに気付き、更に驚きを深める。

 

「あ、え…?それって「ツカサー?一応持ってきたけど、こんな女物ばっかりどうす…ん?」ーー」

 

 そんな文に追い討ちをかけるように、さっき青年が現れた壁のあたりから妙に聞き覚えのある声が聞こえ、その主が姿を見せる。

 

 そう、それは…

 

「ああ、ありがとう妹紅。んで、来てもらったもう一つの理由が…この子、知ってる?」

 

『神隠し異変』が起こってから、幻想郷より姿を消した人間プロミネンスこと『藤原 妹紅』だった。

 




GOD EATERの小説書きたいなぁって思って書きました!
後悔はしてないない!キリッ

えぇ…なんだかんだ言って、前に書いてた『東方乱界記』の一部から使わせてもらって、今回はGOD EATERということで『狩人闘恋万華鏡』と同時進行亀更新でやっていきたいと思っております。

感想等ガンガン受け付けておりますので、遠慮なくどうぞ!(お気に入り登録とか…し、してくれてもいいんだからね!)
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