狩人異想神喰録〜自由を愛した烏天狗と空を求める狩人〜   作:ドーントレス

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今回はなんか説明っぽいところがありすぎて読みづらいかもです…申し訳ございません。

そろそろ挿絵のほうとかも考えておりますので、できましたら活動報告にて報告・掲載させていただきます。(多分)


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 ーーアラガミーー

 通常の現代兵器を持ってしても傷をつけることこそできても、討伐するには敵わない【オラクル細胞】により形成される絶対強者(化け物)

 有機物無機物問わず捕食し、その物の機能を吸収・転化し、学習し、進化し続けることができる。

 

 その絶対強者(化け物)を狩ることのできる存在。

 それがゴッドイーターである。

 

 此処近畿支部には、ある『曰く付き』のゴッドイーター達を判別するコードネームがある。

 

 世界を救い、部下を見殺しにして全てを失った『KING(大罪の王)

 王を示唆し、己が欲望の為に一つの大陸を絶望と混乱に貶めた『QUEEN(狡猾な女王)

 

 仲間を殺し、上司も部下も支部ごと崩壊させた『JOKER(死神の道化)

 

 そして

 全てのアラガミを殺す為にアラガミとの融合を果たし、その強大すぎる力を恐れられ精神・肉体共に幾度となく殺され続け、その度に生き残り続けた存在。それが…

 

 ーーーー『EMPEROR(万死の皇帝)』ーーーー

 

 

 

 そんな曰く付きのゴッドイーター達が所属しているこの支部…皮肉にも『砂塵のラストリゾート』などと呼ばれ、とある事件により大多数の人間がアナグラから此処、近畿支部へと移住しているのだ。

 

 その事件を引き起こし、アナグラより姿を消した、最凶最悪にして現在確認されている全てのオラクルを保有する不死のアラガミ『ヘラクレス』。

 

「…っとこんなところかな?もこたんには一度話してるけど、この『ヘラクレス』ってのを狩れ!ってのが人類最後の希望にして、現在片手で数えられるくらいまで減っちゃったフェンリルの本部からの最終命令。んで、僕たち『曰く付きゴッドイーター』もそれに素直に従ってるってわけ」

 

 教卓のような台に座りながら、ターミナルを見せつつ説明していたフードを目深に被る少年は、並べられた椅子に座っている妹紅と文に向かって「分かった?」と首を傾けて問う。

 

「へ?…あ、えぇっt「そんで、此処は対アラガミ用防護壁を実に7重にして作り上げられた奇跡のシェルター。本部とは地下通路で続いてるけど、別の場所だよ。でもすごいよねー!普通7種類ものオラクルがあったら一つ二つくらいは捕食を始めるはずだよね。でも、レトロオラクル細胞ってのを転用させるとこんなことも可能なんだって、ほんとすっげぇよなぁ!」……あ、はい…」

 

 文の答えに食い気味に割り込んで再び説明を続ける少年。

 助けを求めるように文は妹紅を見るが、彼女は壁に寄りかかるように眠っていた。

 

「んで、さっきの補足として自己紹介しておくね!僕はコードネーム『JACK』。本名『草津 タケル』。よろしくね、もこたんの友達さん!」

 

「え?あ!はい、私は『射命丸 文』です……あの、『JACK』っていうことは「そー、僕も曰く付き〜♪」…差し支えなければ、どのようなことを?」

 

 少年は「オッケー!よく見てて〜」と元気よく返事をし、その場でくるくると回り始める。二回転ほどすると、フードが外れて素顔が見えた気がした…

 

「…?ーーっ!?」

 

 その顔は、左側が酷く灼け爛れ歪な形に変形していた…ように見えた。

 タケルはもう2、3周反動で回ると両の手足を広げて止まる。

 その顔は、やはりフードに隠れていて唯一見える唇だけ、この世の全てを嗤うように歪んでいた。

 

「改めまして、僕は『JACK』…ここ近畿支部でもごく一部の人間にしか知られていない狂気の殺戮兵器(マッド・キラーマシン)。史上初のサイボーグゴッドイーターだよ♪」

 

「……サイ…ボーグ?」

 

 タケルは「そー♪」と言いながら身の丈に合わない長い袖に隠れた左の腕を持ち上げ、文に向ける。

 

「僕の身体は、はっきり言って人間じゃない。まぁ、元が機械だからね、欧米の方で作られたらしいけど予想以上の出来でさ。んーでも、ちょっと出来すぎちゃったみたいなんだよねぇ…んーで、今こうして文っちと話してるのもプログラムなんかじゃなくて、実h」ビー!ビー!ビー!

 

『緊急事態発生、緊急事態発生。避難区画西よりアラガミ接近。西区画より避難区画東へ速やかに移動して下さい。緊急事態発生、緊急事態発生……』

 

 けたたましく警報機が鳴り響き、無感情な録音音声が流れ妹紅がゆっくりと瞼を開ける。

 

「…これ、私が行こうか?神機の使用許可ならもr「いんや、最悪の場合を想定してもこたんは文っちについててあげてよ。それに、ここは避難区画とは名ばかりの本部直通シェルターだよ?ここが襲われたら自動的に本部との連絡通路は封鎖される…つまり、逃げ道なんてないのさ」……」

 

 タケルの言葉通りビー!という音とともに、妹紅達が通ってきた本部への連絡通路の入口が閉ざされ、東区画への約2m程の通路も数枚の分厚い隔壁により封鎖される。

 それを確認すると、タケルは再び教卓に座り直し2人にそこら辺の椅子を適当に使って座ってくれと促す。

 

「…あ、あのぉ……これ、大丈夫何ですか?」

 

 文は鳴り止まない警報に不安の声をあげ、妹紅も疑いの眼差しでタケルを見るがタケルは依然として教卓に座り、足をぷらぷらさせる。

 

「大丈夫大丈夫。今さっき、東区画との通路も封鎖されるところを見たでしょ?あの隔壁もここを覆ってる対アラガミ防護壁と同じ素材でそれぞれ作られてて、なおかつ構造が全部バラバラなんだよ。つまり、1枚目の表面に順応したアラガミがそれを食い破っても、残りの6層の壁に阻まれるって寸法。

 そんな全部7層からなる壁のパターンを変えたやつが通路に6枚。物凄い防御力でしょう?」

 

 タケルは子供のように無邪気な笑顔を見せると、お勉強の続きをしようとターミナルを弄り始める。

 

 刹那

 

 バギィ!!!という不穏な音が東区画側(、、、、)から響いた。

 

 妹紅が文の前に躍り出て、タケルはさっきまでの余裕の表情が、今は嘘だろと言わんばかりの表情に(口もとだけだが)歪む。

 再びバギィッ!と隔壁が悲鳴を上げ、ついにそのど真ん中に風穴を開けてみせた。

 

「ギーャーーーーー!!!」

 

 そして、それと同時に転がりこんできたピンクの物体…真っ赤な槍を右手に握りしめたまま、見事な顔面着地を決めたそのフリフリだらけの小さな存在を、なんと西区画にいる全員が知っていた。

 

 そう、その人物こそ幻想郷から姿を消した2人目の有名人、スカーレットデビル『レミリア・スカーレット』だった。

 

 

 

 

 

 

 

 第3話【兵機】

 

 

 

 

 

 

 

「…了解、すぐに向かう」

 

『ENPEROR』、『JOKER』の2人に急電が入り、作戦ポイントB(ブラボー)のアラガミの進路が変わり、本部から大きく東側へ逸れた『本部直通避難区画ドーム』へと向かったという。

 

「どーすんだよ?こっからなら確かに『KING』達よりかあたし達の方が近ぇけど、ヘリでも10分はかかるぜ?陸路ならどのくらいかかることやら…」

 

『ENPEROR』は、「…ふむ」と顎に手を置き、少し考えるような動作をすると信号弾を撃ち上げた。

 

 その色は赤…当初のミーティングでポイントA(アルファ)制圧のサインを表す色だった。

『JOKER』は首を傾げ、『ENPEROR』に抗議の声を上げる。

 

「おいおい、つい数分前にそいつはもう撃ち上げただろ?なぁんで今更赤なんだよ」

 

『ENPEROR』は神機を担ぎ『JOKER』に背を向けると

 

「…隊長命令だ。作戦を継続し、ポイントC(チャーリー)のアラガミ殲滅し、『KING』達と合流しろ。合流後は『KING』の指揮下に「ちょっと待てよ!」……」

 

 淡々と命令を下す『ENPEROR(隊長)』を止めた『JOKER』は更に噛み付く。

 

「あんた…まさかとは思うが避難区画まで行く気か?今から行っても間に合わねぇってさっき言ったよなぁ?あっちは他のゴッドイーターも居るし、気にせずちゃっちゃとこっち片付けt「おい、2度は言わんぞ?」……っ…」

 

 刹那に『ENPEROR』が『JOKER』に振り向くと、『JOKER』は全身から冷や汗が吹き出るような感覚に襲われ、それ以上の言葉が出なくなった。

『ENPEROR』が放つ圧倒的な重圧感と殺気、それに直に晒されてもこの程度で済むのは『JOKER』が第2部隊副隊長としてやっていく為に身に付けたスキルでもある。

 

「………分かっ……たよ…あんたに従う……」

 

「…それでいい」

 

 圧倒的な力の差、殺意と圧力のそれで潰れないのはおそらく第2部隊の隊員と、第1部隊長くらいのものだろう。

 

『JOKER』は逃げるように作戦に戻り、『ENPEROR』はそれを見送ることもなく避難区画へと歩き出す。

 

 刹那

 

 “あんさんほんま無駄に怖いなぁ、あんなんされたらだれだってちびってまうわ”

 

「…うるせぇ、さっさとてめぇの力を貸しやがれ、殺すぞ」

 

 “自分で自分のこと殺す言いはる人他におらへんやろなぁ…ま、俺はあんさんに消えてもらった方が自由にできて、ええんやけどな…おぉっと、冗談はこのくらいにしときまひょ”

 

『ENPEROR』は刹那の殺気を解くと、呆れ気味に鼻を鳴らし関西弁の内なる声の主に身を委ねる。

 ざわざわと身体中に雷が走り、全身の毛が逆立つ感覚を覚えると同時に目をカッ!と開くと、人知を超えるスピードで『ENPEROR』は避難区画へと走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーー避難区画西ーーーー

 

「えっと…これは一体どういう状況でs「ごめんね!先ずはこの子をしばく…じゃなくって縛るのが先!!!」「やーだー!離せ離せはーなーせーー!!!」……」

 

 ぱっと見、少年が縄を持って慣れた手つきで幼女を縛っていく光景はどう考えても少年に非があるようにしか見えない。

 しかし、状況が状況なのだ。

 先ほどまでどれ程の安全性を誇るのか説明してみせた、その隔壁をいとも簡単にぶち破り、今まさに複数のアラガミによって(穴の開いた)最後の壁が破られんとしている。

 そんな生命の危機を感じている者がとる行動…それすなわち幼女を縛ることである。

 

「この子ね!もこたんの次にツカサが拾ってきた子なんだけどさ!…ふぃ〜、ずいぶんと嫌われちゃったらしくて勝手に出て行っては皆んなを困らせてるんだよ」

 

「レミリアちゃんは今回は何処まで行ってきたんだ?」

 

 タケルが息を吐き、レミリアを縛り終わると妹紅がレミリアに問いかけるが、若干500歳の吸血鬼は頬を膨らませたままそっぽを向くことで抵抗の意を見せる。

 

 そんな光景をみとめたタケルは、よいしょと体を持ち上げ穴の開いた防護壁に向かい合う。

 

「文っちは…ここにきてから全然経ってないんだよね?アラガミなんて化け物も僕がさっき教えたくらいのことしか知らないんだよね?」

 

「え?…はい、私達では倒すことができない絶対強者(化け物)…でしたよね?」

 

 文が答えると、タケルは首だけ90度動かし、肯定の意味で首を振った。

 

「そー、そんで…これが唯一そいつらを殺すことのできる武器…」

 

 刹那

 

 文は目を見張った

 

「人類の最後の希望…ゴッドイーターにのみ扱うことを許された兵機…【神機】さ」

 

 タケルの両腕は身の丈以上の長い袖から姿を見せ、しかしそれは五指が揃う人のそれではなくなり、機械的な音と共に鈍く輝く黒々とした魂を刈りとる形をした鋭利な【鎌】と、肉を貪り引きちぎる【チェーンソー】へと形を変えた。

 

 

「さあ、狩り(悦楽)の時間だ♪」

 

 




ーーターミナル起動、情報の一部を開示しますーー
フェンリル近畿支部第1部隊…登録数三名分の現情報

『KING』…本名『鬼怒川 ツカサ』。
元極東支部のゴッドイーターで、かつて元支部長『ヨハネスフォンシックザール』によって行われていた【アーク計画】によるノヴァの【終末捕食】を第1部隊長として未然に防いだ功績を残すが、転属先のクレイドルにて受け持った第3遊撃部隊にて部下全員を見殺しにし、敗走した罪に問われ、近畿支部へと移動となる。
神機は新型で、ロングブレード・スナイパー・バックラーを装備する。

『QUEEN』…本名『沢渡 カオル』。
元クレイドルのオペレーターで、ゴッドイーターの減少に伴う適正検査にて適合神機が発見され、オペレーターより転職。『鬼怒川 ツカサ』と並び第4遊撃部隊として活動する。
過去の経歴が一部抹消されているが、何らかの形で『鬼怒川 ツカサ』との関係があったと思われる。(西イングランド支部の壊滅と関わりがあるかは目下調査中)現在は第1部隊の副隊長を務める。
神機は新型のショートブレード・スナイパー・タワーシールドを装備する。

『JACK』…本名『草津 タケル』。
過去の経歴は全て抹消されており、本人いわく「欧米の方から来た」らしい。
身長は154cmと小柄で、常にフェンリルの防護服(彼なりのアレンジが加えられ過ぎて憶測の域を出ないが、素材等が一致しているため)を羽織るように着用しているため、顔の大半と両腕が完全に隠れている。さらに、驚異的な身体能力と計算能力をもち、他人の神機のメンテナンスまでこなすことができる。
神機は不明だが、整備班から「あいつの神機は見たことがない」と報告が入っている。
現在、フェンリル本部では彼の出生及び身辺等の情報の調査を行なっているが、未だ何も掴めていない。


追伸:情報漏洩防止に努めましょう

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