魔法少女リリカルなのは──ベストプレイスを求めて   作:横島

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第一話

ベストプレイス

それは自分が1番心地よいと思える場所

 

「BlueSkyはin the Sun~♪」

 

人はそれを求め生きていると言っても過言ではないだろう

 

「灼熱roadに俺は黒コゲ〜♪」

 

またこの男も自分のベストプレイスを探している

 

「Ah〜バイク登場!バイク参上!いやー今日もいい天気!ベストプレイス日和だぜ」

 

御年16歳

 

「今日こそ俺のベストプレイス!見つけてやるぜ!」

 

天野 龍太郎

 

 

 

 

────

 

 

俺は天野龍太郎、日々愛車(ママチャリ)の蜥蜴郎(ママチャリ)とベストプレイスを探しているしがない高校生だ

 

平日は普通に学校に通い放課後はベストプレイス探し、休日は1日ベストプレイス探しをしている

 

しかし学生の身では行動範囲が狭いし俺の蜥蜴郎(ママチャリ)にも限界がある、そう思うとやはりバイクが欲しくなってくるがどうも金が足りない、しかしバイトするとしてもどれもイマイチそそられない…などと考えながら今は商店街を蜥蜴郎(ママチャリ)を押しながら歩いていた、すると前から40位のなかなか男前な人が声をかけてきた

 

「おう龍、久しぶりだな!ベストプレイスは見つかったか?」

 

「山中のおっちゃんじゃねえすか!?」

 

この人は山中信治さん商店街で魚屋をやっていたが三年前に「俺は寿司屋を目指すんだ!」などと言い出し街をでて修行に行っていた

 

「もう帰って来れたんすか?」

 

「おう、俺って奴は才能があったらしくて師匠が『教えることは何も無い』つうことでここに戻ってこれたんだ」

 

寿司修行なんて言ったら5年くらい、多い人では10年位しても1人前にはなれないなんて聞いていたが凄すぎるぜ、この人は

 

「てことはこっちで店出すんですか?」

 

「そのつもりだ、ところで龍、お前さんバイトを探してるらしいじゃねえか、どうしたんだ?」

 

そう、俺はこの商店街を中心にバイトを探している…だから山中のおっちゃんも聞いたのだろう

 

「ええ、ベストプレイス探しも流石に蜥蜴郎(ママチャリ)だけでは近場しか探せないのでバイクを買おうと考えていて」

 

「それで金を稼ごうってか」

 

「そういうわけっす。でも全然ぱっとしたものがなくて」

 

「そうか…それなら家で働かないか?確かお前包丁は得意だったよな?」

 

「まあ包丁は得意ですけどいいんすか?」

 

「何言ってんだ、俺とお前の仲だろうが…」

 

たしかにそうだ、遠慮する必要なんてない

それに俺にはなにか切っ掛けが必要なのかもしれないしな

 

「そうっすね、そんじゃあこれからお世話になります!」

 

「おう、そんじゃあ明後日のあさ4時に家の店に来てくれ」

 

「分かりやした!って4時ですか!?早すぎないっすか!?」

 

「龍よ、魚ってのは鮮度が命なんだぜ?」

 

それってつまり

 

「俺をあの地獄のような場所に連れていくんですか…?」

 

地獄のような場所…それはここ海鳴の港にある魚市場、そこの朝はとんでもない

言葉にできないほどにとんでもない

 

「当たり前だろう?」

 

「俺やっぱり他の探し「龍よ」」

 

その時ほど人を殴りたいと思ったことはなかったほどにおっちゃんはいい顔をして言った

 

「男に二言はないよな?」

 

「くっ、分かりやした…男天野二言は有りません」

 

「んじゃあ2日後、逃げたりすんなよ」

 

「うす」

 

こうして俺はバイトが無事決まった

 

「はぁ〜、いやしかしバイクの為ベストプレイスの為だ…頑張るか…」

 

そして俺は帰路についた

 

 

────

 

龍太郎との会話を済ませた山中は同じ商店街の喫茶店『翠屋』に来ていた

 

「今日のケーキとコーヒーを頼む、あと桃子さん、士郎はいまいるか?」

 

「士郎さんですか?いますよ」

 

「ちょっと話があるんだ、すまないが呼んでもらえないか?」

 

「分かりました」

 

そういうと桃子──高町桃子は奥に入っていった

 

「ここも3年ぶりだが変わらんな」

 

店の中を見渡し感慨に耽る

 

「またせたね、それで僕に話ってなんだい?信治」

 

出てきた男─高町士郎は山中の向かいに座る

 

「久しぶりだな士郎、随分と老けた…感じはしないな」

「信治は逆に老けすぎじゃないか?3年ぶりにしては」

 

「ははは…面目ない」

 

頭を掻きながら答える

 

「それで僕に話ってなんだい?挨拶だけってわけじゃないんだろう?」

 

「あぁ、少し真面目な話だ」

 

二人の顔が真剣になる

 

「近々…何か悪いことが起こる」

 

「それは…何時もの『予感』ってやつかい?」

 

「そうだ」

 

過去にこの『予感』というものは度々当たっているのだ

 

「そうか、しかしその『予感』も不便だよね…時期も確定じゃないし具体的になにが起こるかも分からないなんて」

 

はぁ、と士郎は溜息を吐く

 

「コーヒーとケーキ、お持ちしました」

 

テーブルの上にケーキとコーヒーが置かれる

 

「ありがとう、桃子さん」

 

「いえいえ、ごゆっくり」

 

そういい桃子さんは戻っていく

 

「まあな、それでだ」

 

信治はコーヒーを一口飲み

 

「お前に頼みがある」

 

「頼み?信治が頼みごとなんて珍しいじゃないか」

 

「俺にもそういう時くらいあるさ」

 

「そうかい、僕になにをさせるんだい?」

 

「ある男に剣を教えてもらいたい」

 

すると士郎の眉がピクリと動いた

 

「御神流をかい?」

 

「いや違う、ただ打ち合ってくれればいい」

 

士郎は不審な目で信治を見る

 

「君が相手じゃ駄目なのかい?」

 

「俺はもう剣を握れねえよ…たとえ真剣じゃなくてもな…」

 

「っ!本当なのかい!」

 

「あぁ、今の握力じゃ精精ものを掴むのが限界だ」

 

そう言って信治は右手を出した

 

「握ってみろよ」

 

恐る恐る士郎はその手を握った

 

「これは…酷いな」

 

「だろ?だからお前に頼みたい、別にお前がやらなくてもいいさ

お前の子供…恭也と美由希だったか?

あいつらでもいい、龍の奴を鍛えてくれ」

 

頼む、と言い頭を下げる信治

 

「頭を上げてくれ信治、その頼みは承るよ」

 

「本当か!ありがとう!」

 

信治はガバッと頭を上げた

 

「それで、誰なんだい?その龍って子は」

 

「天野龍太郎」

 

士郎はニヤッと笑った

 

「なんだ?知り合いか?」

 

「知り合いって程じゃあないさ、彼の父を知っているだけさ」

 

今度は信治がニヤッとした

 

「そうだよな、お前が知らない訳ないよな」

 

「当然だろ、それでいつから龍太郎君を鍛えればいいんだい?」

 

「明後日だ、切っ掛けはこっちで作るから準備しておいてくれ」

 

「わかった、あとその『予感』についてなにか新しいことがあったら知らせてくれ」

 

「わかってる、それじゃあこれお代な」

 

信治はポケットから小銭を取り出す

 

「ああ、今度は信治の店に家族で行くからな」

 

「開店は明後日だからな楽しみにしておけよ」

 

そう言うと信治は店を出た

 

 

 

 

 

その頃龍太郎は

 

「なっなんだ!?凄い寒気がするぜ…風邪か?」

 

彼の運命は如何に

 

 

────

 

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