ようやく解決です。
コミックスでは1話分の内容に3話かかりました…
表現の仕方に、やっぱ悩みますね。
~開盟学園 放課後 体育館裏~
事件の現場に、ボッスンは一人で立っていた。
他のメンバーを全員帰らせたのは一人になるため。
標的となるために、あえて帰らせたのだ。
~~~~~~
「けどボッスン、一人で大丈夫なんか?」
「ああ、任しとけ。全ては明日話してやる」
「わかった、気を付けろよ?」
「もちろんだ!」
~~~~~~
あえて狙われるために、隠れる場所が多いエリアに立つボッスン。
そんなボッスンの背後から近寄る影が。
顔には仮面、その手にはペンキ缶。
事件の犯人、ペンキ仮面その人である。
気づかれないよう慎重に、高鳴る鼓動を抑えながら近づく。
10メートル……5メートル………
そしてペンキ仮面は、後数メートルというところまで近づく。
「(これで、これで、ボクは……)」
意を決してペンキ缶を振りかぶる!
そして、振り下ろそうとしたその時!!
「………なんつってな?」
「!!」
突如振り返るボッスンに驚くペンキ仮面。
慌てて逃げようとすると、
「「動くな!!」」
突如として茂みから現れたヒメコ、ハルトにより拘束されるペンキ仮面。
「いよぉーし、よくやった二人とも」
「動いたら顔の皮剥ぐで!」
「怖ぇから、剥ぐのは仮面だけにしとけ」
ペンキ仮面は、あまりの状況に、事態が呑み込めない。
「本当の作戦は後でメールしといたんだよ。観念しやがれ、ペンキ野郎……いや、もう正体はわかってんだよ…
なあ……
杉原哲平?」
ペンキ仮面の正体は、最初の被害者、杉原哲平であった。
「…ち、違いますよ!何言ってるんですか!?ボ、ボクはただ、様子を見に来ただけで…」
「ペンキを持って…か?」
「い、いや、これはそこの陰にあって、もしかしたらペンキ仮面が置いたのかもって……そ、そもそもボクは、ペンキ仮面の被害を受けた被害者ですし…」
「お前は自分でペンキを被った…そうだよな?」
「!!!……ど、どうして、わかったんですか?」
何故、自分が犯人だということにたどり着けたのか?
その理由が、哲平にはわからなかった。
「鯉だ。お前は池で鯉を眺めていた時にやられた、と言ってたな?けどな…今あの池に、鯉は居ねぇんだよ」
「!!!」
「池の立て看板を見て勘違いしたんだろうな…去年からあの池じゃ鯉を飼わなくなった。来たばっかの転校生じゃ、知らなくてもムリねぇよな。
お前がわざわざ部室に来て警戒を呼び掛けたのは、オレ達をここに呼び寄せるためだな?
標的はスケット団、そしてそれを命令したのが城ヶ崎……だろ?」
哲平が、息を呑む音が聞こえた。
「じょ…城ヶ崎だって?…し、知らないですよそんな人!大体、ボクは転校してきたばかりで…」
『キミの過去は調べさせてもらった』
「!!」
『杉原哲平。キミは小学生のころ、この辺りに住んでいた。そして城ヶ崎は、その当時の同級生だ』
スイッチの言葉を聞き、哲平の顔に諦めの表情が浮かぶ。
「もう…何もかもお見通しというわけですか…」
そして大きく息を吐き、全てを語り始めた。
「そう、ボクはキミ達にペンキをかけようとしてたんです……城ヶ崎に命令されて
ボクは昔…城ヶ崎からイジメを受けていました…!
スイッチ君が調べたとおり、小学生の頃に標的にイタズラを仕掛けて逃げるというゲームが流行りました。
それはイタズラと呼ぶには悪質だったのですが、その中心になっていたのが城ヶ崎でした。
最も、彼は自分自身では絶対にやらず、人にやらせるばかりでしたが。
そしてある時、城ヶ崎からボクに命令が来たんですが、ボクはそれを拒否しました。
それをきっかけに…ボクへのイジメが始まりました。
そのイジメは、卒業するまで続きました。
卒業と同時に引っ越すことになったこの土地を離れたのですが、中学も高校もボクはなるべく目立たないよう、友達も作らないように過ごしてきました。
けど、再びこの土地に戻ることになり、ボクは……これを機会に生まれ変わるつもりでした。
友達を作って、部活に入って。
でも――――――」
―――――――――――――――
「おい」
「!!?」
「お前、哲平だよな?杉原哲平。ほら、オレオレ、城ヶ崎だよぉ?小学校で一緒だったろ?はっはっは…!」
哲平は、逃げ出すことすらできなかった。
「今、丁度ムカついて退屈しててよぉ…久々に度胸試しゲームやろうぜ?昔よくやったろ?
スケット団の誰か一人にペンキをかけろ。
言うこときかなきゃどうなるか……
分かってんな?」
――――――――――――――
「―――――そしてボクは、ペンキをかぶりました―――」
それが、哲平が今回の犯行に及んだ理由であった。
「……自分でかぶったのは事件のカムフラージュ。同じ事件が二回以上起きれば、誰も被害者との関係から犯人を捜さない」
「さらに、自分自身が最初の被害者であれば疑われることもない、ということだな?」
「(ふ~ん、なるほど、そういうわけやったんや)」
ボッスンの推理とハルトの考察に、納得するヒメコ。
「キミ達は、すごい人達ですね…全部その通りです。
ボクはキミ達の活動を…人を助けようとする気持ちを利用してチャンスを作ろうとしたんです」
「でも何でなん?何でそこまでして城ヶ崎の言いなりにならなアカンねん?」
「…ヒメコさん達からしたら、何でくだらないことで、って思うでしょう?
だけど…ボクにとってはこれが大問題なんですよ…笑っちゃうでしょう?」
哲平は自嘲めいてそう言った。
だが、
「ハッ?別に笑わねぇよ、面白くもなんともねェ」
ボッスンはそんな様子の哲平が気に入らない。
「ボッスンて、めんどくさがりのくせにこんな部活作って…変なヤツやろ?
でもそれは、アンタみたいなヤツの力になりたいと思てるからやねんで?
…端から見ればちっこいと思う問題でも、真剣な顔で悩んで苦しんでるやつのな
やから、弱気んなったらアカンで!逆らったらええねん、そんなもん!!」
「ダメなんですよ!!
逆らっちゃだめなんです!!!
ボクみたいな人間が平穏に学園生活を送るには……立ち向かってはダメなんです!!!
エスカレートさせないように……下手に逆らわず……なるべく人と関わらず……
何とかやり過ごすしかないんです!!!!」
それが、哲平が小さいころから抱えていた葛藤なのだろう。
その言葉は、今までで一番熱を持っていた。
「……言いたいことは、それだけか?」
「えっ!?」
そんな哲平に声をかけたのは、ハルトだった。
「今の話を聞けば、お前がずっと迷い、悩んできたことはわかる。
けど、開盟に来たことを期に、自分を変えるつもりだったんだろ?
だったら今まで通りでいいわけがない。
さすがにオレも、すぐに立ち向かえとは言わねぇよ。
一人で出来ることなんて、たかが知れてるからな。
でも、オレ達を…スケット団を頼るぐらいは出来たはずだろ!?
例えお前の保身のためであろうと、相談してくれれば何か出来たはずだ!
そのために、そんなヤツのために、
「……」
ハルトがそこまで言ったところで……
「……あ゛ぁ゛ーーい!!!」
哲平が持ってきたペンキを、ボッスンがかぶった。
「ええ!?ボッスン!何しとんの!?」
「赤いペンキだから、スゲェ怖いんだけど…」
「へへっ、言いたいことほとんどハルトに言われちまったからな……
オレは言葉じゃなく、行動で示してみた。
……ハルトが言ったように、オレ達を頼れ!!
ペンキをかけたいってんなら、そう言やいい!!
友達が困ってんならスケット団は助ける!!!
ペンキぐれーかぶってやるっつってんだ!!!!!!!!!!」
「…ボクは………友達をだましたのかっ……!
ボクは……ボクは…………!!!!」
ボッスンの行動と想いに、涙を流す哲平。
「泣いてるヒマなんかねぇぜ?生まれ変わるんだろう?
友達……部活……他にもよ……
これから色々、新しいものが始まんだ!
前向いて行こうぜ?」
「――――――――はいっ!」
涙に濡れた顔ではあるが、それでも笑顔を見せる哲平であった。
哲平については、ひとまず解決した。
しかし、この事件はまだ終わっていない。
「さて…と、どうせどっかで見てんだろう?…城ヶ崎」
ボッスンがそう呟くと、倉庫の一つから物音がした。
「…あそこか」
「え?城ヶ崎、居るんか?」
「まあ居るだろうよ…杉原がわざわざこの辺りを指定したのは、どこかで城ヶ崎が観察してるからだろうからな」
「へへっ、そういうこと。そんじゃ、ケリつけに行くか、哲平!」
一行が城ヶ崎の元へ向かおうとしたが、
「じょーがさきぃーーーーーー!!!!!」
ヒメコがいち早く向かって行った。
「アイツもう行ってる!?ていうかお前、普通に入れねぇのかよ!?」
「ハァ…これの修理も、ウチに回ってくんのかな……」
まさかまさか、倉庫の扉を蹴破って入っていったヒメコ。
そのアグレッシブさに頭を抱えるボッスンとハルト。
「あああああ!?お、鬼姫!?」
「城ヶ崎ィ!!何の用かわかってんなぁ!?」
「あ…て、哲平のことならもちろん冗談だぜ?
そんなもん本気にすると思ってねーし、そんなマジになんなよ……」
「無責任なこと言ってんじゃねぇ……
いじめる方はいつだって冗談。でも…いじめられる方はいつだって本気だ」
「覚悟はいいな?」
「死にさらせやボゲェエエエエ!!!!!!」
ドガッ!! バキィッ!!!
ヒメコの一撃で、城ヶ崎は吹っ飛んだ。
「ってか、お前らも少しは戦えやあああ!!!!」
「いや、これ以上はオーバーキル過ぎるだろ…」
ヒメコの一撃で終わると信じてか、ボッスンとスイッチはポーズをとって遊んでいた。
それに怒るヒメコを宥めるハルト。
ヒメコを宥め終えたハルトは再び哲平に向き合うと、
「杉原。これでこの事件はひとまず終わりだ。
後はお前が、さらに一歩踏み出すだけだな?」
「あ……はい!!」
こうして、「ペンキ仮面事件」は終わりを迎えるのであった。
数日後
~開盟学園 放課後 スケット団部室~
「何!?アイツ、バスケ部入ったの!?何で!?」
「いや、知らんがな」
「あの流れ的に普通ウチに入るもんじゃね?」
「だから知らんがな!!」
ペンキ仮面事件から数日後、哲平はバスケ部に入部していた。
『彼自身、バスケにはずっと興味があったようだ。好きなことをやると決めて、思い切って入部したそうだ』
「ほぉ~~、またエライ思い切ったもんやな。いや、大したもんやで」
「オイオイオイオイ、今更入ってついて行けんのかよ?
その点ウチならなあ?体張るのは基本ヒメコで時々ハルトぐらいなもんだから楽なのになぁ?」
「お前らも体張れっちゅーねん!!」
「そんで何だ?今日、依頼のメール入ってんだって?」
『ああ、校務員の吉村さんからの依頼だ。校内施設の補修作業を手伝ってほしいそうだ』
「なぁーんだそれ!生徒からの依頼じゃねーじゃん!最近そんなんばっかだなぁ、オイ!
あー、ダメダメ、それ引き受けねぇぞぉ」
『裏庭の倉庫が何者かの手によって破壊されたらしい』
「(ギクッ!?)」
「こっちは便利屋じゃねぇんだって返信しとけ」
依頼に対し、ヒメコは何か思い当たったようだ。
「な、なぁボッスン…裏庭の倉庫って、昨日暴れたアソコちゃうの…?」
「……あああぁぁぁ!!?」
『(カタカタ)こっちは便利屋じゃねーんだよぉぉぉ!!!』
「「わあー!?バカバカバカバカ!!待て待て待て待てスイッチ!!」」
~開盟学園 放課後 体育館裏~
『悪いがオレは四時半には帰らせてもらう。人に会う約束があるのでな』
「アニメ観るためやろがい!絶対帰せへんで!!ウソつくならもっとマシなウソつけや!!!」
「あいたたた!オレちょっとお腹痛いかも…」
「絶対ウソやろ!?」
「倉庫ぶっ壊したの全部お前なんだからオレら関係なくね?」
「し…仕事やろ、仕事!」
「ってか、ハルトの奴はどこ行ったんだ?今日は部室来てなかったけど」
『ハルトなら依頼でバスケ部に参加すると連絡をもらった。ついでに哲平の様子も見てくるとも言っていたな』
「アイツまた勝手にオレ達の知らないところで依頼受けやがって!!先に相談しろよな!?」
「けどまぁ、運動部からの以来やったら仕方ないんちゃう?呼ばれるんは基本的に練習相手としてやし、ボッスンじゃ役に立たんやろうしな」
「はいそこ!!オレをディスるんじゃない!!!あーもう!仕事だ仕事!!」
「おっ?キミ達、来てくれたのか」
「あ、はい!オレ達は……」
一方、そのころ
~開盟学園 放課後 体育館 バスケ部~
「お?そのリストバンド、使ってくれてるのか」
「あ、はい。せっかく貰ったものですし…」
バスケ部員として練習に励む哲平と、依頼でバスケ部に参加しているハルト。
事件解決後にボッスンがプレゼントしたスケット団のリストバンドを着用してくれていた。
「けど、ハルト君は凄いですね…バスケ部じゃないのに、かなり上手いですし…」
「まあ、スポーツは全般得意だからな。バスケ部に限らず、依頼でいろんな部に行くことも多い分、色々と得られることも多いからな。杉原こそ、初心者の割には筋が良いと思うぞ?」
「まあでも、やっぱり体力的にはどうしても…練習について行くだけでいっぱいいっぱいですよ」
「それはやっていくうちになれるだろ。要は続けることが大事だってことだ」
「そう、ですよね…」
「そこはほら、自分のペースでやれ。ムリをしたって、そうそうに潰れ「春川!!そろそろいいか?」る…っと、呼ばれちまった。杉原、話の続きは終わってからな?」
「はい!」
そういってハルトは、試合形式の練習に入っていった。
パスを受け取ったハルトは、空いてディフェンスをドリブルで躱し、そして…
バキィ!!!!
軽快な動きでダンクを決める。
「ナイッシュー!!さすがは春川、動きのキレは相変わらずだな」
「ああ、運動部じゃねえのがもったいないくらいだ。なあ、やっぱり正式にバスケ部に入らないか?」
「何回も誘ってもらって恐縮ですけど、それはムリっす。なんせオレは……」
同時刻、別々の場所ではあるが4人の言葉は重なる。
「「『「―――――スケット団ッス!!!!」」』」
To be continued.....
表現のしきれたのかはわかりませんが、書きたいことは書けたような気がします。
ハルトが喋ると、ボッスンのセリフが減るんですよね…悩みどころです。
ハルトのプロフィールについてはすでに出来上がっているのですが、本編中でもう少し情報を出してからまとめ版を投稿したいと思います。
ご意見ご感想、アドバイス、アイディア等、何かありましたら是非よろしくお願いします。
特にギャグパートは、オリ話を作れるか不安なので、そういったネタもいただけたらすごく嬉しいです。