ラブライブ! オーブ‼︎   作:ベンジャー

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第9話 『明かされる秘密』

「音ノ木坂学院は……来年度より生徒募集をやめ、廃校とします」

 

その理事長の言葉を聞き、穂乃果、海未、ことり、紅葉の4人は驚きの顔を浮かべ、穂乃果は「今の話、本当ですか!!?」と勢いよく扉を開き、2年組の4人は理事長室へと入ってくる。

 

「あなた……!」

 

絵里や理事長は穂乃果達が部屋に入ってきたことに驚いた様子を見せていたが今はそんなことを気にしている場合では無い。

 

本当に廃校が決定してしまったのかどうなのかを確認するのが先決だ。

 

そして理事長から返ってきた返答は……「本当よ」ということでことり自身も母である彼女からはそんなことは全く何も聞かされて無かったらしく、穂乃果は「お願いします!! もうちょっとだけ待ってください!!」と理事長に頼み込む。

 

「あと一週間!! いや、2日でなんとかしますから!!」

「おぉ!! 気合いがあれば2日で十分だ!! みんなで頭捻ってどうにかする方法絶対に考えます!!」

 

と穂乃果と紅葉はそう理事長に言い放つのだが……。

 

「いえね? 廃校にするというのはオープンキャンパスの結果が悪かったらという話よ?」

「お、オープンキャンパス?」

「一般の人に、見学に来て貰うってこと?」

 

なんでも理事長が言うには見学に来て貰った中学生にアンケートを取って貰い、結果が芳しくなったら廃校にする……ということだったらしく、それを聞いて穂乃果は「なんだぁ~」と安堵するのだが……。

 

「安心してる場合じゃないぞ穂乃果。 廃校阻止のチャンスはもうそこしかほぼ無いってことなんだからな?」

「不本意だけど……彼の言う通りよ。 オープンキャンパスの2週間後の日曜日、そこで結果が悪かったら本決まりってことよ」

 

紅葉と絵里にそう指摘され、穂乃果はことりや海未と顔を見合わせながら「どうしよう」と不安な顔を浮かべるが……。

 

そんな彼女等を余所に絵里は理事長に「オープンキャンパスの内容は生徒会で提案させて頂きます!」と進言し、理事長は「止めても聞きそうにないわね」ということで絵里の生徒会による活動を承諾。

 

「失礼します」

 

絵里はそれだけを言い残して理事長室を出て行き、部屋を出た彼女が理事長室の扉を閉めると不意に後ろから「どうするつもり?」という声が聞こえ、振り返るとそこには希が立っていた。

 

「……決まってるでしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから……にこ達にも次のオープンキャンパスの結果が悪かったら廃校が確実に決定してしまうことを伝えると……。

 

それじゃ来年から自分達に後輩ができないのかと花陽や凛はショックを受けるのだが……真姫に至っては髪の毛をクルクルしながら「私はそっちの方が気楽だけど」と特に気にしている様子は無い。

 

(ホンット、この娘こういうとこブレないな)

「兎に角! オープンキャンパスでライブをやろう!! それで入学希望者を少しでも増やすしかないよ!!」

 

確かに、現状彼女達に廃校を阻止するための手段は今はもう次のオープンキャンパスでライブをやることしかない、そのため一同は何時も以上に気合いを入れ、屋上で練習を励むことに。

 

また一方で生徒会室でも廃校を阻止するために生徒会のメンバーが集められており、廃校を阻止するための意見として生徒会の1人は「入学希望者を増やすならこの学校の楽しいことをいっぱい紹介しませんか?」ということで1人1人がその「楽しい」ことの意見を出していく。

 

「例えばここの制服って可愛いって言ってくれる人多いんですよ!」

「それ良い! そういうのアピールしていきましょうよ!」

 

するとそんな意見に便乗するように別の生徒会の1人が「スクールアイドルとかも人気あるよね!」「あの娘達に頼んでライブやって貰おう!」という意見も出始めたのだが……当然、それを絵里が許すはずも無く。

 

「……他には!?」

『……他には……?』

 

そうしてやってきたのはアルパカ小屋であり、絵里は「これ……ですか?」と生徒会の1人に尋ねるとなんでも他校の生徒にも意外と人気があるらしく、これならどうかと提案したのだが……。

 

「ちょっと……これでは……」

「グルルルル!!」

 

するとそんな絵里の言葉にまるで怒ったように黒アルパカがうなり声をあげ、彼女に唾を吐きかけたのだった。

 

「わあああ!!? 生徒会長!!?」

 

それを見て生徒会のメンバーは慌てて絵里にかかった唾をハンカチで拭き取ろうとし、そこへ丁度アルパカの世話をするために一旦練習から抜けてきた花陽と凛が訪れ、凛と花陽の2人は何事かと思い互いに顔を見合わせて首を傾げた。

 

「っ! あなた達……!」

「あっ! スクールアイドルの!!」

 

すると生徒会の1人が花陽と凛に今度オープンキャンパスがあるからライブをして欲しいと頼み込もうとするのだが……それに絵里は「待ちなさい!!」と引き止められる。

 

「まだ何も決まってないでしょ!?」

「あっ……はい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃……ノストラ達の乗る宇宙船では……。

 

ラグナが1人、人気のない場所で立ちながら今まで集めてきた魔王獸……「マガタノゾーア」「マガゼットン」「マガバッサー」「マガグランドキング」「マガジャッパ」「マガパンドン」のカードを取り出して見つめており……彼は小さく「残るは後1枚……」と呟く。

 

するとラグナに向かって何者かが1枚のカードを投げつけ、ラグナはそのカードを掴み取って後ろを振り返るとそこにはカードを投げたと思われるノストラが立っていたのだった。

 

『君から頼まれていたカードだ。 ウルトラマンオーブを倒す作戦の準備はほぼ完了したのだろう?』

「えぇ、勿論……」

『……君は私に言ったな? 私のやり方は古いと……。 そこまで言うならば余程自信があるのだろう? ならば君自身の手でウルトラマンオーブを葬り去れるのだろうな?』

 

ノストラの言葉にラグナはニヤリと笑みを浮かべて「勿論ですとも」と答える。

 

『では次の作戦は君に任せよう。 オーブを倒し、奴の持つ全てのウルトラマンのカードを奪い取るのだ』

「仰せの通りに……。 しかし、報酬は頂きますよ?」

 

そんなラグナの言葉にノストラは「分かっている」と答え、懐から1枚の黒いウルトラマンが描かれたカード……「ウルトラマンベリアル」のカードを取り出し見せる。

 

「君が欲しているのはこれだろ?」

 

ノストラがラグナに問いかけ、そのカードを見たラグナは「フフ、クハハハハ!!」と笑い出し、その後に何時ものように「ゲホォ!! ゴホォ!!」と笑いすぎて咳き込む。

 

『このカードを使って何をする気かは知りはしないし興味はないが……オーブを倒し、全てのウルトラマンのカードを手に入れることに成功すればこのカードは君に渡そう。 それ相応の報酬というやつだ』

「報酬は高ければ高いほど燃えるというもの。 約束は守って貰いますよ? 言質も取りました」

『無論だ、惑星侵略連合首領の名にかけて……』

 

それを聞いてラグナは「言質、しっかりと取りましたからね?」と改めてボイスレコーダーを取り出してノストラに見せ、それを見たノストラは「抜かりのない奴だ」と微笑する。

 

その後、ラグナはその場から立ち去るのだが……。

 

しばらくしてノストラがラグナにある怪獣カードを渡したという話を聞き、あのカードは自分達が必死に手に入れたカードにも関わらずそれを未だに信用ならないラグナに渡したことに激怒したナグスとレクターが抗議しにノストラの元へと訪れたのだが……。

 

激怒する2人を宥めるようにノストラは「落ち着け」と声をかけ、レクターとナグスは言われた通り黙り込む。

 

『君たちが怒る気持ちは分かる。 だがあのカードを奴に渡したのは私にも考えがあるから……。 君たちにはやって欲しいことがある。 上手く行けば邪魔者を纏めて消せるだろう』

『ほほう? それで? 私達は何をすれば良いのですか、ドン・ノストラ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は音ノ木坂の屋上となり、そこでは穂乃果達がオープンキャンパスに向けてライブの練習を行っており、みんな特に失敗することもなくそれなりに上手く出来ていたと思われたのだが……。

 

「……まだです……。 まだタイミングがズレています」

「海未ちゃん……。 分かった! もう1回やろう!!」

 

海未の言葉を受けて穂乃果達はもう1度ダンスの練習を行い、一旦終わると穂乃果達自身は納得できるくらいに上手くできたと思ったのだが……。

 

それでも海未は「まだダメです。 それでは全然……」と彼女自身は未だに納得出来ていなかったのだ。

 

「……海未……。 もしかして生徒会長のあの動画を見たからか?」

 

紅葉が小声で海未にそう尋ねると彼女はどこか暗い表情で「はい」と頷き、そこで理由が分からない真姫は「何が気に入らないのよ!? ハッキリ言って!!」と詰め寄る。

 

「……感動できないんです……。 今のままでは……」

『……』

 

感動できない、というのは一体どういう意味なのかは分からないが……あともう少しで学校が閉まってしまうので今日はこれで終了ということになり、続きはLINEの電話機能でということになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

それから今日は練習は終わりになり、海未は他にも色々と穂乃果達に色々と相談したいことがあるということで彼女とことりは紅葉と穂乃果の家に行くこととなった。

 

穂乃果の部屋に4人が集まると一同はLINEの電話機能を使い、μ's全員に電話をかけ、穂乃果からみんなに海未が絵里にダンスを習いたいと思っていることをみんなに伝えたのだ。

 

当然、それを聞いたにこ達は驚きの声をあげる。

 

「あの人のバレエを見て思ったんです。 私達はまだまだだって」

「でも、生徒会長……私達のこと……」

「嫌ってるよねー、絶対!」

 

やはりというべきか、花陽や凛はあまり絵里にダンスを習うことにノリ気ではなく、にこは「つうか嫉妬してるのよ嫉妬!!」と言い放ち、海未も「私も最初は思っていました……」と呟く。

 

しかし絵里のあのバレエでのダンスを見せられては彼女が自分達を素人みたいなものだというのも納得でき、そう語る海未にことりも「そんなに凄いんだ……」と感心するが……真姫は潰されかねないという理由で絵里にダンスに習うことは反対だった。

 

「安心しな、真姫ちゃん。 もし本当に潰そうとしても俺が絶対に潰させないから!」

「その自信はどこから来るんですか紅葉先輩は?」

 

しかし、それでも「3年は私がいれば十分だし」と言うにこや「生徒会長、ちょっと怖い……」と絵里に苦手意識を持つ花陽、凛も「凛は楽しいのが良いなー!」と言ってやはり殆どのメンバーが絵里にダンスを習うのに抵抗があるようだった。

 

「私は良いと思うけどなぁー」

 

だが逆に穂乃果はむしろ絵里にダンスを習うことには賛成であり、それにはにこは「何言ってんのよ!?」と怒鳴るが……。

 

「だってダンスが上手い人が近くにいてもっと上手くやりたいから教わりたいって話でしょ?」

「そうですが……」

「だったら、私は賛成!! 頼むだけ頼んでみようよ!!」

 

そこで「ちょっと待ちなさいよ!!」とにこに止められるが……。

 

「でもぉ、絵里先輩のダンスも……ちょっと見てみたいかも?」

「あっ、それは私も!!」

 

とそこでことりと花陽が絵里のダンスを見てみたいと言いだし、それを聞いて穂乃果は立ち上がって「それじゃ早速明日聞いてみよう!!」ということになったのだった。

 

(しっかし、絵里先輩のこと怖いって言ってる花陽ちゃんが自販機に頭突っ込んだり、恐怖のあまりドラ〇もんの歌を歌い出したりする絵里先輩見たらどう思うんだろうな……)

 

尚、そんなことを考えていた紅葉はマガジャッパの事件の時の絵里を思い出し、口元を押さえて必死に笑いを堪えるのだった。

 

(今思い返すと……意外と愉快な人かもな、絵里先輩って……。 それになんやかんやで穂乃果達を目の敵にしてるのは、もしかしたらそれだけ興味があるってことの裏返しなのかもしれないな……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃……絵里の自宅では……。

 

オープンキャンパスに向けて音ノ木坂学院のことを紹介する説明文を作成した絵里はその感想を聞こうと説明文を読んで亜里砂と彼女の友人でもある雪穂とクラスメイト1人に聞かせていたのだが……。

 

雪穂は眠ってしまっており、亜里砂とクラスメイトの1人はあんまり面白く無さそうな……むしろつまらなさそうな顔を浮かべていた。

 

「このように音ノ木坂学院の歴史は古く、この地域の発展にずっと関わってきました。 さらに、当時の学院は音楽学校という側面も持っており、学院内はアーティストを目指す生徒に溢れ、非常にクリエイティブな雰囲気に包まれていたと言います。 そんな音ノ木坂ならではの……」

「わぁ!! 体重増えた!!?」

 

とそこで雪穂が目を覚まし、自分が完全に眠ってしまっていたことに気づいた雪穂は顔を赤くして「あっ、すいません……」と頭を下げて謝るのだった。

 

「ごめんね? 退屈だった?」

「いえ!? 凄く面白かったです!! 後半凄く引き込まれました!!」

 

そう言って慌てて誤魔化すように言う雪穂だが……隣に座っていたクラスメイトの1人は「お前序盤から寝てただろ」とでも言うような視線を向けていた。

 

「オープンキャンパス当日までには直すから遠慮無くなんでも言って?」

 

するとそこで亜里砂が立ち上がり、亜里砂は「私はあんまり面白くなかったな」とハッキリと言い放ち、それに雪穂は「ちょっと!?」と慌てるが亜里砂は構わず言葉を続ける。

 

「なんでお姉ちゃん、こんな話しているの?」

「学校を廃校にしたくないからよ……?」

「私も音ノ木坂は無くなって欲しくないけど……。 でも……これがお姉ちゃんのやりたいこと?」

 

亜里砂にそう問いかけられ、その言葉を受けて絵里は目を見開き……彼女は亜里砂になぜか何も言い返すことができなかった。

 

「っ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その翌日、生徒会室にて昨日の出来事を絵里は希に話し、「嫌でしょ? 自分の学校が廃校になったら!」と尋ねていた。

 

「確かにそうかもしれんけど……廃校をなんとか阻止しなちゃって無理しすぎてるんやない?」

「そんな……無理だなんて……」

 

そんな絵里を見て希は「えりちは頑固やね」と苦笑してしまう。

 

「私はただ……学校を存続させたいだけ」

 

するとその時、生徒会室の扉を誰かがノックし、入って来たのは絵里にダンスを習おうと頼み込んできた紅葉、穂乃果、海未、ことりの4人だった。

 

「私にダンスを?」

「はい! 教えていただけないでしょうか!? 私達、上手くなりたいんです!!」

 

絵里は一瞬、海未と視線を合わせ……少しだけ考え込んだ後、「分かったわ」と彼女は穂乃果達の頼みを聞き、それに穂乃果は「ホントですか!?」と嬉しそうにする。

 

「あなた達の活動は理解できないけど……人気があるのは間違いないようだし、引き受けましょう。 でも! やるからには私が許せる水準まで頑張って貰うわよ!! 良い!?」

 

絵里のその言葉に穂乃果は力強く「はい!!」と答え、その様子を見ていた希はクスリと笑みを浮かべ「星が動き出したみたいや……」と小さく呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして屋上にて……一同は絵里に指導を受けることになったのだが……その途中で凛が転んでしまい、それを見て絵里は「全然ダメじゃない!! よくこれでここまで来れたわね!!」と厳しく言い放つ。

 

「昨日はバッチリだったのにぃ~!」

「昨日出来たから……なんて言い訳、本番じゃ効かないぞ凛ちゃん?」

 

凛の言葉に紅葉がそう言うとそれに絵里も「そうよ!!」と彼の意見に同意し、絵里が言うには凛は基礎が出来ていないからムラが出るとのことで絵里は凛に足を広げるように指示し、凛は言われた通り「こう?」足を広げ、絵里は凛の背中を押して足を開かせたまま前に身体を倒そうとする。

 

「うぎぃ!? 痛いにゃ~!?」

「これで? 少なくとも足を開いた状態でお腹が床につくようにならないと!」

 

それを聞いて凛は涙目で「えぇ!?」と驚きの声をあげる。

 

「っていうか凛ちゃん、運動神経良いのに身体意外と堅いんだな……」

「柔軟性をあげることは全てに繋がるわ! 先ずはこれを全員出来るようにして! このままだと本番は一か八かの勝負になるわよ!!」

 

そんな風に厳しめに指示をする絵里に対し、にこは「嫌な予感的中……」と呟く。

 

「いや、逆に的確な指示でしょ? 会長の言ってることって正論ですよ、にこ先輩」

「それは分かってるんだけど……ねぇ?」

 

それからその後は全員の柔軟性をチェックし、その中でも足を開いた状態でお腹が地面についたのはことりくらいであり、穂乃果達はそれに感心するが……。

 

「感心してる場合じゃないわよ? みんなできるの!? ダンスで人を魅了するんでしょ!? このくらい出来て当たり前!!」

 

その後も片足で立ってそれを10分間耐えるというものをやったり、筋肉トレーニングを改めて行ったり、その後にまた片足で立つ練習を行ったりとしていたのだが……。

 

その際、花陽が耐えきれずに転んでしまい、それを見て凛は慌てて「かよちん大丈夫!?」と彼女の元へと駆け寄る。

 

「だ、大丈夫……!」

 

花陽は笑顔で平気だと凛に答え、その様子を見ていた絵里は「もう良いわ、今日はここまで」と少し冷たく言い放ち、そこでそんな言い方をする彼女にこと真姫が「そんな言い方ないんじゃない!?」と言うのだが……。

 

「私は冷静に判断しただけよ。 自分達の実力が少しは分かったでしょ? 今度のオープンキャンパスには学校の存続がかかっているの! もし出来ないって言うのなら早めに言って? 時間が勿体ないから」

 

絵里はそれだけの言い残してその場から立ち去ろうとするのだが……そこで穂乃果が「待ってください!!」と彼女を呼び止めると穂乃果達は一列に並び……絵里はそれを不思議そうに見つめる。

 

「……ありがとうございました!! 明日もよろしくお願いします!!」

『お願いします!!』

 

そんな穂乃果達の言葉に絵里は「えっ!?」と一瞬キョトンっとした顔を浮かべるが、彼女はすぐに冷ややかな視線を送った後、その場を立ち去るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ただいま~!」」

 

それから練習を終え、穂むらに帰ってきた紅葉と穂乃果が家の扉を開けるとそこには椅子に座ってほむまんを頬張っているラグナの姿があり、彼の姿を見るや否や紅葉と穂乃果は驚きの表情を浮かべ、紅葉は穂乃果を後ろの方へと下がらせる。

 

「お前……! ここで何してる!?」

「オイオイ、俺はここに饅頭を食いに来ただけだぜ……? そちらの可愛らしいお嬢さんはお久しぶりですね? それにしても紅葉、お客様にその言い方はないんじゃないのかなぁ~? それに旧友だろう? 俺達は……?」

 

ニヤついた笑みでラグナは紅葉にそう言うのだが……「お前とはもう腐れ縁でしかないだろ」と言葉を返されてしまい、それにラグナは思わず笑い出す。

 

その際、ラグナは饅頭を頬張りながら笑い出したものなので饅頭が喉に詰まってしまい、「ゴホゴホ!!」と咳き込み、それを見て心配した紅葉達の母が慌てて彼にお茶を差し出す。

 

「紅葉、お客様にその態度は失礼でしょ! それにこの人、紅葉のお友達なんでしょ?」

「だから友達じゃないって……。 まぁいい、話があるんなら外で話せ。 用があるのは俺だろ?」

「フヒヒ、じゃあそうするとしますか。 あっ、おばさん美味しかったです、ご馳走様でした」

 

饅頭の感想を母に伝えてお代を置いた後、紅葉に言われた通りラグナは紅葉を連れて外へと出て行くことになったのだが……出て行こうとする紅葉を穂乃果は心配そうにこちらを見つめており、「その人と2人なんて危ないよ!」と言われたが……紅葉はそんな風に自分を心配する彼女の頭を「大丈夫」と笑みを浮かべながら撫でる。

 

「すぐに戻る、だから心配するな」

「……うん……」

 

それに戸惑いつつも穂乃果は頷き、それから紅葉とラグナの2人はなるべく人通りの少ない場所へと移動してそこで話をすることになった。

 

「空は……夜明け前が1番美しい……。 暁の空……、それは新たな世界の幕開けを予感させる……」

 

そんなラグナの言葉に紅葉は「はっ?」と首を傾げ、ラグナの言っていることはイマイチ理解できなかった。

 

「お前……なに訳の分からないこと言ってるんだ?」

「オイオイ、少しは格好つけさせろよ……。 まぁ、良いさ。 紅葉、明日学校の授業が終わったらすぐに俺のところに来い。 お前の命を頂く時が来た。 面白いものも用意してあるから明日を頼みにしてな……。 フフフ……フハハハハ!! クァーッハッハッゴホゴホォ!!」

 

ラグナはそれだけを言い残して黒い煙となって姿を消し、紅葉は「明日……かっ……」と呟いた後、再び穂むらへと戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絢瀬家のその夜……亜里砂が自分の部屋でμ'sの曲を聴いていると部屋に絵里が入って来て彼女は亜里砂にイヤホンを貸して欲しいと頼んでイヤホンを耳に当て、亜里砂と一緒にμ'sの曲を聴く。

 

「私ね、μ'sのライブを見てると胸がカーッとなって熱くなるの! 一生懸命で……名一杯楽しそうで!」

「……全然なってないわ」

 

しかし亜里砂の言葉に絵里はそう言い放ち、亜里砂もそれは分かっていると伝える、だが……。

 

「お姉ちゃんに比べればそうだけど、でも! 凄く元気が貰えるんだ!」

 

亜里砂は嬉しそうに……どこか楽しげな様子で絵里にそう語り、絵里はそんな亜里砂の言葉に何も言い返さず、ただどこか険しい表情を浮かべていた。

 

その翌日、練習場所の屋上には既に穂乃果と海未、ことり、紅葉が揃っており、絵里も屋上の出入り口前の扉の前まで来ていたのだが……外に出ようとはせず彼女は姿を隠すようにただ立っているだけだった。

 

するとそこへ「覗き見ですか?」と練習にやってきた真姫に声をかけられ、絵里はそれに一瞬驚き慌てて「いえ……!」と否定するのだが……。

 

そこに続けて凛とにこ、花陽も現れ、凛は絵里の姿を見るや否や彼女の背中を押して強引外に出す。

 

「にゃんにゃんにゃーん♪」

「ちょ、ちょっと!?」

 

そして外に連れ出された絵里の姿を見て穂乃果達は彼女に挨拶し、「先ずは柔軟ですよね!?」とやる気に満ちた顔で穂乃果に尋ねられ、それに戸惑いながらも絵里は「え、えぇ」と答える。

 

しかし、やる気に満ち溢れている穂乃果や他のメンバーの顔を見て絵里はあんにキツいことをやって辛くないのかと疑問に思い、「辛くないの?」と穂乃果に問いかける。

 

「昨日あんなにやって今日また同じことをするのよ? 第一上手くなるかどうかも分からないのに」

「やりたいからです!!」

 

絵里の問いかけに穂乃果はハッキリとそう言い放ち、それを聞いて絵里は一瞬驚いたような表情を浮かべる。

 

「っ……!」

「確かに……練習は凄くキツいです! 身体中痛いです!! でも、廃校をなんとかしたいという気持ちは生徒会長にも負けません! だから今日も……よろしくお願いします!」

 

穂乃果に続くように他のみんなも「よろしくお願いします!!」と言い放ち、それに紅葉は絵里の肩をポンっと軽く叩く。

 

「ねっ? こういう奴等なんですよ。 練習がどんなにキツくても辛くても『やりたいから』……だから頑張れるんです。 可能性のかたまりなんですよ」

「っ……!」

 

それを聞いて絵里はどこか不機嫌そうな表情を浮かべた後、彼女は何も言わずにその場から穂乃果の「生徒会長!」と呼ぶ声も無視して立ち去ってしまい、そんな絵里を見て紅葉は「俺なんか悪いこと言っちゃったかな?」と苦笑する。

 

「ううん、そんなことないと思うけど……」

「まぁ、後のことは頼むよ。 俺はこの後、大事な用があるんでな」

「えっ? お兄ちゃんどこか行くの?」

 

紅葉の言葉に穂乃果が首を傾げながら問いかけると紅葉は「どうしても外せない用があるんだ」とだけ答え、「んじゃ、後はよろしく~」と手をヒラヒラ振りながらその場を去って行くのだった。

 

「あいつマネージャーの癖に……先に帰るってどういうことよ」

 

その様子を見ていたにこはと小さく悪態をつくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方……雑草が生えた人気のないとある場所、そこでラグナは紅葉が来るのをただジッと待っていた。

 

「あっ、クソ……また死んだ! あっ! また……くたばりやがった……。 クソ!! また……!! やってられっかこんなもん!!」

 

マ〇オのゲームをやりながら、そしてあまりにもド下手くそ過ぎてゲーム機を地面に叩きつけて八つ当たりしていた。

 

するとどこからか心地の良いハーモニカのメロディーが鳴り響き、それを聞くとラグナは苦痛に満ちた表情を浮かべ、頭を押さえながら後ろを振り返ると紅葉がオーブニカを吹きながら現れ……紅葉はオーブニカをしまい込む。

 

「全く、お前のメロディーは本当に酷いな。 今朝頭痛薬飲んできたのにその曲を聴いてまた頭が痛みやがった」

「……そいつは悪かったな」

 

紅葉とラグナ、2人は互いを睨むように見つめ合いながらしばらく沈黙していると……。

 

不意にラグナは不気味な笑みを浮かべて拳を構えて目にも止まらぬ速さで紅葉に向かって行き、それと同時に紅葉も拳を握りしめてラグナと同じように目にも止まらない速さで動き、互いの拳が激しくぶつかり合うとその衝撃で強い突風が起こる。

 

「お前との腐れ縁も……今日で終わりだ!! 今日こそ、お前とケリをつけてやる!!」

「それはこっちの台詞だ」

 

紅葉は膝蹴りをラグナへと繰り出すがラグナはバク転してそれを回避し、そこから2人は瞬間移動しながら激闘を繰り広げる。

 

『ラグナ、高坂 紅葉……。 君たちの因縁は耳にしている。 遙か昔に君たち2人は銀河の果てで雌雄を決したそうだな。 高坂 紅葉は光に選ばれ……。 そしてラグナ、君は闇に選ばれた。 今こそ教えてやりたまえ。 君が選んだ闇の力の方が光よりはるかに偉大であることを!!』

 

宇宙船から2人の戦いの様子をモニターで見ていたノストラはそう強く言い放ち、一方でラグナと紅葉との激闘は続いており、その際に紅葉はオーブニカを落としてしまい、彼はそれに気を取られて隙が出来てしまい……そこにラグナの蹴りが叩き込まれる。

 

蹴り飛ばされた紅葉はフラつきながらもオーブニカを回収し、それを見て苛立ったラグナは「お前それでも本気か!? 戦いに集中しろ!!」と怒鳴り上げる。

 

「はぁ……。 お前は人間を傷つけることを恐れてる……。 何をそんなに恐れてる? たかが娘1人救えなかった程度で……」

「……っ」

 

ラグナのその言葉を聞き、紅葉は遙か昔に自分とマガゼットンとの戦いに巻き込まれた1人の少女のことを思い出し……彼は悲しげな顔を浮かべた。

 

「そして今は楽しく学生生活、しかもアイドルの真似事をする奴等のマネージャーか?」

 

それを聞いた瞬間、紅葉はキッとラグナを睨み付けて素早くラグナに接近すると彼の顔を殴ろうと拳を振るうがラグナはそれを片手で受け止める。

 

「あいつ等がやってんのは……! アイドルの真似事じゃない!! スクールアイドルだ!!」

「おぉ、怖い怖い。 だがな、あの小娘共とお前は本来何の関係もない奴等なんだ。 お前が可愛がってるあの妹すら、本来お前とは何の関係もない。 血の繋がりが無いんだからな!!」

「……」

 

ラグナは「はぁ」と深い溜め息をつく。

 

「全く、あの『怪獣人 プレッシャー』とかいうやつのせいでこんなことになっちまって……」

 

「怪獣人 プレッシャー」……神出鬼没で宇宙の魔法使いと呼ばれている宇宙人。

 

そのプレッシャーと紅葉、この2人はどういう関係があるのか……。

 

それはかつて任務で紅葉は宇宙のあちこちで悪さを繰り返すプレッシャーを追っていたのだが、一瞬の隙を突かれて紅葉はプレッシャーの魔法によって今までの記憶を失い、赤ん坊に変えられてしまったことがあった。

 

そのせいか一時はオーブリングまで消失してしまった。

 

その後、プレッシャーはそのまま赤ん坊となってしまった紅葉を放置し、それを拾ったのが高坂家のあの夫婦であり、今の母の計らいによって養子となったのだ。

 

だが、紅葉が中学を卒業する頃に記憶が蘇り、記憶を取り戻した為かオーブリングも再び自分の元へと戻り、今現在このような形になっているのだという。

 

ちなみに先ほど語られたプレッシャーは紅葉が記憶を取り戻した際に未だに悪さをしていたそうなのですぐに退治したとか。

 

「それでもまだあんな奴等のマネージャーなんてものをやって付き合って……どうしてそこまで人間に執着するかね?」

 

ラグナはやれやれといった様子で紅葉に呆れた視線をぶつける。

 

「たかが人間如きに惑わされるから、本当の力を失っちまうんだ。 え?」

 

ラグナはそんな紅葉に挑発するように言葉を続ける。

 

「有り難いウルトラマンさんの力を借りなきゃ戦うこともできない。 所詮そんなお前が……闇の力に刃向かおうなんざ愚かにも程があるんだよ!!」

 

ラグナはそう言い放ちながら殴りかかるが紅葉はそれを受け流し、カウンターでラグナの腹部に拳を叩き込んで後退させる。

 

「言いたいことはそれだけか? お前が何を企もうと……俺は人間を守り抜いて見せる!!」

 

紅葉の言葉を受け、ラグナは「おぉ、これまた怖い怖い」とこれまた相手をバカにしたような態度で紅葉の言葉を笑い飛ばす。

 

「どんなに魔王獣を復活させようと6体全て倒した今、お前の本当の目的……『マガオロチ』の復活は不可能だ!!」

 

ラグナの目的……それは「闇ノ魔王獸 マガタノゾーア」「光ノ魔王獸 マガゼットン」「風ノ魔王獸 マガバッサー」「土ノ魔王獸 マガグランドキング」「水ノ魔王獸 マガジャッパ」「火ノ魔王獸 マガパンドン」6体全ての魔王獣の封印を解くことで復活するという魔王獣の頂点に立つ存在。

 

「大魔王獸 マガオロチ」を蘇らせること……なのだが、しかし、6体の魔王獸がいなければマガオロチの封印を解くことは出来ないため、全て倒された今ラグナの目論みは潰えていた。

 

それにも関わらずラグナは余裕の笑みを浮かべていた。

 

「別に……マガオロチを復活させるまでの過程でお前が倒されても俺は構わなかったんだ。 例えマガオロチが復活できなくても、俺のやることは大して変わりはしない」

「……お前は……俺が倒す!!」

「やってみろ……」

 

紅葉はオーブリングを、ラグナはダークリングを互いに向けるように構え、ラグナと紅葉は同時に腰のカードホルダーからそれぞれカードを取り出し、最初にラグナがダークリングにカードをリードさせる。

 

『ガゼラ!』

 

するとダークリングの力によりカードから「工作怪獣 ガゼラ」が出現し、それとほぼ同時に紅葉も「ウルトラマンジャック」のカードを1枚リードさせる。

 

「ジャックさん!!」

『ウルトラマンジャック!』

 

続けて紅葉は「ウルトラマンゼロ」のカードを取り出し、それをオーブリングにリードさせる。

 

「ゼロさん!!」

『ウルトラマンゼロ!』

 

そして紅葉はオーブリングを掲げる。

 

「キレの良いやつ、頼みます!」

『フュージョンアップ! ウルトラマンオーブ ハリケーンスラッシュ!』

 

オーブリングの左右が展開され、そこから光が溢れ出し紅葉は「ウルトラマンオーブ ハリケーンスラッシュ」へと変身を完了させ、ガゼラと対峙する。

 

『光を超えて、闇を斬る!!』

 

戦闘BGM「ハリケーンスラッシュのテーマ」

 

オーブは素早くガゼラに接近し、すぐさまガゼラの弱点でもある胸部につけられた「増幅器」を攻撃しようと風を纏わせた蹴りを繰り出そうとするのだがガゼラはオーブの蹴りを左腕で受け流し、その巨大な右拳でオーブを殴りつける。

 

『シュア!?』

「キシャアアアア!!!!」

 

そのままオーブに口から火炎「モンスターファイヤー」を放って攻撃し……オーブはこれをバク転して回避するのだが、ガゼラは攻撃を一度中断すると高くジャンプしてオーブの背後に回り込み、振り返って再び火炎を吐いてオーブの背中に直撃させ、それにオーブは膝を突いてしまう。

 

そのままガゼラは後ろから膝を突くオーブを強く蹴り飛ばし、オーブは地面を転がるがなんとか立ち上がって頭部のスラッガーから放つ刃「オーブスラッガーショット」を自在に操り、ガゼラの胸部を狙って放つのだが……。

 

『オーブスラッガーショット!!』

 

ラグナはさらにそこで新たなカードを取り出してダークリングにリードさせ、ダークリングをガゼラに向けるとダークリングから紫色のエネルギーが放たれ、それがガゼラに直撃するとガゼラが一瞬紫に輝く。

 

「グアアアア!!!!」

 

そしてオーブスラッガーショットはガゼラの弱点でもある胸部の増幅装置に見事に直撃したのだが……直撃したにも関わらず増幅器は外れも壊れもせず全くの無傷でそのことにオーブは驚く様子を見せる。

 

さらに攻撃を受けたことによりガゼラの「攻撃を受けるほどそのエネルギーを吸収してパワーアップ」する能力が発動してしまい、ガゼラはより一層強力となったパンチをオーブに叩き込み、オーブは身体から火花を散らして吹き飛ばされる。

 

『ウグアアア!!!?』

 

吹き飛ばされ、地面に倒れるオーブを見てラグナは愉快そうに笑う。

 

「フハハ♪ 甘いな、お前のことだ。 ガゼラの弱点を狙って来ることは分かってた。 それに俺がなんの対策もしていなかったと思うか?」

『どういうことだ……!?』

「今使ったカード……それはあの金髪の女から奪った『マイナスエネルギー』のカードだ」

 

ラグナのその「金髪の女」という言葉と、ラグナの口ぶりから自分もラグナも知っている人物ということですぐにオーブは彼が絵里のことを言っているのだと理解した。

 

『彼女になにをした!?』

「別に、ただ俺はあの女の持ってるマイナスエネルギーを頂戴しただけさ」

『生徒会長がマイナスエネルギーを……? まさか、この前現れたあの怪獣は……』

「そう、あの女が生み出した」

 

それを聞いてオーブは「どうして……」と思ったが考えて見れば絵里は学校を想う気持ちは穂乃果達にだって負けておらず、学校のことを大切にしている。

 

だが突然の「廃校の知らせ」で大切な学校が無くなってしまうことを知った彼女は穂乃果と同じように、もしかしたら顔に出さないだけでそれ以上にショックだったのかもしれない。

 

「それだけじゃない、あいつは自分の気持ちに嘘をついてる。 それもマイナスエネルギーとなった原因の1つだ」

『自分の気持ちに、嘘を……』

 

そして穂乃果達が順調に結果を出していく中、自分は学校のために何かしたいのに中々それができないというもどかしさ……そしてなにより……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、屋上から出ていった絵里は今はただ黙ってどこか浮かない顔で亜里砂や穂乃果が言っていた言葉を思い出しながら歩いていた。

 

『これがお姉ちゃんのやりたいこと?』

『やりたいからです!!』

『私ね、μ'sのライブ見てると胸がカーって熱くなるの! 一生懸命で、めいいっぱい楽しそうで!』

 

そこで絵里が足を止めて下を向いていると後ろから不意に希から声をかけられ、彼女は慌てて希の方へと振り返る。

 

「ウチな、えりちと友達になって生徒会やってきてずーっと思ってたことがあるんや。 えりちは本当は何がしたいんやろうって」

「えっ?」

「一緒にいると、分かるんよ? えりちが頑張るのは何時も誰かの為ばっかりで……。 だから、何時も何かを我慢しているようで全然自分のことは考えなくて!!」

 

希にそう言われ続け、途中で彼女は強く言葉を発し、それを聞いて絵里は唇を噛み締めてそこから逃げ出すように立ち去ろうとするが……。

 

「学校を存続させようって言うのも生徒会長としての義務感やろ!! だから理事長はえりちのことを認めなかったんと違う!? えりちは……えりちの本当にやりたいことは!?」

 

希のその言葉に絵里は何も言い返すことができず、すると外からダンスの練習をする穂乃果達の声が聞こえ、絵里はそれを聞くと希に怒鳴るように言い放つ。

 

「何よ……。 なんとかしなくちゃいけないんだからしょうがないじゃない!! 私だって好きなことだけやってそれだけでなんとかなるんだったらそうしたいわよ!!」

 

そう強く叫ぶ絵里はその瞳から涙を流し、彼女は悲しそうに……絞り出すように声をあげる。

 

「私が不器用なのは分かってる! でも、今更アイドルを始めようだなんて私が言えると思う?」

「えりち!」

 

それだけを言い放つと絵里は走ってその場を去って行き……希と十分距離を離したところで人気のない場所で突如、彼女はフラついて膝を突き、胸を苦しそうに押さえ込み始めたのだ。

 

「うぐ……くっ!?」

 

しかし、すぐに胸の苦しみは無くなり……絵里は不思議に思いつつも立ち上がってそのままどこかへと立ち去って行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り、オーブとガゼラが戦う場所では……。

 

『そうか、薄々感じていたが……やりたいことをやれない、自分の気持ちに嘘をつく悲しみ……それが会長のマイナスエネルギーになったのか。 会長は……もしかしたら本当は穂乃果達と一緒に……』

「その通り。 だがそれだけじゃない!! あの女のマイナスエネルギーはあの女の命とリンクしている! つまり、ガゼラは本来の能力で攻撃すればするほどパワーアップするだけじゃなく、あの女の身体にもダメージを通るようにしてある!! 例えガゼラを倒す事が出来たとしてもその時はあの女の命もなぁい!!」

 

それを聞いたオーブは「なに!?」と驚き動揺する様子を見せ、その隙を突かれてガゼラはオーブを殴り飛ばし、吹き飛ばされたオーブはうつ伏せに倒れ込む。

 

『ラグナ……!! お前……なんて卑怯な手を!!』

「所詮人間なんてその程度だ!! 弱くて弱くて仕方が無い! そんなちっぽけなものなんてさっさと手放せば良いものを……!」

 

オーブはどうにか立ち上がろうとするがそこにガゼラがオーブの腹部に蹴りを叩き込み、オーブを仰向けにするとガゼラそのまま足で何度もオーブを踏みつける。

 

「そこまでされてもまだ反撃しないか。 たかが人間1人すら犠牲にできないとは……お前にはとことん失望したよ。 一気に決めてしまえ!! ガゼ……うがぁ!!?」

 

ラグナはガゼラに指示して一気にオーブを倒そうとしたその時、突然、彼は背中を誰かが放った銃弾が直撃したのだ。

 

後ろを振り返るとそこにはレクターとナグスが立っており、ラグナは「貴様等ァ……!」強く睨み付ける。

 

『まさか俺の名を知らなかった訳じゃねえよなァ? 俺は暗殺宇宙人 ナックル星人のナグス様だぜ?』

『申し訳ありませんが……あなたには死んで貰います。 あぁ、心配しないでください。 あなたが用意してくれた特別仕様のガゼラを使ってちゃんとオーブも倒しますので?』

 

するとナグスは銃を構えてさらにもう1発銃弾をラグナの胸に向かって放ち、ラグナの胸を撃ち抜くと彼はガゼラを押しのけ、どうにか立ち上がったオーブの方へと振り返り、オーブもラグナの視線に気づき、互いに目が合うと……ラグナはオーブに向かってニヤリと笑みを浮かべる。

 

『っ……! ラグナ!!』

 

そしてラグナは両手を広げて倒れ込み、爆発したのだった。

 

『フハハハハ!! やりましたぜ!! ドン・ノストラ!!』

『ご苦労、後はウルトラマンオーブを倒し、奴から全てのウルトラマンのカードを奪い取れ!!』

 

ナグスとレクターはノストラの指示に従い、ナグスは1枚のカードを取り出してそれを空中へと投げ、銃で撃ち抜くとカードは紫色に輝き、黒い身体の怪獣……「用心棒怪獣 ブラックキング」へと実体化して出現し、それに合わせるようにナグスとレクターも巨大化する。

 

『っしゃあ!! オーブをリンチだリンチ!! 行け!! ブラックキングにガゼラ!!』

『リンチとはまさにザ・悪党って感じがして良いですねぇ!』

 

ガゼラとブラックキングはオーブに向かって駈け出し、左右からオーブの腕を掴み取るとオーブの動きを封じ、ナグスとレクターは動きを封じられたオーブに向かって殴る蹴るといった攻撃を次々に加え始める。

 

『グゥ……ウア!!? お前達、絶対に許しはしない!!』

『昔の仲間を殺されてお怒りですか? オーブ? すぐにあなたも彼の元へと送ってあげます!!』

 

レクターは右腕の盾から剣を出してオーブの身体をX字に斬りつけ、その後はガゼラとブラックキングはオーブを投げ飛ばすとそのままオーブに2体の怪獣は口から火炎を吐きだして攻撃する。

 

『グゥ!?』

 

カラータイマーも点滅するオーブ、しかしこのままやられてばかりではいられないため、なるべくガゼラへの攻撃自体は避けて他の3体を優先的に倒そうとオーブはオーブスラッガーランスを出現させる。

 

『オーブスラッガーランス!!』

 

オーブはジャンプして先ずはナグスから攻撃しようとオーブスラッガーランスを振りかざすのだが……そこを割り込むようにガゼラが入り込み、オーブはオーブスラッガーランスを振り下ろすのを直前で止めてしまった。

 

「グルアアアア!!!!」

 

そのままガゼラの巨大な拳にオーブは殴りつけられてしまう。

 

『ウオ!?』

『フッハッハッハ!! もう諦めなオーブ! お前に勝ち目はねえ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、場所は音ノ木坂の学校。

 

自分の教室に戻ってきた絵里は自分の席に座って窓を見つめて黄昏れていた。

 

すると不意にまたあの胸の痛みが突然訪れ、彼女は胸を押さえて苦しむが……すぐに痛みは治まり、絵里は「病院行った方がいいかしら?」と少し不安そうな表情を浮かべる。

 

だが今はなんだかまだ窓の外を見つめていたい気分で彼女は再び窓の外を希や亜里砂に言われたことを思い出しながら見つめ始める。

 

「私の、やりたいこと……。 そんなもの!」

 

するとその時のことである、突然……彼女に誰かが手を差し伸べてきたのだ。

 

そのことに絵里は驚きつつも手を差し伸べて来たのが誰なのかを確認するため、顔振り向かせるとそこには笑みを浮かべる穂乃果と彼女以外のμ'sのメンバー、そして希がいつの間にかその場に立っていたのだ。

 

「あなた達……」

「生徒会長!! いや、絵里先輩! お願いがあります!」

「練習? なら昨日言った課題を全部こなして……!」

 

絵里がそこまで言いかけた時、次の瞬間穂乃果の口から出た言葉は絵里に取っては意外なものだった。

 

「絵里先輩!! μ'sに入ってください!」

「……えっ?」

「一緒にμ'sで歌って欲しいです!! スクールアイドルとして!!」

 

満面の笑みを浮かべながら絵里をμ'sに誘う穂乃果に絵里は戸惑いつつも「なに言ってるの? 私がそんなことする訳ないでしょ!?」と拒否しようとするが……。

 

「さっき希先輩から聞きました!」

 

そう海未に言われ、絵里は「えっ?」と首を傾げる。

 

「やりたいなら素直に言いなさいよ?」

「にこ先輩には言われたくないけど?」

 

そんなにこと真姫の言葉を聞いて「ちょっと待って!」と声をあげる絵里。

 

「別にやりたいなんて……! 大体、私がアイドルなんておかしいでしょ?」

 

しかしそんな絵里に対し希は……。

 

「やってみれば良いやん? 特に理由なんか必要ない、やりたいからやってみる。 本当にやりたいことって……そんな感じで始まるんやない?」

 

絵里に笑みを向けながらそう語りかける希、そんな希に同意するようにほかのみんなも笑顔を絵里に向け、海未が絵里の両肩をそっと掴む。

 

そしてもう1度穂乃果は絵里に手を伸べ……絵里は唇を噛みしめながらも……戸惑いながらもその手を、掴み取ったのだった。

 

「……っ」

 

それは絵里のμ'sへの加入を意味しており、彼女が自分の手を取ってくれたことに穂乃果は嬉しそうに笑顔を見せる。

 

「絵里さん……!」

「これで8人!」

 

ことりがそう言ったその時のことである。

 

「いや、9人や。 ウチを入れて?」

 

希の突然のその言葉に穂乃果は少し驚く顔を見せる。

 

「占いで出てたんや、このグループは9人になった時未来が開けるって。 だからつけたん、9人の歌の女神……『μ's』って」

 

その希の言葉に全員が「えっ?」と驚きの声をあげ、つまりはμ'sの名づけ親……それは希であり、穂乃果は「じゃあμ'sってつけてくれたの希先輩だったんですか!?」と尋ねると、希はただ「ふふふ」と笑って答えるのだった。

 

「希……。 全く、呆れるわ」

 

そんな希に絵里は苦笑した後、彼女はどこかに行こうと歩きだす。

 

(病院に行くのは、もう少し後でも良いわね)

 

そしてどこかに歩き出そうとする絵里に海未が「どこへ!?」と尋ねると絵里は力強く答えた。

 

「決まってるでしょ? 練習よ!」

 

その言葉に穂乃果たちは嬉しくなり、みんなで一斉に「やったああああ!!!!」と声をあげるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして同じころ、ガゼラに与えられていた絵里のマイナスエネルギー突如として身体から抜け出すように消失し、突然のことにガゼラは戸惑いの色を見せる。

 

『お、オイオイ! なんだどうした!?』

『これは……ガゼラに与えられていたマイナスエネルギーが消失した!? いや、ですがこちらはまだ4対1! 勝算はあります!!』

 

またガゼラの身体の中から絵里のマイナスエネルギーが無くなったことに気づいたオーブは今こそ反撃のチャンスだと思い紅葉は新たなカード……赤き獅子の戦士「ウルトラマンレオ」をオーブリングにリードさせる。

 

『レオさん!!』

『ウルトラマンレオ!』

 

さらに紅葉は「ウルトラマンゼロ」のカードをオーブリングにリードさせる。

 

『ゼロさん!!』

『ウルトラマンゼロ!』

 

そしてオーブリングを天高く掲げる。

 

『師弟の力、お借りします!!』

『フュージョンアップ!』

 

紅葉を中心にウルトラマンレオとウルトラマンゼロの姿が重なり合い、オーブは2人の力を合わせた「ウルトラマンオーブ レオゼロナックル」へと変身を完了させる。

 

『ウルトラマンオーブ! レオゼロナックル!』

『宇宙拳法、ビッグバン!!』

 

ナグスは兎に角銃を構えて銃弾をオーブに向かって放つが、オーブは銃弾を拳を弾きながら一気に素早く接近して詰め寄ると高速で何発もの拳をナグスの腹部に叩き込み、最後に回し蹴りを喰らわせる。

 

『ぐあ!!?』

 

しかしそこにブラックキングが突進して来るがオーブは振り返りざまに両手に炎を宿しその手の手刀で相手を切り裂く「レオゼロビッグバン」をブラックキングに繰り出し、ブラックキングの角を破壊する。

 

『レオゼロビッグバン!!』

「グルゥ!! グギャアア!!!!』

 

ダメージを受けながらもブラックキングはどうにか反撃しようと口から火炎「ヘルマグマ」を吐き出すがオーブはバク転して回避しそのままガゼラに近づき、増幅器に拳を叩き込もうとするがガゼラはそれを右腕で受け止め、口から火炎を吐いてオーブに直撃させる。

 

『グゥ!!?』

「ギシャアアア!!!!」

 

そのままガゼラはオーブを蹴りつけ、右拳で殴りつけようとするがオーブはそれを掴んで受け止める。

 

しかしその隙を突いて背中をレクターに剣で斬りつけられ、オーブは膝を突いてしまうが……。

 

『ウグ……! ウオオオオオ!!!!!』

 

オーブは根性を出して立ち上がってガゼラの腕を押し退かすと胸部の増幅器を掴みあげ……それを無理矢理引き剥がしたのだ。

 

「グオ!!?」

『シュア!!』

 

そのままオーブは右ストレートをガゼラの顔面に繰り出し、素早く振り返るとブラックキングとナグスが銃弾と火炎を自分に向けて発射してきており、オーブはそれをジャンプして回避する。

 

そのままガゼラの背後に回り込み、ガゼラは慌てて振り返るが即座にオーブのアッパーカットを繰り出して殴り飛ばされ、額から放つ必殺光線……「ナックルクロスビーム」を発射。

 

『ナックルクロスビーム!!』

「ギジャアアアア!!!!?」

 

それの直撃を受けたガゼラは火花を上げ、倒れ込んで爆発したのだった。

 

『おのれぇ~!! ガゼラがいなくともぉ!!』

 

今度はレクターがオーブに向かって行くがオーブはジャンプして右足に炎を宿し、身体を回転させて相手にスピンキックを繰り出す「レオゼロスピンキック」をレクターへと放ち、レクターは急いで盾で防ごうとするがオーブのキックは盾ごとレクターの身体を貫き……レクターは火花を散らして爆発したのだった。

 

『ぐぅ、ぬああああああああ!!!!?』

『レクター!!』

 

さらにオーブの中にいる紅葉は「ウルトラマンタロウ」のカードをオーブリングにリードさせる。

 

『タロウさん!!』

『ウルトラマンタロウ!』

 

続いて紅葉は「ウルトラマンメビウス」のカードをオーブリングにリードさせる。

 

『メビウスさん!!』

『ウルトラマンメビウス!』

 

そして紅葉はオーブリングを掲げる。

 

『熱いやつ、頼みます!』

『フュージョンアップ!』

 

ウルトラマンタロウとウルトラマンメビウスの姿が紅葉を中心に重なり合い、オーブは2人の力を合わせた「ウルトラマンオーブ バーンマイト」へと変身を完了させる。

 

『ウルトラマンオーブ! バーンマイト!』

『紅に、燃えるぜ!!』

 

変身完了させるとほぼ同時に空中で何度もひねりや回転を加えてから繰り出す「スワローキック」をブラックキングに繰り出すがブラックキングは両腕を交差して攻撃を防ぎ、押し返す。

 

さらにブラックキングは口からヘルマグマを放つがその炎をオーブは片手で受け止め、炎を拳に宿して放つカウンターブロー「ストビュームカウンター」をブラックキングに炸裂させ、ブラックキングは大きく吹き飛ばされる。

 

オーブは倒れ込んだブラックキングに追撃しようとするがそうはさせまいとナグスが跳び蹴りをオーブに叩き込み、さらに立ち上がったブラックキングは再びヘルマグマを放ってオーブを攻撃する。

 

そこにナグスも銃を構えて光弾を発射し、2体の攻撃を受け続けるオーブ。

 

そこで紅葉は新たなカードを取り出してオーブリングにリードさせると、カードから力に優れた赤い戦士「ウルトラマンティガ パワータイプ」が現れる。

 

『ティガさん!』

『ウルトラマンティガ パワータイプ!』

 

さらに紅葉は別のカードをオーブリングにリードすると今度はティガと同じく力に優れた赤い姿の「ウルトラマンダイナ ストロングタイプ」が現れる。

 

『ダイナさん!』

『ウルトラマンダイナ ストロングタイプ!』

 

そして紅葉はオーブリングを掲げる。

 

『力強いやつ、頼みます!!』

『フュージョンアップ! ウルトラマンオーブ! パワーストロング!』

 

するとティガとダイナの姿が重なり合い、オーブは赤と黒の筋肉質な姿である「ウルトラマンオーブ パワーストロング」に姿を変える。

 

『光の剛力に敵は無い!!』

 

パワーストロングとなったオーブはブラックキングとナグスの攻撃をノーガードで受け続けながらも真っ直ぐナグスに向かって駆け出し、それにナグスは戸惑いつつもこちらに向かって来るオーブに拳を放つ。

 

だが、その拳はあっさりとオーブに掴みあげられるとそのままナグスは地面をビタンビタンっと勢いよく叩きつけられ、最後に思いっきり投げ飛ばされる。

 

『ぬあああ!!!?』

 

ブラックキングもオーブに向かって駈け出し、攻撃を仕掛けようとするがそれよりも早く、オーブはその強烈な拳をブラックキングに叩き込み、吹き飛ばす。

 

『デヤアアア!!!』

「ギシャアアア!!!!?」

 

吹き飛ばされたブラックキングはナグスと激突して倒れ込み、オーブは赤い光球を生み出して相手に飛ばす必殺の「ガルラシウムボンバー」を放つ。

 

『ガルラシウムボンバー!!!!』

 

ナグスは慌てて立ち上がってブラックキングを無理矢理起こして盾にし、ブラックキングはオーブの技を受けて火花を散らし、爆発して倒されるのだった。

 

「グルアアアアア!!!!?」

 

そしてブラックキングが爆発する際にナグスは一目散に撤退し、その場から姿を消した。

 

『はぁ……はぁ……』

 

それからブラックキングを倒したオーブはラグナの倒れた場所を見つめ、悲しげな声で「ラグナ……」と彼の名を小さく呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、紅葉は戦いのダメージでフラつきながらもなんとか学校に戻り、穂乃果達が練習しているであろう屋上へと訪れていた。

 

しかし、階段を上っている途中……後少しというところで躓いてしまい、彼は少しだけ休もうとその場に座り込んでしまう。

 

「あれ? お兄ちゃん?」

「……穂乃果……」

 

だが丁度そこに休憩に入った穂乃果が現れ、彼女の顔を見ると紅葉はホッとした表情を浮かべた。

 

「どうしたの? 何か用事があったんじゃないの? ってお兄ちゃんよく見ると凄い汗じゃん!!? 大丈夫!!? 顔色も悪いよ!!?」

 

穂乃果は紅葉の隣に座り込んで心配そうに彼の顔を覗き込み、紅葉はそんな彼女の頭を優しく撫でる。

 

「心配ない。 ちょっと走ってただけだから。 それよりもさ、もしかしてなんだけど……生徒会長μ'sに加入とかした?」

「えぇ!? なんで分かったの!? お兄ちゃんエスパー!?」

「それ前にも海未に言ってたな。 俺の場合は何となくだよ、何となく。 でもその反応からして会長入ったんだな」

 

紅葉のその言葉に穂乃果はどこか嬉しそうに「うん!」と頷く。

 

「絵里先輩がμ'sに入りたいと思ってるって希先輩から聞いたから……だから、私達みんなで誘いに行ったんだ!! 一緒にスクールアイドルやってくださいって!!」

「そうか、ありがとな……」

 

紅葉はもう1度穂乃果の頭を撫でるが、彼女には彼が自分にお礼を言う理由が分からず「なんでお兄ちゃんがお礼言うの?」と不思議に思うが……。

 

紅葉は笑って誤魔化すだけで何も答えようとはしなかったが……それでも悪い気は穂乃果はしなかったのだった。

 

「えへへ♪ もっと撫でて~お兄ちゃぁ~ん♪」

「お安いご用で」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ノストラ達のいる宇宙船では……。

 

『よくやった。 リフレクト星人は犠牲になり、ウルトラマンオーブは仕留め損なったが十分過ぎる収穫だ。 ラグナは死に6枚の魔王獸のカードは全て揃った』

『フン、呆気ない最後でしたぜ?』

『愚かな奴だ、私がミスミス強大なあのカードを手放すと思ったか?』

 

そこでナグスは「その7枚のカードを使って早速地球に攻撃しましょう!!」と提案するのだが……。

 

『ぬがあ!!?』

『っ!?』

 

突如、「ズギャア!!」という音が聞こえるとナグスは崩れるように倒れ込み、そこに死んだと思われた筈のラグナが日本刀に似た剣……「蛇心剣」を持って立っていたのだ。

 

『ラグナ!!? 貴様!! なぜ生きている!? 確かにナックル星人がお前の心臓を!!?』

「策士策に溺れるとはまさにこのことですねぇ? ドン・ノストラ?」

 

ラグナは「宇宙大怪獣 ベムスター」のカードを取り出し、それを見てノストラはベムスターの腹部の「なんでも飲み込む」能力を使い、ナグスの銃弾を吸収していたのだと気づく。

 

『おのれぇ~!!』

 

ノストラは腕を伸ばしてそこから青い光線をラグナに向けて放つが……。

 

ラグナは蛇心剣で光線を受け止めそのまま蛇心剣を振るって光線をかき消すと彼は黒いオーラのようなものに包まれ、鬼のような姿……「無幻魔人 ラグナ」へと姿を変えたのだ。

 

戦闘BGM「ジャグラーのテーマ」

 

するとそこへ騒ぎを聞きつけたタルデとテルスが駆けつけ、タルデとテルスはすぐにラグナと倒れているナグスに気づく。

 

『貴様! 死んだ筈では!!』

 

テルスはラグナに戦いを挑もうとして殴りかかるがあっさりと拳を掴まれて押し返され、後ろに回り込まれて蛇心剣でテルスは背中を斬りつけられる。

 

『ぐあああ!!?』

 

タルデもすぐに攻撃を仕掛けようとするがラグナは蛇心剣の刀身を赤く発光させて伸ばすとタルデにそのまま素早く接近して蛇心剣を掲げ、タルデを縦一線に切り裂き、彼は火花を散らして倒れ込む。

 

『ぬああああ!!?』

『くっ! 貴様ぁ!!』

 

ノストラもラグナに戦いを挑もうとするがラグナはすれ違いざまに蛇心剣でノストラを斬りつけ、そのまま背中から蛇心剣を突き刺し、身体中から火花を散らして断末魔を上げながら爆発したのだった。

 

『ぐっ、ぐあああああ!!!!?』

 

その際に、6枚の魔王獸のカードもラグナの手に戻り……さらにノストラが所持していた「ウルトラマンベリアル」のカードもラグナは手に入れたのだ。

 

『遂に来たか……。 最後のカード。 フフフ……フッハッハッハ!! ハァー!! ガホッ! ゴホォ!!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてオープンキャンパス当日、9人となったμ'sはグランドでライブをやることとなり、そこにはそれなりの人数がライブを観に来てくれていたのだった。

 

その中には雪穂や亜里砂の姿も確認できる。

 

「皆さんこんにちわ! 私達は音ノ木坂学院のスクールアイドル、μ'sです!! 私達はこの音ノ木坂学院が大好きです!! この学校だから、このメンバーと出会い、9人が揃ったんだと思います! これからやる曲は私達が9人になって初めてできた曲です!! 私達の、スタートの曲です!!」

 

穂乃果がそう言い放った後、今度は全員で「聞いてください!!」と言い放つ。

 

そしてライブが始まり……ライブの曲は……。

 

『僕らのLIVE 君とのLIFE!!』

 

それからライブは何事も無く無事に終了し、オープンキャンパスに来ていた中学の生徒達も拍手喝采で穂乃果達はとても満足したような顔を浮かべていた。

 

勿論、紅葉もしっかりと穂乃果達のライブに来ており、穂乃果が紅葉と目が合うと彼女はニッとした笑顔でVサインし、紅葉も同じように笑ってVサインするのだった。




紅葉
「サブタイを探せ! のコーナー!」

穂乃果
「イェーイ!!」

紅葉
「っていうか先ずアレだよな、遂に9人揃ったな!!」

穂乃果
「うん!! こんなにもスクールアイドル一緒にやってくれる人が出来て私嬉しいよ!!」

にこ
「まぁ、気持ちは分かるわね、私も。 それよりほら、サブタイの発表行くわよ」

紅葉
「今回のサブタイは穂乃果の『身体中痛いです!』辺りにある俺の台詞、ウルトラマンX第2話『可能性のかたまり』だ!!」


穂乃果ちゃんを妹キャラにしたかった、絶対似合うから。
でも紅葉と血の繋がった兄妹にしてしまうと話として難しくなってしまうし、ラグナとの因縁も描きにくくなる。
そうして考えたのが、この設定です。
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