ラブライブ! オーブ‼︎   作:ベンジャー

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こちらの作品ではルサールカの事件は150年前となっております。


第13話 『降臨、黒き王』

150年ほど前・・・・・・ルサールカ上空にて両腕に鎌を持った怪獣、『宇宙戦闘獣 超コッヴ』と長剣を持った光の巨人「ウルトラマンオーブ」が空中で激しく激突していた。

 

「グルアアアアア!!!!」

 

コッヴは両腕の鎌を素早く振るってオーブの身体を何度も斬りつけ、身体からオーブは激しく火花を散らし、苦痛の声をあげる。

 

『グウウウ!!?』

 

さらに超コッヴは額から光弾を発射し、オーブを攻撃するのだが・・・・・・オーブは長剣を振るって光弾を切り裂き、一気に超コッヴに詰め寄ると長剣を横一閃に振るって超コッヴを斬りつける。

 

「グルル!?」

『ハアアアア、デヤアアアア!!!!』

 

超コッヴが怯んだところを狙い、オーブは長剣から光線を放ち、それを受けた超コッヴは爆発四散。

 

「グアアアアア!!!!?」

 

超コッヴをようやく倒すことが出来たオーブは地上にある森へと一度降り立ち、膝を突いた後、胸にある「カラータイマー」の赤い点滅が止まるとそのまま倒れ込むとオーブはそこから姿を消してしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

その翌朝。

 

「ララララ~ン♪」

 

オーブが消え去った森、そこへ脳天気そうに鼻歌を歌いながら長髪で茶髪、青い瞳をした1人の少女がやってきた。

 

「今日も良い天気~♪ んっ? あれは・・・・・・」

 

その時、草むらで誰かが倒れていることに気づき、少女はすぐさま倒れている人物の元へと「大丈夫ですか!?」と不安そうな表情を浮かべながら駆け寄る。

 

そこにいたのはボロボロの状態で傷だらけの男性の姿があり、少女は「ど、どうしよう」と困惑する。

 

「あ・・・・・・うっ・・・・・・」

「この人怪我してる・・・・・・! 手当てしないと!! 大丈夫ですか!? 私の声聞こえますか!? 立てますか!?」

「うっ・・・・・・あ、あぁ・・・・・・」

 

少女の言葉に男性・・・・・・オーブに変身していた男性、「紅葉」は朦朧とする意識の中頷き、少女に支えられながらもなんとか立ち上がり、自分の家はすぐそこなのでということで少女は紅葉を自分の家へと連れて行き、そこで傷の手当てをすることになったのだった。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん・・・・・・んっ? ここは・・・・・・どこだ?」

 

目を覚ました紅葉は首を横に振って周囲を見渡し、起き上がろうとするのだが・・・・・・身体に痛みが走り、紅葉は「ぐっ!?」と苦痛の声をあげてその場に膝を突いてしまう。

 

そこで彼は自分の身体に包帯が巻かれていることに気づき、紅葉は誰かが自分を手当てしてくれたのだということを理解した。

 

「あっ? お兄さん起きましたか? まだ動かない方が良いですよ!!」

 

そこへやって来たのはエプロンを身につけ、籠を持った紅葉をここまで運んで来た1人の女性であり、紅葉は彼女が自分を手当てしてくれたのかと訪ねると女性は「はい」と笑みを浮かべて頷いた。

 

「お兄さんなんであんなところに倒れてたんですか? しかもあんな傷だらけで・・・・・・」

「それは・・・・・・」

 

女性の問いかけに対し、紅葉はどう答えれば良いのか分からず困惑してしまう。

 

そんな彼の様子を察してか、女性は「無理には聞きませんよ」と言い、それに紅葉は「ありがとう」と笑みを浮かべてお礼を述べるのだった。

 

するとその時、「ぐぅ~」と紅葉のお腹の音が鳴り響き、それに紅葉は顔を赤くして女性は思わず「クスクス」と笑ってしまう。

 

「お腹空いたんですね! 丁度先ほど作っていたパンが出来上がったんです!!」

 

女性はそう言いながら先ほど手に持っていた布を上に被せた籠を紅葉の目の前に差し出し、布を取るとそこには香ばしい臭いの漂うカレーパンが入っていたのだ。

 

「さぁ、遠慮せず召し上がってください♪」

「・・・・・・すまない」

 

紅葉は申し訳なさそうにしつつもカレーパンを1つ手に取って口に入れると・・・・・・その瞬間、彼の目は見開き、勢いよくカレーパンにがっつき、籠の中にあったカレーパンを一気にペロリと食べてしまうのだった。

 

「そんなに一気に食べると喉につまり・・・・・・ってもうないし・・・・・・」

「ご馳走様。 ありがとう、凄く美味かったよ!!」

「お兄さんのお口に合って良かったです!! あっ、そう言えばまだお兄さん名前聞いてませんでした。 私の名前は・・・・・・『ナターシャ』。 あなたの名前は?」

「俺は・・・・・・『紅葉』だ。 ただのしがない、風来坊さ」

 

それを受け、「ナターシャ」と名乗った女性は「よろしくね!」と言いいながら手を差し伸べ、それに紅葉も答えるようにその手を握って2人は握手を交わすのだった。

 

「このパンは、君が作ったのかナターシャ?」

「はい、私、パンを作りに少々最近ハマってまして・・・・・・。 お口にあったようで何よりです」

「そうなのか」

 

それを聞いて紅葉は感心したような声を出す。

 

「怪我が治るまで何時までもここにいて構いませんので。 私はちょっと街の方に行く用事がありますので、お兄さんはゆっくりしててください」

「あ、あぁ・・・・・・」

 

ナターシャはそう言うとその場から歩き去って行こうとするのだが、そんな彼女を紅葉は呼び止める。

 

「ナターシャ!」

「んっ?」

「・・・・・・助けてくれて、ありがとう」

「うんっ」

 

紅葉はお礼をナターシャに向かって述べると、彼女は太陽のような笑みを浮かべて頷くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・んんっ・・・・・・」

 

そこで、紅葉は目を覚まし、彼は自分の部屋で目を覚まし、隣には穂乃果が心配そうな顔を浮かべながらこちらを見つめていた。

 

「お兄ちゃんっ! 良かったぁ・・・・・・」

 

穂乃果は紅葉が無事に目覚めたことを喜び、抱きつく。

 

また穂乃果の後ろの方にはにこが立っており、どうやら紅葉は穂乃果とにこに助けられたらしく、紅葉は2人に「ありがとう」と言うと穂乃果を自分から離して立ち上がろうとする。

 

一応、海未にも助けられたのだが、彼女は絵里達に直接紅葉の状況を伝えた方が良いだろうということで一度避難所へと戻ったのだという。

 

「もう大丈夫だ」

 

ベッドから立ち上がろうとする紅葉だが、彼は「うぅ」と苦痛の声をあげてまた倒れてしまう。

 

「全然大丈夫じゃないよ!」

「そうね、病院に連れて行った方が・・・・・・」

 

そんな弱った紅葉を見て病院に連れて行った方が良いのではと思う穂乃果とにこだったが、紅葉は「本当に大丈夫だ」と言って咄嗟に穂乃果の手を握り、それに穂乃果は顔を赤くする。

 

「ふわっ・・・・・・!? お、お兄ちゃん・・・・・・」

「本当に、大丈夫だ。 少し休めば良くなる・・・・・・。 それよりも、ライブはどうなったんだ?」

 

紅葉の問いかけに対し、穂乃果とにこは顔を見合わせて苦い表情を浮かべる。

 

「一曲目だけ歌い終わった直後、あの怪獣が現れて・・・・・・ライブは中止になったわ」

「そう、ですか・・・・・・」

 

薄々予想はしていたが、やはりライブは中止になってしまったようで紅葉は早急に対応できず、その上マガオロチに完膚なきまでに叩きのめされた自分の無力さを痛感し、何も出来なかった自分に苛立ちを隠すことができなかった。

 

「お兄ちゃんのせいじゃないよ! だから、そんな顔しないでお兄ちゃん・・・・・・」

 

穂乃果はどこか思い詰めた顔をした紅葉の表情を見て彼が責任を感じているのだと思い、彼女は「お兄ちゃんのせいじゃない」と言うのだが、紅葉自身・・・・・・そんな風に思うことはできなかった。

 

「穂乃果の言う通りよ。 アンタが責任を感じることじゃないわ」

 

穂乃果同様に、にこもまた紅葉が責任を感じることではないと言い、それに驚いた様子を見せる紅葉。

 

穂乃果が責任を感じることはないと言うのは分かるが、にこは自分がオーブであることを知っている為、彼女は自分を責める権利がある。

 

穂乃果が今ここにいるから責めないのでは無く、本心からそう言っていることはにこの目を見れば分かる。

 

だから、紅葉のにこのその言葉に驚きを隠せないでいたのだ。

 

「っ・・・・・・。 ありがとう、2人とも・・・・・・」

「それじゃ、私はそろそろ避難所に戻るわ。 避難所に行ったみんなのことも気になるし。 幸い、怪獣はここから結構離れたところにいるから、しばらくはここも大丈夫でしょう。 だから紅葉はしっかり休むのよ」

「うん、ありがとうにこちゃん!!」

「ありがとうございます、にこさん」

 

紅葉と穂乃果はにこにお礼を言い、にこは「じゃあまたね」とだけ言い残して紅葉の部屋から出て行くのだった。

 

そして穂乃果と紅葉はにこがいなくなって2人っきりになり、そこで穂乃果がハッと未だに紅葉が自分の手を握っていることに気付いてまたほんのりと頬を赤くする。

 

(も、もう少しこのまま・・・・・・)

 

紅葉は無自覚に穂乃果の手を握っているらしく、それを良いことに穂乃果はこのままもうしばらく手を握ってて貰おうかなと思ったのだが・・・・・・。

 

「・・・・・・ね、ねぇ・・・・・・お兄ちゃん、ナターシャって・・・・・・誰?」

 

不意に、穂乃果は無意識にそんな質問をしてしまい、それを受けて紅葉は目を見開き、穂乃果の手を離してしまう。

 

それに少しだけ寂しさを感じる穂乃果だったが、それ以上に今はナターシャが誰なのかが気になり、今までずっと気になっていたその人物について穂乃果は尋ねる。

 

「どうしてその名前を・・・・・・」

「お兄ちゃんが眠ってる間、ずっと呟いてたんだ。 ナターシャって・・・・・・。 ううん、今日だけじゃない、お兄ちゃん・・・・・・眠ってるとき、よくその人の名前を口にするよね・・・・・・。 ずっと、気になってて・・・・・・」

「マジか、全然気付かなかった・・・・・・」

 

なぜ、今になってこんな質問をしているのか穂乃果自身には分からなかったが、どうしてか今聞かずにはいられず、「大事な人?」とどこか不安そうな顔を浮かべながら尋ねる。

 

「・・・・・・大事な人だった」

「っ・・・・・・」

 

その紅葉の言葉に、穂乃果は胸の奥がチクリと痛むのを感じた。

 

「彼女は昔、俺のことを助けてくれた人だった。 でも、それなのに俺は・・・・・・彼女を助けられなかった」

 

顔を両手で覆い、悔しそうに唇を噛み締める紅葉の姿を見て穂乃果はどう声をかけて良いか分からず、辛そうに話す紅葉を見て穂乃果は慌てて「もう、良いよ話さなくて・・・・・・」とこれ以上、彼を苦しませない為に話を終わらせる。

 

「ご、ごめんねお兄ちゃん・・・・・・。 辛いことを聞いて、ごめんなさい・・・・・・」

 

穂乃果は紅葉に辛いことを聞いてしまったのだなと深く反省し、顔を俯かせてしまう。

 

そんな穂乃果を見て、紅葉は優しく彼女の頭を撫でる。

 

「そんな顔すんな。 お前が気に病むことじゃない。 これは、俺の問題だから・・・・・・」

「・・・・・・お兄ちゃん・・・・・・」

 

すると紅葉は穂乃果の頭から手を離すと立ち上がり、どこかに出かけようとする。

 

「えっ、お兄ちゃんどこ行くの!? ダメだよ大人しくしてないと!!」

「すまん、どうしても行かないといけないところがあるんだ」

「ダメ!! 絶対にダメ!!」

 

穂乃果は紅葉にしがみついてボロボロにも関わらず、ここから出て行こうとする彼を必死に引き止め、紅葉はなんとか穂乃果を振り払おうとするのだが、マガオロチに受けたダメージのせいもあり、上手く行かずにバランスを崩して倒れてしまう。

 

「穂乃果!! 離れ・・・・・・!!?」

「えっ? きゃあっ!!?」

「す、すまん穂乃果だいじょう・・・・・・」

 

そのまま紅葉は穂乃果を押し退かすような形となってしまい、それに慌てて紅葉は「すまん!!」と謝りながら立ち上がるものの、やはり身体の痛みのせいで上手く立てず、紅葉はその場に尻餅をついてしまう。

 

「うぅ、お兄ちゃん・・・・・・? ほ、ほら! やっぱり全然良くなってないんだから休んでないと!!」

 

穂乃果は紅葉に押し倒されたことに顔を赤くしつつも、彼女は安静にしているようにと注意する。

 

「と、兎に角お兄ちゃんはここで大人しくしてること!! 良い!!?」

 

未だにまだ顔は赤かったが、凄い剣幕でそう釘を刺された紅葉は渋々「分かったよ」と頷き、穂乃果は紅葉の部屋を出て行こうとする。

 

「それと、お母さんに、お兄ちゃんにスープでも作って貰うように頼んでくるから。 その間にその身体で出かけたりしないでよお兄ちゃん!!」

「分かったって」

 

去り際に穂乃果にそう言い残し、彼女は紅葉の部屋を出て行くのだが・・・・・・。

 

その直後、彼は素早く出かける準備をして部屋の窓を開けてそこから飛び出し、地面に何事もなく着地した。

 

ちなみに、既に雨は止んではいたが、空はまだ曇り空のままだった。

 

「すまんな、穂乃果・・・・・・。 こればっかりは、約束できないんだ」

 

どうやらマガオロチは今、一通り暴れ終えた後、休眠状態に陥ったらしく、マガオロチは現在活動を停止していた。

 

紅葉はその隙を突いてなんとかマガオロチを倒すことができないかと考え、マガオロチの元へと向かおうとするのだが・・・・・・その時、彼は腰にあったカードホルダーが無いことに気付いた。

 

「っ、カードが・・・・・・!!」

 

そのことに紅葉はすぐに頭の中でラグナの顔を思い浮かべ、この状況でただ単純に無くしたのではないのだとしたら・・・・・・こんな状況でカードを奪うとしたらそれはラグナだろうと確信に近い考えに至り、先ずはラグナを探そうとする。

 

しかし、紅葉はふっとある考えが頭に過ぎり、立ち止まった。

 

マガオロチが眠っている間なら少々卑怯な手段ではあるが、倒せるかもしれない。

 

しかし、マガオロチがまた何時目覚めるか分からない以上、ラグナを探している間に目覚める可能性もある。

 

そうでなくてもラグナからウルトラフュージョンカードを取り戻すのは今のボロボロの身体では至難の業である。

 

それに、「再びオーブに変身できたとして、マガオロチを倒すことができるのだろうか」という考え・・・・・・。

 

殆どのフュージョンアップ形態をぶつけたが、どれもマガオロチに完封され、まだ使っていないフュージョンアップを使ったとしても、勝てない可能性の方が高い。

 

「どうすれば・・・・・・」

 

1つ方法があるとすれば、玉響姫にもっと詳しい話を聞くことだろう。

 

そこに何かマガオロチを倒す為のヒントがあるかもしれないと紅葉は思ったのだ。

 

しかし、玉響姫はマガオロチ復活の際に姿を消してしまい、霊体とは言え無事であるかどうかは分からない。

 

だが、少しでも可能性があるならば玉響姫を探すべきだろうと紅葉は考え、彼女がいる確率が高い入らずの森へとボロボロの身体を引きずりながら向かうのだった。

 

「お兄ちゃん、お母さんにスープ作って貰ったよ~」

 

それと同時に、穂乃果がお盆にスープの入ったカップを乗せて紅葉の部屋に戻ってきたのだが、そこに紅葉はおらず、「あれ?」と首を傾げる。

 

「まさか・・・・・・!!」

 

部屋の机にお盆を置き、慌てて全開で開いている窓の外を見ると、紅葉が丁度どこかに行こうとしている姿が見え、穂乃果は「大人しくしてて」と言ったにも関わらず出かけた紅葉に「むぅ~!!」と頬を膨らませる。

 

「もう!! 大人しくしててって言ったのに!! お兄ちゃんバカーーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マガオロチが封印されていた場所・・・・・・。

 

「玉響姫!! どこにいるんだ!! 出てきてくれ!!」

 

そこまで紅葉はフラつきながらもなんとかそこに辿り着き、彼は玉響姫の名を叫びながら彼女の姿が無いかと探し回る。

 

そんな時・・・・・・。

 

「オイオイ、これは大事なもんなんじゃないのか? これを探さないで女のケツを追いかけてるとはなぁ?」

 

玉響姫を探す紅葉の元に、フュージョンカードの入ったカードホルダーを持ったラグナが現れ、ラグナの姿を見た紅葉は彼を睨み付け、カードホルダーを右手に持つラグナの腕を掴みあげる。

 

「それを返せ!!」

 

それに対してラグナは薄らと笑みを浮かべると、ラグナは膝蹴りを紅葉に繰り出し、それをバックステップで回避すると紅葉は素早くラグナに詰め寄って右拳で殴りかかる。

 

だが、ラグナはそれを左手で受け止めるともう1度膝蹴りを繰り出して紅葉の腹部に叩き込み、紅葉が蹲ったところを狙ってさらに脇腹を蹴りつけ、紅葉は倒れ込んでしまう。

 

「ぐっぅ・・・・・・!! はぁ、はぁ・・・・・・」

「あ~ぁ、情っっっっけない声出しやがって。 なんかお前格好悪いよ? お前ホントに格好悪いからさ、せめて自分の負けを認めて俺の勝ちを称えろよ」

 

何時も以上に、嫌らしい笑みを浮かべながらラグナは紅葉にそう言うのだが、当然ながら紅葉はそんなことをする筈はなく、「ふざけんな!!」と拒否。

 

「あっそ、どうせお前にはこれがなければ何もできなぁい。 もうじきマガオロチは目を覚ます。 そうなればマガオロチが暴れるのをお前は指を咥えて見ていることしかできない。 ヒヒヒヒ、ヒャーハッハッハッハ!!!! アーッハッハッハ!! ゴホゴホ!!」

 

紅葉はラグナが咳き込んだ隙を狙い、カードホルダーに手を伸ばすがラグナはそれをぬらりくらりと躱し、紅葉の手は空を切るだけに終わった。

 

「俺が腹を抱えて笑ってる隙を突こうとしたか。 だが残念、俺はそんなに甘くないよ」

 

ラグナはそれだけを言い残すと、地面に紫の光弾を撃ち込んで煙幕を作り、その場から姿を消すのだった。

 

「ラグナ!! 待て!!」

 

追いかけようとした紅葉だったが、その時、紅葉は何かに躓いて転びそうになってしまい、「なんだよ!!」と悪態をつきながらその躓いた「何か」を見ると・・・・・・それはマガオロチが復活した際に近くにあった玉響姫の石碑だったのだ。

 

「これは・・・・・・もしかしたら・・・・・・」

 

それを見て紅葉はもしかしたら玉響姫を呼び出すには石碑を復元する必要があるのかもしれないと思い、彼は急いでマガオロチが現れた時に飛び散った石碑を拾い集めようとする。

 

「ぐっ・・・・・・!!」

 

しかし、マガオロチとの戦いでのダメージ、さらに先ほど受けたラグナの攻撃によるダメージのせいで紅葉に目眩が起き、倒れそうになってしまう。

 

(ダメだ、倒れてる暇なんて・・・・・・!!)

 

紅葉はなんとか足に力を込めて倒れないようにしようとするのだが・・・・・・逆にそのせいでバランスを崩してしまい、彼は今度こそその場に倒れ込みそうになる。

 

「怪我してるんだから、だから無茶しないでって言ったのに」

 

だが、紅葉が倒れそうになる瞬間、いきなり現れた穂乃果が紅葉を支えたのだ。

 

「ほの、か? なんでここに・・・・・・」

「私だけじゃないよ」

 

見れば、そこには穂乃果だけではなく、海未やことり、花陽、凛、真姫、絵里、希、にこも来ており、紅葉はなぜここに自分がいるのが分かったのか分からず、首を傾げる。

 

「穂乃果ちゃんから『お兄ちゃんが逃げたー!!』って連絡があってな? 紅葉くん、今朝ウチに入らずの森のこと聞いたやろ? 怪我をした紅葉くんを見つけたのも、この辺だったっぽいし」

「だから、多分ここにいるんじゃないかなーって思ったんだ」

 

今朝から紅葉が入らずの森について調べていたことから、希やことりは紅葉はここにいるのではないかと予想したのだ。

 

その予感は見事に的中したという訳であり、真姫は「どうしてここに来る必要があったの?」と紅葉に尋ねるが・・・・・・紅葉は正体を知っているにこなら兎も角、玉響姫のことを話すべきか、分からず悩んだ。

 

そんな時、どこか不機嫌そうな顔をした穂乃果は彼女はキッと紅葉を睨み付け、それに紅葉はなんだか圧されてしまう。

 

穂乃果がこんな表情をするなんて珍しいからだ。

 

「思い上がるな!!」

「・・・・・・えっ」

「お兄ちゃん私にそう言ったよね!! 私が無茶をし過ぎて身体を壊したら、お兄ちゃんも、自分自身もみんなも責任を感じるって!! なのにお兄ちゃんはどうなの!!?」

 

まさかつい先日穂乃果に言ったことを、今度は彼女が自分に向かって言うとは思わず、驚き目を見開く紅葉。

 

「でも、これはあまりみんなには関係ないことだし、俺自身がやるべきことで・・・・・・」

「本当にそうなの? それはお兄ちゃんにしかできないことなの? 私達にも、何か手伝えることがあるんじゃないの?」

「・・・・・・これは俺個人の問題だ。 スクールアイドルとも関係のないことだから・・・・・・」

 

すると、今度は絵里が口を開き、「本当に?」と尋ねて来る。

 

「あなたはμ'sのことをずっと支えて来てくれたじゃない。 だから、あなたが困ってる時、大変な時・・・・・・今度は私達があなたを助けたいの。 そして今が、あなたが大変な時なんじゃないの?」

「・・・・・・それは・・・・・・」

「手伝えることがあれば言って欲しいにゃー!!」

「わ、私も・・・・・・凛ちゃんと同じだよ」

 

凛や花陽も紅葉にそう言い放ち、にこはポンっと紅葉の背中を軽く叩く。

 

「何コソコソしてんのか知らないけどさ、たまには頼りなさいよ、私達を」

「にこさん・・・・・・」

 

次に、海未が紅葉に駆け寄って来る。

 

「事情を全部説明して欲しい訳ではないんです。 ただ、友達が大怪我をしてまでやらないといけないことがあるなら、事情を話さなくても良いから手伝いたい、それだけなんですよ」

 

最後に穂乃果が再び紅葉の顔を両手で掴むとグイッと自分の方へと無理矢理紅葉の視線を向けさせる。

 

「本当は休んでて欲しいよ。 心配なんだよ、私も、みんなもお兄ちゃんのこと。 それでもお兄ちゃんは休まないで何かをやろうとしてるんでしょ? きっと無理矢理連れ戻したとしても。 だったら、せめ支えさせて欲しいの。 お願い・・・・・・」

「穂乃果・・・・・・」

 

額を紅葉の胸に押しつけるようにして、そう頼む穂乃果に紅葉は悩むが・・・・・・この状況では止むを得ないかと考え、彼は意を決する。

 

「みんな。 ごめんな。 全てを話すことはできないけど、手伝って貰えるか?」

 

そう言うと紅葉は穂乃果達に隠すべきところは隠しつつも、彼女等に自分が今何をしようとしているのかを話し始め、一通りのことを説明し終えると、紅葉はマガオロチを止めるヒントを得る為に、玉響姫を呼び出そうとしていることを一同に説明を行う。

 

その際、一度玉響姫の姿を見ていることもあって絵里は顔を青ざめさせていたりしたが。

 

一応、マガジャッパの時助けて貰ってはいるのだが、やはりそうは言ってもそう簡単には克服できず、お化けの類が苦手な絵里からしたら顔も青ざめるだろう。

 

ちなみに、先ほど紅葉に対してなんだか格好良さげな言葉を口にしていた絵里だが、実はずっと足がガクガク震えていたりした。

 

「絵里ちゃんってお化け苦手だったんだね」

 

そんな絵里を見て、意外そうな顔を浮かべることり。

 

「べ、べ、べ、別に苦手ってほどじゃ・・・・・・お化けなんていないしね!!」

「今からお化け呼び出そうとしてるんですがそれは」

 

絵里の発言にすかさずツッコミを入れる海未。

 

「正確には、超能力でそういう風にしてるって感じなんだろうけど・・・・・・兎に角みんな、頼む。 石碑を集めてどうにか元の形に組み合わせて欲しいんだ。 玉響姫なら、あの怪獣を止める方法が分かるかもしれない」

「うん、分かったよお兄ちゃん、任せて!!」

 

紅葉は頭を下げて、穂乃果達に石碑を集めてくれるように頼み、穂乃果達は頷いて手分けして玉響姫の石碑を集め始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから紅葉達は石碑を一通り拾い集め、元の形に戻すように砕けた石碑を並べ、紅葉達はこれで玉響姫が復活してくれることを期待するのだが・・・・・・。

 

「・・・・・・何も起こらないね・・・・・・」

 

花陽の言う通り、石碑を元に戻しても何も起こらず、玉響姫が復活する気配は無かった。

 

「これで玉響姫が復活すると思ったんだが・・・・・・」

 

そのことに紅葉は見当違いだったのかと思い、やはり紅葉はラグナからカードを奪い返し、今ある力だけでもう1度マガオロチに挑むしかないかと考えるのだが・・・・・・その時、紅葉は希が何かゴソゴソとやっていることに気付いた。

 

「希? アンタなにしてんのよ?」

 

そのことに紅葉同様、にこも気づき、希に一体なにをしているのかと問いかける。

 

「いやぁ、この前珍しいお花の種を買ってな~。 すっごく綺麗な花が咲くらしいねん。 それでここええ土やなぁ思って・・・・・・どうせなから植えとこうと思ったんよ」

「って今そんなことしてる場合じゃ・・・・・・」

 

この状況で今、そんなことをしている場合かと真姫は怪訝な顔を浮かべて希に言うのだが・・・・・・。

 

「大地はな、命を待ってるんよ」

「えっ・・・・・・?」

「どんなに破壊されても、大地は諦めない。 何時だって、新しい命を育てようって待ち構えてるんよ」

 

希は真姫にそう言った後、どこからか取り出したペットボトルに入った水を種を植えた場所にかけ始める。

 

すると、先ほど花の種を植えたばかりだと言うのに地面から小さな芽が飛び出し、辺り一帯が青い光に包まれ、その光は石碑を包み込むとそこから玉響姫が出現したのだ。

 

「で、出たぁー!!?」

「玉響姫!!」

 

そのことに絵里は驚いて海未の後ろに隠れ、玉響姫の姿を見て紅葉は彼女の名を呼び、それに応えるように玉響姫は頷く。

 

その時のことだ。

 

みんなのスマホから警報が鳴り響き、スマホを取り出してニュースサイトを見るとそこにはマガオロチが再び活動を開始したというニュースが流れており、一同は急いでここから避難しようとする。

 

「みんなは先に避難していてくれ」

「えっ、何言ってるの紅葉くん!?」

 

だが、紅葉は玉響姫が復活した以上、みんなと一緒に避難する訳には行かず、彼は玉響姫と一緒にマガオロチを止めなければならなかった。

 

当然、そのことにみんなは反対したが・・・・・・。

 

「頼む、俺にはどうしてもまだやらないといけないことがあるんだ」

「それは、私達じゃ手伝えないことなのお兄ちゃん?」

 

そんな紅葉に穂乃果はそれは自分達が手伝えないことなのかと尋ねると、紅葉は「難しいことだな」とだけ応える。

 

「詳しいことは言えない。 けど・・・・・・頼む、みんな。 俺を信じてくれ」

 

そうは言っても、やはり心配なものは心配でたまらないといった様子の一同。

 

特に穂乃果がこの中の誰よりも不安そうな表情を浮かべており、紅葉はそんな彼女の頭を優しく撫でる。

 

「大丈夫、必ず無事に戻ってくるから・・・・・・」

「お兄ちゃん・・・・・・でも・・・・・・」

「約束だ」

 

紅葉はそれだけを言い残すと彼はその場から走り去って行き、穂乃果達の制止も聞かず、彼は素早い動きでそこからいなくなってしまうのだった。

 

「きっと紅葉なら大丈夫よ。 妹のアンタが、アイツを1番に信じてやんなさいよ」

 

不安そうな顔を見せる穂乃果に、にこが声をかけ、穂乃果はその言葉を受けて・・・・・・完全に納得した訳では無いが、「うん」と頷くのだった。

 

「紅葉くんは心配だけど、取りあえずにこの言う通り、今は彼を信じて私達は避難しましょ」

 

絵里の提案を受け、兎に角今はみんなで避難すべきだろうと思い、彼女等も急いでその場から離れることに。

 

(あれ? 玉響姫もいつの間にかいなくなってる・・・・・・)

 

その際、ことりが玉響姫がいつの間にかいなくなっていることに気付いたが、きっとマガオロチを止めに行ったのだろうと思い、深くは考えないことにするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「グルアアアアア!!!!!」

 

目を覚ましたマガオロチは街を蹂躙しながら歩み続け、そんなマガオロチの元に紅葉と玉響姫は辿り着く。

 

「玉響姫!! 復活したアイツを止める方法はもう無いのか!?」

『1つだけ・・・・・・。 かつてマガオロチを封印した光の勇者の力を借りれば・・・・・・』

 

そう言って玉響姫は懐からウルトラ兄弟№1、宇宙警備隊隊長の「ゾフィー」のカードを取り出し、それを紅葉に受け渡す。

 

「これは、ゾフィーさん! そうか、マガオロチを封印していたのは、ゾフィーさんだったのか・・・・・・」

『それからもう1枚』

 

すると玉響姫はもう1枚カードを取り出し、それを紅葉に渡す。

 

それは、マガオロチの封印を解いた光の国で悪に墜ちた最凶最悪の戦士、「ウルトラマンベリアル」のカードだった。

 

「これは、ベリアル・・・・・・!」

『光あるところ、必ず闇があります。 しかし、その力はあまりにも強大。 強すぎる力は、災いをもたらすこともあります』

 

ゾフィーとベリアルのカードを使いこなすことが出来れば、あのマガオロチに対抗できるだけの姿になることが出来るかも知れない。

 

しかし、ベリアルは見るからに危険なカードであり、玉響姫はそのことについて警告する。

 

「だが今は、それでもこのお2人の力を借りるしかない・・・・・・!! これ以上、この街を壊させはしない!!」

 

そう言い放つと紅葉はオーブリングを取り出し、ゾフィーのカードをオーブリングにリードさせる。

 

「ゾフィーさん!!」

 

続いて紅葉はベリアルのカードをオーブリングにリードさせようとする。

 

「ベリアルさん!!」

 

しかし、ベリアルのカードは上手くオーブリングにリードさせることができず、紫の電撃を放ってカードは弾かれ、紅葉はその時の衝撃に大きく吹き飛ばされてしまう。

 

「うわあああ!!!!?」

 

それでも紅葉は諦めず、なんとか立ち上がってもう1度ベリアルのカードをオーブリングにリードしようとする。

 

「ぐっうぅ、ベリアルさん・・・・・・!! お願いします!!」

 

しかし、やはりベリアルのカードをリードさせることは出来ず、衝撃が発生してまた紅葉は吹き飛ばされてしまうのだった。

 

『その力が、最後の望です』

「はぁ、はぁ・・・・・・ベリアルさん!! 頼みます!!」

 

紅葉は何度もベリアルのカードに力を貸してくれるように頼み、オーブリングにリードさせようとするが弾き飛ばされてばかりで、そうこうしている間にこちらに気付いたマガオロチが近づいて来たのだ。

 

それを見て玉響姫は呪文のようなものと唱えると両手から光を放ち、マガオロチをバリアのようなもので包み込む。

 

「グルアアアアアアアア!!!!!」

「玉響姫!!」

『紅葉!! 早くカードを!! その力を使いこなしなさい!!』

 

玉響姫に言われ、紅葉はベリアルのカードをリードしようとするが、やはり上手く行かない。

 

一方でマガオロチはマガ迅雷を放ち、玉響姫のバリアを無理矢理破ろうとする。

 

やがて玉響姫の張ったバリアはヒビ割れていき、もう持たないことを察した玉響姫は紅葉の方に振り返り、何かを伝えると・・・・・・バリアを砕いたマガオロチのマガ迅雷を撃ち込まれ、彼女は爆炎の中へと消えて行くのだった。

 

「っ!! 玉響姫えええええええええ!!!!!」

 

玉響姫は自分に力を貸し、自分を必死に守ってくれた。

 

なのに、それなのに自分を守ってくれた玉響姫がマガオロチによって消し飛ばされ、消滅した光景・・・・・・。

 

恐らく、玉響姫はもう復活することはできないだろう。

 

その光景を目の辺りにした紅葉は・・・・・・自分の中である1つの感情が沸き上がってくるのを感じた。

 

それは、「相手を殺したい」という強烈な「殺意」・・・・・・。

 

そんな紅葉の感情に反応するかのように、まるで「それを待っていた」と言わんばかりにベリアルのカードが怪しく紫の輝きを放ち、紅葉は雄叫びに似た声をあげながらベリアルのカードをオーブリングにリードさせる。

 

「ううううう!!!!! うあああああああ!!!!!!」

『ウルトラマンベリアル!』

『フハハハハ!!!』

 

ベリアルのカードをリードさせると、光を突き破るようにしてウルトラマンベリアルの姿が現れ、紅葉はオーブリングを掲げる。

 

「ウアアアア!!!! ダアアアアアア!!!!!」

『フュージョンアップ!!』

 

すると、カードから実体化したベリアルとゾフィーの姿が紅葉を中心に重なり合い、ベリアルのような赤い凶悪な両目、赤くつりあがった両肩、尖った指先とそしてパワーストロングほどではないが、マシッブな体型・・・・・・紅葉はベリアルとゾフィーの力を融合させた姿・・・・・・。

 

「ウルトラマンオーブ サンダーブレスター」へと変身を完了させたのだ。

 

『ウルトラマンオーブ! サンダーブレスター!!』

 

オーブ・サンダーブレスターは地面に着地するとその衝撃で周囲の建物が崩れ、立ち上がるとオーブはマガオロチに向かって駈け出して行く。

 

『ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!』

 

戦闘BGM「サンダーブレスターのテーマ」

 

オーブはマガオロチの首を掴みあげるとそのまま近くにあったビルにマガオロチの首を叩きつけながら破壊し、前のめりに倒れ込んだマガオロチの後頭部をオーブは容赦なく乱暴に何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も踏みつけまくる。

 

『ダア゛ア゛ア゛!!!!!!』

「ギシャアアアア!!!!」

 

マガオロチは身体を大きく揺らしてなんとかオーブを押し退かし、口からマガ迅雷をオーブに向かって撃ち込むが、オーブは両腕を交差してガードしながら真っ直ぐマガオロチに向かって突き進み、そのままオーブはマガオロチの顔面を力強く殴りつける。

 

『デヤアアア!!!!』

「ギシャアア!!?」

 

またその様子を離れた位置にあるビルから、魔人態になったラグナがその戦いを見つめており、彼はその光景を見て驚愕したかのような様子を見せていた。

 

『アイツ、闇のカードを使いやがった・・・・・・!!』

『ウウ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!!!!!』

 

オーブはマガオロチの口を掴みあげるとそのまま両腕に力を入れ、マガオロチの口から「メキメキメキ!!」という大きく、嫌な音が鳴り響き、オーブはマガオロチの口を引き裂こうとしてマガオロチは口から血が流れ始める。

 

「グルアアアアア!!!!?」

 

どうにかマガオロチは足を振り上げてオーブの腹部を蹴りつけ、引き離すのだが、オーブはすぐさままたマガオロチに向かって行き、マガオロチの頭の角を両手で掴みあげるとそのまま無理矢理へし折ってしまう。

 

『ウオアアアアア!!!!』

「グルアアアアアア!!!!?」

 

マガオロチはなんとか右腕を振るってオーブの顔を殴りつけて反撃するものの、オーブにあまり攻撃は効いておらず、逆にオーブの放った後ろ回し蹴りを喰らう。

 

「ガアアアア!!!!?」

『フウウゥゥゥ・・・・・・!! フウウゥゥゥ・・・・・・!!』

 

するとオーブは近くにあったビルを引っこ抜き、倒れ込んでいるマガオロチに向かって叩きつけたのだ。

 

「ギシャアアア!!!!?」

『ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!』

 

オーブは倒れ込んだマガオロチの頭を掴んで無理矢理立ち上がらせると何度もマガオロチの腹部に拳を叩き込み、3回拳を叩き込んだ辺りからマガオロチの腹部を殴る度に「ぐちょ! ぐちょ!!」という音が鳴り、マガオロチは腹部からも血を大量に流し始める。

 

「ガアアアア!!!!」

 

マガオロチはオーブに頭突きを喰らわせ、それによってオーブは多少怯み、その隙を突いてマガオロチは尻尾を振るってオーブに攻撃するのだが、それをオーブは両腕で受け止める。

 

その時、マガオロチは電撃を尻尾を通してオーブに流し込むのだが、やはりオーブには全く効いておらず、右手に赤黒い光輪「ゼットシウム光輪」を出現させ、マガオロチの尻尾を切断したのだ。

 

「グルアアアア!!!!?」

 

オーブは切断した尻尾を投げ捨てマガオロチの背中に向かって飛び乗ると、背中の2つの突起物を掴み、それを無理矢理引き千切ったのだ。

 

『ウオオオオオオ!!!!!』

「ガアアアアア!!!!?」

 

その光景を、避難所でスマホのニュースサイトで見ていた穂乃果達は・・・・・・。

 

そんな何時もとはまるで全然違う残虐ファイトにどん引きしており、花陽に至っては目尻に涙を浮かべてまともに画面が見れず、怯えていた。

 

「こ、怖いよぉ・・・・・・」

「た、確かにちょっと怖いにゃー」

(アイツ・・・・・・なんなの、あの姿・・・・・・。 あれじゃ光の巨人って言うよりも、邪悪の・・・・・・巨人って感じね・・・・・・)

 

そしてにこもまた紅葉がなぜあんな戦い方をしているのか分からず、オーブのその戦いっぷりに驚愕していたのだった。

 

場所は戻り・・・・・・オーブは引き千切った突起物でマガオロチを何度も殴りまくり、マガオロチは口の痛みを耐えてマガ迅雷を口から吐き出してオーブに攻撃するのだが、オーブは突起物でガードし、代わりにマガオロチの2つの突起物が粉々に砕け散る。

 

それと同時にジャンプして飛び出したオーブは拳をマガオロチの顔面に叩き込み、マガオロチを大きく殴り飛ばす。

 

「グルアアアアア!!!!?」

『フウウウゥゥゥゥ・・・・・・!! デヤアアアアア!!!!!』

 

そして・・・・・・オーブは両腕に光と闇の力を集中させた後、腕を十字に組んで放つ必殺光線「ゼットシウム光線」をマガオロチに向かって発射。

 

直撃を受けたマガオロチは肉片を飛び散らせながら吹き飛び、やがて爆発・・・・・・。

 

それを目撃したラグナは力なく背中から倒れる。

 

『・・・・・・』

 

少しの間沈黙した後、ラグナは駄々っ子のように手足を激しくバタバタさせる。

 

『なんだよ!! なんなんだよ紅葉ぃ!!!!! 一度くらい俺に勝たせろよコノヤロオオオオオオオオ!!!!! アアアアアアアアア!!!!!!』

 

しかし、そんなラグナの姿にオーブは気付くことはなく、オーブはマガオロチを倒し終えるとそのまま空へと飛び去って行くのだった。

 

『・・・・・・あっ・・・・・・』

 

オーブが去ったのを見届けると、ラグナはピタリと動きを止め、ゆっくりと人間態に戻りつつ立ち上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、戦いを終えた紅葉はフラフラと弱々しく道を歩いていた。

 

「よぉ」

 

そんな時、後ろから誰かに声をかけられ、振り向くとそこにはラグナが立っており、その手には紅葉のカードホルダーが握られていた。

 

「俺を笑いたければ笑え」

「・・・・・・」

「・・・・・・かっこ良かったよお前。 全てを破壊し尽くすお前の姿・・・・・・惚れ惚れしたなぁ。 俺は潔く負けを認める」

 

そう言うとラグナはカードホルダーを紅葉に投げ渡す。

 

「・・・・・・楽しかっただろ? 強大な力を手に入れて全てを破壊すんのは」

「そんなこと・・・・・・」

 

紅葉はラグナの言葉を否定しようとするのだが・・・・・・。

 

「良い子ぶるな!! 所詮、お前も俺と同じだ。 楽しめ・・・・・・フフ、ハハハハ・・・・・・ケホッ」

 

それだけを言い残し、ラグナはその場から立ち去って行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マガオロチが倒されたことで、穂乃果達は一度自分達の家に戻った。

 

それは紅葉も同じで・・・・・・一足遅れて高坂家に帰ってきたのだ。

 

紅葉が帰ってきたことに気付いた穂乃果はすぐに彼の元に駆け寄り、紅葉に抱きついた。

 

「お兄ちゃん!! 良かった無事だった!! 本当にもう!! 心配したんだよ?」

「すまなかったな。 でも、約束したからな。 無事に帰るって」

 

すると、今度は穂乃果に続いて雪穂や母が紅葉を出迎え、随分と疲れた様子の紅葉を見て母は「お風呂に入って疲れを取りなさい」と声をかけ、紅葉はその言葉に甘えることにする。

 

「お風呂に行くなら私お兄ちゃんの着替え取ってくる!!」

「おいバカやめろ。 下着だってあるんだ。 自分で取りに行く」

 

紅葉はそう言って穂乃果が自分の着替えを持って来るのを拒否し、彼は自分の部屋から着替えを取って来るため、2階に上がるのだった。

 

そんな紅葉の後ろ姿を見て、母は思わずボソッとあることを呟く。

 

「握った手の中、愛が生まれる・・・・・・かっ」

「えっ、急になに・・・・・・? お母さん?」

 

不意にそんな言葉を呟く母に穂乃果が「なにそれ?」と尋ねると、なんでも自分のひいお婆ちゃん、つまり雪穂や穂乃果からすればひいひいお婆ちゃんの遺言とのことだった。

 

「なんだか分からないけど、今の紅葉の姿を見てると、つい昔聞いたそんな言葉が浮かんで来てね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分の部屋に戻って来た紅葉はタンスから自分の着替えの服を取り出すが・・・・・・。

 

「そういや、ラブライブはどうなるんだろうな」

 

不意に、彼はラブライブがどうなるのか気になり、紅葉はマガオロチは倒すことは出来たが、街はそれなりの被害が出てしまった。

 

その為、ラブライブは最悪中止・・・・・・良くて延期なのではないかという考えが頭に過ぎる。

 

「・・・・・・」

 

紅葉は服をタンスから取り出して机の上に一度置くと、ベッドの上に座ってオーブニカを取り出して吹き始める。

 

心が不安な時など、彼はこうしてオーブニカを吹くと少しだけ心が落ち着くのだ。

 

その為、紅葉は少しの間、部屋に籠もってオーブニカを吹くのだった。




紅葉
「サブタイを探せ! のコーナー!!」

穂乃果
「イェーイ!!」

にこ
「本編との落差・・・・・・。 ってかサンダーブレスター原作よりも凶暴じゃない?」

穂乃果
「ここは本編とは関係ない時空なので!!」

紅葉
「テレビ的な規制が無かったら多分あれぐらいやってると思うんですよ・・・・・・。 因みに口を引き裂こうとしたのは初代メカゴジラオマージュ」

穂乃果
「それよりも、今回のサブタイはにこちゃんがサンダーブレスターを見た時に心の中で呟いた『邪悪の巨人』だよ!!」

にこ
「ウルトラマンコスモス、39話のサブタイね」
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