その翌日、穂乃果は絵里に言われたように、ことりともう1度しっかり話し合うべきだと思い、あのファーストライブを行った時の講堂に紅葉、海未、ことりを呼び出した。
穂乃果が最初にそこで数分間待っていると、講堂の扉が開いて紅葉と海未、おずおずとした様子でことりが入って来たのだ。
「ごめんね、急に呼び出したりして」
海未や紅葉を呼び出したのは、2人がいればことりと冷静に話し合えるだろうと思ったから。
「ことりちゃんをここに呼んだのは、ちゃんと話し合いをするため。 海未ちゃんとお兄ちゃんを呼んだのは、2人がいればきっと冷静にことりちゃんと話し合えると思ったから」
穂乃果はことりや海未、紅葉をここに呼んだ理由を説明し、そんな穂乃果にことりは一言謝ろうと口を開きかけるが、それに気付いた穂乃果が待ったをかけた。
「先ずは私から、喋らせてくれないかな、ことりちゃん?」
「・・・・・・っ、うん」
「ありがとう」
一瞬戸惑ったことりだが、彼女は穂乃果の言葉に頷き、そのことにお礼を言うと穂乃果はここでファーストライブをやった時のことを話し始める。
「私ね、ここでファーストライブやってことりちゃんと海未ちゃんと歌った時に思った。 もっと歌いたいって、スクールアイドルやっていたいって!」
それを聞き、辛そうな顔を見せ、俯きそうになることり。
だが、そんな彼女に不意に「ことり」と声をかける紅葉。
「顔を俯かせるな。 穂乃果の目を見ろ」
穂乃果やことり、2人の為に何ができるのか・・・・・・それは分からないが少しでも、何か2人にとって助けになるのならばと穂乃果から目を反らすなと言い放つ紅葉。
それを受け、ことりは戸惑いつつも「うん」と頷き、ジッと穂乃果の顔を見つめる。
「学校の為とか、ラブライブのためとかじゃなく、私、好きなの! 歌うことが、それだけ譲れない!!」
それは昨日、絵里と話し合い、一晩じっくり考えて至った穂乃果のスクールアイドルに対する気持ち・・・・・・それをことり達に聞かせ、穂乃果は「だから、ごめんなさい!!」と彼女達に頭を下げる。
それに対してどうして穂乃果が謝るのか、分からず、ことりは困惑する。
「これからも、きっとみんなに迷惑をかけるかもしれない。 夢中になって誰かが悩んでいるのに気付かなかったり、入れ込み過ぎて空回りすると思う、だって私、不器用だから・・・・・・! でも、それでも私・・・・・・スクールアイドルやりたいの!! ことりちゃんと一緒にやりたいの!!」
「っ・・・・・・」
「いつか、別の夢に向かう時が来るとしても・・・・・・!! 我が儘なのは分かってるけど、それでも、私・・・・・・!!」
そんな風に真剣に話す穂乃果を見て、海未が突然笑い出したのだ。
「ふふ、あはは・・・・・・!」
「ちょっ、海未ちゃんなんでここで笑うの!? 私、真剣な話してるのに!!」
「ふふ、ごめんなさい。 でもね、ハッキリ言いますが・・・・・・穂乃果には昔からずっと迷惑かけられっぱなしですよ?」
笑いながら、そう穂乃果に言うと、それを言われた穂乃果は「えぇ!?」と驚きの声をあげる。
「ことりとよく一緒に話していました。 穂乃果と一緒にいると、いつも大変なことになると。 紅葉は普通に楽しんでそうでしたけど」
「だってそうだろ? 穂乃果といると、退屈しない。 お前等より長くいる俺が言うんだから間違いない」
「それに・・・・・・」と紅葉がさらに何か言おうとしたのだが、そこで言葉を区切り、黙り込む。
(穂乃果と一緒にいると・・・・・・傷ついた心を癒やしてくれる感じがしてな・・・・・・)
その言葉はただ、心の中だけに留め・・・・・・そんな紅葉を不審に思いながらも海未はさらに穂乃果に言いたいことを言い放つ。
「どんなに止めても、夢中になったら何にも聞こえてなくて・・・・・・。 大体、スクールアイドルだってそうです。 私は本気で嫌だったんですよ?」
「海未ちゃん・・・・・・」
海未曰く、スクールアイドルもどうにかして辞めようと思っていたそうで・・・・・・穂乃果を恨んだりしたこともあったと語る。
「全然気付いてなかったでしょうけど」
そのことに「ごめん」と謝る穂乃果。
「・・・・・・ですが、穂乃果は連れて行ってくれるんです。 私やことりでは勇気がなくて行けないような凄いところに・・・・・・」
「海未ちゃん・・・・・・」
「穂乃果に振り回されるのは、もう慣れっこなんです! だからその代わりに、連れて行ってください! 私達の知らない世界へ! それが穂乃果の、凄いところなんです! 私もことりも、μ'sのみんなもそう思っています!!」
海未は穂乃果にそう言い終えると、彼女は舞台に設置してある小さな階段を上って、穂乃果の元まで行くと、穂乃果とことりを交互に見つめ、海未は穂乃果の背中を小さく押す。
「穂乃果ちゃん、海未ちゃん・・・・・・」
「さあ、もう1度言ってください。 穂乃果? 私と一緒です、ことりもきっと引っ張って行って欲しいんです。 我が儘言って貰いたいんです・・・・・・」
海未は小声で穂乃果にそう伝えると、「我が儘!!?」と驚きの声をあげる。
「そうですよ? 有名なデザイナーに見込まれたのに『残れ』なんて・・・・・・でも、そんな我が儘を言えるのは・・・・・・!」
そこまで言い終えて、海未の言いたいことが分かった穂乃果はことりの顔を見つめ、すぅーっと息を大きく吸って吐くと、舞台から降りて彼女の元まで歩いて行く。
すると、彼女はことりの手を握りしめ、自分の素直な気持ちをことりに伝えた。
「っ、穂乃果ちゃん・・・・・・」
「ことりちゃん!! ごめん、私、スクールアイドルやりたいの! ことりちゃんと一緒にやりたいの!! もう1度言うよ。 いつか、別の夢に向かう時が来るとしても・・・・・・」
穂乃果はことりを強く抱きしめ、最後の一言を口にする。
「行かないで!!」
「っ・・・・・・!!」
それを受けて、ことりはポロポロと涙を流し、それを見て紅葉は理解した。
ことりは、穂乃果に「行かないで」と言って欲しかったのだと・・・・・・。
「ううん、私の方こそ、ごめん。 私、自分の気持ち・・・・・・分かってたのに・・・・・・!!」
そんな2人の様子を見て、紅葉と海未は互いに顔を見合わせ、ほっとしたように息を吐くのだった。
(でも、俺ができたことなんて・・・・・・本当に、ちっぽけなもんだったな。 でも、2人が仲直りできて・・・・・・本当に良かった)
*
その後は、穂乃果の説得を受けてことりが留学することをやめ、日本に滞在することを決めた。
もう色々と手続きが済んでいる段階で、留学を取り消すことが無茶なのは分かっているが・・・・・・それでも、紅葉、穂乃果、海未、ことりは4人で理事長に頭を下げて頼み、理事長も「仕方がないわね」と呆れ声だったが・・・・・・。
その表情はどこか、明るく、留学の取り消すの手続きをしてくれるということで話が通った。
それから部室に集まったμ'sのみんなにもことりが日本に残ることを説明し、ことりが残ってくれることにみんなは喜んでくれたのだった。
「ふぅ~、一時はどうなるかと思ったわ」
希もそのことにほっと胸を撫で下ろし、安心したような様子を見せる。
「喧嘩した翌日に仲直りとかちょっと展開早すぎる気もするにゃー」
「そこは多分、作者の技量の問題」
凛とにこがそんな会話をしている中、「ぐぎゅるるる~!!」という誰かのお腹が鳴ったかのような音が聞こえ、一同は音のした方に視線を向けると、そこには穂乃果と紅葉の姿が。
「なんか・・・・・・ことりちゃんが日本に留まってくれるって分かって・・・・・・」
「安心したらお腹空いたな」
そんな穂乃果と紅葉の姿ににこ達は呆れた視線を送る。
「なんであなた達、血の繋がりがないのにそんないつも息ピッタリなんですか・・・・・・」
ボソッと呟いた海未の一言に、にこは「えっ? なんて?」と聞き返す。
「んっ? ですから、血の繋がりがないのに紅葉と穂乃果は何時もピッタリだと・・・・・・」
「えぇっ!!? 穂乃果と紅葉って本当の兄妹じゃなかったの!!?」
「あれ? 言ってませんでした?」
やたらよく食べるし、2人ともパン類が好きだし、髪の色も同じだし、海未の言うように息ピッタリなのに血縁関係がないことににこ達は驚くが・・・・・・冷静になって考えれば、色々とおかしい部分はあったことににこは気付いた。
紅葉はウルトラマンなのだから、血縁関係があったら穂乃果やその妹の雪穂にも何か超人的な力があってもおかしくないのではということ。
そもそも2人は同学年なのに、穂乃果が紅葉のことを「お兄ちゃん」と呼んでいること。
誕生日がほぼ一ヶ月違いであることも違和感があった。
「成程・・・・・・よくよく考えてみれば、色々おかしい部分はあったわ」
「それよりもお腹空いたし、ことりちゃんが日本に残ってくれることを記念して・・・・・・折角だし、みんなでどこか食べに行こうよ!!」
そんな穂乃果の提案に、凛が「賛成~!!」と手を挙げ、みんなも特に用事はないようなので帰りにどこかのファミレスによって食事をすることに。
穂乃果とことりのことが解決したので、紅葉はギャラクトロンのことを調べることに専念しようと思い、自分は断ることに。
「すまん、俺はちょっと用事があるから・・・・・・みんなで行って来てくれ」
「えぇー!!? お兄ちゃんも一緒に行こうよ~! お兄ちゃんもお腹空いてるんでしょ!?」
ファミレスに行かないと聞いて、穂乃果は頬をぷくーっと膨らませて紅葉の腕を掴み、ぐいぐい引っ張る。
「ごめんな、どうしてもちょっと調べたいことがあって・・・・・・。 どこかのコンビニで食べるものも買うし、兎に角、俺のことは気にしないでみんなと一緒に楽しんで来い」
紅葉はそう言って申し訳無さそうにしつつも穂乃果の腕を離れさせ、紅葉はそのまま部室から出て行くのだった。
「もう、お兄ちゃんのバカー!!」
*
その頃、未だに軍隊に拘束され、その場に片膝を突いて佇むギャラクトロンはというと・・・・・・。
突如、ギャラクトロンの目が赤く光り・・・・・・自身を拘束していたロープを立ち上がることで強引に引き千切り、動き出したのだ。
「ろ、ロボットが動き出したぞ!!?」
ギャラクトロンを見張っていた軍人の1人が驚きの声をあげ、ギャラクトロンは真っ直ぐある方向に向かって進み出す。
「遂に動き出しやがったか・・・・・・」
また紅葉もギャラクトロンが動き始めたことに気付くが、ギャラクトロンはただ歩いてるだけで・・・・・・ビルも壊していないし特に暴れていないことから紅葉はまだ様子見をすることに。
「どこに向かってるんだ?」
*
ギャラクトロンが動き出した頃、穂乃果達は学校を出てどこかのファミレスに向かっている最中であり、そんな彼女達の目の前に、ギャラクトロンが建物の角から現れる。
「ぴゃああ!!?」
「かよちん!?」
それに驚いて花陽は尻餅を突き、彼女の元に駆け寄る凛。
「ギャラクトロン・・・・・・!!? 動き出したの!?」
「あれが噂の・・・・・・」
穂乃果やにこ、凛からあらかじめギャラクトロンの話を聞いていた海未は興味深そうにギャラクトロンを見つめていると・・・・・・。
突然、ギャラクトロンの胸部の赤いコア部分から電線コードのようなものが複数伸びて来てそれが穂乃果の身体を拘束。
「きゃあ!!? なに!!?」
「穂乃果!!?」
「穂乃果ちゃん!!?」
海未とことりが慌てて穂乃果を助けようとするが、それよりも早くギャラクトロンは穂乃果を自分の方に引き寄せ、コア部分に彼女を吸収して内部に取り込んだのだ。
「やあああ!!? 助けて・・・・・・!!」
内部に取り込まれた穂乃果はさらに多くのコードに手足などを拘束されて動きを完全に封じられ、耳の穴にもコードが差し込まれると、コードは彼女の脳と接続。
「やだああああ!!? 誰か助けて、お兄ちゃん助けてえええええ!!!!?」
穂乃果は得体の知れない恐怖心から泣き出してしまい、紅葉に助けを求めるが・・・・・・彼女は脳をギャラクトロンに乗っ取られて泣き止むと、ギャラクトロンは穂乃果の声を借りて喋り出したのだ。
『この世界の解析は完了した。 各地で起きている紛争、差別、残虐さを理解した。 この世界の為に、争い全てを停止させる』
「なに・・・・・・なに言ってるの・・・・・・穂乃果ちゃん?」
「違う、きっとギャラクトロンに精神を支配されてるんです・・・・・・!」
穂乃果の声を聞いて、激しく動揺する凛だったが、すぐに海未はギャラクトロンが穂乃果を乗っ取って声を発しているのだと気づく。
『別の世界でもそうして来たように、全ての争いを止める。 即ち、この世界をリセットする。 それが我が使命、我が正義』
そう言い終えると、ギャラクトロンは遠く離れた山奥や複数のビルに向かって手始めに赤い閃光光線を両目から放ち、破壊して吹き飛ばす。
どうやらギャラクトロンがここ数日動かなかったのは地球の文明の分析をしていたからであり、解析した結果ギャラクトロンは地球人は紛争や差別などの問題が絶えず、争いの火種を生んでしまう危険な存在であると一方的に断定してしまったのだ。
山を吹き飛ばした後、ギャラクトロンは視線を海未達に移し、それにビクリと震える一同。
「たかが3日で、答えを急ぎすぎてんじゃねえよ!!」
だが、そこでギャラクトロンが暴れ出したことに気付いた紅葉がオーブリングを取り出し、カードホルダーから素早く1枚のカードを取り出す。
「ウルトラマンさん!!」
『ウルトラマン!』
最初に「初代ウルトラマン」のカードをオーブリングにリードする紅葉。
「ティガさん!!」
『ウルトラマンティガ!』
続けて、「ウルトラマンティガ」のカードをオーブリングにリードし、それを紅葉は掲げる。
「光の力、お借りします!!」
『フュージョンアップ!!』
すると、ウルトラマンとティガの姿が紅葉の重なり合って紅葉は2人のウルトラマンの力を融合させた「ウルトラマンオーブ スペシウムゼペリオン」へと変身する。
『ウルトラマンオーブ! スペシウムゼペリオン!』
『スペリオンシールド!!』
ギャラクトロンは海未達に向かって光線を発射するが、間一髪、間に入って来たオーブの張るバリア、「スペリオンシールド」によってなんとか攻撃が防ぐことができ、ギャラクトロンの攻撃が一旦終わるとすぐさまオーブは「ティガ・パワータイプ」の力を一時的に発揮し、ギャラクトロンに掴みかかって海未達から引き離す。
すると突然、ギャラクトロンの胸部のコア部分から赤い光がオーブに放たれ、オーブは身構えるが・・・・・・。
どうやらそれは攻撃の類などではなく、ギャラクトロンはオーブをスキャンしただけであり、ギャラクトロンはオーブと戦う意味がないと判断したのか、別のビルに向かって光線を撃ち込もうとする。
それを阻止すべく、オーブはギャラクトロンの頭を掴みあげて光線を上空に撃たせることで空振りに終わらせる。
「オーブ!!!!」
そこで海未に名前を呼ばれ、振り返るオーブ。
「友達が、穂乃果がそのロボットの中にいるんです!!」
「お願い、助けてください!!」
『なに・・・・・・!?』
海未とことりから穂乃果がギャラクトロンの中に囚われていることを聞いて動揺するオーブ。
しかし、すぐに海未とことりの頼みに頷いて応えると、オーブは再びギャラクトロンに向かって行き、ギャラクトロンの前に立ち塞がる。
オーブは透視能力を使ってギャラクトロンのどこに穂乃果がいるかを見つけると、オーブは穂乃果が赤いコア部分にいることを見抜き、コア部分を掴みあげてギャラクトロンから引き剥がそうとする。
『穂乃果!!』
しかし、後頭部から伸びる大きな鉤爪の付いた「ギャラクトロンシャフト」を身体を掴まれたオーブは大きく放り投げられてしまい、ビルに激突して倒れ込む。
『ウアアアア!!!!?』
するとギャラクトロンは又もやオーブを無視して人のまだいるビルに視線を向け、目から光線を放とうとする。
『まずい!!』
『スカイダッシュマックス!!』
そのことに気付いたオーブは即座に「スカイダッシュマックス」に変わると立ち上がって素早い動きでビルの前に立ち、ビルを庇ったことでギャラクトロンの放った光線の直撃を受けてしまう。
『グアアアア!!!?』
光線を受け、片膝を突くオーブを邪魔だとばかりに右腕で殴り飛ばして振り払おうとするが、それをオーブは掴んで受け止め、スペシウムゼペリオンに戻ってなんとかギャラクトロンを押し戻す。
しかし、ギャラクトロンは膝蹴りをオーブに喰らわせ、怯ませたところでさらに左腕を振り上げてオーブを殴り飛ばしてしまう。
『ウアアアア!!!!?』
さらにギャラクトロンは素早くオーブに詰め寄ると左腕の回転式の大剣「ギャラクトロンブレード」を展開し、オーブを横一閃に斬りつけて来たのだ。
『グアアアア!!!!?』
『私は、私に与えられた唯一のコマンドを実行中だ。 君はこの星とは無関係な存在。 邪魔はするな』
『するに決まってんだろ・・・・・・!! それに、お前が取り込んでるその娘は、俺の妹だ!! 邪魔しない理由がどこにある!!』
そう言いながら、オーブは「ティガ・パワータイプ」と「ダイナ・ストロングタイプ」の力を融合させた「パワーストロング」に姿を変え、オーブはギャラクトロンの顔に向かって拳を振るうが、ギャラクトロンは魔法陣に似たバリアを張ってオーブの拳を防ぐ。
『理解不能。 この少女と君には血縁関係はない。 そもそも生まれた星も違う。 よってこの少女は君とは無関係な存在、君がこの少女を助ける義理はない』
『それは俺が決めることだ!! うおおおおおお!!!!』
しかし、オーブはバリアに無理矢理指を食い込みさせ、強引にバリアを引き千切って破壊すると、ギャラクトロンの頭を押さえつけ、再びギャラクトロンのコア部分を掴んで穂乃果を取り返そうとする。
だが、そんなオーブの顔にギャラクトロンは目から放つ閃光光線を浴びせ、顔に光線の直撃を受けたオーブは大きく怯んでしまう。
『ウアアッ!!?』
さらにギャラクトロンブレードと左腕の爪を連続で振るって顔を押さえて悶えるオーブの身体を何度も斬りつけ、身体中から火花を散らすオーブ。
『ぐうう・・・・・・野郎!!』
なんとか痛みを堪えながら、オーブは「ウルトラマンジャック」と「ウルトラマンゼロ」の力を融合させた「ハリケーンスラッシュ」へと姿を変え、三又の槍、「オーブスラッガーランス」を出現させてギャラクトロンの両足目がけてスラッガーランスを振るうが・・・・・・。
ギャラクトロンはそれも魔法陣のようなバリアを展開して防ぎ、左腕を振るってオーブを殴り飛ばす。
『グウウ!!?』
殴り飛ばされたオーブはなんとか空中で体勢を立て直して地面に着地し、スラッガーランスを構えて再びギャラクロンに向かって駈け出す。
『トライデントスラッシュ!!』
スラッガーランスのレバーを3回操作し、目にも止まらぬ速さで相手を連続で切り裂く「トライデントスラッシュ」をオーブはギャラクトロンに繰り出すのだが、ギャラクトロンはそれを左腕の爪で受け止め、スラッガーランスを弾き飛ばしてしまう。
『なに・・・・・・!!?』
さらにそこからギャラクトロンはギャラクトロンシャフトでオーブの首を掴みあげ、持ち上げると、ギャラクトロンはギャラクトロンブレードでオーブの腹部を突き刺したのだ。
『ぐああああ・・・・・・!!!!!』
「オーブ・・・・・・!!」
ギャラクトロンとオーブの戦いの様子が見える高い場所に移動し、オーブとギャラクトロンを見守っていた海未達。
しかし、オーブにギャラクトロンブレードを突き立てられその光景に、海未はオーブの名を叫び、花陽やことりは口を押さえて顔を青ざめさせる。
ギャラクトロンはブレードをオーブから引き抜くと、目から閃光光線を喰らわせてオーブを吹き飛ばし、倒れ込んだオーブは大きなダメージを受けたこともあり、その場から姿を消してしまうのだった。
「がはっ・・・・・・!! ほの、か・・・・・・」
変身が強制解除された紅葉は血反吐を吐きながらその場に倒れ込み、ギャラクトロンを見上げて・・・・・・必死に手を伸ばす。
「そんなオーブが・・・・・・」
「ギャラクトロン・・・・・・!! もうやめてよ!! こんなこと・・・・・・!!」
凛は悲痛な声でギャラクトロンにもう暴れるのはやめてくれと懇願するが、それを素直にギャラクトロンが聞く筈もなく・・・・・・。
ただギャラクトロンは海未達の方へと振り返り、声をかける。
『人間の文明から、争いが無くならないのはこの星の残虐な自然観を模倣しているからだ。 この宇宙には、最初から有り余るほどのエネルギーが満ちている。 別の生物からエネルギーを奪わなくても済むように、全てがデザインされている。 だが、この星の生態系は自分の命を長らえさせる為に他の命を奪いこの星そのものを傷つけ、疲弊させ、天然資源を掘り尽くすような、低レベルの文明を良しとしている』
「何よそれ・・・・・・何が低レベルよ!!」
ギャラクトロンの言い草に苛立ったにこが噛みつくようにそう怒鳴り挙げるが、ギャラクトロンは意に返さない。
『耳が痛いか。 だから君たちは耳を塞ぐ。 都合が悪いからと無視する。 だが、この星は君たちの都合で存在しているのではない。 よってこの星の文明と、食物連鎖という間違った進化を選んだ生態系を、全てを、リセットする』
それは人間だけではなく、その星に済む人間以外の生物や自然、それすらも消滅させるということであり、海未達はそんなギャラクトロンの言い草に不快な気持ちにならずにはいられなかった。
「勝手過ぎます!! あなただって、穂乃果のことを利用してるじゃないですか!! 平和が望なら、他の星の女の子を拉致らないでください!!」
「それに、あなたはこの星の生物は命を奪い合うって言うけどな・・・・・・。 例えば、シマウマが増えれば草原が消える、だからライオンがシマウマの数を減らす、そのシマウマが大地に返り、草が生え、その草を食べてシマウマが育つんや。 だから、決して争ってる訳やないんやで!! ただ奪い合ってるだけやないんや!!」
海未と希の言葉に、ギャラクトロンは何か思うところがあったのかギャラクロンブレードを仕舞い、黙り込んだまま2人の話を聞いていた。
「この星は、バラバラに生きる道じゃなく、協力しあって1つの大きな生きる道を選んだんや。 そんな風に、生き物はお互いを支えあってるんや!!!!」
『・・・・・・』
ギャラクトロンは希の話を最後まで聞き、その場から一歩も動かなくなってしまった。
希や海未の言い分に一理あると思ったのか、はたまた正論で2人に言い返せなかっただけなのか・・・・・・ただギャラクトロンは黙ったまま何か考え込んでいるようだった。
「考え込んでないで、穂乃果ちゃんを返してよ!!」
そんなギャラクトロンに、泣き出しながら、ことりが悲痛な声でギャラクトロンに穂乃果を返してくれと頼むが、ギャラクトロンは沈黙を続ける。
折角仲直りできたのに、穂乃果の身に何かあれば・・・・・・そんな嫌な予感がことりの中で過ぎり、彼女はギャラクトロンに何度も穂乃果を返してくれと叫ぶ。
そこに丁度、軍隊の戦闘機が幾つか到着し、動きを止めている今がチャンスだと、戦闘機は次々にミサイルなどをギャラクトロンに撃ち込んで行くのだが・・・・・・。
それによってギャラクロトンは活動再開。
自身に攻撃してくる戦闘機に向かって閃光光線を放って戦闘機の幾つかを破壊。
さらにギャラクトロンはギャラクトロンシャフトで戦闘機の一機を掴むとそのまま地面に放り投げて撃墜させる。
*
一方、紅葉はフラつきながらもなんとか立ち上がり、カードホルダーからベリアルのカードを取り出し、それを見つめる。
『強すぎる力は、災いをもたらすこともあります』
そんな玉響姫の言葉を思い出し、紅葉はベリアルのカードを使うべきかどうか迷っていた。
「確かに俺には、アンタの力を制御できない」
紅葉がそうこうと悩んでいる間に、ギャラクトロンが再び活動を再開させ、空中へと浮かび上がると魔法陣を複数纏わせたギャラクトロンシャフトを天に伸ばし、上空に浮かび上がった後エネルギーを充填して胸部から発射する破壊光線「ギャラクトロンスパーク」を放つ体勢へと入る。
ギャラクトロンスパーク・・・・・・これが地上に撃ち込まれてしまえば街1つなど簡単に消滅させられてしまう、それほどまでに超強力なギャラクトロンの必殺武器・・・・・・。
見るからにそのとんでもない技を使おうとしていることを察した紅葉は、もうやるしかないとオーブリングにベリアルのカードをリードさせる。
「クソ、やるしかねえ!! ベリアルさん!!」
『ウルトラマンベリアル!』
続けて紅葉は「ゾフィー」のカードを取り出し、オーブリングにリードさせる。
「ゾフィーさん!!」
『ゾフィー!』
最後に紅葉はオーブリングを掲げる。
「闇と光の力、お借りします!!」
『フュージョンアップ!!』
そしてゾフィーとベリアルの姿が重なり合い、紅葉は2人の力を融合させた姿・・・・・・「ウルトラマンオーブ サンダーブレスター」へと変身する。
『ウルトラマンオーブ! サンダーブレスター!!』
『フゥウウン!!』
「うわっ!!?」
その際、戦闘機の一機が現れたオーブに「邪魔だ」とばかりに腕で弾き飛ばされ、戦闘機は地上へと墜落。
「わあああああ!!!!?」
「なっ・・・・・・!!?」
その光景を見て、唖然とする海未達。
しかし、オーブは戦闘機のことなど全く意に返さず、そして、ギャラクトロンは街に向かって「ギャラクトロンスパーク」を発射するのだが・・・・・・。
『ゥグルアアアアアア!!!!!』
地上へと降り立ったオーブ・サンダーブレスターが両腕を十時に組んで放つ必殺光線「ゼットシウム光線」を発射し、ギャラクトロンスパークと激しくぶつかり合い、2体の間に強い衝撃が起きる。
『ウオオオオオオオオオ!!!!!』
しかし、すぐにオーブのゼットシウム光線がギャラクトロンスパークを押し返し、ギャラクトロンはギリギリのところで自身の光線を打ち止めて躱すのだが、その際、右肩にオーブの光線が直撃し、右肩を抉れ・・・・・・それによってギャラクトロンはバランスを崩して空中から落下してしまう。
『ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!』
獣のような唸り声をあげて駆け出し、立ち上がったギャラクトロンはバリアを展開し、オーブの放った拳をガードするのだが・・・・・・オーブは何度も拳を叩き込んでごり押しでバリアを破壊し、ギャラクトロンの頭を掴むと何度もギャラクトロンの腹部に膝蹴りを連続して叩きこむ。
ギャラクトロンはなんとかオーブを振り払い、後ろへと後退してギャラクトロンブレードを展開すると、オーブに向かって駈け出し、ブレードを振るってオーブを斬りつけようとするのだが・・・・・・。
それをオーブは両手で掴みあげ、ギャラクトロンブレードを無理矢理引き千切ったのだ。
『ウハハハハ!!!!』
引き千切ったギャラクトロンブレードを手に持ったオーブはそれでギャラクトロンを斬りつけ、ブレードを投げ捨てるとそのままドロップキックをギャラクトロンに浴びせ、倒れ込ませる。
『フハハハハ!!!!』
不気味な笑い声をあげながらオーブは倒れ込んだギャラクトロンを何度も踏みつけ、ギャラクトロンは右腕をロケットパンチの如く飛ばしてオーブを殴り飛ばしてなんとか押し退かし、飛ばした右腕から閃光光線を遠距離から放ってオーブを攻撃する。
それをオーブは光と闇の力を集中させた両腕を交差させて防御する「サンダークロスガード」で光線を防ぎ、そのままオーブは突進してギャラクトロンの右腕を掴みあげると地面に叩きつけて拳を何度も何度も振り下ろし、ギャラクトロンの右腕を破壊。
『ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!』
雄叫びをあげながらオーブはギャラクトロンを睨み付けると、跳躍して一気にギャラクトロンの頭上を飛び越え、背後に回り込むとオーブはギャラクトロンシャフトを掴みあげ、ギャラクトロンの背中を足で押さえつけて「ぶちぶち」という音を立てながらシャフトを引っこ抜く。
それによって、穂乃果の脳に接続してあったコードが耳から引っこ抜かれ、未だに拘束されたままではあるが、そこで彼女は正気を取り戻し、「えっ!?」と一瞬何が起こっているのか分からず、困惑する。
「あ、あれ、私・・・・・・確か・・・・・・。 ここ、どこ!?」
しかし、オーブは容赦なくギャラクトロンの後頭部を掴みあげるとそのまま地面に叩き伏せ、蹴り上げて仰向けに倒れ込ませる。
「ひゃああ!!? なに!? なにが起こってるの!?」
ギャラクトロンの内部で激しく動揺する穂乃果だったが、オーブはまるで「そんなこと知らん」とばかりにギャラクトロンを踏みつけ、穂乃果のいる赤いコア部分などを容赦なく何度も、何度も、何度も、何度も殴りまくる。
『フウウゥゥゥ!! フウウゥゥゥ!! アハハハハ!!!! アーッハッハッハッハ!!!!』
「きゃああああ!!!!?」
「や、やめて・・・・・・」
その光景を、目を丸くして見つめながら、海未は小さく呟くが・・・・・・オーブの耳には届かず、オーブはギャラクトロンの腹部に右腕を突っ込み、ギャラクトロンの内部にあったコードの幾つかを引っこ抜く。
さらにオーブはギャラクトロンの顔を激しく踏みつけた後、先ほど引き千切ったギャラクトロンブレードを拾いあげ、それをギャラクトロンに向かって何度も叩きつけて殴る。
「やめてよ、オーブ・・・・・・穂乃果ちゃんが死んじゃうよぉ・・・・・・」
それに花陽も泣き出しながら、オーブにもうやめてくれと言うのだが・・・・・・カラータイマーが既に鳴っているにも関わらず、オーブはギャラクトロンを攻撃し、一切攻撃の手を緩めないでブレードをギャラクトロンに突き刺そうとする。
「やあああああ!!!!? 助けて、お兄ちゃん・・・・・・お兄ちゃん助けてえええええええ!!!!?」
「やめろ・・・・・・やめて、やめなさい!!!!! オーブ!!!! 穂乃果が死んじゃうって言ってんでしょ!!?」
穂乃果の叫びか、それともにこの叫びか、どちらにせよ、それによってハッと我に返ったかのようにそこでオーブはようやく動きを止める。
その一瞬の隙を見逃さず、上半身を起こしたギャラクトロンは目から閃光光線を放ち、オーブはブレードで防ぐものの吹き飛ばされてしまう。
『グアアアア!!?』
ボロボロの状態ながらも、起き上がるギャラクトロン。
するとギャラクトロンは両腕を広げて・・・・・・あの優しい音色を響かせてオーブに聞かせる。
『フゥゥゥゥ・・・・・・!! フゥゥゥゥ・・・・・・!! ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!』
だが、オーブは構わず怒り狂ったかのような雄叫びをあげて両腕に光と闇の力を集中させた後、腕を十字に組んで放つ必殺光線「ゼットシウム光線」をギャラクトロンに容赦なく撃ち込み、ギャラクトロンは身体中から火花を散らして爆発四散するのだった。
内部に囚われていた、穂乃果ごと・・・・・・。
「きゃああああああああああ!!!!!?」
ギャラクトロンが爆発したことで、穂乃果は外に放り出されることになったのだが彼女は背中を壁に強く打ち付けて気を失い・・・・・・。
『アッ・・・・・・ウゥ・・・・・・』
飛び散ったギャラクトロンの破片を見つめた後、自分の両腕を見つめ、その姿を消すのだった。
*
その後、ギャラクトロンが破壊され、その衝撃で吹き飛ばされた穂乃果をすぐに海未達は発見し、彼女は急いで病院に運ばれた。
また、変身を解いた紅葉は肩で息をして片膝を突いており、紅葉の腰にあったカードホルダーから零れるようにベリアルのカードが地面に落ちた。
「ぐぅ、はぁ、はぁ・・・・・・」
紅葉はそんなベリアルのカードを睨み付け、カードのすぐ隣の地面を殴りつける。
「穂乃果・・・・・・!」
だが、紅葉はすぐに穂乃果の安否が気になり、彼女を探して素早い動きでその場から立ち去るのだった。
*
一方、病院では・・・・・・。
穂乃果は手術を終え、医師からの話では大怪我を負ったとは言え幸い、奇跡的に穂乃果は助かったそうだった。
だが、未だに意識不明の重体であることには変わりなく、あとは本人次第の頑張りに賭けるしかないとのことだった。
またオーブに弾き飛ばされた戦闘機のパイロットも同じ病院に担ぎ込まれたらしいが、気を失っていただけで無事に脱出に成功しており、軽傷だったとのこと。
そして、病室では海未やことり、穂乃果の両親に雪穂が訪れており、流石に病室に全員入るには狭すぎるということでそれ以外のメンバーは外で待機していた。
そこへ丁度、慌てた様子の紅葉が駆けつけ、彼の存在ににこが真っ先に気付く。
「アンタ・・・・・・」
紅葉もにこ達の存在に気付いたが、彼は穂乃果のことが気になって仕方が無く、真っ直ぐ病室に入ろうとするのだが・・・・・・にこに腕を掴まれて引き止められる。
「穂乃果に会う前に、アンタと話したいことあるんだけど? ちょっと来なさい」
「にこちゃん? どうしたの?」
真姫はなぜにこが紅葉を呼び止めたのか分からず、紅葉はにこの腕を振り払い、構わず病室に入ろうとする。
「後にしてください、にこさん」
しかし、すぐににこは紅葉の肩を力強く掴みあげて引き止める。
「アンタに、穂乃果と会う資格があると思ってんの?」
「・・・・・・っ」
「にこちゃん、そんな言い方・・・・・・」
花陽はあの場に紅葉がいなかったから、にこは紅葉を責めているのだと思ったが、当然にこは紅葉があそこにいなかったから怒っているのではない。
むしろ逆・・・・・・1番穂乃果を助けられる場所にいたのに、穂乃果を紅葉が傷つけたことが許せなかったのだ。
にこはここでは真姫達がいるからと紅葉の腕を引っ張って彼女達から離れた場所へと移動することにし、紅葉もそれを甘んじて受け入れ、にこについて行くことに。
一瞬、花陽や凛もついて行こうかとしたが、にこは「どうしてもこいつと2人だけで話したいことがあるから」と凄みを効かせて2人がついて来るのを拒否し、人気のない場所でにこは紅葉を壁に叩きつける。
「アンタ・・・・・・自分が何やったか分かってんの?」
「・・・・・・」
「なんで・・・・・・穂乃果がいること分かってたんでしょ!!? それなのに、どうして・・・・・・!!」
あの時、海未が確かにギャラクトロンの内部に穂乃果が囚われていることを伝え、頷いたことでオーブにそれは伝わっている筈だった。
それなのに、穂乃果がいると知ってて尚、オーブは問答無用でギャラクトロンを攻撃し、光線でギャラクトロンを粉微塵に吹き飛ばした。
そのことににこは怒りが沸き上がり、紅葉の胸倉を掴みあげる。
「なんとか、なんとか言ったらどうなのよ!!?」
未だに黙り続いている紅葉に、にこはさらに苛立ち、ついついここが病院であることを忘れて怒鳴り声をあげてしまう。
「ギャラクトロンを止める為には、あの力しかなかったんです。 でも、使うべきじゃ、なかった・・・・・・あの力を使わないで、なんとかする方法を見つけるべきだったんだ・・・・・・」
「っ・・・・・・」
紅葉は右手で頭を抑え、悲しげな顔を浮かべ・・・・・・その顔を見たにこは思わず紅葉の胸倉から手を離してしまう。
「お願いです、にこさん・・・・・・。 穂乃果に会わせてください。 せめて、謝って済む問題じゃないけど、でも・・・・・・アイツに謝りたいんです」
「っ・・・・・・勝手にしなさいよ」
紅葉は軽くにこに頭を下げると、穂乃果の病室へと向かい、扉を開いて中に入る。
病室では頭に包帯を巻き、未だに眠り続けている穂乃果の姿が見え・・・・・・その姿に紅葉は心がズキリと痛むのを感じた。
「父さん、母さん、雪穂・・・・・・」
「紅葉・・・・・・?」
「お兄ちゃん・・・・・・お姉ちゃんが・・・・・・」
先ほどまで泣いていたのだろうか、雪穂の目は赤く腫れており、彼女は紅葉の姿を見るや否や抱きつき、紅葉はそんな彼女の頭をポンポンと撫でる。
「お姉ちゃん、意識戻らないかもって・・・・・・」
紅葉は雪穂の肩に優しく手を乗せて、軽く離れさせると紅葉は椅子に座って穂乃果の手を自分の両手で握りしめる。
「俺は、オーブを許せない。 絶対に・・・・・・」
「私もです。 オーブは、ずっと私達の味方だと信じて来たのに・・・・・・」
顔を俯かせ、オーブに失望したとばかりの態度を見せる海未。
親友が傷つけられたのだ、ことりは複雑な心境なのか黙ったままだったが、少なくとも海未の怒りは相当なものだろう。
そんな時、薄らと穂乃果が目を開き・・・・・・「お兄ちゃん?」と紅葉のことを呼んだのだ。
「穂乃果!? 気がついたのか・・・・・・」
「ここ、どこ・・・・・・? 私、何してるんだっけ・・・・・・」
穂乃果が目を覚ましたことで、紅葉は泣き出しそうになるのをグッと堪え、彼女の手を今よりも強く握りしめた。
「ここは病院で、俺がお前の手を握ってる」
「えへへ・・・・・・。 そっか、嬉しいなぁ・・・・・・お兄ちゃんに手を握られてるなんて。 とっても、暖かいよ、お兄ちゃん・・・・・・」
「そっか。 ごめんな・・・・・・穂乃果、俺、お前を守れなくて・・・・・・ごめんな・・・・・・」
紅葉は必死にそうやって辛そうにしながら何度も穂乃果に謝り、穂乃果はなぜ紅葉が自分に謝っているのか分からず、頭に疑問符を浮かべるが・・・・・・少しすると、彼女はまた目を閉じて眠ってしまった。
「俺、なんにもできないよな。 学園祭のライブを守れなかったし、穂乃果やことりが喧嘩した時も、何もできなかった。 今回だって・・・・・・穂乃果を助けられなかった」
「紅葉くん、そんなこと・・・・・・」
ことりが「そんなことない」と声をかけようとするのだが、言い終わる前に紅葉は立ち上がって病室を去って行こうとするが、母に呼び止められ、「どこに行くの?」と尋ねられる。
「ごめん、母さん、父さん・・・・・・。 今の俺に、穂乃果と会う資格なんて無いから・・・・・・だから俺はここから消える」
「紅葉、何もそんなに自分を責めなくても・・・・・・」
オーブの正体を知らない海未からすれば、紅葉が過剰に自分を責めているように見えたのだろう。
だが、紅葉は自分がオーブである以上、そんな考えに至れる筈もなく・・・・・・。
「・・・・・・紅葉」
そこで今まで黙り込んでいた父が、突如口を開き、それに母や海未、ことり、雪穂はギョッとしたように目を見開く。
(穂乃果ちゃんのお父さんの声聞くの、何時ぶりだろう・・・・・・)
ことりがそんなことを思っていたが、今はどうでも良いことだと思い、彼女はすぐに思考を切り替える。
「自分の闇ってのは、力尽くで消そうとしたらいけないんだ。 逆に抱きしめて、電球みたいに自分自身が光るんだ。 そうすれば360度、どこから見ても、闇は生まれない。 それを、お前は覚えておけ」
なぜ、父はいきなりそんなこと言い出したのか、それは分からなかったが・・・・・・今の紅葉には心に痛いほど染みる言葉だった。
そして、そんな父の言葉を背に受けて紅葉は病室を出て行き、ギャラクトロンが破壊された場所へと戻って来たのだった。
「・・・・・・闇を抱きしめる。 そんな強さを、俺は見つけられるのか・・・・・・?」
紅葉は地面に落ちているベリアルのカードを拾いあげ、カードホルダーに仕舞い込むと、彼はそのままどこかへと立ち去るのだった。
にこ
「サブタイを探せ! のコーナー! ってあれ? 紅葉は? 穂乃果は?」
凛
「2人ともあんな状態だから今日は来てないにゃー」
にこ
「いや、本編とここは全く関係ない時空じゃなかったっけ!?」
凛
「今回は特殊にゃ」
花陽
「取りあえず、今回のサブタイはオーブ本編では違ってたけどウルトラマンギンガ第10話『闇と光』だよ!」
凛
「紅葉くんがサンダーブレスターになる時の台詞だよね」