ラブライブ! オーブ‼︎   作:ベンジャー

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第17話 『君を照らす太陽』

穂乃果はどこかの森の中に立っていた。

 

自分は先ほどまで病室で寝ていた筈なのに・・・・・・なぜか見知らぬ森の中にいたのだ。

 

「ここ、どこだろう?」

 

自分は夢でも見ているのだろうかと考える穂乃果だったが、ただの夢にしてはなんだか妙にリアルな気がしてならなかった。

 

すると、穂乃果の耳に聞き覚えのあるメロディーが聞こえ、彼女はそれがすぐに紅葉がよく演奏するオーブニカのメロディーであることに気付く。

 

「これって・・・・・・お兄ちゃん!!?」

 

穂乃果はメロディーを聴くと「近くに紅葉がいるのかもしれない」と思い、メロディーする方向へと必死に駆け出して行き、音楽の聞こえる場所に辿り着くとそこには確かに紅葉がいた。

 

「お兄ちゃんっ・・・・・・!!」

 

紅葉の姿を発見するや否や明るい表情を取り戻した彼女はすぐにでも紅葉に抱きつきたい衝動に駆られるが・・・・・・。

 

紅葉の隣に、1人の女性が座っていることに気付いた。

 

「あの人は・・・・・・」

「~♪」

 

その女性は紅葉のオーブニカの演奏と合わせて歌っており、穂乃果はよく、紅葉はオーブニカの演奏をすると隣に座って自分もそれに合わせて歌う為、その光景を見て驚きを隠せないでいた。

 

しかも、紅葉とその女性・・・・・・ナターシャは妙に親しくしており、穂乃果は自分の中でモヤっとした気持ちが沸き上がってくるのを感じたが・・・・・・ナターシャはそんな彼女の存在に気付くと、穂乃果に向かって手を振ってこちらに向かって来たのだ。

 

「えっ!? えっ!? あ、あの・・・・・・」

「高坂 穂乃果ちゃんだよね?」

 

ナターシャに名前を尋ねられ、穂乃果はどうしてナターシャが自分の名前を知っているのか不思議に思いつつも、「は、はい」と彼女は頷く。

 

「私が、お兄さん・・・・・・紅葉と仲良くしてるの見て嫉妬しちゃったかな?」

「・・・・・・少し・・・・・・」

 

穂乃果は言いづらそうにしながらも、ナターシャの質問に素直に応え、そんな彼女の返答を聞いてナターシャは笑みを浮かべながら「そっか」と頷く。

 

「でもね、嫉妬する必要なんかないよ。 だってこれは、あなたの記憶でもあるんだから」

「えっ・・・・・・?」

「私は、あなた。 あなたはね、私の生まれ代わりなんだよ?」

「えっ、えぇ!!?」

 

そんなナターシャのいきなりの告白に衝撃を受ける穂乃果だが、「んっ?」すぐに気になる部分があったことに気づき、「ちょっと待って」とタンマをかけて少しだけ考え込む。

 

「あなたが私の生まれ変わりなら、なんでこんな風に会話できてるの? それに、お兄ちゃんも・・・・・・」

 

生まれ変わりと言ってもそれは結局同一人物であることとほぼ変わりないので、生まれ代わりなのだとしたらなんでこんな風に分裂してお互いに喋ることが可能なのだろうか?

 

それに彼女が自分の前世で先ほど紅葉とイチャイチャしていたのがナターシャの記憶なら、なぜ紅葉は今と変わらない姿で・・・・・・と穂乃果は疑問に思い、ナターシャに問いかける。

 

「私と同じで頭の出来悪い癖に変なとこ突いて来るな」

「えっ、なんて?」

 

ナターシャは何か小言を言っていたが、ナターシャは咳払いを1つして穂乃果の質問に応えることに。

 

「色々と複雑なのよ。 人の魂って言うのは。 ただ今回こうして私があなたの前に現れたのは・・・・・・1つだけお願いがあったから」

「お願い?」

「うん。 お願い、穂乃果。 お兄さんを・・・・・・紅葉を助けて欲しい」

 

真剣な眼差しで、ナターシャは穂乃果に頭を下げてそう頼み込み、それに当然ながら困惑する穂乃果。

 

「今、紅葉は暗闇のどん底にいる。 そんな彼を救えるのは、あなたの前世である私が言うのも変だけど・・・・・・あなただけなの」

「お兄ちゃんを・・・・・・?」

 

穂乃果が問いかけると、ナターシャは静かに頷く。

 

「所詮私は過去の人間だからね。 だから、彼のことは穂乃果、今を生きるあなたが救って欲しい」

 

ナターシャはそう言いながら右手を挙げると、一瞬世界が真っ白になり、彼女が右手を降ろすと再び辺りは森に包まれる。

 

しかし、先ほどと違うのは穂乃果とナターシャのすぐ傍で木に寄りかかって座り込んでいるボロボロの状態の紅葉だった。

 

「お兄ちゃん!?」

 

ボロボロの紅葉を心配して、すぐに駆け寄ろうとする穂乃果だったが・・・・・・ナターシャが穂乃果の肩を掴み、引き止める。

 

「待って。 彼に、これを渡して」

 

そう言ってナターシャが穂乃果に渡したのは1枚の何も描かれていない真っ白なカード。

 

「これは彼に、必要なものだから。 そして彼に、あなたが頭に思い浮かべた言葉を彼に言ってあげて?」

 

なぜこんなカードを自分に渡したのかは分からないが、穂乃果はそれを受け取り、力強く頷くと、穂乃果は倒れ込んでいる紅葉の元に駆け寄り、しゃがみ込む。

 

穂乃果の姿に気付いた紅葉は、穂乃果にゆっくりと右手を差し伸べ・・・・・・彼女のその手を掴み取り、穂乃果はカードを手渡す。

 

「あなた自身だよ。 ありのままの、あなた・・・・・・」

 

なぜこんな言葉を紅葉に言ったのかは分からない。

 

ただ、穂乃果は今の紅葉にはこう言わないといけない気がした。

 

自分らしく、ありのままの彼を受け入れると穂乃果は伝えなくてはと思ったのだ。

 

「穂乃果・・・・・・?」

 

そしてそのカードを受け取った紅葉は彼女の顔を見つめ、「穂乃果?」と首を傾げながら彼女の名を呼ぶ。

 

「戻って来て、お兄ちゃん。 私のところに・・・・・・。 私は、ありのままのお兄ちゃんを受け入れるから。 だから・・・・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで、穂乃果は病室で目を覚まし、彼女は飛び起きた。

 

「夢・・・・・・? だったの?」

 

夢から覚めた彼女は、あれは夢だったのかと疑問に思うが・・・・・・それにしては妙にリアルな感じがしていた。

 

だが、リアルだろうがなんだろうか夢は夢。

 

折角紅葉に会えたと思ったのに、夢の中の出来事であることに穂乃果は「はぁ」と溜め息を吐いてガッカリし、もう1度布団に潜って二度寝する準備に入る。

 

「お兄ちゃん・・・・・・会いたいよ・・・・・・」

 

穂乃果は小さく、そう呟いた後、オーブニカのメロディーを口ずさみながら彼女はもう1度眠りの世界へと入る。

 

その時、病室の扉が音もなくゆっくりと開き、1人の男性が病室へと入ってきたのだ。

 

「高坂さ~ん? 診察ですよぉ~?」

 

その男性・・・・・・それは・・・・・・ナース服を着てやたらとケバい化粧をしたラグナだった。

 

「ナースつっても宇宙竜 ナースのことじゃねえぞ?」

 

誰に言ってんだ。

 

「まぁ、それよりも~? 高坂さん、ちょっと血圧計りますねぇ?」

 

ラグナは穂乃果の右手首を掴み、それを受けて彼女は薄らと目を開けると・・・・・・目の前にケバい化粧をしたラグナの顔があることに気づき、「ひううう!!?」と穂乃果は恐怖におののいた顔を浮かべる。

 

そりゃ、目を開けていきなりこんなのがいたら怖い。

 

「おやぁ? 脈拍が上昇してますね? 少し熱もあるようだ。 恋の病ってやつかな?」

「は、離してよ!!」

 

穂乃果はラグナの腕を振りほどこうとするが、ラグナの腕の力は強く、そう簡単には振りほどけない。

 

「なぜマスコミに真実を公表しない? ウルトラマンオーブには失望した、奴は人類の敵でありこの星から排除すべきだと・・・・・・君がそう言えば人類は一斉にオーブを敵視する。 そうすれば奴は一貫の終わりよ・・・・・・」

「それは真実じゃないもん!!」

 

穂乃果はそう言い放ってなんとかラグナの腕を振り払うことに成功し、ベッドから立ち上がってラグナから距離を取る。

 

「私はオーブに失望なんてしてない。 それに、オーブは敵なんかじゃないよ! きっと、彼は自分の力の大きさに苦しんでるんだよ・・・・・・」

「なぜそんなことがお前に分かる? お前にオーブの何が分かるって言うんだぁ?」

「そんなの分かんないよ!! 分かんないけど・・・・・・でも、なんとなくだけど・・・・・・オーブが苦しんでいたのは・・・・・・分かるんだ・・・・・・」

 

穂乃果は顔を俯かせながら・・・・・・けれどもハッキリと、力強くラグナにそう言い放ち、それを受けたラグナは「はぁ」と呆れたような溜め息を吐く。

 

「全く、訳の分からんことを・・・・・・」

「あなたこそ、どうしてそんな風にオーブを追い込みたいの?」

 

穂乃果はラグナにそう尋ねるが、ラグナは穂乃果の質問には何も応えず、背を見せてその場を立ち去ろうとする。

 

「もしかして、お兄ちゃんと何か関係があるの?」

「なぜそう思う?」

「・・・・・・それは・・・・・・」

 

穂乃果はなぜラグナはそんな風にオーブを追い込みたいのか分からず、その理由を尋ねてみたのだが・・・・・・ラグナは逆に穂乃果に質問を投げかけ、返答に困った彼女は口ごもってしまう。

 

「それもなんとなく・・・・・・かっ。 フン、あんな男の話なんてどうでもいいだろ。 それに、アイツはお前のことを置いて逃げ出した」

「どうでもよくなんかないよ!! きっと、何か事情があるんだ・・・・・・。 お兄ちゃんは帰って来るって、私は信じる。 だって、私が本当に危ない時は・・・・・・何時だって、来てくれるから・・・・・・」

 

そう語る穂乃果に対してラグナは「フン」と鼻で笑い、蛇心剣を鞘から引き抜いて振り返りざまに蛇心剣を振るう。

 

「ひゃっ!!?」

 

間一髪、穂乃果は後ろに下がることで蛇心剣による刃を避けたのだが・・・・・・その際、台の上にあったマトリョーシカが斜めに切り裂かれ、床に落下。

 

そしてラグナは・・・・・・穂乃果の目の前で魔人態へと変身。

 

それを受け、初めて「無幻魔人 ラグナ」の姿を見た穂乃果は衝撃を受け、目を見開いて驚きの表情を浮かべていた。

 

「っ!!? なに・・・・・・その姿・・・・・・?」

『マジで危ない時は来てくれる・・・・・・かっ。 本当に来てくれるか、試して見ようじゃないか?』

 

ラグナは蛇心剣を構え、それを穂乃果へと容赦なく振り下ろそうとする。

 

『マトリョーシカの次は、お前の番だ』

「っ、お兄ちゃん・・・・・・!!!!」

 

咄嗟に目を瞑り、紅葉のことを呼ぶ穂乃果。

 

そんな穂乃果にラグナは構わず容赦なく蛇心剣を振り下ろすのだが・・・・・・。

 

その時、一閃の光がラグナの目の前に出現し、その光の中から紅葉が現れて蹴りを放ち、ラグナを引き離すと紅葉は恐怖で気を失った穂乃果を抱きかかえて素早くラグナから離れる。 

 

『遅かったな。 あと少しで妹ちゃんはあの世行きだったぞ?』

「・・・・・・」

 

紅葉はラグナの言葉に何も返さず、彼はそのまま素早い動きで穂乃果を連れ、病室を出て行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、音ノ木坂のアイドル研究会部室では・・・・・・。

 

「た、た、大変です!!」

 

部室にはにこ、真姫、凛、海未、希が集まっていたのだが・・・・・・そこに慌てた様子の花陽が駆けつけ、一同は「またこのパターンか」と思いつつも代表して海未が「どうかしたのですか?」と問いかけると、花陽は深呼吸をして一旦落ち着いてから、みんなに話し始める。

 

「自衛隊が、次にウルトラマンオーブが現れたら最優先攻撃対象にするってネットでニュースになってます!!」

「えっ、それって・・・・・・マジなの?」

 

にこ達はスマホを取り出してネットのニュースを見てたところ、確かに軍隊が次にオーブが現れたら攻撃することが発表されており、海未は「流石に総計では・・・・・・?」と疑念を抱かずにはいられなかった。

 

「そ、そうだにゃ! もうちょっと考えてくれても・・・・・・」

「落ち着きなさいよ、凛。 確かに、凛や海未の気持ちも分かるけど・・・・・・自衛隊の人達だってきっと、ただこれ以上犠牲を出したくないだけだと思う・・・・・・」

 

真姫は凛に落ち着くように言い、そんな彼女の軍隊に対する意見に希も頷いて同意する。

 

「そうやねぇ。 何かを守るってことは・・・・・・何かを傷つける覚悟を持つことやと思うし・・・・・・」

「・・・・・・何かを守る覚悟と、何かを傷つける覚悟・・・・・・」

 

そんな希の呟きを聞いたにこは、これまでのオーブの戦いを思い出し・・・・・・希の言っていたこと、それはオーブにも当て嵌まるのかもしれないと考え込む。

 

「オーブも、何かを守る為に、何かを傷つながら戦ってきた・・・・・・のかも、しれないわね」

「にこ?」

「正義にだって、光と闇の面がある。 そういうことなのかもね・・・・・・」

 

静かにボソッとそう呟くにこ。

 

そんな彼女の呟きの声が聞こえた海未達は、彼女の言葉にどこか共感したかのような表情を浮かべていた。

 

そんな時・・・・・・。

 

誰かが部室に向かって駈け出している音が聞こえ、部室の扉が勢いよく開くと慌てた様子の絵里とことりがやってきたのだ。

 

「今度はアンタ等かい!!」

「み、みんな・・・・・・大変よ!!」

「穂乃果ちゃんが、穂乃果ちゃんが・・・・・・病室から消えたって!!」

 

ことりからの報告に、海未達は「えぇ!!?」と驚きの声をあげるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んっ・・・・・・んんっ」

 

その後、穂乃果が目を覚ますとそこは森の中に立てられた休憩所の建物のような場所で、自分は長い椅子のようなもののところで寝かされており、誰かに毛布をかけて貰っていることに気付いた。

 

「気がついたか?」

「お兄・・・・・・ちゃん・・・・・・?」

 

目を覚ますと、紅葉が目の前にいることに気付いた穂乃果は「お兄ちゃん!!」と彼のことを呼びながら飛びつくように、抱きつき、彼女はわんわん泣き出してしまった。

 

「うわあああああん!! お兄ちゃんがいなくて、いなくて・・・・・・ずっと寂しかったんだからね!! うっ、うぅ・・・・・・ぐすっ。 会いたかったよぉ・・・・・・」

「・・・・・・すまない」

 

紅葉はそんな彼女をあやすように謝罪をしながら背中を摩る。

 

「俺のせいで、お前を危険な目に合わせちまったな」

「うぅ・・・・・・えっ?」

 

紅葉は暗い表情を浮かべながら、自分のせいで穂乃果はラグナに狙われたのだと自分を責め、さらには先ほど病室から持って来ていた唯一ラグナに斬られなかった最後の小さなマトリョーシカを取り出し、あのマトリョーシカが壊されてしまったことに対しても、彼は謝罪した。

 

「これ、お前が取ってたんだろ? 病室まで持って来てたってことは、結構大切にしてたんじゃないのか?」

「それは・・・・・・」

「俺といると、みんな不幸になるのかもな。 これ以上、大切なものを傷つけたくないのに・・・・・・」

 

悲しそうな瞳で紅葉は穂乃果の顔をジッと見つめながらそう言うのだが、そんな彼に、穂乃果は「そんなことない!!」と言い放つ。

 

「お兄ちゃんは何時も、私のことを助けてくれる!! 私だけじゃない、海未ちゃんやことりちゃん、それに、μ'sのみんなのことだって、お兄ちゃんは何時でも助けてくれた。 だから・・・・・・だから・・・・・・」

 

穂乃果は紅葉の右手をギュッと自分の両手で握りしめ、彼女は真剣な眼差しで紅葉に言い放つ。

 

「自分をそんなに責めないで?」

「だけど・・・・・・俺は、助けてくれるって言うけど・・・・・・ギャラクトロンの時、俺はお前を助けられなかった。 俺はお前のお兄ちゃんなのに・・・・・・」

 

それでも穂乃果の言葉は紅葉には届かず、むしろ逆に彼は穂乃果を助けられなかったと自分自身を責め立ててしまう。

 

だが、穂乃果も負けじと、「違うったら違う!!」と必死に紅葉の言葉を否定し、首を横に振る。

 

「私が今回の事件で怪我をした時、身体が凄く痛かったし・・・・・・怖かった。 でもね、お兄ちゃんが来てくれて・・・・・・私の手を握ってくれて・・・・・・。 それが私の勇気になった、力になったんだよ!!」

 

しかし、元はと言えば紅葉・・・・・・自分自身が変身したオーブがギャラクトロンに囚われた穂乃果ごと光線を撃ち込んだことが原因。

 

だから穂乃果の手を握ったから、彼女の勇気になった、力になったという言葉に複雑な感情を抱く紅葉。

 

だが、次に穂乃果から出た言葉は紅葉に取って意外なものだった。

 

「だから、私はお兄ちゃんと、オーブに助けられたんだ」

「・・・・・・えっ?」

 

紅葉に助けられたというのならば、先ほどの話を聞けば分かる。

 

しかし、オーブに助けられた・・・・・・というのは紅葉にとって意外でしかなかった。

 

オーブが穂乃果ごとギャラクトロンを倒したせいで、穂乃果は危うく死にかけ、大怪我を負い、そのせいでμ'sはラブライブに参加できなくなった。

 

なのに・・・・・・穂乃果はオーブに助けられたと語り、紅葉は驚きを隠せないでいた。

 

当然だろう、普通ならばオーブのことを恨んで当たり前なのだから。

 

「恨んでないってのか? オーブのことを・・・・・・そのせいで、穂乃果は死にかけて大怪我して、ラブライブにも出場できなくなったし・・・・・・」

「ラブライブはきっとまた次があるよ!! それに、確かにオーブはギャラクトロンを倒した時に私のことを傷つけたかもしれない。 でも、こうして今無事でいられるのも、オーブのおかげなんだよ? 例え世界中がオーブの敵になっても、私はオーブを信じたい、ううん、信じる! そして、オーブに救いの手を私は差し伸べたい」

 

笑みを浮かべながら、紅葉に話す穂乃果。

 

「どうして、そんな風に言えるんだ。 オーブのこと、そんなに知らないだろ」

「うん、オーブのことはあんまり知らないよ。 でも、どこか・・・・・・前々から感じてたんだ。 お兄ちゃんとなんか似た雰囲気あるなって・・・・・・」

 

それを聞いて一瞬正体がバレたのかと思い、ドキリとする紅葉だったが・・・・・・穂乃果の様子を見るに、どうやら自分がオーブであることはまだ気付いていないらしい。

 

「たったそれだけの理由で・・・・・・?」

「それだけでも、私にとっては十分だよ! だって私は、お兄ちゃんのことも信じてるからっ!」

 

穂乃果はそう言って紅葉に対して微笑むと、穂乃果はマトリョーシカを持つ紅葉の左手を握り、最後に残った小さなマトリョーシカを紅葉に預ける。

 

「マトリョーシカはお母さんが持って来てくれたんだ。 祖先のお婆ちゃんが残した幸運の御守りだって! 最後の1つは、お兄ちゃんが持ってていいよ?」

 

穂乃果は紅葉の握った最後のマトリョーシカの1つを見つめながら、それを彼に預ける。

 

「どうせ、中身は空っぽだろう?」

 

しかし、そんな紅葉の言葉を、穂乃果は首を横に振って否定する。

 

「ううん、お母さんが言ってた。 最後の1つには、希望が残されてるんだって!!」

「・・・・・・希望・・・・・・」

「うん」

 

すると、穂乃果は再び紅葉の右手を自分の両手で握りしめ、彼女はマガオロチの時・・・・・・母に言われた言葉を思い出す。

 

「握った手の中、愛が生まれる・・・・・・か」

「なんだ、それ?」

「お兄ちゃんは聞いたことなかったっけ? お母さんが言うには、祖先のお婆ちゃんの遺言らしいよ? そのマトリョーシカの御守りを残した、ルサールカのお婆ちゃん。 ちなみに私達にとってはひいひいお婆ちゃんに当たるそうだよ?」

 

それを受け、紅葉は「えっ」と目を見開き、驚愕した顔を浮かべる。

 

「ルサールカ・・・・・・」

 

すると、穂乃果は立ち上がって紅葉に背を向けると、落ち込む彼を励ますように・・・・・・1人・・・・・・あのオーブニカのメロディーを口ずさんで歌い出す。

 

「~♪」

「穂乃果・・・・・・」

 

その時、最後に残ったマトリョーシカが「パキ」という音を立てながら割れ、紅葉はその中に1枚の写真が入っていることに気付く。

 

彼はそれを取り出すと・・・・・・そこにはオーブニカを吹く紅葉と、隣に座るナターシャの姿が映った白黒の1枚の写真があったのだ。

 

「・・・・・・ナターシャ・・・・・・?」

 

その写真を見た紅葉はさらに驚愕し、ナターシャはかつてのマガゼットンとの戦いの際に起きた爆発に巻き込まれ死んだと思われていた。

 

だが・・・・・・。

 

(それじゃ、母さんや・・・・・・雪穂に・・・・・・それに穂乃果は・・・・・・!! ナターシャの、子孫・・・・・・?)

 

紅葉は穂乃果の背中を見つめ、自分の母や雪穂、それに穂乃果がナターシャの子孫であることに気づき、彼は静かに涙を流す。

 

「っ・・・・・・うぅ・・・・・・はは。 とんだ巡り合わせだな・・・・・・」

 

かつての大切な人だったナターシャ・・・・・・その子孫の義理の息子になるとは、なんとも奇妙なものだと感じる紅葉。

 

いや、もしかすればこうなる運命だったのかもしれない。

 

なんにせよ、穂乃果がナターシャの子孫だとするならば・・・・・・それはナターシャがあの爆発から生きていたことを意味し、彼女はあの惨劇を生き抜き、命を繋いでいたのだ。

 

未だに歌い続ける穂乃果を、紅葉は力強く、後ろから抱きしめた。

 

「穂乃果ッ!!」

「ひゃっ!!? お、お兄ちゃん・・・・・・?」

 

それに驚き、顔を真っ赤にする穂乃果。

 

「ど、どうしたの・・・・・・?」

「うっ。うぅ・・・・・・ありがとう、穂乃果。 生まれて来てくれて、ありがとう」

 

すると、紅葉はゆっくりと未だに戸惑う穂乃果を自分の方へと振り向かせると、彼は「頼みがある」と穂乃果にあることを頼もうとする。

 

「・・・・・・なぁに?」

「今度オーブが現れたら、あのメロディーの歌を、聞かせてやって欲しい。 オーブを、救ってやって欲しいんだ・・・・・・」

「・・・・・・うんっ」

 

それを受け、穂乃果は快く・・・・・・笑顔で力強く頷く。

 

その時、空から雷が落ちたかのような音が鳴り響き、紅葉と穂乃果が音のした方へと顔を向けるとそこでは上空に巨大なワームホールのようなものが出現しており、異常に気付いた紅葉はオーブニカを穂乃果に手渡す。

 

「穂乃果、これを持っていて欲しい。 俺は、また・・・・・・お前の元に帰って来る。 必ず」

「お兄ちゃん・・・・・・」

 

紅葉は穂乃果にそう言い残すと、彼はワームホールの場所へと駆け出して行き、そんな彼の背中を見つめながら・・・・・・穂乃果はポツリと呟く。

 

「まさか、お兄ちゃんは・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ワームホールから赤い黒い稲妻のようなものが落ち、地上へと「合体魔王獣 ゼッパンドン」が降り立った。

 

『ピロロロ・・・・・・ゼッパンドン・・・・・・!』

「ラグナ・・・・・・」

 

そこに丁度紅葉が駆けつけ、ラグナは紅葉の姿を見ると、彼を「クイクイ」と右手で挑発する。

 

『全力で来い。 俺に太刀打ちできるのは闇のカードだけだ・・・・・・!』

 

紅葉は、カードホルダーからベリアルのカードを取り出し、それをジッと見つめる。

 

『私はオーブを信じたい、ううん、信じる! そして、オーブに救い手を私は差し伸べたい』

『だって私は、お兄ちゃんのことも信じてるからっ!』

 

穂乃果から受け取った言葉・・・・・・それを頭に思い浮かべながら、紅葉はオーブリングを取り出す。

 

「俺はもう、闇を恐れない。 この勇気は、穂乃果がくれたものだから・・・・・・!! だから!! 闇を抱きしめて見せる!!」

 

紅葉は最初に「ゾフィー」のカードをオーブリングにリード。

 

「ゾフィーさん!!」

『ゾフィー!』

 

続けて、紅葉は「ウルトラマンベリアル」のカードをオーブリングにリードして読み込ませる。

 

「ベリアルさん!!」

『ウルトラマンベリアル!』

 

そして紅葉はオーブリングを掲げる。

 

「光と闇の力、お借りします!!」

『フュージョンアップ!』

 

ゾフィーとベリアルの姿が重なり合い・・・・・・紅葉は2人の力を融合させた「ウルトラマンオーブ サンダーブレスター」へと変身する。

 

『ウルトラマンオーブ! サンダーブレスター!!』

 

オーブはゼッパンドンの目の前に降り立ち、ファイティングポーズを取って構える。

 

『闇を抱いて、光となる!!』

『ヒハッ♪ ヒハハハハ!! 遂に使ったか!! それで良いんだよ紅葉くんよォ!! アハハハ!! ゴッホゴッホ!!』

 

ラグナは紅葉がベリアルのカードを自分に対して使って来たことが余程嬉しかったのか、妙にハイテンションな様子を見せる。

 

『ウ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!!!!』

 

雄叫びを上げながらオーブはゼッパンドンへと向かって行き、ゼッパンドンの胸部を何度も殴りつけるが・・・・・・ゼッパンドンは微動だにもせず、逆にオーブを殴りつける。

 

『グゥ・・・・・・ハアア!!』

 

オーブはゼッパンドンに掴みかかって膝蹴りを繰り出すが、やはりゼッパンドンにはあまり効いておらず、ゼッパンドンは頭部の両脇にある口のような器官から発射する紫色の破壊光線をオーブに撃ち込み、それを受けて大きく後退するオーブ。

 

『ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!』

 

それでもオーブはゼッパンドンに向かって行き、ゼッパンドンの顔を左手で掴みあげると右拳で素早く何度も何度も拳をゼッパンドンの顔面に叩き込んで行き、それを受けて流石にたじろくゼッパンドン。

 

『グウウウゥ・・・・・・!!』

 

それをゼッパンドンは両腕を振るってなんとかオーブの腕を振り払い、右手でオーブの胸部を殴って引き離すことに成功。

 

だが、その際オーブはヤクザキックをゼッパンドンの腹部に叩きこみ、ゼッパンドンはほんの少しだけフラついてしまう。

 

その僅かな隙を見逃さず、オーブは赤い色の光輪を作り出し、それを相手に投げつける「ゼットシウム光輪」を放つ。

 

『ゼットシウム光輪!!』

『フン』

 

しかし、ゼッパンドンは瞬間移動で姿を消すことでそれを躱し、同じ場所に再度出現。

 

すると、インナースペース内のラグナが「ゼットン」のカードを取り出し、ダークリングにリードさせて読み込ませる。

 

『ゼットンよ』

『ゼットン!』

 

続けてラグナは「宇宙忍者 バルタン星人」というセミに酷似した宇宙人のカードをダークリングにリードさせる。

 

『バルタン星人よ』

『バルタン星人!』

 

そしてラグナはダークリングを掲げる。

 

『お前達の力も、頂くぞ!!』

 

するとゼットンとバルタンの姿が重なり合い、ゼッパンドンは姿を変え、2体の姿を融合させたような1体の怪獣・・・・・・「ゼットンバルタン星人」へと姿を変える。

 

『超合体、ゼットンバルタン星人・・・・・・!』

『ゼットンバルタン・・・・・・!』

 

ゼットンバルタンは両腕のハサミを構えると、こちらに向かって襲いかかろうとして来るオーブに重力嵐を起こし、大量の砂を巻き上げてオーブの視界を塞ぐ。

 

『ウオッ・・・・・・グゥ・・・・・・!!?』

 

さらにそこからゼットンバルタンは両腕のハサミから放つ「白色破壊光線」と胸部から放つ1兆度の火球をオーブに撃ち込み、オーブは両腕を交差してなんとかゼットンバルタンの攻撃に耐える。

 

『チッ、マガオロチの力を使ってるゼッパンドンの方が火力自体は上か』

『ウガアアアアア!!!!』

 

ゼットンバルタンによる攻撃に苛立ったのか、オーブは雄叫びをあげながらゼットンバルタンに掴みかかるのだが・・・・・・ゼットンバルタンは瞬間移動で姿を消し、次の瞬間にはオーブを囲むように3体に分身したゼットンバルタンが現れる。

 

『ゼットンバルタン・・・・・・!』

 

そして同時に3体のゼットンバルタンは白色破壊光線を放ち、それら全てをオーブに直撃させてオーブを大きく怯ませることに成功。

 

『ウグォ・・・・・・!!?』

 

流石に3体分の光線となるとダメージを全く受けないという訳にはいかないようだ。

 

ゼットンバルタンは姿を変えて再びゼッパンドンになると紫色の破壊光線を続けざまにオーブに撃ち込み、オーブは大きく後退。

 

『ウアアアアア!!!!』

 

すると、オーブは近くにあった電波塔を引っこ抜くと、それを手に持ってゼッパンドンを殴りつける。

 

『良いねぇ~、その暴れっぷり、惚れ惚れする・・・・・・!』

 

そのままオーブは電波塔が壊れるまでゼッパンドンを殴りつけるのだが、ゼッパンドンはせいぜいほんの少しよろめく程度で大したダメージは無く・・・・・・ゼッパンドンはオーブの腹部に蹴りを入れて自分から引き離す。

 

『ウ゛オ゛オ゛オ゛オ゛・・・・・・!! ゼットシウム・・・・・・光線!!!!』

『ゼッパンドンシールド!!』

 

右手に闇、左手に光のエネルギーをチャージした後、両手を十字に組んで発射する必殺光線「ゼットシウム光線」をオーブはゼッパンドンに撃ち込むのだが・・・・・・ゼッパンドンは「ゼッパンドンシールド」というバリア技を発動させてオーブのゼットシウム光線をあっさりと防いでしまう。

 

『ッ!! ウガアアアアア!!!!!』

 

オーブはゼッパンドンへと向かって行き、ゼッパンドンに向かって拳を振るうのだが・・・・・・ゼッパンドンはそれもゼッパンドンシールドで防ぐ。

 

だが、それでも構わずゼッパンドンシールドを何度も殴りまくり、一切攻撃の手を緩めようとはしなかった。

 

『どうした!? まだまだこんなもんじゃねえだろ、紅葉ィ!!』

 

その時、オーブの出現を受けて出撃した3機の戦闘機が現れ、オーブを撃退するために攻撃態勢に入る。

 

『ウルトラマンオーブを確認! 先ずはオーブに攻撃を集中せよ!』

『本当に、良いんですか?』

『良いんだ・・・・・・!!』

 

しかし、戦闘機のパイロットもオーブを攻撃することを躊躇しており、それでも軍の決定である以上従わざる終えない為、戦闘機は一斉にミサイルなどでオーブを攻撃し始める。

 

『ウオッ!?』

 

それによって僅かに出来た隙を突き、シールドを解除すると同時に紫の破壊光線でオーブを吹き飛ばすゼッパンドン。

 

『ウアアアアア!!!!?』

「オーブ・・・・・・!」

 

そこへ丁度、紅葉との約束を果たす為に、オーブの戦いの様子を見守れる場所へと駆けつけて来た穂乃果。

 

それと同時に病院からいなくなった穂乃果を探していたにこ、希、海未が丁度その場に現れ、すぐさま彼女等は穂乃果の元へと駆け寄る。

 

「穂乃果!! なんでこんなところにいるんですか!!?」

「おぉ~、にこっちの予想大当たりやん。 ほんまにオーブの近くにおるとはなぁ・・・・・・」

「別に。 たまたまよ」

 

どうやらオーブが出現したことで、「もしかしたら穂乃果はオーブの近くにいるのでは?」とにこが予想したらしく、それで海未達はこの場にやってきたのだ。

 

また、にこはゼッパンドンと戦うオーブの姿を見つめ、その荒々しい戦いっぷりを見て彼女はオーブが又もや暴走していることに気付く。

 

「しっかりしなさいよ。 なにまた暴走してんの・・・・・・!」

 

にこは拳を強く握りしめながらそう呟き、また穂乃果は海達の姿を見て「なんでここに・・・・・・」と彼女達がここにいることを不思議に首を傾げる。

 

「みんな・・・・・・なんでここに・・・・・・」

「それはこっちの台詞ですよ!! ここは危険です!! 早く逃げましょう!!」

 

海未は一刻も早くここから逃げようと言うのだが、穂乃果はそれを首を横に振って拒否し、逆に彼女は一歩前に出て、オーブに呼びかける。

 

「オーブ!! 私は、信じてるよ!! どんな姿になっても、どんなに力に溺れそうになっても、私の命を救ってくれたあなたのこと・・・・・・ずっと信じてるから!! 変わることを恐れないで!! 突き進む勇気を持って・・・・・・!! ファイトだよ!! ウルトラマンオーブ!!」

 

最後の言葉は、絵里が以前自分に言ってくれた言葉・・・・・・。

 

絵里は自分に、「変わることを恐れないで突き進む勇気を穂乃果がくれた」と言ってくれた。

 

だから穂乃果は、絵里が言うように、誰かにその勇気を与えることが自分にできるなら・・・・・・オーブにも同じように、その勇気を与えたいと思った。

 

それを受け、オーブはゆっくりと穂乃果の方へと振り返り、顔を向ける。

 

『ゴチャゴチャうるせえ!! 今俺がオーブと遊んでんだろうがァ!!』

 

するとゼッパンドンは紫の破壊光線と口から吐く火球「ゼッパンドン撃炎弾」を穂乃果達を巻き込むようにオーブに次々と撃ち込んで行き、穂乃果達はその際に起きた爆発の炎に飲み込まれてしまう。

 

『ヌオオ・・・・・・グウウウ!!!!?』

『アハハハ!! アーハッハッハッハ!! ゲホッ!! 滑稽だなぁ!!? お前はまた大切なものを守れなかったんだ!! あばよ、ウルトラマン!!』

 

その際、ゼッパンドンの攻撃による衝撃が強すぎて戦闘機も待避し、ゼッパンドンはそのままオーブの姿が確認出来なくなるまで次々と光線と火球を撃ち込みまくる。

 

『ヒハハハハ・・・・・・!! あっ?』

 

一度攻撃の手を止め、オーブが倒れ伏している姿を確認しようとするゼッパンドンだったが・・・・・・その時、煙が晴れ、その煙の中から現れたオーブの姿を見て不審に思うラグナ。

 

そこには、オーブが肩膝を突いて穂乃果達をゼッパンドンの攻撃から守っている姿があったのだ。

 

「皆さん、観てますか~!? オーブが、ウルトラマンオーブが私達のことを守ってくれました!! 彼が私達を救ってくれたんです!!」

 

そんなオーブの姿をいつの間にかビデオカメラを取り出していた希が撮影しており、それにギョッとした顔を浮かべて驚くにこと海未。

 

「希、アンタいつの間に・・・・・・」

「こんなこともあろうかと思ってな♪ 勿論、ネットで生放送中やで!」

 

色々とツッコミたい気持ちはあるが・・・・・・それでも、希に「やるじゃない」とサムズアップするにこ。

 

そして、オーブと穂乃果は互いに見つめ合い、オーブが頷くと・・・・・・穂乃果も頷き返し、紅葉に言われたように・・・・・・オーブニカのメロディーを口ずさむ。

 

「~♪」

『う、うぅ、このメロディーは・・・・・・!!』

 

それに対し、インナースペース内のラグナはそのメロディーを聴いて頭を抑える。

 

やがてオーブのインナースペース内でも、紅葉が吹くオーブニカのメロディーが流れ、彼は1枚の真っ白なカードを取り出して見つめる。

 

『おのれを信じる勇気、変わることを恐れないで突き進む勇気、それが力になる・・・・・・!!』

 

紅葉が力強く、そう言い放つと何も描かれていなかったカードは聖剣を構えた1人のウルトラマンの姿の絵が浮かび上がる。

 

『これが本当の俺・・・・・・!! ファイトだ、俺!!!!!』

 

そして・・・・・・紅葉はオーブリングにそのカードをリードして読み込ませる。

 

『覚醒せよ! オーブオリジン!!』

 

すると、ゼッパンドンの尻尾部分から1つの光輝く剣のようなものが出現し、オーブの方へと飛んでいく。

 

『この光は・・・・・・!!?』

 

咄嗟にラグナ・・・・・・ゼッパンドンがその光の剣に手を伸ばすが、それは届かず、光の剣はオーブのカラータイマーの中へと吸収される。

 

それと同時に、インナースペース内の紅葉の持つオーブリングから1つの短剣、「オーブカリバー」が飛び出すと紅葉はそれを掴み取る。

 

『オーブカリバー!!』

 

そこからさらに中央のカリバーホイールという中央のリング部分を紅葉は回し、ハーモニカのメロディーのようなものが流れる。

 

そして、オーブの姿は変わり・・・・・・インナースペース内のオーブカリバーよりも巨大になった聖剣、「オーブカリバー」を構え、銀色の身体で上半身は主に赤いライン、下半身は主に黒いラインの入った姿・・・・・・。

 

これこそがオーブ本来の、真の姿・・・・・・。

 

紅葉は「ウルトラマンオーブ オーブオリジン」へと変身したのだ。

 

『バカな・・・・・・バカな!! その姿は・・・・・・!!』

 

その姿を見て、驚愕するラグナ。

 

『俺の名はオーブ!! ウルトラマンオーブ!!!! 銀河の光が、我を呼ぶ!!!!』

 

挿入歌「閃光Resolution」

 

その姿を見ると、穂乃果の頭の中でノイズのようなものが鳴り響き・・・・・・彼女は頭を抑え、頭の中にルサールカで戦うオーブの姿が頭に思い浮かぶ。

 

「っ、今のは・・・・・・私の、遠い・・・・・・記憶・・・・・・? そっか、ルサールカにいたかもしれないウルトラマンって・・・・・・」

 

それは、夢の中で出会った自分の前世と言っていた少女の記憶であることを、穂乃果はすぐに理解した。

 

そして、ルサールカにいたかもしれないと思われたウルトラマンが、オーブであることも。

 

「頑張れ・・・・・・頑張れえええええ!!!! ウルトラマンオーブウウウウウ!!!!」

 

だが、それを気にするのは今は後だ。

 

穂乃果が全力でオーブに声援を送ると、それに続くように海未達もオーブに声援を送る。

 

「しっかりオーブの勇士撮ってあげるからなー!!」

「頑張って、オーブ!!」

「負けたら承知しないからね!!」

 

穂乃果達の声援を受け、オーブは頷き、オーブカリバーを構えてゼッパンドンへと向かって行く。

 

ゼッパンドンは火球「ゼッパンドン撃炎弾」を次々とオーブに撃ち込んで行くが、オーブはオーブカリバーを振るってそれらを切り裂き、一気に詰め寄るとオーブカリバーを振るってゼッパンドンを斬りつける。

 

『シェア!!!!』

「グルアアアアア!!!!?」

 

それを受けてゼッパンドンもゼットンバルタンに姿を変えて3体に分身してオーブを取り囲み、両腕のハサミから光線を放つが、オーブは上空に飛んで攻撃を回避。

 

するとインナースペース内の紅葉はリング部分のカリバーホイールを回して風属性の紋章の部分で止め、トリガーを引き、再度ホイールを回すとオーブはオーブカリバーを振るう事で巨大な竜巻を起こす「オーブウインドカリバー」を3体のゼットンバルタンに繰り出す。

 

『オーブウインドカリバー!!!!』

 

その竜巻によってゼットンバルタンの3人を上空に巻き上げ、身動きの取れなくなった3体をオーブは纏めてオーブカリバーで切り裂く。

 

それによって2体の分身ゼットンバルタンは消滅し、本体であるゼットンバルタンは身体中から火花を散らしながら地上に落下。

 

同じくオーブも地上に降り立ち、ゼットンバルタンはゼッパンドンに姿を変えながら立ち上がる。

 

『ゼッパンドン・・・・・・!!』

 

ゼッパンドンは瞬間移動でオーブの背後に回り込み、紫の破壊光線を放つが、オーブは振り返りざまにオーブカリバーで光線を弾き、インナースペース内の紅葉はカリバーホイールを回して土属性の紋章の部分で止め、トリガーを引いて再びトリガーを回す。

 

『オーブグランドカリバー!!!!』

 

オーブはオーブカリバーを地面に突き立て、地を這いながら円を描くような光線を2発同時に放つ「オーブグランドカリバー」を繰り出す。

 

『ゼッパンドンシールド!!』

 

しかし、それを2つのゼッパンドンシールドで防ごうとするゼッパンドンだが、オーブグランドカリバーはシールドごと突き破ってゼッパンドンに直撃し、ゼッパンドンは大ダメージを受ける。

 

『ヌガアアア!!!!? まさか、シールドを破るとは・・・・・・!!』

 

そして紅葉はオーブカリバーをオーブリングにリードさせて読み込ませる。

 

『解き放て! オーブの力!!』

 

さらにカリバーホイールを紅葉は高速回転させてからトリガーを引き、オーブはオーブカリバーに宿る4つの属性とオーブ自身が持つ光と闇の力を結集し、掲げたオーブカリバーを円を描くように振るい、オーブカリバーを相手に向けて放つ虹色の必殺光線・・・・・・「オーブスプリームカリバー」をゼッパンドンへと放つ。

 

『オーブスプリームカリバー!!!!!』

『グウウウ・・・・・・ガアアアアアアアア!!!!!?』

 

オーブスプリームカリバーの直撃を受けたゼッパンドンは倒れ、爆発。

 

見事、オーブはゼッパンドンを倒し・・・・・・ラグナに勝利したのだった。

 

それによって変身が強制解除されたラグナはボロボロの状態で地面に倒れ込み、自身の手から滑り落ちたダークリングに向かい、必死に手を伸ばすのだが・・・・・・。

 

ダークリングは消え去り、それを受けてラグナは悲鳴にも似た声をあげるのだった。

 

「あ、あ、アアアアアア・・・・・・!!!!」

 

オーブが勝利したことで、海未と希は素直に喜び、にこも黙り込んだままではあったものの、どこか嬉しそうな顔をしていた。

 

そしてオーブは穂乃果に視線を下ろし、彼女にお礼を言うかのように頷いた後、オーブは空へと飛び立つのだった。

 

「オーブ、ありがとう・・・・・・守ってくれて・・・・・・」

「礼を言うのは、オーブの方だろうよ」

 

すると、不意に後ろから聞き覚えのある声が聞こえて振り返ると、そこには紅葉がこちらに向かって歩いて来ており、穂乃果は「お兄ちゃん!!」と嬉しそうに彼のことを呼ぶ。

 

「お前がオーブのことを、闇を照らして・・・・・・救ってくれたんだ。 太陽みたいに・・・・・・」

 

紅葉は穂乃果の頭を優しく撫で、それに照れ臭そうにする穂乃果。

 

「って紅葉!!? 帰って来たんですか!!?」

 

そこで海未達も紅葉の存在に気付き、彼女達は紅葉達の元へと駆け寄る。

 

「一体どこ行ってたんですか!? 心配したんですよ!?」

「心配かけて悪かったな」

 

家出して行方知れずになっていたことを海未は怒り、それに苦笑しながらも謝罪する紅葉。

 

「謝っても、私は許してやらないわよ」

 

そんな紅葉に、ジッと彼を睨みながらそう言葉を零すにこ。

 

それはきっと、紅葉が行方知れずになったことだけじゃなく、ギャラクトロンの件なども含まれているのだろう。

 

それを察し、ドキリとする紅葉。

 

「許して欲しかったら、今度は勝手にいなくなったりせず、最後までちゃんと私達をサポートしなさい! アンタは、μ'sのマネージャーなんだから」

 

そう言われて紅葉はなんだかおかしくなり、思わず笑ってしまう。

 

「何笑ってんのよ!!」

「いえ、すいません・・・・・・。 でも、はい! 約束します」

 

するとそこへ「おーい!!」という誰かの声が聞こえ、声のする方に顔を向けるとそこではことり、花陽、凛、真姫、絵里がこちらに向かって走って来ている姿が見え、彼女達は紅葉達の元へと駆け寄って来たのだ。

 

「みんな! どうしてここに?」

「希が撮った動画を観てここに来たのよ。 穂乃果もいるみたいだったし・・・・・・」

 

穂乃果の問いかけに対して真姫が応え、凛は紅葉の姿を見て彼を指差し「あー!! 紅葉くんもいたー!!」と言いながら彼に体当たりを繰り出す。

 

「うおっ!? 何すんだいきなり!?」

「心配かけた罰だにゃー!!」

「あっ、それとオーブの件なんだけど・・・・・・」

 

また、花陽が言うには希が撮った動画のおかげで軍隊もオーブを攻撃対象から除外したらしく、それを聞いて穂乃果は「やったー!!」と隣にいた海未に抱きつき、抱きつかれた海未は「ひゃっ!?」と小さな悲鳴をあげる。

 

「あっ、そうだ! お兄ちゃんこれ」

 

穂乃果は一度海未から離れると、オーブニカを紅葉に返し、紅葉はそれを受け取る。

 

「おぉ、ありがとな、穂乃果」

「うんっ」

 

オーブニカを受け取った紅葉は、穂乃果の顔を見つめながら微笑みを浮かべるのだった。

 

(ナターシャ、君の繋いだ命は150年後の未来を生きている。 ナターシャ、安心してくれ。 これから先の未来も、俺はずっと守り続ける・・・・・・。 この星に、命が続く限り・・・・・・)

 

紅葉は空を見上げ、それに釣られるように、穂乃果も空を見上げるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数ヶ月後、第1回ラブライブにはやはり穂乃果の回復が間に合わず、出場はできず、第1回ラブライブの優勝はA-RISEとなった。

 

だが、それでも穂乃果達はμ'sの活動を続け、今は学校の放課後・・・・・・屋上で紅葉と穂乃果は2人きりになり、紅葉はオーブニカを吹き、穂乃果はそれに合わせたメロディーを口ずさんでいた。

 

「『~♪』」

 

演奏が一通り終わると、穂乃果は紅葉の右腕に抱きつき、「えへへ~」と可愛らしい笑顔を見せる。

 

「どうした? 穂乃果?」

「ううん、ただ、嬉しいなって・・・・・・お兄ちゃんとこうしていられることが」

「そうか・・・・・・」

 

そんな穂乃果の言葉に、紅葉は笑みを浮かべるのだが・・・・・・そこで紅葉は「あっ」とあることに気づき、あたふたと慌てた様子を見せる。

 

「穂乃果!! あともう少しでライブじゃないのか!?」

「あっ、そ、そうだった!!?」

 

今日は穂乃果も完全に回復したということでファーストライブの時と同じ、講堂でライブをすることになっていたのだ。

 

「あわわわ!! ど、どうしよう!? 間に合わないよ~!!」

「ったく、しょうがねえ」

 

そう言うと紅葉は穂乃果を抱きかかえる。

 

マガグランドキングの時と同じように、所謂お姫様抱っこというやつだ。

 

「ひゃっ!? お、お兄ちゃん?」

「この方が早い」

 

それに顔を赤くする穂乃果だが、その状態のまま紅葉は構わず彼女を抱えて素早く講堂へと駆け出して行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、講堂では・・・・・・。

 

舞台裏では既に穂乃果以外のμ'sのメンバーが待機していたのだが、未だに穂乃果と紅葉もそこにおらず、にこは「アイツ等何してんの」とボヤいていた。

 

「うぅ、緊張する」

「ってか穂乃果ちゃん達待ってたら着替える時間がないんだけど・・・・・・凛達制服のままだよ!?」

「スクールアイドルらしくて良いんじゃない?」

 

花陽、凛、真姫がそう話し合い、にこは穂乃果と紅葉は間に合うのかと不安な気持ちを口にする。

 

「大丈夫、絶対来ますよ」

 

海未は絶対に間に合うと断言するのだが、そう言っている間にライブの時間となり、お客を待たせる訳にはいかない為、自分達だけでライブを先にやろうかと考えたが・・・・・・。

 

そこへ丁度、穂乃果を抱きかかえた紅葉が颯爽と現れる。

 

「「お待たせ!!」」

「いや、なんで紅葉は穂乃果をお姫様抱っこしてんの・・・・・・?」

「この方が早かったんで!!」

 

にこの疑問に答えつつ紅葉は穂乃果を下ろし、これで全員揃ったということで希はにこに部長としての一言をと頼む。

 

「じゃあ全員揃ったところで部長、一言!」

「えぇ!? なーんてね、ここは考えてあるわ! 今日みんなを、1番の笑顔にするわよ!!」

 

μ'sの9人は右手でピースサインを作り、それを円で囲むように合わせる。

 

「1!」

「2!」

「3!」

「4!」

「5!」

「6!」

「7!」

「8!」

「9!」

「よーし!! 行こう!!」

「あぁ、行って来い!!」

 

そして、講堂の舞台へと上がり、幕が上がるとそこには・・・・・・かつてそこが0だった会場が満席となっていたのだ。

 

そして、ライブの曲は・・・・・・ファーストライブの時と同じ、だが、今度は9人全員で歌う曲、「START:DASH!!」

 

「私達のファーストライブは、この講堂でした!! その時、私は思ったんです!! いつか、ここを満員にしてみせるって!! 一生懸命頑張って、今、私達がここにいる!! この思いを、いつかみんなに届けるって!! その夢が今日、叶いました!! だから、私達はまた駆け出します!! 新しい夢に向かって!!」

 

ライブを無事に終え、穂乃果は自分達の新しい決意をここに人々に伝え、新しい夢に向かって駈け出すことを宣言するのだった。

 

「皆さん!! 今日は本当にありがとうございました!! あっ、そうだ! 大事なことを言い忘れてました!!」

 

そこで穂乃果はふっとあることに気づき、一同が首を傾げるが、すぐに海未達は穂乃果が何を忘れていたのかに気付き、彼女達を笑顔を見せ、穂乃果は会場のみんなにも呼びかける。

 

「さぁ、皆さんご一緒に!!」

『μ's!! ミュージックスタート!!!!!』




あと、今回サブタイのやつ入れるの忘れてました・・・・・・後にどうにか見つけて書き足すと思います。
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